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第27章 ひとつだけの嘘~夏の旅行・後編
134 古き街並みに日は暮れて
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スーパーに入って単独テナントの肉屋をサラッと見て、詩織ちゃんは少し考える。
そして香緒里ちゃんにこそこそと相談。
何やら企んでいるのがありありだ。
あ、どうも香緒里ちゃんがOKか肯定かしたようだ。
今度は風遊美さんにこそこそと相談する。
「いいですね、それなら先に道具を確認ですね」
「なら修先輩。100円ショップ行くですよ」
何だろう。
何をする気だろう。
100円ショップの中を詩織ちゃんはカゴを持って探し回り、そして立ち止まってこっちを手招きする。
「あったですよ」
詩織ちゃんが見つけたのは、小さい鍋とステーキ皿。
「ここで質問です。先輩方はすき焼きとステーキ、どっちが食べたいでしょうか?」
「両方です!」
すかさず風遊美さん。
何かキャラが違う、やっぱり。
「そうですね。私も両方食べたいです」
「多数決により、両方になったのです」
詩織ちゃんはステーキ皿4つとなべ2つ、鍋置きを2つカゴに入れる。
なお、既に深めの紙皿と割り箸はかごに入っている。
「持つのは修先輩の仕事なのです」
既に重そうなカゴを俺に渡す。
「何をする気だ」
「香織先輩の魔法なら、この安い鍋に温度属性を持たせるのは簡単なのです」
ん、それってどういう……
そうか! 俺はやっと理解した。
「成程、よく考えた!」
「ふっふっふっ。必要は発明の母なのです」
多分意味か使い方が違うけれど、まあいい。
要は香緒里ちゃんが温度属性を持たせた鍋やステーキ皿で、肉や野菜を部屋で料理して食べようということだろう。
確かに面白い。
かなり重いお買い上げの品一通りを俺のディパックに入れて。そして今度はスーパーの食料品売場へ。
ちょうどカット済みのすき焼き用野菜セットみたいなのがあったので購入。
あとは豆腐と白滝と、すき焼きのタレとステーキのタレ。
卵も忘れない、ドリンクも。
主食のご飯が入った弁当も人数分カゴに入れる。
「肉はあそこの精肉店でいいの買うのです」
なので、これで会計。
最後に肉屋でステーキ用に切ってもらった飛騨牛と、すき焼き用の薄切りの飛騨牛を買って宿に帰る。
他の2組はどこかへ食べに行ったようで、宿にはいない。
既に敷かれていた布団を少しどけて宴会スペースを作る。
大きめの座卓に紙皿、ステーキ皿、鍋おきの上に鍋をセット。
更に材料一式も並べる。
「念のため、清拭魔法をかけます」
鍋とステーキ皿に風遊美さんの清拭魔法がかけられた。
「ではステーキ皿は200℃で、鍋は100℃でいいですね」
香緒里ちゃんの魔法もかかる。
「さて、まずは全部に牛脂を敷くのですよ」
詩織ちゃんが鍋奉行宜しく作業を開始した。
何か珍しいけど楽しい光景だ。
◇◇◇
すき焼き&ステーキ作戦は、大成功だった。
「しかし詩織ちゃん、すき焼き詳しいな」
最初に肉を焼くところから妙に手慣れていたのだ。
「へっへっへっ、前に親父と高い店行って学習したですよ。ステーキも別の店でやっていたのを覚えていたのです」
そんなの見ただけでマスターするなんて、妙な方向にスペックが高い。
「美味しかったですね。凄く楽しいです」
風遊美さんの感想に、香緒里ちゃんも俺も頷く。
流石飛騨牛、こんないい加減な食べ方でも凄く美味い。
何というか肉自体に旨味と甘味があるのだ。
「ふっふっふっ、まだまだ夜の部は始まったばかりなのですよ。これから夜の散歩をして、帰りに腹ごなしのラーメンを食べて、部屋でしっぽりするまでが予定ですよ」
部屋でしっぽり、って処に異議があるがまあいい。
紙皿等ゴミ類はまとめてスーパーの袋へ。
鍋とステーキ皿は清拭魔法をかけてまとめてふと気づく。
ひょっとして俺、明日からこの重いのを持って歩くのだろうか。
他に持たせるわけにもいかないし、宿に到着すれば置いておけるからまあいいか。
◇◇◇
そんな訳で夜の街並みを一通り散策して、詩織ちゃんおすすめの高山ラーメンを食べて旅館へ戻る方向に足を向ける。
夜の古い街散歩、なかなか面白い。
昔ながらの陣屋が映画セットのように見えたり、古い街並みが結構賑わっていて妙に幻想的だったり。
気温もかなり涼しくなってきて心地良い。
