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第2章
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体調が悪いと言ったせいで医者を呼ぶ羽目になったが、やっとラウルは部屋で1人になることができた。
(はぁ・・・・・・・・これからどうしようかな。今まで襲われても魔法で撃退できてたから今回は完全に油断したな。もし俺があの時剣でも使えていたならスペンサーは助かったのかも。・・・・・・・・今更何を考えても無駄だけど)
そして遠い目をしたラウルはそっと呟いた。
「それに・・・・・・どうせ裏切られるんならもう最初から誰とも関わらないで生きていきたい。
・・・・・・・・どれだけ親友でも所詮人の心なんて理解できないんだし・・・」
過去のことを思い出してはあっと一息つく。
(せっかく過去に遡れたんだし将来のことを考えるか。これから冒険者にでもなって色んな世界を旅して生きていくのもいいな。でも俺の家代々魔法家系の貴族だから反対されるだろうな。それに今度魔法が使えなくなったときのために剣術も習わないと・・・・・・・・やることが多すぎる・・・・・・・・
ラウルはそう言うとベッドの上で唸っていた。
♦︎
色々考えているといつの間にか夕食の時間になっていたラウルは、食堂へと足を運んだ。
そこには、冷酷そのようなものの顔をした父フリードリッヒとその真逆のような優しい笑みを浮かべた母マリーがいた。
「あら。ラウルあなた今日は体調が悪いと執事から聞いたけど大丈夫なの?」
「はい。ご心配をおかけして申し訳ございません。明日からはちゃんと勉強に取り組みます」
そう言うと2人は驚いた面持ちをして
「ラウル?あなた何かあったの?まだ体調が優れないんじゃない?とてもしんどそうな表情をしているわ。それになんだかいつもより大人びた話し方をするのね」
「ラウル。何かあったなら私たちに言いなさい。しんどいのならゆっくり休んでもいい」
それを聞いたラウルは、今まで起きたことを思い出して泣きそうになるが手を強く握りしめなんとか笑顔を作った。
「お父様、お母様大丈夫です。ただ少ししんどかっただけです。何もないので早くご飯にしましょう」
「それならいいのよ。あんまり無理しないでね」
そう言ってマリーは微笑んだ
(2人に心配はかけたくない。俺が一人耐えればいいだけだ)
食事が始まってからしばらくして、ラウルはナイフとフォークをおいた。
「ラウル?どうしたの?食欲がないの?」
「いえ。ただ2人に話しがあって。お・・・ぼく将来冒険者になりたいんです。ダメですか?」
それを聞いた2人は大きく目を見開き、マリーは心配そうな目でフリードリッヒを伺った。
「ゴホン。ラウルそれはどうしてだ?以前まで宮廷魔法師になりたいと言っていなかったか?もうすぐお前の魔力検査が行われるが、言うまでもなくお前の魔力量は多いだろう」
(確かに俺は5歳の時に魔力検査で普通よりも多い魔力量をもっていた。それは一族全員魔力量が多かったからだ。でも、魔力が多くたって魔法が使えなくなればなんの意味もないとアベラルドのおかげで気づいたがな。)
「お・・・・・僕は、確かに以前まで宮廷魔法師になりたいと思っていました。しかし、最近冒険者の本を読み、僕も多くの世界を見て旅をしたいと思ったのです。・・・・・・この家が宮廷魔法師として抜擢されたことによって貴族になったことは知っています。でも、僕は広い世界を知りたいんです。
・・・・・・・・ダメですか?」
「・・・・・・・・ダメだとは言っていない。お前の人生だ。好きに生きるといい。でも1つ条件がある。魔法学校を5番以内に卒業しろ。冒険者として生きるなら常に危険と隣合わせだ。学校を5番以内に卒業できないなら所詮その程度の気持ち、私を納得させるには気持ちだけじゃなくその証拠をみせなさい。」
フリードリッヒはラウルの目を真っ直ぐに見つめ、落ち着いた口調で話した。
(まさか、冒険者になることを許してくれるとは思いもしなかった。でもそうか。学校にまた行かないといけないのか。そうなると、アベラルドとは必然的に会う・・・・・俺とアベラルドが出会ったのも学校からだし。もう二度と顔は見たくないと思っていたがこればかりは仕方ない。まぁ話さなければ大丈夫だろう)
「分かりました。あともう一つお願いがあります。剣術を習いたいです」
「それは・・・・・・・・なんでだ?魔法と剣術両方なんか使っても意味がないだろ。魔法だけではダメなのか?」
フリードリッヒはやや浮かない顔でラウルを見つめていたが、マリーが急に口を開いた。
「あなたいいじゃない。ラウルがしたいのならそれで。きっとこの子も何か考えがあるのよ。親の私たちは子供がしたいことを支えてあげましょう。」
「それでも剣術はなぁ・・・・・・・・こんなに小さいのに剣を握れるかどうか。仕方ない。あいつに頼んでみるか。あの脳筋にお願いするのは癪だが」
(お父様。剣くらいもてます。子供はみんな小さいです。余計な一言です。前の人生も小さいとは言われたけど、これから縦にも横にもビルドアップしていくつもりです。絶対に)
