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ギルド
ダンジョンへのお誘い
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上位ランクで高名な大工ギルド「ドワーフの金槌」が手掛けた我がギルドハウスのリフォーム工事は、ギルドマスターゲレオンさんの言葉どおり十日間という短い工事期間で無事終了した。
ギルド運営していくスペースでは、受付のミアさんの希望を取り入れた設備が整い、全体的に木のぬくもりが感じられるアットホームな作りとなった。
早速、ミアさんはカウンターや自分の更衣室にお気に入りの小物などを置いて楽しんでいる。
ギルドメンバーが居住するスペースには、全て同じ仕様の机、クローゼット、ベッドが作られており、オスカーさんの実家の侯爵家からの贈り物として高級な寝具が用意されていた。
寝具だけでなく、カーテンやリネン類などの細々とした物から、みんなが集うサロンのソファーセットやチェスト、資料室用の大きな書棚、執務室に置かれた重厚な机など、ギルドハウス内の調度品が丸ごとプレゼントされた。
当然、そこまで侯爵家に頼る気がなかったオスカーさんはうろたえたが、ゲレオンさんが笑顔で差し出した「返却不可」の手紙に撃沈してました。
ぼくたちだって、まだペーペーの新人ギルドにもったいないと思ったけど、ビアンカさんの「ふさわしいギルドに成り上がってみせるわ!」という前向き発言に同意しました!
特にぼくには、ダメもとで希望を出した乳牛や鶏、種々な薬草の苗、野菜の苗、果樹の木、調剤器具一式と調理用魔道具の最新式一式が与えられて、顔全体がぺかーっと輝くほど嬉しかったです。
ゲレオンさんたちは、ぼくとレオ、時々ミアさんが手伝ってくれたおやつが毎日楽しみだったと喜んでくれました。
すっかり仲良くなったゲレオンさんたちとお別れの日には、キレイになった裏庭に大きな鉄板を持ち込んで、みんなでお肉を焼いて食べて騒ぎました。
そこで、みんなのリクエストのチュロスというお菓子を山ほど作って配りました。
新しく生まれ変わったギルドハウスは、ドワーフたちの賑やかな笑い声とお肉の焼けるジュウジュウという美味しい音とチュロスの甘い匂いに包まれたんだよ。
ゲレオンさんたちが完璧な仕事を終え、たらふく飲み食いしてバルツァー公爵領地の領都を去った翌日。
ダイニングの大きなテーブルに朝食を済ませた我ら「白い輪」のギルドメンバーが神妙に座っていた。
ギルドマスターのオスカーさんがお誕生日席に、サブマスターに就いたディーターさんが右隣に座り、左隣にはビアンカさん。
ビアンカさんの隣がミアさんで、ディーターさんの隣がぼく、その隣……テーブルの上にレオです。
「ギルドハウスのリフォームも終え、受付のミアも勤務に就くことができるようになった」
ミアさんは領都にある家でお父さんと一緒に住んでいるから通いです。
ミアさんのお昼ご飯とおやつは賄いとしてぼくが用意してます。
えっへん。
「そして、私の治癒士としての依頼とビアンカたちの依頼達成で初期ポイントが貯まり、初級ダンジョン攻略許可証を手にすることができた!」
ババーンとオスカーさんの手によって掲げられる許可証が眩しい気がする。
パチパチとみんなで拍手です。
レオもみょーんと伸ばした触手でパチパチと叩いてるけど、ぺちんぺちんとちょっと間抜けな音がするよ。
さて、ダンジョンだが、このダンジョンが領地にあるかないかでは雲泥の差が出てしまう。
とにかくダンジョンから得られる財は半端ないのだ。
魔獣の素材、魔石、ドロップするアイテムはもちろん、攻略するために訪れる人、その集まる人を目当てにした宿や商店。
領地にダンジョンがあるかないかで、その領主の貴族の力関係さえも変えてしまうのだ。
特にバルツァー公爵は三大公爵家の中でも「財」を司る家であり、公爵自身も現財務大臣様である。
本家も分家も幾つもの商会を経営しており、大きな船も所有し遠国との貿易も行っているバルツァー公爵家領地のしかも領都が抱えるダンジョンは、なんと驚きの三つ。
しかも、冒険者成り立ての新人でもトライしやすい初級ダンジョンから、名が知られている冒険者ですら踏破は至難の業という上級ダンジョン、そしてほどほどに難しくドロップアイテムは魅力的な中級ダンジョンというバランスの良さ。
ぼくたち「白い輪」が手にしたのは、初級ダンジョンの攻略許可証だ。
この初級ダンジョンを踏破すれば、自動的に中級ダンジョンにチャレンジできる。
とうとう、ギルドの本格始動といっても過言ではない状況に、ダンジョンに行かないお留守番のぼくでさえ、ワクワクが止まらない!
