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番外編 IF 野猿な囚人 4.面会人
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リーリアがいるこのアウスフォーデュ修道院は「修道院」という呼び名であるが、実質は女性刑務所の役割をしている施設である。
そのため、外部からの面会をする時は、逃亡防止の厳重に管理された面会室での面会が許可されている。
リーリアが新人歓迎戦で勝利してから、数週間後、ミランダに面会人が来た。
サリッド侯爵子息のディオンであった。
そもそも、ミランダが捕まったのは、ミランダは伯爵令嬢にも関わらず婚約者がまだ決まっていなかっため、上位貴族の子息を中心に婚活をしていて、とある王族血筋の上位貴族子息と接触した際にトラブルに巻き込まれ、他国のスパイをしたという冤罪をかけられ、アウスフォーデュ修道院に送られた。
ディオン・サリッドは、学院側からの調査として、学院内で起きたこのミランダの事件をミランダへの冤罪を晴らすために調べてくれている人物であった。
そして、度々ミランダの元に訪れ、調査の進み具合や、差し入れをミランダに持ってきてくれていた。
「ミランダ嬢、体調はいかがですか?悪くしておりませんか?」とミランダを気遣うディオン。
「ええ、ディオン様。おかげさまで大丈夫です」
「……前にお会いした時よりも、大分細くなられていますね。
本日も差し入れをお持ちしましたので、あなたが食べてくださいね」と心配そうに言うディオン。
「まあ、ありがとうございますディオン様。是非、頂きます!」と丁寧にお礼をいい、嬉しそうに答える一方で、心の中では苦笑するミランダ。
ミランダはディオンなどから貰う差し入れをうまく使って、危機を回避したり、ボス達に取り入ったりしているので、ディオンが心配するようにミランダが実際に食べられる分は少ないため、それに気づかれて、申し訳なくも思うミランダであった。
「それで、あなたの調査についてですが……」
「はい、何か進展がございますか?」
「私の力が及ばず、あまり進展しておりません。本当に申し訳ございません」と謝るディオン。
「いえ、そんな……。ディオン様はとても頑張ってくださっておりますわ」と言いつつも、がっかりするミランダ。
「調査は必ず私が責任をもって進めます!ただ、ちょっとこちらの学院側で問題がおきまして……」
「まあ、どんな問題が?」
「……リーリア公爵令嬢が数週間前にこちらにいらしておりませんか?」
「ええ!リーリアとは私、お友達になりました!!」
「ああ、よかったです!
無事に過ごしていらっしゃるのですね。
しかも、あなたが友人として側にいるのなら、心強いですね」
「あ、もしかして、ディオン様はリーリアの冤罪についても調べられているのですか?」
「いえ。リーリア嬢の罪については、誰も手をつけられず、調査できない状態です」
「え?でも、彼女の話を聞いた限り、冤罪としか思えないのに……」
「そうです。
学院のほとんどがリーリア嬢の無罪を知っているはずなのに、肝心の兄君のアーサー様や婚約者のセリウス殿下がそれを認めず、圧力をかけているため、誰も助けるために動くことができないのです。
そして、リーリア嬢の父君、メナード公爵までも動くに動けない状況です。
……あなたは、メナード公爵家に新しく養女になられたアリーシア嬢をご存じでいらっしゃいますか?」
「ええ。リーリアから聞きました。確か隣国の姫君のお子様で……」
「そうです。そのアリーシア嬢が、今の学院に主な問題を引き起こしておりまして……」
「そうなのですね……。今日はリーリアの様子を確認するようにセリウス様やアーサー様の依頼もあってこちらにいらしたのですか?」
「いいえ。こちらに来ることはむしろ彼らには秘密にしてきました。
今、下手にリーリア嬢の件に手を出しては、あなたの調査に支障がでるのを避けられなくなるので……。
あなたを罠にはめた奴が王族血筋のため、奴を追い詰める証拠を確実に集められるようにアーサー様を通じてセリウス殿下に後見をお願いしていたのですが、そのアリーシア嬢がセリウス様の側にいるようになってからは、うまくいっておりません。
