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第27章 ひとつだけの嘘~夏の旅行・後編
136 猛獣対怪獣観戦記
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夕食は美味いし量も十分にあった。
刺身天ぷら煮物焼き物という典型的な和の会席料理に、ひつまぶしときしめんが付いていた。
昼に奇食を食べ過ぎたジェニーとソフィーは全部食べられなかった位だ。
その残りを詩織ちゃんと復活したロビーで平らげていたが。
夕食に満足してしまった事もあり、何か皆でだらだらした感じになる。
「えー、今日はカラオケ行かないれすか」
「うちは昨日やったしな」
「まだ今日以外にも街中で3泊あるからさ」
「うー、じゃあ後でラーメン食べに行くです」
例外はさっさと風呂に入って戻ってきた、ジェニーとソフィー。
「これから夜の部を攻めにいくれす」
「夜の部って何だ」
「日本の誇る漫画文化を堪能しに行くれすよ」
「漫画喫茶で漫画を読みまくってきますデス」
おいおい、体力大丈夫か。
「朝御飯までには帰ってこいよ」
腐女子2人が護衛兼小間使いのロビーを連れて出ていく。
ロビーも色々大変だ。
「やっぱり、うちも負けていられないです。香緒里先輩、風遊美先輩、行くのです」
「行ってらっしゃい」
ささっと逃げたが、やはり詩織ちゃんに捕まった。
「修先輩も当然参加なのです」
「何を」
「カラオケの練習なのです。攻撃魔法科に負ける訳にはいかないのです」
別に勝ち負けやっている訳じゃないのだけれど。
半ば無理やり詩織ちゃんに連れられ、名駅にあるカラオケボックスへ。
21時までの学生料金で入り、ドリンク持って部屋へ。
「何か詩織ちゃん、慣れているな」
「姉貴と東京で何回か行ったですからね」
成程、ならこの中では一番詳しいだろう。
特区にカラオケは無い。
個室に入り、分厚い本を渡される。
「これで歌いたい歌があれば探すですよ」
詩織ちゃん自身は備付タブレットで、慣れた手つきで曲を探して入力する。
「このタブレットを使って検索もできるですよ。それでは」
曲が始まり、詩織ちゃんがマイクを持つ。えらい派手な曲だ。
全く俺の知らない曲だが、こういうのが今の流行りなのだろうか。
何せ芸能関係は全く興味が無いので、全然わからない。
だから歌いたい曲と言われても、そもそもどんな曲があるかすら俺は知らない。
見ると香緒里ちゃんは何とか1曲入れた模様。
風遊美さんは香緒里ちゃんにアドバイスを受けながら探しているようだ。
それにしても詩織ちゃん、妙に慣れているしノッている。
片手を振り上げたり裏声つかったり、なんかもう。
一応手拍子で応援してやるが、正直俺はこんなのする自信無いぞ。
最後のサビまできっちり決めて、詩織ちゃんはマイクのスイッチを落とした。
「さあ、どんどん入れるですよ。修先輩入れたですか」
「いや、だって歌える曲をそもそも知らないし」
詩織ちゃんにすごい大げさなため息をつかれる。
「だろうと思ったのですよ。なら修先輩は特訓なのです。フリータイム時間のみできっちり仕上げるのです」
香緒里ちゃんの歌を片手で応援しながら、詩織ちゃんは勝手に曲をタブレットで入れる。
同じ曲を3回だ。
「一緒に歌ってあげるので特訓なのですよ。覚悟するのです……」
何故だ。
どうしてこうなった。
◇◇◇
そして翌朝、まだ頭の中を何曲かリフレインしている。
俺のスマホにも入れられているし。
「4曲ともニコニコ動画ではメジャーなボカロ曲なのです。ですから心おきなく聞いて覚えるですよ。とりあえずこの3曲とデュエット1曲は東京決戦までにマスターするです」
どれも割とメジャーなカラオケ曲らしい。
何がメジャーなのか、俺にはよくわからないけれども。
いずれもテンポのいい曲で、特に1つは早口言葉に近い感じだ。
しかしこんな曲が流行っているのだろうか。
俺は今まで聞いた事が無いのだけれど。
