159 / 322
第29章 ちょっとだけ単独行
おまけ 今日は海の日(下)
しおりを挟む
「海だ!」
レウス君が叫ぶ。
「それじゃまずは御飯にしようか。天気がいいし風も弱いしちょうどいいね」
確かに天候的には最高だなと思う。気温も快適な程度だし。
平らな岩、実は私がアイテムボックスで上部分を収納した跡だけれども、この上にテーブルと椅子を人数分出す。
この場合エルマくんは人数に含まない。彼の指定席はテーブル下だ。
「今日のお昼御飯は、此処でこれから捕れるかなというものを中心にしてみたから」
そう言ってリディナが出したのはこんなメニュー。
○ サバサンド
○ 二枚貝のバター焼き
○ ブイヤベース風魚介類のスープ
○ ツナ入りサラダ
メインのサバサンドは長くてガチガチの、日本で言うバゲット風のパンに骨を取ってニンニク入りの油でしっかり焼いたサバ、レタス、タマネギ、トマトと野菜がたっぷり入ったもの。
各人用に味付けが調節してあって、私用のものはバルサミコ酢のソースと粒マスタードが味の決め手だ。
リディナ用は塩とバターとマスタード、セレス用はバターだけ薄味、サリアちゃんとレウス君用はトマトケチャップに酷似した甘めのソース。
おまけの誰かさん用にサバの骨を取って焼いただけ味付け無し、なんてのもある。
「このサンドイッチの魚が捕れるの?」
「どんな魚が捕れるかはわからないけれどね。あとこの貝も、このスープに入っているお魚や貝も、このサラダのこれも捕れるかもしれないよ。もっと美味しいものも捕れるかもしれない」
「牡蠣がいるといいですね」
「牡蠣って何ですか?」
「岩みたいに見えるけれど美味しい貝です。形は少し気持ち悪いですけれど」
美味しいお昼を食べたらいよいよ採取活動開始だ。
「まずは食べられる貝を探してみるよ。さっきのバター焼きにした貝と同じような二枚貝の捕り方。サリアもレウスもついてきて」
全員で小さな砂浜へ。なおエルマくんは離して貰って、私達の周囲を走ったり臭いを嗅いだりしながらついてくる。
「海に足だけつかるからこの辺で靴を脱いでね。そして魔力探知で海水が被っている部分の砂浜を調べるの。そうするとごくごく小さい反応が砂の中に固まってあるのが見えるかな?」
リディナがそう2人に問いかける。
サリアちゃんとレウス君はかなり魔法が使えるようになってきた。だからそれくらいの魔力探査は出来る筈。
「見えます。同じくらいの深さに固まっています」
「僕も見える」
どうやら2人ともわかるようだ。
「なら靴を脱いで、その反応の上に裸足で立つの。そうしたらこうやって足を動かして。そうすれば足が何か固い物に当たるから、それを手で拾う訳。そうすると」
リディナが2枚貝を海の中から取りだしてみせる。
「こんな感じ。この貝はそのまま食べても美味しいし、後で釣りにも使えるから頑張って取ろうね」
「わかりました」
「わかった」
2人の返事。私は貝を入れるためのバケツを出して海水を汲む。
なお2人が海に入るのと一緒にエルマくんも一緒に海へ。しかし波をかぶって慌てて砂浜へと引き返す。
何かブシュブシュやり始めたので魔法で真水を水飲み皿へ出してやる。エルマくん、飛びついて勢いよくぴちゃぴちゃ飲み始めた。どうやら海の水が塩辛かったようだ。
「いた!」
レウス君の声に引き続き、サリアちゃんが頷いて足下に手をやる。
平たい貝が手の中に入っていた。
「こうやって捕れるんですね」
潮干狩りは順調だ。あっという間にバケツの中が貝で埋まった。
「それじゃ次は魚を釣りという方法で捕らえるよ。まずは……」
私は釣り竿と仕掛け、更に魚を入れるバケツを出す。あとはリディナとセレスに任せればいいだろう。
「それじゃ私は貝を捕ってくる」
「御願いね」
それでは私は私の作業、岩場の海面下にいる貝の採取を開始だ。
まずは断崖絶壁の下にある岩場へと移動。この辺りがそこそこ良い感じかな。魔力探査と偵察魔法でそう目星をつける。
海水の温度はまだ泳ぐには少し冷たい。それに私は泳ぎには自信がない。
だから主役は私では無くゴーレムのシェリーちゃん。久しぶりのK装備で岩場の海面下部分を捜索開始。
まずは岩にへばりついている岩牡蠣をガシガシと剥がす作業から。久しぶりの牡蠣だ。捕れるだけ捕っておきたい。
おっと、ウニを発見。勿論回収だ。全員が食べられる分捕れればウニ丼なんてのもいいな。もっと捕れればウニバターなんて作ってもいい。
サザエやアワビなんて高級な貝もしっかり確保。サザエの苦み、最近は美味しいと思えるようになってきた。これは私の舌が大人になったという事だろうか。あとアワビのソテー、美味しいんだよな。
リディナ達4人は釣りを始めたようだ。見たところリディナとサリアちゃんが遠くへ飛ばすカゴ釣りの仕掛け。セレスとレウス君がサビキ仕掛け。
サビキ仕掛けの方は早くも魚が釣れまくっている。ただカゴ釣りの方もしっかり魚がいる辺りに魔法で仕掛けを届かせている。だからそのうち大物も釣れるだろう。
私は私の採取活動に専念。おっと、タコを発見。ならシェリーちゃん、M装備だ!
