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第10章 新役員がやってきた
43 ご近所さんを誘え
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「さて、長津田君をいじるのはこれくらいにして、何か質問はあるかな」
鈴懸台先輩の台詞に、鷺沼さんが軽く手を上げる。
「学生会ってここ数年選挙をしていないと思うのですが、皆さんはどういうきっかけで入られたのですか」
「敬語は使わなくていいわよ。仲間なんだし。私は2年の時、その時の会長と知り合いで頼まれて会計やって以来かな。副会長の翠も同じ時に頼まれたのがきっかけ。朱里は3年の4月に先生から推薦されてあとは同じ。後輩の3人はそれぞれ私の妹と幼馴染とその友人よ」
由香里姉が全員分を簡単に説明する。
「私の場合は推薦と言うか、先生に泣き落としされましたわ。あの2人の猛獣を止められそうなのはお前しかいない、頼むぞって」
月見野先輩の台詞に由香里姉と鈴懸台先輩が苦笑する。
自他共に認める事実なのだろう。
香緒里ちゃんとジェニーが紅茶入りのカップを持ってきた。
「ごめんなさいね、今日の葉っぱは蒸らし時間がかかるから手間取らせちゃって」
「でもこの薫りは好きすから」
「うん、この紅茶はやっぱり薫りがいいよね」
そう言いつつ全員に配る。
「この島の環境だから、お菓子もあまりいいの入らないしね。だからお茶だけは凝ってるの」
宮崎台さんがカップを手に取り軽く持ち上げる。
「ダージリン、それもセカンドフラッシュのいい奴だ」
「正解ですわ。アパキパサンドのSAN-CHAブランドのダージリン。紅茶、お好きですの」
月見野先輩の言葉に宮崎台さんは頷く。
「僕は特区生まれの特区育ちでね。うちの母も同じことを言っていたよ。食べ物は冷凍や長期保存きくものしか無くて凝れないから、紅茶くらいしか楽しめないって」
宮崎台さんは一人称が僕らしい。
「特区育ちって、珍しいですわね」
「一応父島の小中学校の分校があるけどね、小中学校併せて生徒が10人いなかったな。僕の場合は同級生もいなかったし。おかげで今の学校も家から通えるけどね」
「あれ、ご自宅から通学なんですの。ご自宅はどのあたりなんでしょうか」
「ハツネスーパーの裏のマンション」
え、それって。
「まさかアルバトロス初音じゃないですよね」
俺の質問に宮崎台さんは頷く。
「そこの801号室だけど、何故だい」
ほぼ最悪の返答が返ってきた。
これは色々まずいかも。
「うちと同じマンションですわ」
「わー、一緒なのれす」
「あれ、それってどういうことでしょうか」
鷺沼さんがちょっと訝しげに尋ねる。
「由香里さんも同じマンションに住んでいて、そしてジェニーさんも同じマンションに住んでいるという事ですか」
「こいつらあのマンションの部屋買って、一緒に住んでいるんだよ」
鈴懸台先輩があっさりネタバラシをする。
「一緒にって、薊野姉妹とジェニーさんですか」
「長津田君もですわ。4人であのマンションに住んでいるんですの」
「えっ」
鷺沼さんが絶句する。
それはそうだ。
危険な年齢の男女が親無しで一緒に住んでいるなんて。
住んでいる俺ですらそう思う。
「何か面白そうだね、少女漫画の設定みたいで。でも親とか学校とか文句言われないのかい」
興味津々という感じの宮崎台さんの質問。
「修と住む件については、双方の両親及び修の担当教官の公認済みですわ」
あっさり由香里姉が答える。
「何か、婚約者とかそういう関係なのでしょうか?」
恐る恐るという感じに鷺沼さんが聞いてくる。
それは親公認といったらそう聞くだろうなと俺も思う。
「そうなれば面白いと思って私達も観察しているのですが、なかなかそういう展開になってくれないみたいですわ」
