英雄の奥様は…

ルナルオ

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英雄の奥様と衛兵

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 マリロード王国の王宮に勤める衛兵の1人、カイル・サーデンは真面目で職務を怠ることのない人物であった。

 その彼に、彼の人生を変える事件は突然、起こった。

 この国の英雄と呼ばれるサイラス将軍の奥様、スーザンは今、丁度、2人目の子を妊娠している。さらに1歳になるタチアナを連れて、サイラスに昼食を届けた後、王宮を出ようとした時であった。

 入口の段差を、やっと1人で歩けるようになったタチアナがよちよちとまたいでいると、タチアナに気をとられたスーザンが、自分の足元をおろそかにしてしまい、身重なこともあって、転びそうになった。
 とっさに、一番近くにいたカイルがスーザンを支え、スーザンは転ばず、事なきを得たが、カイルは抱きしめるような形でスーザンに触れてしまった。

 え、何だ?
 この気持ちいい肌触り!?

 ラッキー・スケベならぬラッキー・タッチをスーザンにしてしまったカイル。
 また、スーザンから丁寧にお礼を言われ、触れた肌とその人柄にうっとりしてしまった。

 癒される~。
 何だろう、この気持ち?

 こうして、スーザンが英雄に見初められた秘密を知ってしまったカイルは日々、悩むことになった。


 カイルには5歳になる姪っ子がおり、その姪っ子が遊びに来た際に、カイルはその頬をふにっとつまんでみた。
 確かに、5歳児の肌は、肌触りはいいものの、スーザンに触れた時ほどの感動はなかった。
 ついでに、カイルはその姪っ子の母親である妹の腕もつまんでみたが、当たり前のように姪っ子にすら劣る肌であった。ちなみに、つまんだら「兄さん、きもっ!」と妹に言われたカイル。

 英雄の奥様の肌に、5歳児の肌が負けるとは……。
 普通、5歳児の方がいい肌触りのはずだろ?
 なぜ、英雄の奥様の方がいい肌触りなんだ?

 カイルの疑問は深まるばかりで、スーザンを抱きしめた時の感触が忘れられなかった。
 スーザンはサイラスの昼食を届けるために、王宮によく訪れるため、カイルが王宮入り口担当の警備の際、タチアナを連れたスーザンによく出会えた。
 最近のカイルは、たとえ触れることがかなわなくても、スーザンの顔を見られるだけで幸せを感じてしまうようになった。
 しかも、先日の転びそうなのを助けて以来、スーザンも担当がカイルの時は、特に微笑んで挨拶してくれるようになったので、ますます嬉しいカイル。

 ああ、この人は女性としても素敵でいいな~。
 もし自分が貴族なら、もうこの人と結婚していいかも……。いや、むしろ、結婚したい。
 でも、何でよりによってあのサイラス将軍が夫なんだ~。
 英雄の奥様に手を出したら、この国にはいられないな……。

 日々、切ないため息をつくようになったカイルに、同僚のフォードが心配し、街へ飲みに連れて行ってくれた。

「最近、真面目なお前がどうした?」

「いや、ちょっと……」と言ってため息をはくカイル。

「何だ?切ないため息なんかついて、恋煩いか?」

「ああ、うん。やっぱり、わかるか?でも、かなわない相手で……」

「おお~!真面目なお前がな……。貴族の人妻か?」

「……そうなんだ」

「誰だ?内緒で教えてくれ」

「……サイラス将軍の奥様だ」

「ええええー!」

「しっ!うるさいぞ。静かに」

「いやいや、駄目だろう、あの人は!あの人だけは!!」

「わかっているよ。でも、憧れと言うか、気になってしょうがないんだ」

「え?あの方の容姿が好みだったのか?まあ、一見、地味だが、よく見るとすっきり整っていて、しかもおしとやかな性格美人っぽいもんな。そうか、お前の好み、あの方か~」

「……まあな」と答えつつ、同僚にもスーザンの肌のことは秘密にしておこうと思うカイル。

「じゃあ、お前、サイラス将軍には出くわさないように気をつけろよ。あの方、奥様のことをちょっとでも良いと思う男がいると、変な察知能力で見分けて排除するらしいぞ!」

「へ、変な察知能力?」

「ああ。さすがサイラス将軍というか、英雄になるだけあって、尋常じゃない察知能力があるらしい。
 前に聞いた話だと、ある愚かな貴族の男がサイラス将軍の奥様に、女として興味を持ったらしく、不純な動機で近づいたことがあってな。その時、サイラス将軍はかなり遠くにいたはずなのに、奥様に下心を持っている奴が近づいているといきなり叫んで奥様のところに飛んで行ったんで、その貴族が奥様に触れる直前に、そいつを取り押さえたことがあったんだよ。他にも奥様のことをいいなっと思って奥様と個人的に接触しようとした文官の1人にも、将軍自ら牽制したとか。その後、その文官は、そのせいかわからないが、自ら異動願いを出して、王宮から離れたらしいぞ。
 だから、お前も気をつけろよ」

