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弱虫くんは生徒会長
生徒会長
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***
「……な。優那」
「はや、と…」
「また、あの夢を見たのか?」
「うん…」
僕は時々、昔の夢を見る。
忘れたいのに、忘れられない。
何度鍵をかけても、勝手に蓋が開いてしまう。
……一人になる夢。
「そろそろ時間だけど、行けそう?」
「大丈夫だよ」
「会長になる準備は?」
ゆっくりと深呼吸をして隼人を見る。
「できた」
「よし、行くか」
ドアを開けて食堂に向かう。
本日最後の仕事だ。
***
「会長、隣いいですか?」
「どうぞ」
今日は……
頭をフル回転させて記憶を掘り起こす。
「冬美くん、だよね?」
「はい」
よし! 当たってた! よかったー。
毎日夕飯の時間に僕の隣に誰かが座り、いろいろな話をする。
一応、生徒全員の名前は覚えている。
今まで間違えたことはない。
毎回不安だけど。
「会長に相談したいことがあって…」
「相談?」
「来週、彼女の誕生日なんですけど、何をプレゼントしたらいいかわからなくて…」
まさかの相談内容!!
僕にそれを聞く!? なんで!?
恋愛経験なんてないし、彼女へのプレゼントって何!?
そんなのわかるわけないでしょ!
助けを求めるように、目の前に座って唐揚げを食べている隼人を見た。
僕の視線に気づいた彼は、唐揚げを飲み込んでから口を開いた。
「冬美くん。彼女ってどんな感じの子?」
「えっと…待ってください。写真を…」
僕と隼人は画面を覗き込んだ。
か、かわいい…!!
「へぇ~かわいいね。清楚系か…」
そう言って隼人は考える仕草をする。
今度はお前が行け! と、僕に目配せをした。
「彼女さんの好きなものとかわかる?」
こんなこと聞いたって、わからないものはわからないけど。
「花が好きって言ってました」
うーん、花束だと重いし……
もしかしたら「花が好き」って、花柄とか花の香りが好きってことなのかもしれない。
僕が頭を悩ませていると、隼人は思いついたように口を開いた。
「女の子ってやっぱりコスメとか? 今って花の香りのコスメとかあるし」
「コスメ?」
化粧品ってことだよね?
「あー、でも男一人で買いに行くにはきついか」
たしかに。僕だったら無理だ。
「あの…アクセサリーはどうかな? アクセサリーなら身につけられるし、花のチャームが付いたものとか、かわいいと思うよ」
「アクセサリー……いいですね!」
冬美くんの表情が、ぱあっと明るくなった。
「やっぱり会長に相談して正解でした!」
「そ、そんな、僕は…」
「優那」
あ、今は生徒会長だった。
いつもの僕はダメ。
「また何かあったらいつでも言ってね」
「はい! 会長、副会長。ありがとうございました!」
***
部屋に帰ればいつもの僕に戻る。
「僕、ちゃんと会長だった?」
「うん。最後は危なかったけど……彼の役に立てて良かったな」
「でも、あの相談は少し困る」
「恋愛系はなぁ…」
「隼人は好きな人いないの?」
昔からずっと一緒にいるけど、隼人のそういう話は聞いたことがない。
「ずーっと優那と一緒にいたから、考えたことなかったかも。好きな人は…優那かな」
「なにそれ」
僕たちは声を出して笑いあった。
「好きな人は優那」って、冗談だろうけど素直に嬉しかった。
「……な。優那」
「はや、と…」
「また、あの夢を見たのか?」
「うん…」
僕は時々、昔の夢を見る。
忘れたいのに、忘れられない。
何度鍵をかけても、勝手に蓋が開いてしまう。
……一人になる夢。
「そろそろ時間だけど、行けそう?」
「大丈夫だよ」
「会長になる準備は?」
ゆっくりと深呼吸をして隼人を見る。
「できた」
「よし、行くか」
ドアを開けて食堂に向かう。
本日最後の仕事だ。
***
「会長、隣いいですか?」
「どうぞ」
今日は……
頭をフル回転させて記憶を掘り起こす。
「冬美くん、だよね?」
「はい」
よし! 当たってた! よかったー。
毎日夕飯の時間に僕の隣に誰かが座り、いろいろな話をする。
一応、生徒全員の名前は覚えている。
今まで間違えたことはない。
毎回不安だけど。
「会長に相談したいことがあって…」
「相談?」
「来週、彼女の誕生日なんですけど、何をプレゼントしたらいいかわからなくて…」
まさかの相談内容!!
僕にそれを聞く!? なんで!?
恋愛経験なんてないし、彼女へのプレゼントって何!?
そんなのわかるわけないでしょ!
助けを求めるように、目の前に座って唐揚げを食べている隼人を見た。
僕の視線に気づいた彼は、唐揚げを飲み込んでから口を開いた。
「冬美くん。彼女ってどんな感じの子?」
「えっと…待ってください。写真を…」
僕と隼人は画面を覗き込んだ。
か、かわいい…!!
「へぇ~かわいいね。清楚系か…」
そう言って隼人は考える仕草をする。
今度はお前が行け! と、僕に目配せをした。
「彼女さんの好きなものとかわかる?」
こんなこと聞いたって、わからないものはわからないけど。
「花が好きって言ってました」
うーん、花束だと重いし……
もしかしたら「花が好き」って、花柄とか花の香りが好きってことなのかもしれない。
僕が頭を悩ませていると、隼人は思いついたように口を開いた。
「女の子ってやっぱりコスメとか? 今って花の香りのコスメとかあるし」
「コスメ?」
化粧品ってことだよね?
「あー、でも男一人で買いに行くにはきついか」
たしかに。僕だったら無理だ。
「あの…アクセサリーはどうかな? アクセサリーなら身につけられるし、花のチャームが付いたものとか、かわいいと思うよ」
「アクセサリー……いいですね!」
冬美くんの表情が、ぱあっと明るくなった。
「やっぱり会長に相談して正解でした!」
「そ、そんな、僕は…」
「優那」
あ、今は生徒会長だった。
いつもの僕はダメ。
「また何かあったらいつでも言ってね」
「はい! 会長、副会長。ありがとうございました!」
***
部屋に帰ればいつもの僕に戻る。
「僕、ちゃんと会長だった?」
「うん。最後は危なかったけど……彼の役に立てて良かったな」
「でも、あの相談は少し困る」
「恋愛系はなぁ…」
「隼人は好きな人いないの?」
昔からずっと一緒にいるけど、隼人のそういう話は聞いたことがない。
「ずーっと優那と一緒にいたから、考えたことなかったかも。好きな人は…優那かな」
「なにそれ」
僕たちは声を出して笑いあった。
「好きな人は優那」って、冗談だろうけど素直に嬉しかった。
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