メンヘラチック恋愛論

さらら

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賭けをして。

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 これは、先生の話である。

 ×××学園、生物教師。心の底からペンギンと植物を愛している変人なことで有名な、私達の先生のお話である。ちなみに、無駄にイケメン。

「せんせー、約束だったじゃないですかぁー」

「……あー、うん……」







先生の恋バナが聞きたい。

 一週間ほど前、どこからともなく出てきたその意見は、私達のクラスを想像以上に湧かせることとなった。

 まぁ、それもそのはず。

 自称進学校のこの学校。授業は毎日きっかり六時間、週三回近くの補習があるときさえある。

 そしてあのとき、私達は定期テスト数日前だったのだ。

 要するに、鬱憤が溜まりに溜まっていた。

『……まぁ、ねぇ…… うん、定期テストで満点取れた人がいたら考えるよ』

生物は難しいことで有名だ。だからつまり、そう言った先生にはあのとき教えるつもりなどさらさらなかったのである。

 なのに。想定外のこと、というのはこういうときほど起こるのだ。

 杉内香織。暗記に負けなし、誰もが認める大天才。

「え、満点ー!?」

「さすが香織サマ!」

「天才すぎん?」

クラスメイト全員の、愉しげな、腹いせも込められた尋問会が始まった。


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