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三章
46,重罪人の最期(陛下 視点)
しおりを挟む眠り続ける紅雪を他所に、昭儀殺害未遂、昭儀の監禁暴行、八歌の家族の監禁等の複数における重罪の判決が出たのだった。
「監禁暴行を行った野党共は打ち首にし街の外門に垂らせ」
刑を執行する為野党たちを立たせると、拷問を受けて心身ともに疲労しているらしい。
文句も言わずに武官に連れて行かれる姿を眺めていた紫攸は向き直る。
まだ、二人残っていた。
「昭儀の殺害未遂をした宦官 浬坦は、主犯を述べた功績を称えて服毒の刑を与える」
「…浬坦…死んでお詫び致しますので、どうか昭儀様…お目覚め下さいっ!!」
本当なら雪華と同じ刑にしようと思っていた。
しかし、紅雪が現れ浬坦の刑を軽くするように懇願する夢を見た紫攸は考え抜いた結論。
後悔している姿はひしひしと感じるので晒し者にだけはしないことにした。
ぼろぼろと涙を流す浬坦が悲痛な叫び、願いを空に向けて吐き出す。
「くくっ…目覚める訳ないじゃない。汚された紅雪が自分の不忠を知る者たちに会いたいと思う訳ないわ!!ざまぁ見なさい!あはははははっ!!!」
「…浬坦を離宮に監禁し、刑を執行せよ」
それを隣で聞いていた雪華が愉快な笑いを零す。
拷問を受けて身体中が傷付き血が滲んでいても雪華は虚勢を止めなかった。
紫攸は雪華の言葉など聞こえていないのか、淡々と官史と武官に指示を出す。
浬坦が消えると、「私を無視するなぁああっ!!!」と叫んでいた雪華に紫攸はやっと視線を向けた。
「…てめえは何故、そこまで紅雪や紅淡を憎む」
「ふっ…あはははっ!!紅淡は気付いてなかったの?…ほんと鈍感で馬鹿で、お人好し…姉や兄たちの言葉ににこにこしちゃって…その顔で…紅銘にそっくりな顔で笑うなど許されない!!!」
紫攸は雪華の本当の狙いが紅淡だったのだと気付く。
だが、戦闘時の紅淡は全く違う性格になり、武力で戦えば相手が負けるほど強い。
勝てない相手に挑めないストレスが、婚姻がきっかけとなり雪華の狙いが紅雪に向かった。
ついでに紅淡も処罰を受けて殺められれば一石二鳥とでも考えていたのかもしれない。
「…主犯格の李 雪華は我が妃を妃とも思わない悪行の数々許す事は出来ん。城門の前で八つ裂きの刑に処する」
「朱津に伝令を!!朱津から伝令は届いていないのっ!!?」
朱津の後宮事情など紫攸には関係がない。
ただの嫉妬で、紅雪に敵意を向け実行に移した雪華がただ憎らしかった。
怒りで高ぶる気持ちを抑えながら冷静な声色で淡々と刑を述べる。
八つ裂きと言われた雪華は恐怖を滲ませ涙ながらに切迫した声で叫んだ。
「朱津はここでは無関係だ」
「わたくしは朱津国の宰相の孫娘よっ!!御爺さまが許す筈ないわっ!!止めなさいっ!わたくしに触らないでっ!!!いやっ、嫌よっ…いやぁあああああ!!!!」
何度も繰り返される朱津の国名に、紫攸は鼻で嘲笑うと席を立つ。
動揺し困惑し虚勢を張り、必死に自分の身分を主張する雪華を武官が無理矢理立たせる。
その場から離れる紫攸の耳に、雪華の悲鳴が聞こえたのだった。
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