「というか、そんな変わった話じゃないですよ」
いい加減危険なので、俺がちゃんと説明することにした。
「薊野姉妹と俺とは小さい頃からの幼馴染で家同士も仲がいい家族みたいなものなんです。そして今年夏に香緒里ちゃんがちょっと特殊な魔法を発明して、その為に色々狙われたりする事態もあったので、外敵の接近が魔法でわかるジェニーに一緒に住んでもらうことにした。ついでに俺も近所のよしみで一緒に住まわせてもらっている。それだけですから」
何か冷たい視線が由香里姉、香緒里ちゃん、ジェニーから俺に注がれた気もする。
でも気にしない。
あくまで事実はそうなのだ。
「うちの親は言ったけどな。もし修がその……」
「あれは俺を安心させるための言葉のあやという奴です」
由香里姉が余分な事を言う前に話をぶった切る。
「そうだ、今日は金曜日だし鷺沼さんと宮崎台さんも露天風呂誘わないか」
不意に鈴懸台先輩が最悪な提案をした。
「露天風呂ってこの島では聞いたことがないけどな」
「毎週金曜日に皆で集まって露天風呂を楽しんでいるのですわ。今の学生会の恒例秘密行事ですのよ」
「本格的な奴をつくったんだよ。見晴らしも最高の奴を」
あ、鷺沼さんも宮崎台さんも反応した。
「それは面白そうですね。でもお邪魔していいのでしょうか」
遠慮がちだけど興味あるよ、って感じで鷺沼さんが聞いてくる。
「大丈夫。全員分のベッドもあるし。泊まりがてら着替え持って来てみたら」
由香里姉はそう言うが、ベッド数は……あれ。
「何なら俺、今日は車の方にいようか。あそこも一応ベッドも電源もあるし」
「大丈夫だから修は逃げない」
脱走に失敗した。
「楽しそうだね。僕も一緒に行ってい良いかい」
「大歓迎ですわ。御二方の分を含めてベッドはありますし。それでは午後5時になったら、皆でここを出ましょう。それまでに鷺沼さんは着替え等を寮に取りに行って下さいな」
月見野先輩がそんな事を。
どうなるんだろう。
あの不健全な集いに早くも新役員候補を巻き込んでしまって良いのだろうか。
俺に決定権は全くもって無いのだけれど。
鈴懸台先輩の台詞に、鷺沼さんが軽く手を上げる。
「学生会ってここ数年選挙をしていないと思うのですが、皆さんはどういうきっかけで入られたのですか」
「敬語は使わなくていいわよ。仲間なんだし。私は2年の時、その時の会長と知り合いで頼まれて会計やって以来かな。副会長の翠も同じ時に頼まれたのがきっかけ。朱里は3年の4月に先生から推薦されてあとは同じ。後輩の3人はそれぞれ私の妹と幼馴染とその友人よ」
由香里姉が全員分を簡単に説明する。
「私の場合は推薦と言うか、先生に泣き落としされましたわ。あの2人の猛獣を止められそうなのはお前しかいない、頼むぞって」
月見野先輩の台詞に由香里姉と鈴懸台先輩が苦笑する。
自他共に認める事実なのだろう。
香緒里ちゃんとジェニーが紅茶入りのカップを持ってきた。
「ごめんなさいね、今日の葉っぱは蒸らし時間がかかるから手間取らせちゃって」
「でもこの薫りは好きすから」
「うん、この紅茶はやっぱり薫りがいいよね」
そう言いつつ全員に配る。
「この島の環境だから、お菓子もあまりいいの入らないしね。だからお茶だけは凝ってるの」
宮崎台さんがカップを手に取り軽く持ち上げる。
「ダージリン、それもセカンドフラッシュのいい奴だ」
「正解ですわ。アパキパサンドのSAN-CHAブランドのダージリン。紅茶、お好きですの」
月見野先輩の言葉に宮崎台さんは頷く。
「僕は特区生まれの特区育ちでね。うちの母も同じことを言っていたよ。食べ物は冷凍や長期保存きくものしか無くて凝れないから、紅茶くらいしか楽しめないって」
宮崎台さんは一人称が僕らしい。
「特区育ちって、珍しいですわね」
