機械オタクと魔女五人~魔法特区・婿島にて

於田縫紀

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第27章 ひとつだけの嘘~夏の旅行・後編

138 秋葉原買い出し紀行

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 今朝は皆で名古屋名物モーニングを食べ、新幹線で東京へ。
 東京駅から山手線で2駅、秋葉原を降りてすぐのホテルに荷物を預ける。

 残念ながら和室の大部屋が無かったので、トリプルの部屋を3つとツインの部屋を1つだが、まあしょうがない。
 何せ行きたい場所、秋葉原ここが一番要望が多かったのだ。
 ディズニーリゾートとかが全く希望に出てこないうちの連中、何か変だ。

「行くですよ」

 ジェニーとソフィー組が速攻で消える。
 風遊美さん、奈津季さん、香緒里ちゃん、ルイスは東京甘味の旅に出るそうだ。
 愛希ちゃん理奈ちゃんは渋谷・原宿方面へ行くとのこと。

 そして俺は詩織ちゃんとロビーに引っ張られ、部品屋巡りだ。

「そう言えば修兄、デジタルアンプ持っていましたよね」

「あれの改造が流行っていたから2基買ったけれど、今は使っていないな。ちょうどいいスピーカーも無いし」

 昔は小さいスピーカーを持っていたのだが、草刈り機を作る際警告メッセージ用にバラして使ってしまったのだ。

「ならスピーカーと導線と、あとロビーは何か買うものあるですか」

「抵抗各種とコンデンサ各種デスネ。あとは各種リレーとサーボモーターと……」

 キリがない。

「親父の懇意の店があるから、まずはそこで電子部品を押さえるですよ」
 詩織ちゃんについていくままに裏路地に入りビルの中へ。

 入ってみると思った以上にちゃんとしたお店だ。
 通路もこういう店にしては広い。

「ここは一通り何でもあるですから、まずはここで仕入れるですよ」

 との事なので俺も色々見てみる。
 確かにあの親父が懇意にしているだけあって、品揃えもいいし安い。
 変な基盤とかも色々揃っているし。

「この安いアルデュイーノ互換機11台パック、買っておくかな」

 とんでもなく安い互換機が売っているのでついついまとめ買い。

「アルデュイーノやラズパイ使うと色々冗長になるから嫌いなのです。私はPICにアセンブラ直書きする方が好きなのです」

「そんなんデバッグ面倒じゃないか」

「メモリの1ビットは血の1滴なのです」

 詩織ちゃん、若い癖に流儀が古い。

「ちなみにロビーはどうなのですか」

「まずはパワーデス。力こそパワーなのデス。マイコンは何でもいいのデス」

 おいおい。
 こっちもなかなかに極端だ。

 そんな感じで三者三様の細かく怪しい買い物をしていたら。
 最初の店だけでかなり時間が経過していた。

「まずいです。飯を食べに行くですよ」

 再び詩織ちゃんの歩くままについて行き、坂を登り階段も上り大きい橋を渡ってついたのはビジネスホテルの中。

「ここのバイキングが安くて美味しいのです」

 言われるがままに入る。
 確かにバイキングで二千円しないのはこの場所なら高くはない。
 そして内容は、和食メインだが唐揚げもあるバイキング。

 ああ、健全なメニューだなと思ったら。
 俺以外の2人は不健全な量を爆盛りしてきた。
 まあ、そうなるよな。
 いつものパターンだ。

 ◇◇◇

 食事が終わった後、俺は近くの御茶ノ水駅から電車に乗って秋葉原に戻った。
 チェックインのため、ちょっと早めに戻ってみたのだ。

 詩織ちゃんとロビーはもう少し買い物を続けるとのこと。
 なので俺は1人でチェックインを……えっ。

 チェックインはもう終わっていた。
 どうやらジェニー&ソフィー組が先に1回戻ったらしい。

 渡された鍵で最初に開けた部屋を見て、彼女達が何故一度ここへチェックインしたかよくわかった。
 戦利品の山が積んである。薄い本とか薄い本とか怪しいポスターとか危険な雑誌とか。

 彼女達は重くなったこれら荷物を置いて、再び戦いに出たのだろう。
 とりあえず俺も到着と部屋番号をSNSで全員に流し、自分の戦利品を整理する。
 思った以上の収穫だ。

 ついでに洗面所で長旅でたまった下着類を洗濯して干しておく。
 まだ皆当分帰らないから大丈夫だろう。

 俺の場合はこの旅の後、合宿免許が待っているのだ。
 一度実家には戻るが出来れば面倒は少ない方がいい。

 洗濯した下着類を貸出のアイロンで無理やり乾かし荷物整理。
 一段落した頃、スマホからSNSメッセージの通知音がした。
 スイーツ組がまもなく戻ってくるようだ。

 とりあえず下着とかを片付ける。
 ジェニー達の怪しい戦利品は無視だ。

 ひととおり片付けたところで、部屋のドアがノックされる。
 開くと風遊美さん、香緒里ちゃん、ルイスの3人。

「あれ、奈津希さんは」

「ちょっとお出かけで、明日には戻るそうです」

 3人それぞれ違う表情に大体察しはついた。
 奈津季さん、江田先輩に会いに行ったな。

「この荷物は」

「ジェニーかソフィーのです。危険物なので触れないように」

 中身がアッー! とかそういうモノだろうしな。

「今日の夕食はどうしようか。まあこんな街だから場所はいくらでもあるけれど」

「どうせ他の組ももうすぐ帰ってくるから、それからでいいでしょう」

「そうですね」

 そこで風遊美さんは俺と香緒里ちゃんの方を見る。

「ところで明日、ちょっと行ってみたい場所があるのですけれど、修さんと香緒里さん、ちょっと一緒にお願いしていいですか」

 何だろう。

「俺はかまいません」

「私も大丈夫ですけれど、何処ですか」

「今はまだ秘密です」

 風遊美さんはふっと笑う。

「それでは明日、宜しくお願いします」

 その言葉の直後、俺のスマホがまた鳴る。
 ジェニー達や詩織ちゃん組も帰ってくるようだ。
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