ラウルは、小さいと言われることが地雷ワードなのは今も前の人生も変わらなかった。
(はぁ・・・・・・・・これからどうしようかな。今まで襲われても魔法で撃退できてたから今回は完全に油断したな。もし俺があの時剣でも使えていたならスペンサーは助かったのかも。・・・・・・・・今更何を考えても無駄だけど)
そして遠い目をしたラウルはそっと呟いた。
「それに・・・・・・どうせ裏切られるんならもう最初から誰とも関わらないで生きていきたい。
・・・・・・・・どれだけ親友でも所詮人の心なんて理解できないんだし・・・」
過去のことを思い出してはあっと一息つく。
(せっかく過去に遡れたんだし将来のことを考えるか。これから冒険者にでもなって色んな世界を旅して生きていくのもいいな。でも俺の家代々魔法家系の貴族だから反対されるだろうな。それに今度魔法が使えなくなったときのために剣術も習わないと・・・・・・・・やることが多すぎる・・・・・・・・
ラウルはそう言うとベッドの上で唸っていた。
♦︎
色々考えているといつの間にか夕食の時間になっていたラウルは、食堂へと足を運んだ。
そこには、冷酷そのようなものの顔をした父フリードリッヒとその真逆のような優しい笑みを浮かべた母マリーがいた。
「あら。ラウルあなた今日は体調が悪いと執事から聞いたけど大丈夫なの?」
「はい。ご心配をおかけして申し訳ございません。明日からはちゃんと勉強に取り組みます」
そう言うと2人は驚いた面持ちをして
「ラウル?あなた何かあったの?まだ体調が優れないんじゃない?とてもしんどそうな表情をしているわ。それになんだかいつもより大人びた話し方をするのね」
「ラウル。何かあったなら私たちに言いなさい。しんどいのならゆっくり休んでもいい」
それを聞いたラウルは、今まで起きたことを思い出して泣きそうになるが手を強く握りしめなんとか笑顔を作った。
「お父様、お母様大丈夫です。ただ少ししんどかっただけです。何もないので早くご飯にしましょう」
「それならいいのよ。あんまり無理しないでね」
そう言ってマリーは微笑んだ
(2人に心配はかけたくない。俺が一人耐えればいいだけだ)
食事が始まってからしばらくして、ラウルはナイフとフォークをおいた。
「ラウル?どうしたの?食欲がないの?」
「いえ。ただ2人に話しがあって。お・・・ぼく将来冒険者になりたいんです。ダメですか?」
それを聞いた2人は大きく目を見開き、マリーは心配そうな目でフリードリッヒを伺った。
「ゴホン。ラウルそれはどうしてだ?以前まで宮廷魔法師になりたいと言っていなかったか?もうすぐお前の魔力検査が行われるが、言うまでもなくお前の魔力量は多いだろう」
(確かに俺は5歳の時に魔力検査で普通よりも多い魔力量をもっていた。それは一族全員魔力量が多かったからだ。でも、魔力が多くたって魔法が使えなくなればなんの意味もないとアベラルドのおかげで気づいたがな。)
「お・・・・・僕は、確かに以前まで宮廷魔法師になりたいと思っていました。しかし、最近冒険者の本を読み、僕も多くの世界を見て旅をしたいと思ったのです。・・・・・・この家が宮廷魔法師として抜擢されたことによって貴族になったことは知っています。でも、僕は広い世界を知りたいんです。
・・・・・・・・ダメですか?」
「・・・・・・・・ダメだとは言っていない。お前の人生だ。好きに生きるといい。でも1つ条件がある。魔法学校を5番以内に卒業しろ。冒険者として生きるなら常に危険と隣合わせだ。学校を5番以内に卒業できないなら所詮その程度の気持ち、私を納得させるには気持ちだけじゃなくその証拠をみせなさい。」
フリードリッヒはラウルの目を真っ直ぐに見つめ、落ち着いた口調で話した。
(まさか、冒険者になることを許してくれるとは思いもしなかった。でもそうか。学校にまた行かないといけないのか。そうなると、アベラルドとは必然的に会う・・・・・俺とアベラルドが出会ったのも学校からだし。もう二度と顔は見たくないと思っていたがこればかりは仕方ない。まぁ話さなければ大丈夫だろう)
「分かりました。あともう一つお願いがあります。剣術を習いたいです」
「それは・・・・・・・・なんでだ?魔法と剣術両方なんか使っても意味がないだろ。魔法だけではダメなのか?」
フリードリッヒはやや浮かない顔でラウルを見つめていたが、マリーが急に口を開いた。
「あなたいいじゃない。ラウルがしたいのならそれで。きっとこの子も何か考えがあるのよ。親の私たちは子供がしたいことを支えてあげましょう。」
「それでも剣術はなぁ・・・・・・・・こんなに小さいのに剣を握れるかどうか。仕方ない。あいつに頼んでみるか。あの脳筋にお願いするのは癪だが」
(お父様。剣くらいもてます。子供はみんな小さいです。余計な一言です。前の人生も小さいとは言われたけど、これから縦にも横にもビルドアップしていくつもりです。絶対に)
ラウルは、小さいと言われることが地雷ワードなのは今も前の人生も変わらなかった。
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