◇◇◇
「海ってこんなに楽しいんですね」
「僕も楽しかった!」
帰りのゴーレム車の中、皆さんご満足の模様だ。エルマくんは遊びすぎて床でへたって寝ているけれど。
「収穫も結構あったしね。帰って山羊さん達を小屋に入れて、皆でお風呂に入った後、皆で今日捕ったもので御飯を作ろうか。きっと美味しいと思うよ」
「楽しみですね」
確かに今日は大漁だ。サビキ組は鰯や小サバ、小アジを100匹以上釣り上げた。カゴ仕掛け組もソウダカツオやシイラを合計10匹は釣っている。
私の方もしっかり捕った。岩牡蠣は30個以上剥がしたし、サザエもウニも、アワビすら10個以上確保している。
更にタコ、黒鯛なんてのもシェリーちゃんのM装備で確保した。今から食べるのが楽しみで仕方ない。
「今日はご馳走だね」
「うん!」
今日もいい日だったな、そんな風に感じる。まあこの後に山羊さん作業やお風呂、料理作業があるのだけれども。
レウス君が叫ぶ。
「それじゃまずは御飯にしようか。天気がいいし風も弱いしちょうどいいね」
確かに天候的には最高だなと思う。気温も快適な程度だし。
平らな岩、実は私がアイテムボックスで上部分を収納した跡だけれども、この上にテーブルと椅子を人数分出す。
この場合エルマくんは人数に含まない。彼の指定席はテーブル下だ。
「今日のお昼御飯は、此処でこれから捕れるかなというものを中心にしてみたから」
そう言ってリディナが出したのはこんなメニュー。
○ サバサンド
○ 二枚貝のバター焼き
○ ブイヤベース風魚介類のスープ
○ ツナ入りサラダ
メインのサバサンドは長くてガチガチの、日本で言うバゲット風のパンに骨を取ってニンニク入りの油でしっかり焼いたサバ、レタス、タマネギ、トマトと野菜がたっぷり入ったもの。
各人用に味付けが調節してあって、私用のものはバルサミコ酢のソースと粒マスタードが味の決め手だ。
リディナ用は塩とバターとマスタード、セレス用はバターだけ薄味、サリアちゃんとレウス君用はトマトケチャップに酷似した甘めのソース。
おまけの誰かさん用にサバの骨を取って焼いただけ味付け無し、なんてのもある。
「このサンドイッチの魚が捕れるの?」
「どんな魚が捕れるかはわからないけれどね。あとこの貝も、このスープに入っているお魚や貝も、このサラダのこれも捕れるかもしれないよ。もっと美味しいものも捕れるかもしれない」
「牡蠣がいるといいですね」
「牡蠣って何ですか?」
「岩みたいに見えるけれど美味しい貝です。形は少し気持ち悪いですけれど」
美味しいお昼を食べたらいよいよ採取活動開始だ。
「まずは食べられる貝を探してみるよ。さっきのバター焼きにした貝と同じような二枚貝の捕り方。サリアもレウスもついてきて」
全員で小さな砂浜へ。なおエルマくんは離して貰って、私達の周囲を走ったり臭いを嗅いだりしながらついてくる。
「海に足だけつかるからこの辺で靴を脱いでね。そして魔力探知で海水が被っている部分の砂浜を調べるの。そうするとごくごく小さい反応が砂の中に固まってあるのが見えるかな?」
リディナがそう2人に問いかける。
サリアちゃんとレウス君はかなり魔法が使えるようになってきた。だからそれくらいの魔力探査は出来る筈。
「見えます。同じくらいの深さに固まっています」
「僕も見える」
どうやら2人ともわかるようだ。
「なら靴を脱いで、その反応の上に裸足で立つの。そうしたらこうやって足を動かして。そうすれば足が何か固い物に当たるから、それを手で拾う訳。そうすると」