「そ、そうだな……」(さすがに、英雄の奥様は、不埒な奴らからもしっかり英雄に守られているんだな。俺の場合、事故みたいなものだから接触を英雄でも防げなかっただけだし、確かにそれくらいのレベルで排除しないと、あの奥様なら他の奴に奪われていたかもな……。)と考え、カイルはまだ切ない気持ちは残るものの、自分では英雄のように守れないため、スーザンに片思いをすることすらも、あきらめないといけないと悟った。

 そのおかげか、サイラスがカイルに気づくことなく、日々、平和に過ぎて行ったが、ある日のこと。

 いつものように、スーザンがタチアナと一緒に王宮を出ようとした時、今度は、1人でちゃきちゃき頑張って歩いていたタチアナが転びそうになった。しかも、カイルの目の前で仰向けに倒れ、床に後頭部を打ちそうになった。
 とっさに、カイルが手をあてて、タチアナの後頭部が床に打ちつけられる前に防ぎ、抱き起こした。

 ぷにっ

 そう、カイルはタチアナにまで、抱き起こすついでに、ラッキー・タッチをしてしまった。

 え~!!奥様みたいに癒される!?何この魅惑肌?
 お、親子だな……。

 タチアナを抱っこして、一瞬の感動と興奮を味わったカイルであったが、すぐにポーカーフェイスで、タチアナをスーザンへ渡した。

「まあ!!本当にありがとうございます。私ばかりか、娘まで助けていただき……」

「いえ。お怪我がなくて、本当に良かったです」

 片思いしていたスーザンからまたお礼を言われ、ちょっと舞い上がってしまったカイルであったが、そこへ、サイラス将軍が突然、現れたのであった。

「スーザン?何事かあったのか?」

「あら?サイラス様?」

「いや、突然、胸騒ぎが起きて来てみたのだが……。君は?」とサイラスがカイルの方を視線も鋭く見てくる。

 えー!何故ここに将軍が突然?
 英雄の奥様に不埒な思いも、もちろんお嬢様にも、今はそんなの抱いていませんからね~!
 奥様方の魅惑肌の秘密も厳守しますから~。

 カイルは突然、現れたサイラスに心の中で恐怖と驚きを感じたが、サイラスの問いかけに答えた。

「カ、カイル・サーデンです。本日は南門担当の門番兵であります、サイラス将軍!」

「ふむ。そうか……」

「あ、あの、サイラス様。こちらの方は今、タチアナが転びそうなところを助けてくださったのですよ!しかも、以前、私が転びそうな時も助けていただきましたの。サイラス様からもお礼を……」

「む、そうなのか?」とそれを聞いたサイラスの視線がますます鋭くなった。

 ひぃー!
 お、奥様、できれば将軍にばらさないで欲しかった!!
 切実に!!

 カイルがスーザンの発言に心の中でビクビクしていると、サイラス将軍がカイルにむかって礼を言った。

「妻ばかりか、娘まで助けていただき、かたじけない。何かお礼をしよう」

「い、いえ、とんでもないです!職務をまっとうしただけですので、お気になさらないでください」

「しかし、それでは私の気が済まない。本日、時間ができたら私の執務室に来るように」と言って、サイラスはスーザンからタチアナを受け取り、二人を迎えに来ているアバート公爵家の馬車まで連れて行った。


 一方、カイルはサイラスの執務室への呼び出しがただのお礼でないことはわかっているので、憂鬱な気持ちでその日の仕事の空き時間まで過ごした。

 やっと空き時間ができたカイルはサイラスの執務室へ向かった。話は通っているみたいで、スムーズにカイルは執務室の中へ入れた。

「うむ、よく来たな。カイル・サーデン」

「は、はい」

「私の妻子を助けてくれて、本当に助かった。ありがとう。
 しかし、呼び出したのは、ただのお礼だけでなく、ちょっと話があってな……」

「……はい」(わかっております!奥様やお嬢様の肌触りの件ですよね?ここはとぼけるべきか?それとも魅惑肌と認めるべきか、どちらが正解だ?とりあえず、絶対、誰にも漏らしませんから!!)とぐるぐる考えるカイル。

「……君はやむを得ない状況であったが、私の妻と娘の肌に直接、触れたな?」

「……はい」

「どう思った?」

「えっと、その……」

「正直に答えたまえ。また触れたいと思わなかったか?」

「いや、その、はい……。し、しかし、サイラス将軍の奥様やお嬢様とわかっておりますから、本当にまた触れようとは決していたしません」

「そうか。それが本心だと良いのだが……。
 スーザンに一度でも触れた男は、また触れたいと思う奴が多くてな。
 しかも、私とスーザンはお互いに愛し合い、正式に結婚して子供までいるのに、スーザンと別れさせて自分の娘をあてがおうとする野心家の貴族がまだ多くいて、スーザンに不埒なことを考える奴らと一緒に組んで罠にはめようとしてくるのだよ。
 実際、スーザンに偶然触れたことのある文官は、スーザンと私を別れさせるために、そういう貴族の一味と手を組んで、私のところにその貴族の娘が色仕掛けするように手配したことがあった。そいつらはすぐに排除したが、スーザンに浮気したと誤解されるところだったから危なかった」

