お父さんのことを探すついでに、もう一度最強になります!

桜さき

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女神の子供②

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『どういうことよ!?』
いや、それは私が聞きたい。
「「あ、あの…」」
私の後ろから水の女神の子供達がタジタジと出てきた。
そうだった。今はこの子のことをなんとかしなくちゃ。
魔眼を持ってるって言ったけど…
少しは警戒しなくちゃね。
「こんにちは。私はダイアナ。9歳よ。あなたは?」
「こ、こんにちは。アクアです。」
「私は、マリンです。」
少年は糸のような白い髪にルビーのような赤い目、少女はブラックオパールのような黒髪にサファイアのような深く、綺麗な青い目。
「だ、大聖女様、すみません。」
「ダイアナでいいよ。あとタメ口でね。マリン、なんで謝るの?」
「だ、だって…」
マリンは指を擦り合わせながら、黙り込んだ。
「もしかして、自分達がそんな見た目だから?」
二人は下を向きながら頷いた。
やっぱり。
私は二人の手を取った。
「アクア、マリン、私はね、人のことを見た目で判断しない。知ってた?全ての生き物はね、中身が一番大事なの。あとね、二人はすごい綺麗よ。アクアのキラキラ光る赤い瞳も、シルクの糸のような白い髪も、マリンのブラックオパールのような髪も、サファイアのような深い青の目も、私は大好きよ!」
私はにっこり笑った。
本心で話した方が、自信の無い人は元気になる。
以前の私のように。
「「だ、ダイアナ様…」」
二人は泣きそうな顔で抱きついてきた。
「ありがとうございます。ダイアナ様。僕、アクアはダイアナ様に女神の誓いをします!」
「わ、私も!この八つの魔眼はダイアナ様のために使います!女神の誓いもします」
え、ええええっ!?
確か、女神の誓いって一回立てたら死ぬまで一緒にいなくちゃいけなくなるよね?
二人は、それでいいのかな?
『ダイアナ、神にまで好かれるのは変わってないのね。』
(そうみたい。)
そういえば、二人とも魔眼を持ってるんだよね。
一人四つ。
合計八つ。
確か…
水の竜帝のサファイアの瞳
炎の竜帝のルビーの瞳
崩壊の竜帝の黒い瞳
治癒の竜帝の白い瞳
創造の竜帝のオパールの瞳
未来予知のムーンストーンの瞳
防御のグレーの瞳
そして、最後は奇跡の瞳と呼ばれる三つ目の目。
この子達、将来大物になりそうね。
でも、このまま放っておいたら魔眼が暴走しちゃうかもしれない。
それなら…
「アクア、マリン、私ね、お父さんのことを探しに行くんだけど、一緒に来ない?」
「「いいんですか!?」」
「もちろん!でもね、お父さんのことを探す前に色々なところに行くんだけど、それでもいい?」
二人は嬉しそうに頷いた。
「よろしくね!アクア、マリン!」
「「はい!ダイアナ様!」」
私達はエルンに乗り、次の目的地に向かった。
「ダイアナ様、どこに行くんです?」
元気になったアクアが後ろから聞いてきた。
「精霊の森!」
アイリナだった時に契約した精霊達を召喚するために使っていたアミュレットが精霊の森にあるんだよねえ。
残ってるかは知らないけど。
後、天界と魔界に導いてくれるコンパス、聖獣と神獣を呼び出すピアス、聖物と聖剣を呼び出すブレスレットもおいてきちゃったなあ。
早く回収しなくちゃ。
(エルン、なるべく急いで!)
『了解!』
吹っ飛ばないくらいのスピードで空を飛んでいると、アクアに肩を叩かれた。
「ダイアナ様、精霊の森に寄った後、どうするんですか?」
そういえば考えてなかったな…
「とりあえず、精霊の森に行った後は竜の洞窟に戻る予定。一週間、いや、1日で竜の試練を終わらせてみたいんだ。」
『ダイアナ、あなた正気なの!?』
「ダイアナ様、竜の試練って何ですか?」
マリンが後ろからひょこっと顔を出した。
「エルン、説明よろしく。」
『はぁ…。了解。』
流石エルン!心が広いね!
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