「一応父島の小中学校の分校があるけどね、小中学校併せて生徒が10人いなかったな。僕の場合は同級生もいなかったし。おかげで今の学校も家から通えるけどね」
「あれ、ご自宅から通学なんですの。ご自宅はどのあたりなんでしょうか」
「ハツネスーパーの裏のマンション」
え、それって。
「まさかアルバトロス初音じゃないですよね」
俺の質問に宮崎台さんは頷く。
「そこの801号室だけど、何故だい」
ほぼ最悪の返答が返ってきた。
これは色々まずいかも。
「うちと同じマンションですわ」
「わー、一緒なのれす」
「あれ、それってどういうことでしょうか」
鷺沼さんがちょっと訝しげに尋ねる。
「由香里さんも同じマンションに住んでいて、そしてジェニーさんも同じマンションに住んでいるという事ですか」
「こいつらあのマンションの部屋買って、一緒に住んでいるんだよ」
鈴懸台先輩があっさりネタバラシをする。
「一緒にって、薊野姉妹とジェニーさんですか」
「長津田君もですわ。4人であのマンションに住んでいるんですの」
「えっ」
鷺沼さんが絶句する。
それはそうだ。
危険な年齢の男女が親無しで一緒に住んでいるなんて。
住んでいる俺ですらそう思う。
「何か面白そうだね、少女漫画の設定みたいで。でも親とか学校とか文句言われないのかい」
興味津々という感じの宮崎台さんの質問。
「修と住む件については、双方の両親及び修の担当教官の公認済みですわ」
あっさり由香里姉が答える。
「何か、婚約者とかそういう関係なのでしょうか?」
恐る恐るという感じに鷺沼さんが聞いてくる。
それは親公認といったらそう聞くだろうなと俺も思う。
「そうなれば面白いと思って私達も観察しているのですが、なかなかそういう展開になってくれないみたいですわ」
「というか、そんな変わった話じゃないですよ」
いい加減危険なので、俺がちゃんと説明することにした。
「薊野姉妹と俺とは小さい頃からの幼馴染で家同士も仲がいい家族みたいなものなんです。そして今年夏に香緒里ちゃんがちょっと特殊な魔法を発明して、その為に色々狙われたりする事態もあったので、外敵の接近が魔法でわかるジェニーに一緒に住んでもらうことにした。ついでに俺も近所のよしみで一緒に住まわせてもらっている。それだけですから」
何か冷たい視線が由香里姉、香緒里ちゃん、ジェニーから俺に注がれた気もする。
でも気にしない。
あくまで事実はそうなのだ。
「うちの親は言ったけどな。もし修がその……」
「あれは俺を安心させるための言葉のあやという奴です」
由香里姉が余分な事を言う前に話をぶった切る。
「そうだ、今日は金曜日だし鷺沼さんと宮崎台さんも露天風呂誘わないか」
不意に鈴懸台先輩が最悪な提案をした。
「露天風呂ってこの島では聞いたことがないけどな」
「毎週金曜日に皆で集まって露天風呂を楽しんでいるのですわ。今の学生会の恒例秘密行事ですのよ」
「本格的な奴をつくったんだよ。見晴らしも最高の奴を」
あ、鷺沼さんも宮崎台さんも反応した。
「それは面白そうですね。でもお邪魔していいのでしょうか」
遠慮がちだけど興味あるよ、って感じで鷺沼さんが聞いてくる。
「大丈夫。全員分のベッドもあるし。泊まりがてら着替え持って来てみたら」
由香里姉はそう言うが、ベッド数は……あれ。
「何なら俺、今日は車の方にいようか。あそこも一応ベッドも電源もあるし」
「大丈夫だから修は逃げない」
脱走に失敗した。
「楽しそうだね。僕も一緒に行ってい良いかい」
「大歓迎ですわ。御二方の分を含めてベッドはありますし。それでは午後5時になったら、皆でここを出ましょう。それまでに鷺沼さんは着替え等を寮に取りに行って下さいな」
月見野先輩がそんな事を。
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