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プロローグ
第1話
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轟音が轟き、地が割れ、風が吹き荒れ、雷が落ちる。
その魔法が向かう先には黒髪の少年が同年代であろう少女を庇いながら立っていた。
本来なら確実に少年と少女の命を奪うであろうそれらは少年の腕の一振りで消滅し、それらを放った魔導師が吹き飛ばされる。
「はぁ……はぁ…っ!くそったれが…っ」
疲弊した身体を酷使していた少年が倒れた魔導師達の背後から現れた者達を認識して崩れるように膝をつく。
「これは…とんでもないね…」
「最初の報告より、三倍くらい増えてねぇか?」
「最初の報告では一万人強。今現在は認識できるだけで四万人は超えてますね」
「……」
空から舞い降りるように現れたのは四人の男性と女性。全員が整った顔をしているが中身はそれとは別物。
彼等は世界最強と呼ばれる魔導師達だ。
「魔導団の次は…魔導王ってわけ…か」
息を整えた少年が彼等を見据え新たな魔法を開始する。
「──そう簡単に撃たせると思ってんのか?」
だが、彼等の内の一人が少年が魔法を放つ前に背後へと現れる。
「発動─【雷神の鉄槌】」
金髪を刈り上げた男性が振り上げた腕を振り下ろすと同時に天を覆っていた雲が裂け金色の一線が少年を襲った。
だが。
「そんな事──知ってるよ」
突如として少年と少女を守るようにして半円の魔法陣が現れる。
魔法陣は男性が放った魔法と衝突し──双方が消滅した。
「んなっ!ふざけろっ…!」
その現象に意識を奪われた男性は懐に迫る少年にその一撃を許してしまう。
「発動─【雷神の鉄槌】」
先程男性が放った魔法と同じ魔法を男性より速く、鋭く、巨大な魔法が男性の身を焦がし、直撃した男性は彼方へと吹き飛ばされる。
「──恐ろしいですね。その技術と眼は。ですが今の君はちょっと大き過ぎる弱点を抱えています」
「……」
「この少女、君の妹はここに連れてくるべきではありませんでしたね」
二人目の男性、長い銀髪を一つに束ねた男性と白い長髪が特徴的な女性が少女──少年の妹の首元に手を添える。
「…君は余りにも強すぎる。正面から戦えば我々は手も足も出ないでしょう。ですが、今回君が背負ったハンデは大きすぎた。それだけの事です」
男性が喋り終えると最後の一人、青い髪を肩の上で切り揃えた女性が少年に手を向け、その魔法を発動した。
「発動─【炎神の一閃】」
天から振り下ろされた炎の一撃は人質を取られ動けない少年を確かに捉え、その存在を焼き尽くした──かに思えた。
「バカなッ─有り得ないっ……!」
焦土と化した大地の上。煙の中から姿を現したのは──無傷の少年だった。
「──良いものを見せてやる」
少年が腕を振り上げる。
彼等は突然の事に意識を奪われていたが少年の動きを確認し、少女に魔法を発動する。
だが。
「なっ、何処に──」
「ここ…です」
「……う…そ」
少女は既に彼等から距離を取り少年の背後へと移動していた。
少年は少女を一瞥し微笑んだ後、彼等を見据え一つの魔法を起動した。
「起動─」
「それ…は」
「失われた魔法─古代魔法……」
「……」
少年は一度眼を閉じ──その魔法を口にした。
「─【理の否定】」
少年の手から放たれた光は全方位に広がり近くにいた三人は勿論、彼方へと吹き飛ばされ気を失っていた男性、辺りに転がっていた四万人を超える魔導師をも飲み込み──そして消えた。
「……アレを耐えるか」
「……ガッ…はぁはぁ」
「グッ……」
「……ッ…!」
彼等の全身は不自然に傷つき、彼等の魔力は既に枯渇寸前で後一撃でも喰らえば存在ごと消し飛ぶ。
「【理の否定】を受ける寸前に魔法障壁に魔力の殆どを流し込み、何重にも厚く貼る事で直撃だけは免れた、と」
「はぁはぁ、…やはりアレは、古代魔法…」
少年は男性の言葉を無視して、三人に近づく。
三人は咄嗟に警戒するが、既に魔力は枯渇寸前、体力も底をついている。
そんな状態でまともな動きができるはずもなく、直ぐにその場に這いつくばってしまう。
少年はそんな事は御構い無しに、三人に近づき彼等の目の前に座り込む。
「おい、お前らに聞きたいことがある。」
三人は少年の言葉に警戒を露わにするが少年の口から出たのは余りに予想外な言葉だった。