旅館の手前で立て続けにSNSに着信が入る。
1件はジェニーから。
『街で外人さんと意気投合したので遅くなります』
お前も外人だろう、というつっこみはこの際置いておく。
もう1件はルイスから。
『カラオケで色物合戦中。遅くなる』
そういう事は、2組とも遅くなるという事か。
「2組とも遅くなるらしいけれど、どうする。こっちもカラオケとか行くか」
「明日から名古屋と東京ですよね。ならカラオケは明日以降でいいのでは」
「昨日は修さんにも迷惑かけましたしね」
確かに実は、俺は眠い。
あと最後のラーメンは美味かったがちょっと食べすぎた。
「ならいい案があるのですよ。風遊美先輩と香緒里先輩お耳拝借なのです」
俺を除け者にして、3人でひそひそ相談。
「あ、それはいいですね」
「楽しそうです」
3人で盛り上がっている。
俺はちょっと嫌な予感。
とりあえず旅館に帰って、浴衣に着替えて風呂に入る。
今日は男女別なのでここまでは安心。
部屋に帰り、俺は荷物をまとめる。
「それじゃ、俺は向こうの6畳間で寝てくるよ。ここは布団3人分だし」
そう言って去ろうとしたところを、香緒里ちゃんに止められた。
「修兄、夜はこれからです」
いや、俺は眠い。1人でゆっくり眠りたい。
だから抵抗してみる。
「でも布団足りないだろ」
「布団は3つをくっつければ大丈夫なのですよ」
詩織ちゃんがそう言って、風遊美さんと香緒里ちゃんで敷布団3枚を中央に寄せる。
「この気温なら掛け布団をしっかりかけなくても大丈夫ですね。横掛けで足が出るくらいでちょうどです」
「という訳で修先輩、まずはこの位置に寝るですよ」
なお枕は、詩織ちゃんがどこからともなく1個取り出した。
多分空き部屋にあるものを、空間魔法を使って取り寄せたのだろう。
有無を言わさぬ感じなので、俺は仕方なく指定された場所に横になる。
右側に風遊美さんが横になり、左側に詩織ちゃんが横になる。
詩織ちゃんの向こう側は香緒里ちゃんだ。
3枚の布団に等間隔に横になったところで、風遊美さんと香緒里ちゃんが1枚の敷布団を横にして、2人ずつ掛ける形にする。
「それでは修兄、照明を消して欲しいです」
言われるままに、魔法で電気オフ。
「それでは両手を広げて繋げるですよ」
え、これってひょっとして。
逃げる間もなく俺の両手はそれぞれ風遊美さんと詩織ちゃんに握られた。
そして意識が落ちていく……
そして香緒里ちゃんにこそこそと相談。
何やら企んでいるのがありありだ。
あ、どうも香緒里ちゃんがOKか肯定かしたようだ。
今度は風遊美さんにこそこそと相談する。
「いいですね、それなら先に道具を確認ですね」
「なら修先輩。100円ショップ行くですよ」
何だろう。
何をする気だろう。
100円ショップの中を詩織ちゃんはカゴを持って探し回り、そして立ち止まってこっちを手招きする。
「あったですよ」
詩織ちゃんが見つけたのは、小さい鍋とステーキ皿。
「ここで質問です。先輩方はすき焼きとステーキ、どっちが食べたいでしょうか?」
「両方です!」
すかさず風遊美さん。
何かキャラが違う、やっぱり。
「そうですね。私も両方食べたいです」
「多数決により、両方になったのです」
詩織ちゃんはステーキ皿4つとなべ2つ、鍋置きを2つカゴに入れる。
なお、既に深めの紙皿と割り箸はかごに入っている。
「持つのは修先輩の仕事なのです」
既に重そうなカゴを俺に渡す。
「何をする気だ」
「香織先輩の魔法なら、この安い鍋に温度属性を持たせるのは簡単なのです」
ん、それってどういう……
そうか! 俺はやっと理解した。
「成程、よく考えた!」
「ふっふっふっ。必要は発明の母なのです」
多分意味か使い方が違うけれど、まあいい。
要は香緒里ちゃんが温度属性を持たせた鍋やステーキ皿で、肉や野菜を部屋で料理して食べようということだろう。
確かに面白い。
かなり重いお買い上げの品一通りを俺のディパックに入れて。そして今度はスーパーの食料品売場へ。
ちょうどカット済みのすき焼き用野菜セットみたいなのがあったので購入。
あとは豆腐と白滝と、すき焼きのタレとステーキのタレ。
卵も忘れない、ドリンクも。
主食のご飯が入った弁当も人数分カゴに入れる。
「肉はあそこの精肉店でいいの買うのです」
なので、これで会計。
最後に肉屋でステーキ用に切ってもらった飛騨牛と、すき焼き用の薄切りの飛騨牛を買って宿に帰る。