そのため、あなたのお父上であるローエリガー伯爵にもご助力をいただき、王妃様の後見を打診しているところです。だから、今しばらく、この修道院で耐えてください」と言って辛そうな表情をするディオン。
実はディオンはミランダが捕まる以前からミランダを慕っており、ミランダが冤罪で捕まった時から、そのまま自分がミランダを攫って逃げたいと思ったくらいであった。
しかし、まだその頃のミランダはディオンとそれ程、面識がなく、ディオン自身もサリッド侯爵家に迷惑をかけるわけにもいかないので、時間はかかるが正当な方法でミランダを救おうとしていた。
今回、アリーシア・メナードの逆ハーレム形成により、学院は荒れ、次々と問題が生じていた。
本来なら、リーリアの兄であるアーサーやこの国の第2王子であるセリウスが中心になって学院の問題を解決するはずなのに、その当人達がアリーシアの逆ハーレムの一員であるため、その処理にはディオンが中心になって駆けずり回って対応していた。
そのせいで、ミランダを救い出すための調査や証拠集めに、時間も人手も足りず、色々とうまくいっていなかった。
事件の解決が長引けば長引くほど、それだけミランダがこの修道院に居なければならない期間が延びて、ミランダの身が危険に晒されることになり、ディオンは焦っていた。
ディオンは、ミランダが誰よりも心配で、すぐにでもこんなところから連れ出したい気持ちをぐっと抑えて、ミランダに別れを告げて、王都に帰っていった。
ミランダは、そんなディオンのことを感謝するだけでなく、ミランダ自身もディオンを慕うようになっていた。
もちろんミランダもさすがにディオンの自分に対する気持ちに気づいていた。
しかし、たとえ冤罪でもこのアウスフォーデュ修道院に送られた身である自分が、罪が晴れてここを出たとしても、まともな貴族令嬢として生きられるとは思わなかった。
ましてや、侯爵家の跡継ぎであるディオンと結ばれることは決してないこともよくわかっており、切ない気持ちを募らせていた。
(でも、いくら悩んでも現状は変わらない。
今の優先事項は、ここで何とか無事に生き残ることだわ。
そう、今を精一杯、生きなければ!!)
ミランダは自分自身に活を入れて、修道院の作業に戻るのであった。
一方、リーリアにも面会人が来た。
「リーリア・メナード、お前に面会人だ。面会は初めてだろ?ついてこい!」と看守のシスターに言われ、まだ午後の作業中だったリーリアは、作業をやめて、看守について面会室へいった。
誰が面会に来たのかしら?
リーリアは父親のメナード公爵か、アリーシアの催眠からさめた兄のアーサーが来たのかと思い、面会室に行くと、面会人はなぜかこの国の第1王子であるルシェール殿下であった。
「野猿!まだ生きていたか!?相変わらず、生命力が強いな~」とルシェール殿下からは普通の労りの言葉もなく、第一声でそんなことを言われ、リーリアはもうこのまま面会を無視して作業に戻ろうかと思った。
しかし、一応、彼はこの国の王子のため、これ以上、不敬罪などで無駄に罪を重くするのも得策ではないかと考えて、丁寧に挨拶をした。
「一週間もかけてわざわざこちらにお越しいただき、大変恐縮でございますが、なぜこちらに……」とルシェール殿下がなぜきたのか用件を聞こうとすると、それを遮るように話し出すルシェール。
「いや、お前のためにわざわざ王都から来たわけでない。婚約者のパメラに会いにアルーテ王国に行った帰りだから、ついでだ。
お前に聞きたいことがあってな……」と言って、本題に入るルシェール。
「実はセリウスの様子がおかしいのだ」とルシェールは悲痛な顔つきで言ってきた。
思わず、(そうでしょうね。まぁ前からですが、特に最近は……)と言いそうになったリーリアであるが、グッと我慢して、頷くだけにとどめた。
「そもそもお前と婚約破棄をしたのは、私としては大歓迎であったが、代わりに婚約しようとしている女狐がいて、それが野猿よりも最悪なのだ!
お前の方がまだましだと思う日がくるとは!!
その女狐は、今はお前の義妹だが、元は隣国の愚かな王女の娘らしく、そんな王族として恥ずべき品性のない、愚か者の血筋を我がランダード王国に入れたくなくて、私も両親も大反対している。
実際、その女狐はセリウスと婚約しようというのに、明らかに私にまで色目を使ってきたぞ!