「魔導師の国──【学園都市】にはどうやって行けばいい?」
その魔法が向かう先には黒髪の少年が同年代であろう少女を庇いながら立っていた。
本来なら確実に少年と少女の命を奪うであろうそれらは少年の腕の一振りで消滅し、それらを放った魔導師が吹き飛ばされる。
「はぁ……はぁ…っ!くそったれが…っ」
疲弊した身体を酷使していた少年が倒れた魔導師達の背後から現れた者達を認識して崩れるように膝をつく。
「これは…とんでもないね…」
「最初の報告より、三倍くらい増えてねぇか?」
「最初の報告では一万人強。今現在は認識できるだけで四万人は超えてますね」
「……」
空から舞い降りるように現れたのは四人の男性と女性。全員が整った顔をしているが中身はそれとは別物。
彼等は世界最強と呼ばれる魔導師達だ。
「魔導団の次は…魔導王ってわけ…か」
息を整えた少年が彼等を見据え新たな魔法を開始する。
「──そう簡単に撃たせると思ってんのか?」
だが、彼等の内の一人が少年が魔法を放つ前に背後へと現れる。
「発動─【雷神の鉄槌】」
金髪を刈り上げた男性が振り上げた腕を振り下ろすと同時に天を覆っていた雲が裂け金色の一線が少年を襲った。
だが。
「そんな事──知ってるよ」
突如として少年と少女を守るようにして半円の魔法陣が現れる。
魔法陣は男性が放った魔法と衝突し──双方が消滅した。
「んなっ!ふざけろっ…!」
その現象に意識を奪われた男性は懐に迫る少年にその一撃を許してしまう。
「発動─【雷神の鉄槌】」
先程男性が放った魔法と同じ魔法を男性より速く、鋭く、巨大な魔法が男性の身を焦がし、直撃した男性は彼方へと吹き飛ばされる。
「──恐ろしいですね。その技術と眼は。ですが今の君はちょっと大き過ぎる弱点を抱えています」
「……」
「この少女、君の妹はここに連れてくるべきではありませんでしたね」
二人目の男性、長い銀髪を一つに束ねた男性と白い長髪が特徴的な女性が少女──少年の妹の首元に手を添える。
「…君は余りにも強すぎる。正面から戦えば我々は手も足も出ないでしょう。ですが、今回君が背負ったハンデは大きすぎた。それだけの事です」
男性が喋り終えると最後の一人、青い髪を肩の上で切り揃えた女性が少年に手を向け、その魔法を発動した。
「発動─【炎神の一閃】」
天から振り下ろされた炎の一撃は人質を取られ動けない少年を確かに捉え、その存在を焼き尽くした──かに思えた。
「バカなッ─有り得ないっ……!」
焦土と化した大地の上。煙の中から姿を現したのは──無傷の少年だった。
「──良いものを見せてやる」
少年が腕を振り上げる。
彼等は突然の事に意識を奪われていたが少年の動きを確認し、少女に魔法を発動する。
だが。
「なっ、何処に──」
「ここ…です」
「……う…そ」
少女は既に彼等から距離を取り少年の背後へと移動していた。
少年は少女を一瞥し微笑んだ後、彼等を見据え一つの魔法を起動した。
「起動─」
「それ…は」
「失われた魔法─古代魔法……」
「……」
少年は一度眼を閉じ──その魔法を口にした。
「─【理の否定】」
少年の手から放たれた光は全方位に広がり近くにいた三人は勿論、彼方へと吹き飛ばされ気を失っていた男性、辺りに転がっていた四万人を超える魔導師をも飲み込み──そして消えた。
「……アレを耐えるか」
「……ガッ…はぁはぁ」
「グッ……」
「……ッ…!」
彼等の全身は不自然に傷つき、彼等の魔力は既に枯渇寸前で後一撃でも喰らえば存在ごと消し飛ぶ。
「【理の否定】を受ける寸前に魔法障壁に魔力の殆どを流し込み、何重にも厚く貼る事で直撃だけは免れた、と」
「はぁはぁ、…やはりアレは、古代魔法…」
少年は男性の言葉を無視して、三人に近づく。
三人は咄嗟に警戒するが、既に魔力は枯渇寸前、体力も底をついている。
そんな状態でまともな動きができるはずもなく、直ぐにその場に這いつくばってしまう。
少年はそんな事は御構い無しに、三人に近づき彼等の目の前に座り込む。
「おい、お前らに聞きたいことがある。」
三人は少年の言葉に警戒を露わにするが少年の口から出たのは余りに予想外な言葉だった。
「魔導師の国──【学園都市】にはどうやって行けばいい?」
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