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第4章 香緒里の魔法開発記
14 俺にも課題は出ているぞ
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課題が出るのは1年生だけでない。
2年生の俺にも、それ以上の難易度の課題が出るのは当然だ。
今度の課題は『実用的な義足を作ること』。
詳しい肉体寸法や要求スペックも発表されている。
単に作るだけなら簡単だ。
出来る限り人間の足に似た筐体を造って、モーターや魔法で歩いたりしゃがんだりする動作が出来るようにすればいい。
姿勢調節も3軸の加速度センサが片足につき最低1個あれば簡単。
でもそれでは、作品として面白くない。
より実用性の高い、そして便利な付加機能ありのものを作りたい。
まずは対象の身体データを元に脚の形や大きさ等を計算してモデルを作る。
下肢は基準体重比では1本あたり総体重の18.5%。
下肢部分がほとんど無い対象の現在の体重から逆算すると、作成される義足1本の重さは8.9kg。
なお義足の長さは取付時で約80cmになる。
形はどうモデリングしようか考える。
うちのクラスの他の連中は、
○ 彫刻等の芸術作品の実物からモデリングする派
○ マネキン人形からモデリングする派
が多数のようだ。
個人的にきれいだと思う実物から取るのが一番リアルだろうか。
そう思って思い浮かぶのは、学生会幹部3人と補佐1人。
見た目はそれぞれ整っているし、頼めば採寸くらいさせてくれるだろう。
だがその後を想像するとこの案はパス。
相手に俺の下半身がモデリングされかねない。
それ以上のコトに進んでしまう可能性も大だ。
俺として、それは絶対に避けたい。
ここで俺の由香里姉に対する昔と今の心境を思って詠んだ詩を紹介しよう。
「由香里姉 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」
室生犀星の詩のパクリだが偽らざる俺の今の本心だ。
由香里姉にあこがれていた以前の純真な俺をぶんなぐってやりたい。
話が逸れた。義足を作るんだった。
形は結局細身のマネキンを元にして。
本人の上半身を考慮して、CADで多少細めに設計したものをベースにする。
細身に作れば後で肉を盛るのも簡単だ。
大画面でCADを動かしているところに香緒里ちゃんがやってきた。
画面に映されている人間の脚のモデリングを見た後。
ちょっと考えた後顔をしかめる。
「修兄は脚フェチさんだったのですか」
違うわい!
「これは俺の実習課題。実用的な義足を作れって内容なんだ」
香緒里ちゃんはちょっと考えた後、口を開く。
「もし必要なら、私の脚を測ってモデリングしてもいいですよ。ちょっと恥ずかしいけれど修兄になら付け根まで見られても大丈夫です」
香緒里ちゃんはそう言ってちょっと顔を赤らめる。
その意味を理解するのに、俺は多少の時間を必要とした。
ヤバイ構図が俺の頭の中に描かれる。
「モデリングや採寸の邪魔になるなら、毛を全部剃ってもいいです。それとも私より由香里姉さんの方が好みですか。それなら悔しいですけれど姉さんに頼んであげますけれど」
さらに危険な発言だ。
脳内想像図が更に過激に修正された。
「いや、いいからいいから」
「私の脚って魅力ないですか」
香緒里ちゃんに攻め寄られる。
そういう問題じゃない。色々魅力的だから危険なんだ。
だから発言には注意してくれ。俺の下半身が反応しかけてしまったぞ。
「魅力的だけど、上半身にもデザインをあわせなければならないだろ。だから取り敢えずは一般的なモデルで十分。だから折角の申し出はありがたいけれど今はいい。ありがとうな、香緒里ちゃん」
「うーん、それならまあ納得しました。でも必要な時はいつでも言ってください」
俺はほっと胸をなでおろす。
なんとか誤魔化せた。
さて、脚の機能的な部分に移ろう。
今回の相手は魔法を使えない想定だから、魔法は香緒里ちゃん式の物に属性をかけるタイプくらいしか使えない。
よって主要な部品は電動か動力なしだ。