しかも、セリウスだけでなく、ぞろぞろと色んな男を引き連れて、何なのだあの女は!?
セリウスと婚約したいのならセリウス一筋な者しか、私は絶対に認めない!
セリウスの子供がセリウス以外の男の子供である可能性は許されないぞ。
あの女狐こそ、ここにぶちこんでやりたいわ!」と一気にまくし立てるルシェール。
「そ、そうなのですね……」と答えながら、リーリアは、アリーシアの正体が明かされるチャンスではないかと思い、慎重に対処を考えようとした。
「まあ、それでまずはメナード公爵に話を通そうとしたら、現在、メナード公爵は何者かに重症を負わされて、自宅療養をしているということだ。
全く、この国一番の手練れである騎士団統括に重症を負わせる輩がいるとはね……。
身内による犯行を疑っているが、何か心当たりはあるか?」
父親が重症と聞き、ショックを受けるリーリア。
心のどこかで、父親が助けに来てくれることを期待していたが、それどころか、むしろこちらが助けにいかねば、父親の命が危ない状態なのではないかということがわかった。
「お、お父様が重症?
そんなことができるのは、よっぽどの手練れしかいません。
不意討ちができる人物も、身内の私や兄でも無理です。
お父様が唯一、隙をみせる相手は、この世界ではお母様だけです。
でも、お母様がお父様に重症を負わせるなんてことは物理的にもできませんし、あり得ません。一体、何が……」と言って、考えるリーリア。
例えアリーシアが母親に催眠をかけても、いくら油断した父親でも、重症を負わせるほどのことは不可能に近く、あり得ない。
この異常事態はきっとアリーシアのせいと思われたが、真実、何が起こっているかを知るには、自分が今、このアウスフォーデュ修道院にいては何もわからないし、何の手立てもないことがもどかしかった。
(ここからすぐに出ないと!
すぐにでも、お父様やお母様のもとに行って、アリーシアの魔の手から逃がさないと!!
あと、ついでにお兄様も催眠からさめてもらわないと!!)
リーリアが焦っているにもかかわらず、ルシェールはそのまま好き勝手に話を続ける。
「あと、セリウスは、子供の頃からお前にひどく執着していたのをよく知っている。
そのセリウスの目が単に醒めたのなら良いのだが、そうではなく、セリウスはあの女狐に操られていると我々は疑っている。
本来のセリウスなら、例えお前への執着がなくなったからといって、あの程度の出来事でお前をこんなところにまで送るとは考えにくい。
おまけに、我が婚約者のパメラの命を狙った愚か者もいて、今、調べているが、パメラはお前の次のターゲットである可能性がある。
確かお前はパメラとは仲が良かったからな。パメラはいまだにお前を信頼していて、今回の異常事態についてきっとお前が重要事項を知っているとパメラから言われて、ここまで来たのだが、何か知っているか?」と聞いてくるルシェール。
「ルシェール殿下。
今から私が現時点でわかっていることを紙に時系列で書き出します。
それをご覧になった上で、我がメナード公爵家に関することでお願いがございます。
どうか、少々お待ちください」とリーリアが言って、看守のシスターに紙とペンをお願いしようとする前に、ルシェールの護衛が紙とペンをすぐに用意してくれた。
気の利く護衛に渡された紙に、アリーシアがメナード公爵家に来てから、セリウスとの婚約破棄までの経緯や、その際のセリウスの様子、アリーシアの行動も含めて詳細に書き出していった。
もちろん、リーリアがセリウスとアリーシアが恋仲とアリーシアから聞き、身を引こうと婚約解消を申し出た件についても日付、場所、時間も漏らさず、整理して書いた。
ルシェール殿下はそれを見てまず、「セリウスに婚約解消を言うなんて!」と切れていたが、「もしセリウス様がアリーシア嬢との恋仲が本当なら、しょうがないことですよ」とルシェール殿下に付いていた護衛がルシェールをなだめてくれた。
「……なるほど。そういうことか。
お前が自分の都合が良いように改ざんしている可能性もあるが、まあ、犯人は明らかだな。
問題はその手段と黒幕がいるかだ。
セリウスに魔法の気配はなかったというなら、催眠術か呪術に近いものか、お前の言う通り、薬も使われたということかもな」とルシェールは冷静に判断する。
「あの愚かな女狐は、母親から自分は本当なら王女だった言い聞かされて、苦労して育ったのだろう。
しかし、そのせいで野心をもって国を乗っ取ろうとしているのか、黒幕の隣国が我が国を乗っ取ろうとしているのかは、まだ不明だな……。
どちらにしろ、あの女狐の最終目的はこの国の王妃として君臨することのようだ。
相手はセリウスでも私でもどちらでも構わないのだろうな。
お前もそう思わないか?」とリーリアに聞くルシェール。
「セリウス様を選んでいる時点でその可能性は高いですね。
しかも、パメラ様を狙った犯人が彼女やその黒幕関係なら、間違いなく、王妃狙いか、このランダード王国を狙っているように思えます」とリーリアも冷静に答えた。
「とりあえず、お前の身柄をすぐにでも引き取り、パメラのいるアルーテ王国に移すぞ。
言っておくがお前のためじゃないぞ、パメラから頼まれたのだ。
おまけに、セリウスが正気に戻った時に私がお前を安全な所に避難させたことがわかれば、きっとセリウスに感謝されるだろうからな!」と言ってくるルシェール。
(パ、パメラ様!
