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しおりを挟む「可愛さに免じて、最初の1回だけは普通にイかせてあげますからね」
先ほどとは違い、程良い力でそれが握られる。何か悪い魔法にでもかけられたのか、こんな状況であるのにそれは徐々に硬度をもっていった。
「硬くなってきましたね。感じてしまっているのですか?」
「言う、なっ……!」
強制的に快感が引き出され呼吸が荒くなる。認めたくないのに、身体は熱さを増すばかりだった。限界まで硬くなったころ、先端のより快感を拾う部分を重点的に責められる。
「そろそろ、ですかね」
その言葉と共に、一際強い快感の波が押し寄せてくる。視界が白くなり、思考が決壊した。
「あっあぁっ……!」
生暖かい液体がリュウキの手の中へと流れる。あろうことかリュウキはその手を自分の口に近付け、ペロリと舐めとった。
「なに、して」
「濃いですね。溜まっていたのですか?」
その言葉に、行動に、羞恥心が増大していく。
「目をそらしちゃダメです。ちゃんと見てください。なんなら自分で舐めますか? それもいいかもですね」
リュウキの白濁にまみれた手が、じわじわと口に近付いてくる。
「いや、やだっ」
独特の鼻につく臭いが迫ってくる。情けないと思いつつも、泣きそうになるのを止められなかった。
「目が潤んでますよ。悔しいですか?」
口にべったりと自分のが付けられる。それを感じたくなくて、僕は必死に息を止めた。
「あら、泣いてしまわれましたか。さすがにハードルが高すぎましたかね」
そう言って彼は、僕の口の周りを舐めとった。キスというより、獣に舐められるような感覚。
「まだまだ音を上げるのは早いですよ。これから愁介様には、一人で気持ちよくなってもらいますから」
そう言ったリュウキの手には、何やら怪しげなボトルと小さな機械が握られていた。
「っ……!」
ボトルの中の冷たい液体が、後ろの窪みに塗りたくられる。突然の刺激に、息が詰まった。
「何を……!」
「すぐわかりますよ。即効性かつ持続性の高いものを作らせましたから」
「やめっ、触る、な……!」
リュウキが手に持った機械が窪みの中へと埋め込まれようとする。抵抗するも力の差は歴然で、押さえつけられた腕は少しも動かすことが出来ない。小型の機械は、意に反してナカへと飲み込まれていく。
「んんっ、くっ」
「入りましたね。ふふ、コードが尻尾見たいですよ?」
「抜けよ……!」
「抜くわけないじゃないですか。せっかく入ったんですから、楽しんでください」
そう言ってリュウキは見せつけるようにして、手に持った機械のボタンを押した。変な液体のせいか、未知の感覚にさえ身体が快感を拾い上げる。
「あっ、っーー!」
変な声が出そうになるのを、唇を噛んで必死にこらえる。甘い声を出したら、完全に負けてしまうような気がするからだ。
「頑張りますね。いいですよ、いじめがいがあります。では、私は少し仕事をこなしてきますね」
待て、これを外してくれ。そんな願いが口から出るより先に、無情にもその扉は開かれリュウキが外へ出て行こうとする。彼は最後に一度だけ振り返ってこう言った。
「苦しくなったら言ってくださいね。可愛くお願いしたら、助けてあげるかもしれませんよ」
パタン、と軽い音をたてて扉が閉まる。
「ふっ、っ」
もうこの部屋には誰もいないというのに、僕は必死に声を抑えていた。そんな僕を嘲るかのようにナカにあるバイブが強弱を変えながら振動する。
「やっ、やだ……っ!」
自分の心と身体が乖離しているみたいだった。薬の効果も相まって僕のソレは硬くなり、今にもその欲を吐き出そうとする。
「や、まって……」
生理現象だとわかっていても、ここで快感に身をまかせるなんて嫌だ。どうしても彼に屈するような真似はしたくない。その一心で、僕は痛くなるほどに反応し始めている性器を握りこんだ。快感と意地のせめぎあいに、身体が追いつかなくなる。
いつしか僕は、また意識を手放していた。
* * *
「あら、トんでしまいましたか」
数時間後、リュウキは戻ってきた。愁介の周りに広がるシミは、もう既に乾ききっている。
「まぁ聞いてたんですけどね」
愁介のナカからゆっくりとバイブを引き抜く。そうすれば、んっ、と小さな色っぽい声を出して愁介が身じろいだ。
「ほんと強情ですね。もっと狂ってくれるのを期待していたのですが……」
それでも起きる気配のない愁介の隣に腰を下ろし、優しく髪を撫でた。
「あなたが諦めるまで、ずっとこのままですからね。せいぜい、壊れないよう頑張ってください」
リュウキは愁介の身体を軽々と持ち上げて、浴室へと向かった
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