いつでも何処でも手軽に使うなら、本当は動力なしが一番いい。
電気使用だと充電等の余分な手間や整備の手間がかかるから。
でも両足義足で動力なしだと、普通に歩く時には杖が必要になる。
やっぱり動力は欲しい。
それと制御機能も。
杖など余分な器具無しで普通に歩いて生活できる。
それが目標の最低限のラインだ。
「修兄何を考え込んでいるんですか」
香緒里ちゃんが聞いてくる。
「いや、義足の動力源をどうしようかと。電気を使うとバッテリーの重さの割に稼働時間が短くなるし」
「なら、メインは魔法しかないんじゃないですか」
そうなのだ。
「でも使用者が魔法を使えないんだよ」
「なら私の付与魔法のような、持続性のある魔法を使えばいいのではないですか」
そう、その通りだ。
しかしそれには欠陥がある。
「それだと任意の動作が難しいんだ。電気制御によって動作したり動作しなかったりする動力でないとコントロールできない。物理的にスイッチングさせるのは大きくなるし、いざという時が不安だし。しかし電気で制御出来る魔法動作部品なんて存在しないんだ。今のところ」
「なら私の付与魔法で、電気制御で魔法動作をする部品を作ればいいんですね」
そうなのだ。それが出来れば文句ない。
自分の課題に後輩の魔法を使用するのは俺のプライドを刺激する。
しかし課題作成で他の人の魔法を使うのは、禁止行為ではない。
それにその方がいいものが作れるなら、使わないほうが間違いだろう。
重視すべきは作成品の完成度と満足度。
俺のちっぽけなプライドでは無い筈だ。
「電気を流すと回る、モータのような感じをイメージすればいいんですね」
「ああ。動きとしては筋肉のように微弱な電流で伸び縮みを制御できるのがベストだな。義足だからさ。でも、出来そうかな?」
何せ今までに無いものだ。
だから出来るかどうか、可能性すら良くわからない。
2年生の俺にも、それ以上の難易度の課題が出るのは当然だ。
今度の課題は『実用的な義足を作ること』。
詳しい肉体寸法や要求スペックも発表されている。
単に作るだけなら簡単だ。
出来る限り人間の足に似た筐体を造って、モーターや魔法で歩いたりしゃがんだりする動作が出来るようにすればいい。
姿勢調節も3軸の加速度センサが片足につき最低1個あれば簡単。
でもそれでは、作品として面白くない。
より実用性の高い、そして便利な付加機能ありのものを作りたい。
まずは対象の身体データを元に脚の形や大きさ等を計算してモデルを作る。
下肢は基準体重比では1本あたり総体重の18.5%。
下肢部分がほとんど無い対象の現在の体重から逆算すると、作成される義足1本の重さは8.9kg。
なお義足の長さは取付時で約80cmになる。
形はどうモデリングしようか考える。
うちのクラスの他の連中は、
○ 彫刻等の芸術作品の実物からモデリングする派
○ マネキン人形からモデリングする派
が多数のようだ。
個人的にきれいだと思う実物から取るのが一番リアルだろうか。
そう思って思い浮かぶのは、学生会幹部3人と補佐1人。
見た目はそれぞれ整っているし、頼めば採寸くらいさせてくれるだろう。
だがその後を想像するとこの案はパス。
相手に俺の下半身がモデリングされかねない。
それ以上のコトに進んでしまう可能性も大だ。
俺として、それは絶対に避けたい。
ここで俺の由香里姉に対する昔と今の心境を思って詠んだ詩を紹介しよう。
「由香里姉 遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」
室生犀星の詩のパクリだが偽らざる俺の今の本心だ。
由香里姉にあこがれていた以前の純真な俺をぶんなぐってやりたい。
話が逸れた。義足を作るんだった。
形は結局細身のマネキンを元にして。
本人の上半身を考慮して、CADで多少細めに設計したものをベースにする。
細身に作れば後で肉を盛るのも簡単だ。
大画面でCADを動かしているところに香緒里ちゃんがやってきた。
画面に映されている人間の脚のモデリングを見た後。
ちょっと考えた後顔をしかめる。
「修兄は脚フェチさんだったのですか」
違うわい!