本当にありがとうございます!!
今、まともに私を心配して助けてくださるのはパメラ様だけですね。
このブラコン馬鹿王子をうまく動かしてくださって、本当に感謝です!
これで父のことなどを調べて助け出せるかもしれない!!)
そう思って、リーリアはパメラに対して心から感謝した。
「じゃあ、早速、手続きをして……」とルシェールがリーリアをそこから出られるように指示をだそうとした時であった。
「失礼いたします、ルシェール殿下。
少々、リーリア・メナードの件でお話がございます」とアウスフォーデュ修道院の修道院長が面会室に現れた。
「なんだ、貴様は?
まだ私は入室を許可してないぞ?
まあでも、ちょうどよかったか。この野猿をだな……」と言いかけたルシェール。
「ルシェール殿下、セリウス殿下よりリーリア・メナードの件で伝言・指示を承っておりまして……」と言ってルシェールへ耳打ちをする修道院長。
「は?何だと!?セ、セリウスが本当にそんなことを……?」
「ええ。セリウス様の直筆の指示書とサインがある書類もございます」と涼しい顔で答える修道院長。
「くっ、なんということだ!
いや、しかしパメラから野猿を連れてくるように頼まれていたのだから……、でもセリウスに……。
うぅ、どうするべきか……」と悩みだしたルシェールの様子に、リーリアは不安になった。
とりあえず、セリウスが具体的にどう指示したかわからないが、リーリアをここから出さないようにする内容であると想像がついた。
「……野猿なら、しばらくここにいても大丈夫そうだし、しょうがないか」とパメラの頼み事よりセリウスの指示の方をとると結論をだしたルシェール。
(このっ、このブラコン馬鹿王子!
最低だ!パメラ様のお願いよりセリウス様の脅しの方を取った!!
お前なんかパメラ様に捨てられてしまえ!!)
一瞬でも助かるかもと思ってしまったリーリアは、助けてもらえないことがわかると、予想以上にがっかりして、心の底からルシェールを罵った。
「……まあ、何か手段を考えるから、そんながっかりするな。
とりあえず、ここでしばらく大人しく過ごしておけ、野猿。お前なら大丈夫だ!!
メナード公爵に関しては、我が国とっても彼は重要人物であるから、怪我の詳細と保護の方向で父上と相談しておくから。
じゃあ、達者でな!死ぬなよ!!」と言って、ルシェールは去っていった。お付きの護衛達もそんなルシェールの様子に呆れ、そして同情した目でリーリアを見て去っていった。
また修道院の作業に戻らされたリーリアは、ルシェールが面会に来る前以上にここにいることが辛くなり、自宅療養中と聞いた父親などの家族のことがとても心配でたまらなかった。
(よし!
ここから逃げよう!!
とりあえず、アルーテ王国に逃げれば、パメラ様の助力が得られるかも知れない。
それに、アルーテ王国でなら、セリウス様やアリーシアも私にすぐには手が出せないはず!)