他の2組はどこかへ食べに行ったようで、宿にはいない。
既に敷かれていた布団を少しどけて宴会スペースを作る。
大きめの座卓に紙皿、ステーキ皿、鍋おきの上に鍋をセット。
更に材料一式も並べる。
「念のため、清拭魔法をかけます」
鍋とステーキ皿に風遊美さんの清拭魔法がかけられた。
「ではステーキ皿は200℃で、鍋は100℃でいいですね」
香緒里ちゃんの魔法もかかる。
「さて、まずは全部に牛脂を敷くのですよ」
詩織ちゃんが鍋奉行宜しく作業を開始した。
何か珍しいけど楽しい光景だ。
◇◇◇
すき焼き&ステーキ作戦は、大成功だった。
「しかし詩織ちゃん、すき焼き詳しいな」
最初に肉を焼くところから妙に手慣れていたのだ。
「へっへっへっ、前に親父と高い店行って学習したですよ。ステーキも別の店でやっていたのを覚えていたのです」
そんなの見ただけでマスターするなんて、妙な方向にスペックが高い。
「美味しかったですね。凄く楽しいです」
風遊美さんの感想に、香緒里ちゃんも俺も頷く。
流石飛騨牛、こんないい加減な食べ方でも凄く美味い。
何というか肉自体に旨味と甘味があるのだ。
「ふっふっふっ、まだまだ夜の部は始まったばかりなのですよ。これから夜の散歩をして、帰りに腹ごなしのラーメンを食べて、部屋でしっぽりするまでが予定ですよ」
部屋でしっぽり、って処に異議があるがまあいい。
紙皿等ゴミ類はまとめてスーパーの袋へ。
鍋とステーキ皿は清拭魔法をかけてまとめてふと気づく。
ひょっとして俺、明日からこの重いのを持って歩くのだろうか。
他に持たせるわけにもいかないし、宿に到着すれば置いておけるからまあいいか。
◇◇◇
そんな訳で夜の街並みを一通り散策して、詩織ちゃんおすすめの高山ラーメンを食べて旅館へ戻る方向に足を向ける。
夜の古い街散歩、なかなか面白い。
昔ながらの陣屋が映画セットのように見えたり、古い街並みが結構賑わっていて妙に幻想的だったり。
気温もかなり涼しくなってきて心地良い。
旅館の手前で立て続けにSNSに着信が入る。
1件はジェニーから。
『街で外人さんと意気投合したので遅くなります』
お前も外人だろう、というつっこみはこの際置いておく。
もう1件はルイスから。
『カラオケで色物合戦中。遅くなる』
そういう事は、2組とも遅くなるという事か。
「2組とも遅くなるらしいけれど、どうする。こっちもカラオケとか行くか」
「明日から名古屋と東京ですよね。ならカラオケは明日以降でいいのでは」
「昨日は修さんにも迷惑かけましたしね」
確かに実は、俺は眠い。
あと最後のラーメンは美味かったがちょっと食べすぎた。
「ならいい案があるのですよ。風遊美先輩と香緒里先輩お耳拝借なのです」
俺を除け者にして、3人でひそひそ相談。
「あ、それはいいですね」
「楽しそうです」
3人で盛り上がっている。
俺はちょっと嫌な予感。
とりあえず旅館に帰って、浴衣に着替えて風呂に入る。
今日は男女別なのでここまでは安心。
部屋に帰り、俺は荷物をまとめる。
「それじゃ、俺は向こうの6畳間で寝てくるよ。ここは布団3人分だし」
そう言って去ろうとしたところを、香緒里ちゃんに止められた。
「修兄、夜はこれからです」
いや、俺は眠い。1人でゆっくり眠りたい。
だから抵抗してみる。
「でも布団足りないだろ」
「布団は3つをくっつければ大丈夫なのですよ」
詩織ちゃんがそう言って、風遊美さんと香緒里ちゃんで敷布団3枚を中央に寄せる。
「この気温なら掛け布団をしっかりかけなくても大丈夫ですね。横掛けで足が出るくらいでちょうどです」
「という訳で修先輩、まずはこの位置に寝るですよ」
なお枕は、詩織ちゃんがどこからともなく1個取り出した。
多分空き部屋にあるものを、空間魔法を使って取り寄せたのだろう。
有無を言わさぬ感じなので、俺は仕方なく指定された場所に横になる。
右側に風遊美さんが横になり、左側に詩織ちゃんが横になる。
詩織ちゃんの向こう側は香緒里ちゃんだ。
3枚の布団に等間隔に横になったところで、風遊美さんと香緒里ちゃんが1枚の敷布団を横にして、2人ずつ掛ける形にする。
「それでは修兄、照明を消して欲しいです」
言われるままに、魔法で電気オフ。
「それでは両手を広げて繋げるですよ」
え、これってひょっとして。
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