機械オタクと魔女五人~魔法特区・婿島にて

於田縫紀

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第19章 好きという単語の定義域 ~夏に思った考えた~

閑話 一行の帰島

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 羽田から聟島までの飛行機は決して大きくない。通路を挟んで2列2列の横4列、縦17列。
 新幹線のグリーン車1両分程度といえば感覚がつかめるだろうか。中はもう少し狭いけれど。

 不思議な事に、この中にごっそりと知り合いが乗っていた。

 由香里姉と香緒里ちゃんは一緒に席を取ったから不思議ではない。
 でも風遊美さん、ジェニー、ルイス君、ソフィーちゃん。鈴懸台先輩もいるし月見野先輩もいる。
 挙句の果てには田奈家4名もご乗機という状況。

 何故8月19日日曜の午後便に、こんなに固まってしまったのだろうか。
 理由は不明だが、まあこんな時もあるのだろう。

 聟島空港にはチェックゲートがある。魔法特区に関係のない人間はここで弾かれるのだ。
 時々正体不明自称ジャーナリストとか、国連の方から来た特別報告者とか等が入れなくてトラブルを起こしている。
 何と言われてもそのまま東京へ直帰させた上、運賃は往復分きっちりと請求されるのだけれども。

 空港は市街地から離れているので、普通はバスで帰る。
 このバスが小さいし混むしで評判最悪の代物だ。

 でも俺達は由香里姉の愛車を駐車場に停めている。
 なので取り敢えず学生会関係一同と田奈家一同を例のキャンピングカーに乗せる。

 定員を遥かにオーバーしているが気にしてはいけない。
 ここは離島。細かい交通法規など誰も気にしない。途中で道路でなく空飛んでいるし。
 学校の寮の前で5人下ろしてマンションへ。

「助かりました。あの空港からのバスだけは毎回苦労しますので」

 田奈夫人からお礼を言われてしまった。
 改めてみると田奈夫人=娘さん、田奈先生=詩織ちゃんのラインが分かる。何となくそのラインで雰囲気が似ているのだ。
 詩織ちゃんと先生に血の繋がりは無いのだけれど。何故かくっきりと。

 部屋へ帰ると、既に中に住人がいた。
 プリンを食べながら、長ソファーでこれ以上無いという位にくつろいでいる。

「よお、お帰り」

 言うまでもなく奈津希さんだ。

「一応ここはうちの部屋なんですけれど」

「今日帰ってくるのは聞いていたからさ。お土産の受取の為に、ここで待っていた」

 なんともずうずうしい言い草だ。確かにお土産は買っては来たけれど。
 俺の、ただし俺の物は何一つ入っていないでっかいスーツケースを開ける。

「指定されたパン屋のパンとケーキ屋のケーキ、他焼菓子類等々ですよね」

 結構これを買うのも苦労したのだ。都内や神奈川等のあちこちの人気店をばらばらに指定してくれたものだから。
 特にパンとケーキは超人気店で、俺と香緒里ちゃんがそれぞれ今日の開店直後に並んで買った代物。

 確かにこの島には美味しいパン屋やケーキ屋は無い。だから気持ちはわかるのだけれども。

「ひゃほーい。試食だ試食だ!」

 奈津希さんは上機嫌でスーツケース中身の整理作業に入った。
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