そう考えたリーリアは魔法を封じている腕輪に目をやり、ここから逃げ出す計画を立てるのであった。
そのため、外部からの面会をする時は、逃亡防止の厳重に管理された面会室での面会が許可されている。
リーリアが新人歓迎戦で勝利してから、数週間後、ミランダに面会人が来た。
サリッド侯爵子息のディオンであった。
そもそも、ミランダが捕まったのは、ミランダは伯爵令嬢にも関わらず婚約者がまだ決まっていなかっため、上位貴族の子息を中心に婚活をしていて、とある王族血筋の上位貴族子息と接触した際にトラブルに巻き込まれ、他国のスパイをしたという冤罪をかけられ、アウスフォーデュ修道院に送られた。
ディオン・サリッドは、学院側からの調査として、学院内で起きたこのミランダの事件をミランダへの冤罪を晴らすために調べてくれている人物であった。
そして、度々ミランダの元に訪れ、調査の進み具合や、差し入れをミランダに持ってきてくれていた。
「ミランダ嬢、体調はいかがですか?悪くしておりませんか?」とミランダを気遣うディオン。
「ええ、ディオン様。おかげさまで大丈夫です」
「……前にお会いした時よりも、大分細くなられていますね。
本日も差し入れをお持ちしましたので、あなたが食べてくださいね」と心配そうに言うディオン。
「まあ、ありがとうございますディオン様。是非、頂きます!」と丁寧にお礼をいい、嬉しそうに答える一方で、心の中では苦笑するミランダ。
ミランダはディオンなどから貰う差し入れをうまく使って、危機を回避したり、ボス達に取り入ったりしているので、ディオンが心配するようにミランダが実際に食べられる分は少ないため、それに気づかれて、申し訳なくも思うミランダであった。
「それで、あなたの調査についてですが……」
「はい、何か進展がございますか?」
「私の力が及ばず、あまり進展しておりません。本当に申し訳ございません」と謝るディオン。
「いえ、そんな……。ディオン様はとても頑張ってくださっておりますわ」と言いつつも、がっかりするミランダ。
「調査は必ず私が責任をもって進めます!ただ、ちょっとこちらの学院側で問題がおきまして……」
「まあ、どんな問題が?」
「……リーリア公爵令嬢が数週間前にこちらにいらしておりませんか?」
「ええ!リーリアとは私、お友達になりました!!」
「ああ、よかったです!
無事に過ごしていらっしゃるのですね。
しかも、あなたが友人として側にいるのなら、心強いですね」
「あ、もしかして、ディオン様はリーリアの冤罪についても調べられているのですか?」
「いえ。リーリア嬢の罪については、誰も手をつけられず、調査できない状態です」
「え?でも、彼女の話を聞いた限り、冤罪としか思えないのに……」
「そうです。
学院のほとんどがリーリア嬢の無罪を知っているはずなのに、肝心の兄君のアーサー様や婚約者のセリウス殿下がそれを認めず、圧力をかけているため、誰も助けるために動くことができないのです。
そして、リーリア嬢の父君、メナード公爵までも動くに動けない状況です。
……あなたは、メナード公爵家に新しく養女になられたアリーシア嬢をご存じでいらっしゃいますか?」
「ええ。リーリアから聞きました。確か隣国の姫君のお子様で……」
「そうです。そのアリーシア嬢が、今の学院に主な問題を引き起こしておりまして……」
「そうなのですね……。今日はリーリアの様子を確認するようにセリウス様やアーサー様の依頼もあってこちらにいらしたのですか?」
「いいえ。こちらに来ることはむしろ彼らには秘密にしてきました。
今、下手にリーリア嬢の件に手を出しては、あなたの調査に支障がでるのを避けられなくなるので……。
あなたを罠にはめた奴が王族血筋のため、奴を追い詰める証拠を確実に集められるようにアーサー様を通じてセリウス殿下に後見をお願いしていたのですが、そのアリーシア嬢がセリウス様の側にいるようになってからは、うまくいっておりません。
そのため、あなたのお父上であるローエリガー伯爵にもご助力をいただき、王妃様の後見を打診しているところです。だから、今しばらく、この修道院で耐えてください」と言って辛そうな表情をするディオン。