そして詩織ちゃん、最後に歌った異様な超早口の入るあの曲は何だったんだ。
人間の曲じゃないぞ、それ。
まあ人間じゃなくてボカロの曲なのだろうけれど。
さて、今日は真っ当に名古屋観光の予定だ。
名古屋城を見てひつまぶしを食べて、大須の商店街をぶらっと散歩して……
と思ったら詩織ちゃんに捕まった。
「何処へ行くですか」
「いや、名古屋に来たんだから、名古屋城を見てひつまぶしを食べて大須の商店街……」
「今日は朝からカラオケ店が開いているのです。フリータイム料金でお得に特訓なのです」
止めてくれ。
「面白そうだな。僕も混ぜてくれないか」
あ、猛獣様がやって来てしまった。
「いいですよ。敵に不足ないのです」
「よし、行くぞルイス!」
不運にもすぐ近くにいたルイスが捕まった。
犠牲者、俺の他にもう1人追加だ。
他の皆様はとっくに逃げている。
4人で昨日夜にも行ったカラオケ店へ。
「まずはジャブですよ」
詩織ちゃんは良く歌っている派手派手な歌を歌う。
俺も仕方無く、昨日教わった中で比較的歌いやすい真っ当なのを入れる。
俺が入れた曲が3曲め。
という事は奈津季さんが入れたのだろう。
ルイス君も1曲入れる。
「成程、ボカロ系か。ならこっちは大人な歌で勝負だ」
セックス・ピストルズに似ているけれど違うグループの名前が出る。
何だこれは。
いきなり給食とか鬼とか叫んでいるぞ。
「ONIGUNSOW!ですか。やりますね」
給食とか昼休みとかどう聞いても大人な歌ではない自称大人の歌の後、仕方なく俺の番。
あ、間違えて早口な方を入れていた。
おかげで序盤がちょっと失敗したが、まあ何とか歌い終わる。
次はルイスが英語の歌を歌う。
これはビートルズだっけ?
明るくてテンポよくてまっとうな歌で大変よろしい。
微妙に『大変な日の夜』という歌の選択に恨みが出ているような気がするけれど。
「ならこっちはこれですよ」
例の無茶苦茶早口で最高速な別れの歌だ。
「もう俺達は出来るだけ歌わないで見てようぜ」
ルイス君にこっそり耳打ち。
そして奈津希さんはみかん!を連呼し始めた。
猛獣対怪獣の戦いは続く。
俺とルイスに救いは来ない……
刺身天ぷら煮物焼き物という典型的な和の会席料理に、ひつまぶしときしめんが付いていた。
昼に奇食を食べ過ぎたジェニーとソフィーは全部食べられなかった位だ。
その残りを詩織ちゃんと復活したロビーで平らげていたが。
夕食に満足してしまった事もあり、何か皆でだらだらした感じになる。
「えー、今日はカラオケ行かないれすか」
「うちは昨日やったしな」
「まだ今日以外にも街中で3泊あるからさ」
「うー、じゃあ後でラーメン食べに行くです」
例外はさっさと風呂に入って戻ってきた、ジェニーとソフィー。
「これから夜の部を攻めにいくれす」
「夜の部って何だ」
「日本の誇る漫画文化を堪能しに行くれすよ」
「漫画喫茶で漫画を読みまくってきますデス」
おいおい、体力大丈夫か。
「朝御飯までには帰ってこいよ」
腐女子2人が護衛兼小間使いのロビーを連れて出ていく。
ロビーも色々大変だ。
「やっぱり、うちも負けていられないです。香緒里先輩、風遊美先輩、行くのです」
「行ってらっしゃい」
ささっと逃げたが、やはり詩織ちゃんに捕まった。
「修先輩も当然参加なのです」
「何を」
「カラオケの練習なのです。攻撃魔法科に負ける訳にはいかないのです」
別に勝ち負けやっている訳じゃないのだけれど。
半ば無理やり詩織ちゃんに連れられ、名駅にあるカラオケボックスへ。
21時までの学生料金で入り、ドリンク持って部屋へ。
「何か詩織ちゃん、慣れているな」
「姉貴と東京で何回か行ったですからね」
成程、ならこの中では一番詳しいだろう。
特区にカラオケは無い。
個室に入り、分厚い本を渡される。
「これで歌いたい歌があれば探すですよ」
詩織ちゃん自身は備付タブレットで、慣れた手つきで曲を探して入力する。
「このタブレットを使って検索もできるですよ。それでは」
曲が始まり、詩織ちゃんがマイクを持つ。えらい派手な曲だ。
