花言葉に想いをのせて

皇 晴樹

文字の大きさ
8 / 11

コチョウラン

しおりを挟む
***

年明け最初の営業日。
冬の花たちが綺麗に咲いている店内で、
一人黙々と作業を続ける私。

まだ1月だけど、私の中では2月なんです。
バレンタインに向けて、可愛いブーケを製作中。
今流行りのソープフラワー。

『カランカラン』

あ、お客様だ。

「いらっしゃいませ。今年もよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします。ペンダント、つけてくださっているのですね。とてもお似合いです」

「ありがとうございます!」

「机の上のブーケは…」

「まだ1月ですけど、バレンタイン用のソープフラワーです。つい、夢中になってしまって…」

「手先が器用なんですね」

にっこりと笑った彼にドキドキしてしまう。

その気持ちがバレないように、すぐに顔を背けた。

「お、お一ついかがですか? まだ、試作品ですけど…」

「いいんですか? 嬉しいです!」

彼は子どもみたいにはしゃいでいた。


「…あ、すみません。本当に嬉しくて、つい……ピンクのコチョウランをください」

「いえ、大丈夫ですよ。コチョウランですね。お待ちください」

冷静に答えたつもりだけど、若干声がうわずってしまった。

紳士的でカッコいいのに、子どもみたいな一面もあるなんて……


「お待たせしました。ソープフラワーも一緒にお包みしました。直射日光は避けてくださいね」 

「ありがとうございます。大切にします」

「ありがとうございました」

……本当にお花が好きなんだなぁ。

彼が帰った後もずっと、私の胸は高鳴ったままだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

真実の愛の祝福

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
皇太子フェルナンドは自らの恋人を苛める婚約者ティアラリーゼに辟易していた。 だが彼と彼女は、女神より『真実の愛の祝福』を賜っていた。 それでも強硬に婚約解消を願った彼は……。 カクヨム、小説家になろうにも掲載。 筆者は体調不良なことも多く、コメントなどを受け取らない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜

小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。 でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。 就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。 そこには玲央がいる。 それなのに、私は玲央に選ばれない…… そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。 瀬川真冬 25歳 一ノ瀬玲央 25歳 ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。 表紙は簡単表紙メーカーにて作成。 アルファポリス公開日 2024/10/21 作品の無断転載はご遠慮ください。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

処理中です...