実はディオンはミランダが捕まる以前からミランダを慕っており、ミランダが冤罪で捕まった時から、そのまま自分がミランダを攫って逃げたいと思ったくらいであった。
しかし、まだその頃のミランダはディオンとそれ程、面識がなく、ディオン自身もサリッド侯爵家に迷惑をかけるわけにもいかないので、時間はかかるが正当な方法でミランダを救おうとしていた。
今回、アリーシア・メナードの逆ハーレム形成により、学院は荒れ、次々と問題が生じていた。
本来なら、リーリアの兄であるアーサーやこの国の第2王子であるセリウスが中心になって学院の問題を解決するはずなのに、その当人達がアリーシアの逆ハーレムの一員であるため、その処理にはディオンが中心になって駆けずり回って対応していた。
そのせいで、ミランダを救い出すための調査や証拠集めに、時間も人手も足りず、色々とうまくいっていなかった。
事件の解決が長引けば長引くほど、それだけミランダがこの修道院に居なければならない期間が延びて、ミランダの身が危険に晒されることになり、ディオンは焦っていた。
ディオンは、ミランダが誰よりも心配で、すぐにでもこんなところから連れ出したい気持ちをぐっと抑えて、ミランダに別れを告げて、王都に帰っていった。
ミランダは、そんなディオンのことを感謝するだけでなく、ミランダ自身もディオンを慕うようになっていた。
もちろんミランダもさすがにディオンの自分に対する気持ちに気づいていた。
しかし、たとえ冤罪でもこのアウスフォーデュ修道院に送られた身である自分が、罪が晴れてここを出たとしても、まともな貴族令嬢として生きられるとは思わなかった。
ましてや、侯爵家の跡継ぎであるディオンと結ばれることは決してないこともよくわかっており、切ない気持ちを募らせていた。
(でも、いくら悩んでも現状は変わらない。
今の優先事項は、ここで何とか無事に生き残ることだわ。
そう、今を精一杯、生きなければ!!)
ミランダは自分自身に活を入れて、修道院の作業に戻るのであった。
一方、リーリアにも面会人が来た。
「リーリア・メナード、お前に面会人だ。面会は初めてだろ?ついてこい!」と看守のシスターに言われ、まだ午後の作業中だったリーリアは、作業をやめて、看守について面会室へいった。
誰が面会に来たのかしら?
リーリアは父親のメナード公爵か、アリーシアの催眠からさめた兄のアーサーが来たのかと思い、面会室に行くと、面会人はなぜかこの国の第1王子であるルシェール殿下であった。
「野猿!まだ生きていたか!?相変わらず、生命力が強いな~」とルシェール殿下からは普通の労りの言葉もなく、第一声でそんなことを言われ、リーリアはもうこのまま面会を無視して作業に戻ろうかと思った。
しかし、一応、彼はこの国の王子のため、これ以上、不敬罪などで無駄に罪を重くするのも得策ではないかと考えて、丁寧に挨拶をした。
「一週間もかけてわざわざこちらにお越しいただき、大変恐縮でございますが、なぜこちらに……」とルシェール殿下がなぜきたのか用件を聞こうとすると、それを遮るように話し出すルシェール。
「いや、お前のためにわざわざ王都から来たわけでない。婚約者のパメラに会いにアルーテ王国に行った帰りだから、ついでだ。
お前に聞きたいことがあってな……」と言って、本題に入るルシェール。
「実はセリウスの様子がおかしいのだ」とルシェールは悲痛な顔つきで言ってきた。
思わず、(そうでしょうね。まぁ前からですが、特に最近は……)と言いそうになったリーリアであるが、グッと我慢して、頷くだけにとどめた。
「そもそもお前と婚約破棄をしたのは、私としては大歓迎であったが、代わりに婚約しようとしている女狐がいて、それが野猿よりも最悪なのだ!
お前の方がまだましだと思う日がくるとは!!
その女狐は、今はお前の義妹だが、元は隣国の愚かな王女の娘らしく、そんな王族として恥ずべき品性のない、愚か者の血筋を我がランダード王国に入れたくなくて、私も両親も大反対している。
実際、その女狐はセリウスと婚約しようというのに、明らかに私にまで色目を使ってきたぞ!