「はあ、大変でしたね……」

「ああ。それで君もそういう野心家の貴族たちに取り引きを持ち掛けられ、狙われる可能性がでてくるので、こうして呼び出したのだよ」

「じ、自分は大丈夫です。そんな誘惑に乗りません」

「そうだな。君の真面目な勤務態度から、そう言うとは思っていたが、君のためにも、王宮以外での勤務先で異動希望のところはないか?」

「えぇ?」(やっぱりか~。やっぱり王宮から異動させられるのか……。)と覚悟はしていたが、もうスーザンに会えないところへ異動をすることにがっかり感を否めないカイル。

「……君なら、今よりやりがいがあって給料が高くなるような部署へ異動を希望してもいいぞ。助けてくれたお礼だ。しかも、君はなかなか敏捷で腕もたつようだから、ただの門番兵よりも自分の才能を生かせるところを希望したまえ。すぐに返事ができないようなら、一週間の時間を与える。よく考えてみたまえ」と言ってくるサイラス。

「……はい、わかりました」

 そういって、カイルはさらに悩むことになった。
 とうとう悩み過ぎて、同僚のフォードのところに相談にいった。

「……というわけで、王宮から異動させられそうなんだ」

「はあ~。とんでもない将軍の事情に巻き込まれたな……。
 でも、お前が狙われるのは大げさに言っているわけではなく、本当かもな。
 前に一度、大人数の貴族が大掛かりな横領事件で捕まり、有力貴族がいっきに入れ替わったことがあるだろう?
 あの捕まった貴族の中には、英雄の奥様を暗殺してでも英雄の外戚になりたがる貴族どもがかなり含まれていて、実はサイラス将軍が粛清したという噂もあるんだぞ。まあ、あくまでも噂だがな……」

「うう、そうなんだ。なあ、異動するなら、どこが安全かな……?」

「うーん、西のカレンナ地区の警備か、王都の南側入口の砦とかも暇で平和らしいけどな。
 あ、あとひとついい方法があるが……」

「何だ?そのいい方法って?」

「お前って、将軍の奥様みたいな地味でおしとやかな子がタイプだろう?」

「……ああ、まあ」(条件に美肌も入れたい。でも言えないけど……。)

「俺の奥さんの幼馴染にマリアって子がいて、まさにお前のタイプなんだが、最近、アバード公爵家のメイドになったんだ。そうしたら、やけに肌が綺麗になったり、仕草に品がでたりして、いいところに勤めると洗練されるみたいだぞ。
 もしお前さえよければ、そんな彼女をお前が奥様のことを忘れるためにも紹介しようと思っていたんだ。マリアに興味あるか?」

「ぜ、是非に!」(おおー、フォード!!言わないでも俺の求めるものがわかるなんて凄いな!お前とはずっと、友達だ!!)

「よかった!彼女にもお前のことを話したら、是非、紹介して欲しいと言っていたから丁度良かった。
 それでな、もしお前がマリアとうまくいったら、お前、将来はアバード公爵家担当の護衛になるのはどうだ?サイラス将軍もお前の実力を買っているみたいだし、お前は奥様と面識もできたし、もし採用されたら憧れの奥様を守れるし、マリアとも夫婦住み込みで働けるし、色々と丸くおさまるかもな。どうだ?」

「おおー!いいな、それ!
 まあ、まずは、そのマリアさんとうまくいくか次第だがな……」

「大丈夫だって!マリアは、あんまりモテるタイプじゃないせいか嫁ぎ遅れそうだと俺の奥さんに本気で相談して悩んでいたからな。俺も俺の奥さんも二人を応援するぞ!」

「ありがとう、フォード!!」(お前とは一生、親友だ!)とカイルは非常に喜んだ。

 こうして、フォードからマリアを紹介されたカイルは、お互い好みで気も合い、順調に交際をし始め、マリアと無事に結婚することになった。それまで王宮からの異動で西のカレンナ地区の警備をしていたカイルであったが、マリアとの結婚を機に、今度はアバード公爵家の護衛担当へ再異動になり、サイラスも喜んでカイルを採用するに至った。

 カイルは、今はマリアを心から愛しているため、結婚したいのはマリアだけであるが、スーザンに久しぶりに会い、その人柄などからも憧れの気持ちだけは蘇り、タチアナ共々、全力でお守りしたいと忠誠を誓う護衛兵となった。

 英雄の奥様は、英雄のために実は色々な輩から狙われている!

 しかし、サイラスの異常な察知能力とセドリックやカイルのような周囲のサポートのおかげで、平和な日々が築かれていた!!

 ちなみに、アバード公爵家に勤める女性使用人達はみんな、スーザンのおかげで美肌集団になっている。
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