「これは俺の実習課題。実用的な義足を作れって内容なんだ」
香緒里ちゃんはちょっと考えた後、口を開く。
「もし必要なら、私の脚を測ってモデリングしてもいいですよ。ちょっと恥ずかしいけれど修兄になら付け根まで見られても大丈夫です」
香緒里ちゃんはそう言ってちょっと顔を赤らめる。
その意味を理解するのに、俺は多少の時間を必要とした。
ヤバイ構図が俺の頭の中に描かれる。
「モデリングや採寸の邪魔になるなら、毛を全部剃ってもいいです。それとも私より由香里姉さんの方が好みですか。それなら悔しいですけれど姉さんに頼んであげますけれど」
さらに危険な発言だ。
脳内想像図が更に過激に修正された。
「いや、いいからいいから」
「私の脚って魅力ないですか」
香緒里ちゃんに攻め寄られる。
そういう問題じゃない。色々魅力的だから危険なんだ。
だから発言には注意してくれ。俺の下半身が反応しかけてしまったぞ。
「魅力的だけど、上半身にもデザインをあわせなければならないだろ。だから取り敢えずは一般的なモデルで十分。だから折角の申し出はありがたいけれど今はいい。ありがとうな、香緒里ちゃん」
「うーん、それならまあ納得しました。でも必要な時はいつでも言ってください」
俺はほっと胸をなでおろす。
なんとか誤魔化せた。
さて、脚の機能的な部分に移ろう。
今回の相手は魔法を使えない想定だから、魔法は香緒里ちゃん式の物に属性をかけるタイプくらいしか使えない。
よって主要な部品は電動か動力なしだ。
いつでも何処でも手軽に使うなら、本当は動力なしが一番いい。
電気使用だと充電等の余分な手間や整備の手間がかかるから。
でも両足義足で動力なしだと、普通に歩く時には杖が必要になる。
やっぱり動力は欲しい。
それと制御機能も。
杖など余分な器具無しで普通に歩いて生活できる。
それが目標の最低限のラインだ。
「修兄何を考え込んでいるんですか」
香緒里ちゃんが聞いてくる。
「いや、義足の動力源をどうしようかと。電気を使うとバッテリーの重さの割に稼働時間が短くなるし」
「なら、メインは魔法しかないんじゃないですか」
そうなのだ。
「でも使用者が魔法を使えないんだよ」
「なら私の付与魔法のような、持続性のある魔法を使えばいいのではないですか」
そう、その通りだ。
しかしそれには欠陥がある。
「それだと任意の動作が難しいんだ。電気制御によって動作したり動作しなかったりする動力でないとコントロールできない。物理的にスイッチングさせるのは大きくなるし、いざという時が不安だし。しかし電気で制御出来る魔法動作部品なんて存在しないんだ。今のところ」
「なら私の付与魔法で、電気制御で魔法動作をする部品を作ればいいんですね」
そうなのだ。それが出来れば文句ない。
自分の課題に後輩の魔法を使用するのは俺のプライドを刺激する。
しかし課題作成で他の人の魔法を使うのは、禁止行為ではない。
それにその方がいいものが作れるなら、使わないほうが間違いだろう。
重視すべきは作成品の完成度と満足度。
俺のちっぽけなプライドでは無い筈だ。
「電気を流すと回る、モータのような感じをイメージすればいいんですね」
「ああ。動きとしては筋肉のように微弱な電流で伸び縮みを制御できるのがベストだな。義足だからさ。でも、出来そうかな?」
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だから出来るかどうか、可能性すら良くわからない。
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