しかも、セリウスだけでなく、ぞろぞろと色んな男を引き連れて、何なのだあの女は!?
セリウスと婚約したいのならセリウス一筋な者しか、私は絶対に認めない!
セリウスの子供がセリウス以外の男の子供である可能性は許されないぞ。
あの女狐こそ、ここにぶちこんでやりたいわ!」と一気にまくし立てるルシェール。
「そ、そうなのですね……」と答えながら、リーリアは、アリーシアの正体が明かされるチャンスではないかと思い、慎重に対処を考えようとした。
「まあ、それでまずはメナード公爵に話を通そうとしたら、現在、メナード公爵は何者かに重症を負わされて、自宅療養をしているということだ。
全く、この国一番の手練れである騎士団統括に重症を負わせる輩がいるとはね……。
身内による犯行を疑っているが、何か心当たりはあるか?」
父親が重症と聞き、ショックを受けるリーリア。
心のどこかで、父親が助けに来てくれることを期待していたが、それどころか、むしろこちらが助けにいかねば、父親の命が危ない状態なのではないかということがわかった。
「お、お父様が重症?
そんなことができるのは、よっぽどの手練れしかいません。
不意討ちができる人物も、身内の私や兄でも無理です。
お父様が唯一、隙をみせる相手は、この世界ではお母様だけです。
でも、お母様がお父様に重症を負わせるなんてことは物理的にもできませんし、あり得ません。一体、何が……」と言って、考えるリーリア。
例えアリーシアが母親に催眠をかけても、いくら油断した父親でも、重症を負わせるほどのことは不可能に近く、あり得ない。
この異常事態はきっとアリーシアのせいと思われたが、真実、何が起こっているかを知るには、自分が今、このアウスフォーデュ修道院にいては何もわからないし、何の手立てもないことがもどかしかった。
(ここからすぐに出ないと!
すぐにでも、お父様やお母様のもとに行って、アリーシアの魔の手から逃がさないと!!
あと、ついでにお兄様も催眠からさめてもらわないと!!)
リーリアが焦っているにもかかわらず、ルシェールはそのまま好き勝手に話を続ける。
「あと、セリウスは、子供の頃からお前にひどく執着していたのをよく知っている。
そのセリウスの目が単に醒めたのなら良いのだが、そうではなく、セリウスはあの女狐に操られていると我々は疑っている。
本来のセリウスなら、例えお前への執着がなくなったからといって、あの程度の出来事でお前をこんなところにまで送るとは考えにくい。
おまけに、我が婚約者のパメラの命を狙った愚か者もいて、今、調べているが、パメラはお前の次のターゲットである可能性がある。
確かお前はパメラとは仲が良かったからな。パメラはいまだにお前を信頼していて、今回の異常事態についてきっとお前が重要事項を知っているとパメラから言われて、ここまで来たのだが、何か知っているか?」と聞いてくるルシェール。
「ルシェール殿下。
今から私が現時点でわかっていることを紙に時系列で書き出します。
それをご覧になった上で、我がメナード公爵家に関することでお願いがございます。
どうか、少々お待ちください」とリーリアが言って、看守のシスターに紙とペンをお願いしようとする前に、ルシェールの護衛が紙とペンをすぐに用意してくれた。
気の利く護衛に渡された紙に、アリーシアがメナード公爵家に来てから、セリウスとの婚約破棄までの経緯や、その際のセリウスの様子、アリーシアの行動も含めて詳細に書き出していった。
もちろん、リーリアがセリウスとアリーシアが恋仲とアリーシアから聞き、身を引こうと婚約解消を申し出た件についても日付、場所、時間も漏らさず、整理して書いた。
ルシェール殿下はそれを見てまず、「セリウスに婚約解消を言うなんて!」と切れていたが、「もしセリウス様がアリーシア嬢との恋仲が本当なら、しょうがないことですよ」とルシェール殿下に付いていた護衛がルシェールをなだめてくれた。
「……なるほど。そういうことか。
お前が自分の都合が良いように改ざんしている可能性もあるが、まあ、犯人は明らかだな。
問題はその手段と黒幕がいるかだ。
セリウスに魔法の気配はなかったというなら、催眠術か呪術に近いものか、お前の言う通り、薬も使われたということかもな」とルシェールは冷静に判断する。
「あの愚かな女狐は、母親から自分は本当なら王女だった言い聞かされて、苦労して育ったのだろう。
しかし、そのせいで野心をもって国を乗っ取ろうとしているのか、黒幕の隣国が我が国を乗っ取ろうとしているのかは、まだ不明だな……。
どちらにしろ、あの女狐の最終目的はこの国の王妃として君臨することのようだ。
相手はセリウスでも私でもどちらでも構わないのだろうな。
お前もそう思わないか?」とリーリアに聞くルシェール。
「セリウス様を選んでいる時点でその可能性は高いですね。
しかも、パメラ様を狙った犯人が彼女やその黒幕関係なら、間違いなく、王妃狙いか、このランダード王国を狙っているように思えます」とリーリアも冷静に答えた。
「とりあえず、お前の身柄をすぐにでも引き取り、パメラのいるアルーテ王国に移すぞ。
言っておくがお前のためじゃないぞ、パメラから頼まれたのだ。
おまけに、セリウスが正気に戻った時に私がお前を安全な所に避難させたことがわかれば、きっとセリウスに感謝されるだろうからな!」と言ってくるルシェール。
(パ、パメラ様!