「だが、問題はある。私たちだけでは攻撃面が弱い。新たにメンバーを補充する必要がある」
オスカーさんがムムッと難しい顔をして、ぼくたちを見回します。
「そうねぇ。オスカーが前衛に出るとしても初級ダンジョンまでしか通用しないもの。剣士は欲しいわね」
「……初級ダンジョンでも嘗めれば怪我をする。魔法使いがいれば初手攻撃が遠くからできるのだが……」
ディーターさんがちらりとミアさんの様子を伺うが、ミアさんは両手を激しく振って否定する。
「わわわっ。うちはダメよ。魔法は生活魔法しか使えんわ」
そう、魔法はスキルがなければ使えないんだ……。
先日、レオと庭で遊んでいたビアンカさんの石投げのコントロールが素晴らしくて手を叩いて褒めた称えたら、どうやら『投擲』スキルを持っているらしく、子供の頃は孤児院のご飯にと石を投げて兎や鳥を仕留めていたとか。
『投擲』スキルを活かした攻撃も考えるってオスカーさんたちが話していたけど、ぼくはとりあえず弓を勧めてみました。
『弓』スキルがなくても、似たようなスキルを持っている場合、練習すれば初級レベルには発達するらしいので!
でも……魔法はスキルがなければどうにもならないんだよねぇ。
あれ? んん? なんだか、みんながぼくを見ている気がしますけど?
「……クルト」
「はい?」
「……。一緒にダンジョンに行ってみないか?」
…………。
へ? なんですって?
ギルド運営していくスペースでは、受付のミアさんの希望を取り入れた設備が整い、全体的に木のぬくもりが感じられるアットホームな作りとなった。
早速、ミアさんはカウンターや自分の更衣室にお気に入りの小物などを置いて楽しんでいる。
ギルドメンバーが居住するスペースには、全て同じ仕様の机、クローゼット、ベッドが作られており、オスカーさんの実家の侯爵家からの贈り物として高級な寝具が用意されていた。
寝具だけでなく、カーテンやリネン類などの細々とした物から、みんなが集うサロンのソファーセットやチェスト、資料室用の大きな書棚、執務室に置かれた重厚な机など、ギルドハウス内の調度品が丸ごとプレゼントされた。
当然、そこまで侯爵家に頼る気がなかったオスカーさんはうろたえたが、ゲレオンさんが笑顔で差し出した「返却不可」の手紙に撃沈してました。
ぼくたちだって、まだペーペーの新人ギルドにもったいないと思ったけど、ビアンカさんの「ふさわしいギルドに成り上がってみせるわ!」という前向き発言に同意しました!