全く俺の知らない曲だが、こういうのが今の流行りなのだろうか。
何せ芸能関係は全く興味が無いので、全然わからない。
だから歌いたい曲と言われても、そもそもどんな曲があるかすら俺は知らない。
見ると香緒里ちゃんは何とか1曲入れた模様。
風遊美さんは香緒里ちゃんにアドバイスを受けながら探しているようだ。
それにしても詩織ちゃん、妙に慣れているしノッている。
片手を振り上げたり裏声つかったり、なんかもう。
一応手拍子で応援してやるが、正直俺はこんなのする自信無いぞ。
最後のサビまできっちり決めて、詩織ちゃんはマイクのスイッチを落とした。
「さあ、どんどん入れるですよ。修先輩入れたですか」
「いや、だって歌える曲をそもそも知らないし」
詩織ちゃんにすごい大げさなため息をつかれる。
「だろうと思ったのですよ。なら修先輩は特訓なのです。フリータイム時間のみできっちり仕上げるのです」
香緒里ちゃんの歌を片手で応援しながら、詩織ちゃんは勝手に曲をタブレットで入れる。
同じ曲を3回だ。
「一緒に歌ってあげるので特訓なのですよ。覚悟するのです……」
何故だ。
どうしてこうなった。
◇◇◇
そして翌朝、まだ頭の中を何曲かリフレインしている。
俺のスマホにも入れられているし。
「4曲ともニコニコ動画ではメジャーなボカロ曲なのです。ですから心おきなく聞いて覚えるですよ。とりあえずこの3曲とデュエット1曲は東京決戦までにマスターするです」
どれも割とメジャーなカラオケ曲らしい。
何がメジャーなのか、俺にはよくわからないけれども。
いずれもテンポのいい曲で、特に1つは早口言葉に近い感じだ。
しかしこんな曲が流行っているのだろうか。
俺は今まで聞いた事が無いのだけれど。
そして詩織ちゃん、最後に歌った異様な超早口の入るあの曲は何だったんだ。
人間の曲じゃないぞ、それ。
まあ人間じゃなくてボカロの曲なのだろうけれど。
さて、今日は真っ当に名古屋観光の予定だ。
名古屋城を見てひつまぶしを食べて、大須の商店街をぶらっと散歩して……
と思ったら詩織ちゃんに捕まった。
「何処へ行くですか」
「いや、名古屋に来たんだから、名古屋城を見てひつまぶしを食べて大須の商店街……」
「今日は朝からカラオケ店が開いているのです。フリータイム料金でお得に特訓なのです」
止めてくれ。
「面白そうだな。僕も混ぜてくれないか」
あ、猛獣様がやって来てしまった。
「いいですよ。敵に不足ないのです」
「よし、行くぞルイス!」
不運にもすぐ近くにいたルイスが捕まった。
犠牲者、俺の他にもう1人追加だ。
他の皆様はとっくに逃げている。
4人で昨日夜にも行ったカラオケ店へ。
「まずはジャブですよ」
詩織ちゃんは良く歌っている派手派手な歌を歌う。
俺も仕方無く、昨日教わった中で比較的歌いやすい真っ当なのを入れる。
俺が入れた曲が3曲め。
という事は奈津季さんが入れたのだろう。
ルイス君も1曲入れる。
「成程、ボカロ系か。ならこっちは大人な歌で勝負だ」
セックス・ピストルズに似ているけれど違うグループの名前が出る。
何だこれは。
いきなり給食とか鬼とか叫んでいるぞ。
「ONIGUNSOW!ですか。やりますね」
給食とか昼休みとかどう聞いても大人な歌ではない自称大人の歌の後、仕方なく俺の番。
あ、間違えて早口な方を入れていた。
おかげで序盤がちょっと失敗したが、まあ何とか歌い終わる。
次はルイスが英語の歌を歌う。
これはビートルズだっけ?
明るくてテンポよくてまっとうな歌で大変よろしい。
微妙に『大変な日の夜』という歌の選択に恨みが出ているような気がするけれど。
「ならこっちはこれですよ」
例の無茶苦茶早口で最高速な別れの歌だ。
「もう俺達は出来るだけ歌わないで見てようぜ」
ルイス君にこっそり耳打ち。
そして奈津希さんはみかん!を連呼し始めた。
猛獣対怪獣の戦いは続く。
俺とルイスに救いは来ない……
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