本当にありがとうございます!!
今、まともに私を心配して助けてくださるのはパメラ様だけですね。
このブラコン馬鹿王子をうまく動かしてくださって、本当に感謝です!
これで父のことなどを調べて助け出せるかもしれない!!)
そう思って、リーリアはパメラに対して心から感謝した。
「じゃあ、早速、手続きをして……」とルシェールがリーリアをそこから出られるように指示をだそうとした時であった。
「失礼いたします、ルシェール殿下。
少々、リーリア・メナードの件でお話がございます」とアウスフォーデュ修道院の修道院長が面会室に現れた。
「なんだ、貴様は?
まだ私は入室を許可してないぞ?
まあでも、ちょうどよかったか。この野猿をだな……」と言いかけたルシェール。
「ルシェール殿下、セリウス殿下よりリーリア・メナードの件で伝言・指示を承っておりまして……」と言ってルシェールへ耳打ちをする修道院長。
「は?何だと!?セ、セリウスが本当にそんなことを……?」
「ええ。セリウス様の直筆の指示書とサインがある書類もございます」と涼しい顔で答える修道院長。
「くっ、なんということだ!
いや、しかしパメラから野猿を連れてくるように頼まれていたのだから……、でもセリウスに……。
うぅ、どうするべきか……」と悩みだしたルシェールの様子に、リーリアは不安になった。
とりあえず、セリウスが具体的にどう指示したかわからないが、リーリアをここから出さないようにする内容であると想像がついた。
「……野猿なら、しばらくここにいても大丈夫そうだし、しょうがないか」とパメラの頼み事よりセリウスの指示の方をとると結論をだしたルシェール。
(このっ、このブラコン馬鹿王子!
最低だ!パメラ様のお願いよりセリウス様の脅しの方を取った!!
お前なんかパメラ様に捨てられてしまえ!!)
一瞬でも助かるかもと思ってしまったリーリアは、助けてもらえないことがわかると、予想以上にがっかりして、心の底からルシェールを罵った。
「……まあ、何か手段を考えるから、そんながっかりするな。
とりあえず、ここでしばらく大人しく過ごしておけ、野猿。お前なら大丈夫だ!!
メナード公爵に関しては、我が国とっても彼は重要人物であるから、怪我の詳細と保護の方向で父上と相談しておくから。
じゃあ、達者でな!死ぬなよ!!」と言って、ルシェールは去っていった。お付きの護衛達もそんなルシェールの様子に呆れ、そして同情した目でリーリアを見て去っていった。
また修道院の作業に戻らされたリーリアは、ルシェールが面会に来る前以上にここにいることが辛くなり、自宅療養中と聞いた父親などの家族のことがとても心配でたまらなかった。
(よし!
ここから逃げよう!!
とりあえず、アルーテ王国に逃げれば、パメラ様の助力が得られるかも知れない。
それに、アルーテ王国でなら、セリウス様やアリーシアも私にすぐには手が出せないはず!)
そう考えたリーリアは魔法を封じている腕輪に目をやり、ここから逃げ出す計画を立てるのであった。
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