リディナが2枚貝を海の中から取りだしてみせる。
「こんな感じ。この貝はそのまま食べても美味しいし、後で釣りにも使えるから頑張って取ろうね」
「わかりました」
「わかった」
2人の返事。私は貝を入れるためのバケツを出して海水を汲む。
なお2人が海に入るのと一緒にエルマくんも一緒に海へ。しかし波をかぶって慌てて砂浜へと引き返す。
何かブシュブシュやり始めたので魔法で真水を水飲み皿へ出してやる。エルマくん、飛びついて勢いよくぴちゃぴちゃ飲み始めた。どうやら海の水が塩辛かったようだ。
「いた!」
レウス君の声に引き続き、サリアちゃんが頷いて足下に手をやる。
平たい貝が手の中に入っていた。
「こうやって捕れるんですね」
潮干狩りは順調だ。あっという間にバケツの中が貝で埋まった。
「それじゃ次は魚を釣りという方法で捕らえるよ。まずは……」
私は釣り竿と仕掛け、更に魚を入れるバケツを出す。あとはリディナとセレスに任せればいいだろう。
「それじゃ私は貝を捕ってくる」
「御願いね」
それでは私は私の作業、岩場の海面下にいる貝の採取を開始だ。
まずは断崖絶壁の下にある岩場へと移動。この辺りがそこそこ良い感じかな。魔力探査と偵察魔法でそう目星をつける。
海水の温度はまだ泳ぐには少し冷たい。それに私は泳ぎには自信がない。
だから主役は私では無くゴーレムのシェリーちゃん。久しぶりのK装備で岩場の海面下部分を捜索開始。
まずは岩にへばりついている岩牡蠣をガシガシと剥がす作業から。久しぶりの牡蠣だ。捕れるだけ捕っておきたい。
おっと、ウニを発見。勿論回収だ。全員が食べられる分捕れればウニ丼なんてのもいいな。もっと捕れればウニバターなんて作ってもいい。
サザエやアワビなんて高級な貝もしっかり確保。サザエの苦み、最近は美味しいと思えるようになってきた。これは私の舌が大人になったという事だろうか。あとアワビのソテー、美味しいんだよな。
リディナ達4人は釣りを始めたようだ。見たところリディナとサリアちゃんが遠くへ飛ばすカゴ釣りの仕掛け。セレスとレウス君がサビキ仕掛け。
サビキ仕掛けの方は早くも魚が釣れまくっている。ただカゴ釣りの方もしっかり魚がいる辺りに魔法で仕掛けを届かせている。だからそのうち大物も釣れるだろう。
私は私の採取活動に専念。おっと、タコを発見。ならシェリーちゃん、M装備だ!
◇◇◇
「海ってこんなに楽しいんですね」
「僕も楽しかった!」
帰りのゴーレム車の中、皆さんご満足の模様だ。エルマくんは遊びすぎて床でへたって寝ているけれど。
「収穫も結構あったしね。帰って山羊さん達を小屋に入れて、皆でお風呂に入った後、皆で今日捕ったもので御飯を作ろうか。きっと美味しいと思うよ」
「楽しみですね」
確かに今日は大漁だ。サビキ組は鰯や小サバ、小アジを100匹以上釣り上げた。カゴ仕掛け組もソウダカツオやシイラを合計10匹は釣っている。
私の方もしっかり捕った。岩牡蠣は30個以上剥がしたし、サザエもウニも、アワビすら10個以上確保している。
更にタコ、黒鯛なんてのもシェリーちゃんのM装備で確保した。今から食べるのが楽しみで仕方ない。
「今日はご馳走だね」
「うん!」
今日もいい日だったな、そんな風に感じる。まあこの後に山羊さん作業やお風呂、料理作業があるのだけれども。
425
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。