前世の幸福ポイントを使用してチート冒険者やってます。

サツキ コウ

文字の大きさ
33 / 50
第2章 王都にて

第29話 龍の巣

しおりを挟む
 僕は飛龍ワイバーンが村からグタンを奪って大森林の方角へ飛び去って行くのを見送ると、夜が明けるの待ってから大森林へ黒狼を伴って捜索を開始した。

 前日の飛龍ワイバーン襲撃の際に黒狼は村の外にいたのだが、相手の姿は確認出来た様なので、大森林に入ってからは先行して飛龍ワイバーンの捜索を任せる事にした。
 捜索途中で他のモンスターに遭遇した際は出来るだけ戦闘は避け、やむを得ずに戦闘になり、勝利した場合は人化して素材を確保。万一勝てない様な相手だった場合は僕を呼ぶ様に事前に注意してあるので問題ないだろう。

 こうして僕は飛龍ワイバーンの捜索は黒狼に任して、無理のない様に大森林の奥へと入って行った。

「やっぱりこうして見ると、動物が少ないな」

 僕は歩みを進めながら、大森林に暮らす生物を探していた。
 良く見ると大森林自体も前回の日照りの影響が見て取れる。
 外見からは判りづらいが、内部に入って行くと草木に瑞々しさがない事が判るし、なにより動物達の暮らす痕跡がほとんど発見出来ない。
 これでは飛龍ワイバーンがわざわざ村まで来て食料を求めたのか十分に理解出来る。
 しかもあの飛龍ワイバーンは、村には必要以上の被害を与える事をしないで住処へ戻って行った。

「新しい餌場を必要以上に荒らさずに、定期的に現れるところを見ると知能も高い様だ。
 なにしろ声を発したのだからテイムするのにも交渉が楽に出来るかもしれない」

 モンスターを支配テイムするには幾つかの方法がある。
 まずは自分が相手よりも強者であることを示して主従契約を交わす。(黒狼を支配テイムした時はこの方法を使った)
 二つ目は相手と交渉することで支配テイムを受け入れてもらう。
 最後は実に希なことだが、相手から支配テイムを申請される事もあるらしい。(実際に過去に数例あったとの記録がある)

「とにかく、直接飛龍ワイバーンに接触してみないことには何も始まらないからな」

 僕が思案しながら歩いていると、黒狼から念話が届いてきた。

飛龍ワイバーンの住処を発見しました。
 飛龍ワイバーンは自分の存在に気が付いていないのか、微動だにせずにいますがこのまま監視を続けますか?)

 黒狼の問いに僕はすぐに戻って道案内してほしいと告げると、念話を切ってから食事の支度をした。
 黒狼は本来野生のモンスターなので僕とは食生活が違うのだが、人化した際の変化なのか、人と同じ食事も食べられる様になった。
 今では僕の作る食事の方が好物になり、行動を共にする時には食事を一緒に摂る様になっている。
 最近では食材は黒狼が調達して、僕が調理する流れが確立されてきた。

 そうして僕が食事を作る準備を終える頃、探索を終えた黒狼が戻ってきた。
黒狼は僕の下へ戻るとすぐに人型になり、携帯していたアイテムボックスの中から今回調達してきた食材を取り出した。

「お疲れ様。まずは食事にしようか」

 僕は黒狼から渡された食材を使って簡単な料理を作って食事にした。

「いつもながらライル様の作る料理は美味ですね」

 人型になった黒狼は僕の向かいに座って嬉しそうに料理を食べている。

「別に大した物でもないよ。
 黒狼が取ってきた動物の肉に簡単な味付けをして焼いただけだしね」

「いいえ、今まで野生で生きてきた私にとってはこの上ない御馳走ですよ。
 普段は自分で狩った獲物を生のまま食べるだけですから、ライル様と行動を共にする様になれて本当に良かったです」

「まぁいいや。
 とにかく食事が済んだら君が見つけた飛龍ワイバーンの住処まで案内してもらうからね」

 僕は自分の食事を済ましてから未だに食事続ける黒狼に言うと、ここから移動する準備を始めた。


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

R・P・G ~女神から不死にされた俺、裏ボス級の従者たちと戦乱の異世界を統治します~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。 凛人はその惑星の化身となり、"星を継ぐ者"として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。 だが、不死となった代償として女神から与えられた使命は無慈悲なものであった…… そして凛人は史上最強の頼りになる仲間たちと共に、与えられた運命に抗う。 同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!? 一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界英雄譚、ここに開幕!

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...