特にぼくには、ダメもとで希望を出した乳牛や鶏、種々な薬草の苗、野菜の苗、果樹の木、調剤器具一式と調理用魔道具の最新式一式が与えられて、顔全体がぺかーっと輝くほど嬉しかったです。
ゲレオンさんたちは、ぼくとレオ、時々ミアさんが手伝ってくれたおやつが毎日楽しみだったと喜んでくれました。
すっかり仲良くなったゲレオンさんたちとお別れの日には、キレイになった裏庭に大きな鉄板を持ち込んで、みんなでお肉を焼いて食べて騒ぎました。
そこで、みんなのリクエストのチュロスというお菓子を山ほど作って配りました。
新しく生まれ変わったギルドハウスは、ドワーフたちの賑やかな笑い声とお肉の焼けるジュウジュウという美味しい音とチュロスの甘い匂いに包まれたんだよ。
ゲレオンさんたちが完璧な仕事を終え、たらふく飲み食いしてバルツァー公爵領地の領都を去った翌日。
ダイニングの大きなテーブルに朝食を済ませた我ら「白い輪」のギルドメンバーが神妙に座っていた。
ギルドマスターのオスカーさんがお誕生日席に、サブマスターに就いたディーターさんが右隣に座り、左隣にはビアンカさん。
ビアンカさんの隣がミアさんで、ディーターさんの隣がぼく、その隣……テーブルの上にレオです。
「ギルドハウスのリフォームも終え、受付のミアも勤務に就くことができるようになった」
ミアさんは領都にある家でお父さんと一緒に住んでいるから通いです。
ミアさんのお昼ご飯とおやつは賄いとしてぼくが用意してます。
えっへん。
「そして、私の治癒士としての依頼とビアンカたちの依頼達成で初期ポイントが貯まり、初級ダンジョン攻略許可証を手にすることができた!」
ババーンとオスカーさんの手によって掲げられる許可証が眩しい気がする。
パチパチとみんなで拍手です。
レオもみょーんと伸ばした触手でパチパチと叩いてるけど、ぺちんぺちんとちょっと間抜けな音がするよ。
さて、ダンジョンだが、このダンジョンが領地にあるかないかでは雲泥の差が出てしまう。
とにかくダンジョンから得られる財は半端ないのだ。
魔獣の素材、魔石、ドロップするアイテムはもちろん、攻略するために訪れる人、その集まる人を目当てにした宿や商店。
領地にダンジョンがあるかないかで、その領主の貴族の力関係さえも変えてしまうのだ。
特にバルツァー公爵は三大公爵家の中でも「財」を司る家であり、公爵自身も現財務大臣様である。
本家も分家も幾つもの商会を経営しており、大きな船も所有し遠国との貿易も行っているバルツァー公爵家領地のしかも領都が抱えるダンジョンは、なんと驚きの三つ。
しかも、冒険者成り立ての新人でもトライしやすい初級ダンジョンから、名が知られている冒険者ですら踏破は至難の業という上級ダンジョン、そしてほどほどに難しくドロップアイテムは魅力的な中級ダンジョンというバランスの良さ。
ぼくたち「白い輪」が手にしたのは、初級ダンジョンの攻略許可証だ。
この初級ダンジョンを踏破すれば、自動的に中級ダンジョンにチャレンジできる。
とうとう、ギルドの本格始動といっても過言ではない状況に、ダンジョンに行かないお留守番のぼくでさえ、ワクワクが止まらない!
「だが、問題はある。私たちだけでは攻撃面が弱い。新たにメンバーを補充する必要がある」
オスカーさんがムムッと難しい顔をして、ぼくたちを見回します。
「そうねぇ。オスカーが前衛に出るとしても初級ダンジョンまでしか通用しないもの。剣士は欲しいわね」
「……初級ダンジョンでも嘗めれば怪我をする。魔法使いがいれば初手攻撃が遠くからできるのだが……」
ディーターさんがちらりとミアさんの様子を伺うが、ミアさんは両手を激しく振って否定する。
「わわわっ。うちはダメよ。魔法は生活魔法しか使えんわ」
そう、魔法はスキルがなければ使えないんだ……。
先日、レオと庭で遊んでいたビアンカさんの石投げのコントロールが素晴らしくて手を叩いて褒めた称えたら、どうやら『投擲』スキルを持っているらしく、子供の頃は孤児院のご飯にと石を投げて兎や鳥を仕留めていたとか。
『投擲』スキルを活かした攻撃も考えるってオスカーさんたちが話していたけど、ぼくはとりあえず弓を勧めてみました。
『弓』スキルがなくても、似たようなスキルを持っている場合、練習すれば初級レベルには発達するらしいので!
でも……魔法はスキルがなければどうにもならないんだよねぇ。
あれ? んん? なんだか、みんながぼくを見ている気がしますけど?
「……クルト」
「はい?」
「……。一緒にダンジョンに行ってみないか?」
…………。
へ? なんですって?
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