婚約破棄されたので、論破して旅に出させて頂きます!

桜アリス

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婚約破棄2

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「では、殿下。私がやっていないという証拠をお教えいたしますわ!
まず1つ目に、学園ではだいたいお友達と一緒にいましたわ。
2つ目に、私はここ2ヶ月くらいは学園に行っておりませんわ。」

そう言うと、殿下は目を開いて驚いたが、すぐに馬鹿にしたように鼻で笑った。

「何を言っている。
さっき友人と一緒にいたと言っていたではないか。
それに、学園に行ってないならなにか?家にじめじめと引きこもっていたのか?
それとも男遊びにでも忙しくしてたのか?とんだ売女だな!
汚らわしい。」

は?なんて言ったこいつ?
男遊び?売女?
お前と一緒にしないでほしいわ!
汚らわしいのは自分でしょうが!!

「はぁ?お言葉が過ぎますし、下品ですわ。
それに、とんでもない侮辱ですわ!
その言葉は私だけでなくフォールト公爵家への侮辱ととりますわ!
あと、売女や男遊びなど…あなたやそこのリリアナさんと一緒にしないでくださらない?
わたしは、仕事で行けなかっただけですわ。
あなたと違って私はちゃんと仕事をしていますの。
馬鹿にするのも大概にして下さいまし。」

「な、な、な、なんていう侮辱だ!
俺とリリアナをそんな汚らわしいものといっしょにするな!
今の言葉を俺とリリアナに謝罪しろ!
それにお前みたいな女が仕事だと?
お前にできる仕事などないだろう!」

自分が言ったくせに、自分に言われたら切れるだなんて。
図星だからかな?(笑)
それに、私に仕事ができない?
あんたよりは勉学も仕事もしてるわ!

「あらあら、殿下が言われた言葉を返しただけですわ。
それに、あなた達の場合は私と違って事実ではありませんか。
それに、私は殿下と違って勉学も仕事もちゃんとやっていますわ!」

「では、何の仕事だ!言ってみろ!」

「殿下は先日、ウォーレス王国と同盟を結んだことは知っておられますか?」

「そんなこと当たり前だろう。
馬鹿にするな!」

「では、それを行ったのが私ということも知っておられますよね?」

「は?な、そんなわけない!
どうして同盟を結ぶのに、お前みたいな女が任命されるんだ!」

はぁ、そんなことも知らないのか。

「殿下はほんとに、なにも知らないのですわねぇ。
理由は私がウォーレス語が話せることと、他にもいろいろな仕事などをやってきたからですわ。
それと、私は武術も魔法も嗜んでおり、そこら辺の魔物や盗賊くらい1人でも倒せるからですわ。」

私は馬鹿にしたように話した。
でも、ほんとにこんなことも知らないとかもう、ダメじゃんあの馬鹿王子。

「そんなこと聞いてないぞ!!」

「あら、普通は第一王子なら知って置かなければいけないことですわ。
殿下のことですから、聞いたけど覚えてないのでないのですか?
その時はリリアナさんと浮気することに集中しておられたのでしょう?」

「ぶ、無礼がすぎますよ!
ローザリンさん!アレク様にそんなことをいうなんて!
アレク様だって、偶然知らなかったか忘れてただけではないですか!」

え?なんで入ってくるのこの人?
というか、なぜ侮辱された上に原因にこんなこといわれなきゃなんないの?

「無礼はどちらですか!
名前で呼ぶことも、さんで呼ぶこともあなたに許した覚えはありませんわ!
それに、さっきも言いましたわよね!
そんなことも覚えきれないのですか?
あと、殿下は偶然知らなかったや忘れていたでは、いけないのです!
そんな甘さで、国を治める、王になるなど、無理ですわ。
あなたも、殿下が王妃にするなどと言われておりますけど、殿下が王に、あなたが王妃になったりしたら、この国は終わりですわね。」

私はそう言うところころと馬鹿にしたように、面白そうに笑った。

すると、馬鹿王子は顔を真っ赤にして、叫んだ。

「先程から俺達への侮辱、ゆ、許さんぞ!!
お前みたいな悪女で売女で無礼な女など、国外追放だ!
それでなくば、死刑だ死刑!!
お前なんか害でしかないのだから死んでしまえばよい!
衛兵、衛兵!
この者を捉え、地下牢にいれておけ!」

うわ、ほんとにいうとは思わなかったわ(笑)
馬鹿の一存だけで、そんなことできるわけないのに。

あーあ。衛兵も困惑してるよ。

「あら、お話は以上ですか?
では、私ローザリン・ダリア・フォールトはアレクサンドル・ピアニー・サラティア殿下の婚約破棄を〝喜んで〟お受けいたしますわ。
あ、あと、心配されなくとも私はこの国を出ていかせていただきますわ。
こんな王子がいる国などいたくありませんわ!
では、失礼します。」

「な!待て!どこは行く!?
衛兵早く捕らえろ!!」

王子の命令に逆らえなかったのか、2人ほど、こわごわと近づいて私の腕を掴もうとする。

「無礼な!
私に触らないでくださいな。
それとも、あのくらいで公爵令嬢である私を捕まえられるとでも思っているのですか?
どちらが無礼だったか、しっかり考えてから判断してくださいな。
そうでないと後でどちらが後悔するか分からないわけではないでしょう?
では、ごきげんよう。」

そう言って私はフォールト公爵家の馬車に乗り、家へと帰った。






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