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初級ダンジョン 探索編
ショーガ焼きはおいしい
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お皿の上に黄金色の何かがこんもりと盛られています。
レオ……本当に根っこもどきをすりおろしちゃったんだ……。
ぼくの役に立てて嬉しいと体全体が発光したようにペカーッと光っているようだよ、トホホホ。
「ふむ、こいつはなかなか器用じゃねぇか。さすが、坊主の従魔だな」
和のおじさんが興味深そうにレオを観察してるが、そうか! それだよ!
ぼくの『器用貧乏』スキルもレオと同期状態にあるから、こんな未知なことにも器用に対応できちゃったんだよ!
はぁーっ、失敗していたらキングボアのステーキ……は、もうお肉を薄切りしちゃったから無理だけど、マトモな料理で味わえたのにな……くすん。
「ほら、坊主。次だ、次!」
「次は何するの?」
「ふふふ。これだよ、これ」
コトンとキッチンの作業台に和のおじさんが出したのは、例のハズレドロップ、黒い調味料だ。
「これぇぇぇ?」
ただしょっぱいだけの真っ黒な液体じゃないか……これで味付けするなんて。
「ほらほら、酒はあるか? 酒? は? ワインしかない? なんじゃそりゃ」
和のおじさんはお酒は地下の食料庫にある赤ワインぐらいしかないと告げると、ガクッと肩を落とした。
「味醂もないのか……」
「み、みりん?」
何それ?
「……しょうがない。とりあえず、砂糖をくれ」
「はぁーい」
どうやら、和のおじさんが作りたい料理に使いたい調味料が足りないみたいだ。
だから、そんな無理に作らなくてもいいんだよ?
もう、塩コショウでいいじゃん。
大きなボウルに和のおじさんに指示されたとおりに、黒い調味料と砂糖、根っこもどきのすりおろしを入れてかき混ぜた。
「ん? この根っこもどき……もしかしてジンジャー?」
クンクンと匂いを嗅ぐと、なんとなく知っているモノのような?
「おう、そうだ。生姜はジンジャーとも言うな」
ボウルの縁に腕をかけてグルグル回るタレを見守っている和のおじさんが肯定する。
「なぁんだ、ジンジャーならあるじゃないか。わざわざダンジョンに行かなくても」
「そうなのか? その割には、みんな気が付かなかったようだが?」
「そりゃね。こんな根っこもどきの姿してないもん。ジンジャーは低木に実るんだよ?」
グルグルとタレをかき混ぜているぼくを、和のおじさんは信じられないことを聞いたと目を見開いて凝視する。
「木の実だと?」
「……うん」
そんなに驚かなくてもいいと思うけど、和のおじさんは「せめて草……いや根茎部分……」とブツブツ言い出した。
「ねぇ、この後どうするの?」
早く作って、みんなに味見してもらおうよ。
だって口に合わなかったら、今日の晩ご飯、作り直さないといけないんだもん。
「焼くんだよ、肉を」
「もうっ! そんな投げやりに言わないでよ」
和のおじさんは、ぼくの『異世界レシピ』スキルの補助機能なんでしょ?
ちゃんと、教えてください。
フライパンに油を引いて、じゅわっと粉をまぶしたお肉を焼いていきます。
肉の厚さが薄いので、すぐにお肉の色が変わっていく。
「ひっくり返して……。あとは、どうするの?」
「余分な油を取り除いて、タレをかけて、焼くんだ」
「はいはーい」
布の切れ端を折り畳んで、フライパンを斜めにして集めた油を吸い取る。
タレをかけて――真っ黒なタレにジンジャーの粒々が浮いてる不気味なタレだ――お肉を焼いていく。
「ん?」
ヒクヒクと鼻を動かす。
なんだろう? なんだか、いい匂いのような?
「あんまり焼きすぎるなよ。肉が固くなる」
「はいはいっと」
キャベツの細切りが半分を占めているお皿に、お肉を一枚ずつ乗せていく。
「うん。まずは味見分ね」
「坊主が最初に味見すればいいじゃねぇか?」
和のおじさんはぼくの行動に首を捻っているけと、こんな怪しいモノをぼくだけで食べるのはイヤです。
「「「ゴクリ」」」
味見用のお皿を出した瞬間、みんなが唾を飲み込みました。
うん……期待して、じゃなくて、「なんだ、この不気味な色は?」ですよね?
「これが、例のハズレドロップを使って作った料理なの?」
「ああ、はい。あ、あの根っこもどきは、ジンジャーと似ているモノでした」
これだけはペロッと舐めてみたから、自信はあるけど、こちらのジンジャーよりかなり辛味が強かった。
「ああ……ジンジャー……って木の実じゃなかった?」
ビアンカさんがますます困惑してまったが、所詮、ハズレドロップのアイテムなので。
「まずは、私が食そう」
スチャッとナイフとフォークを持ってオスカーさんが「キングボアのショウガ焼き」挑戦です。
ぼくも、思わずゴクリ。
オスカーさんがギルドマスターらしく先陣を切ってくれましたが、ナイフとフォークで切り分けたお肉はちょっこと。
それを、恐る恐る口に運びます。
「……っ」
――――沈黙が続きます。
「?」
オスカーさんがパチパチと瞬きをして、今度はもう少し大きめにお肉を切って口に運びます。
「!」
「なによ、どうなの? オスカー」
「大丈夫か?」
作ったぼくもドキドキです。
「……おいしい」
「「「えっ?」」」
こんな不気味な色をした料理が美味しいんですか? うっそだー。
「クルト。美味しくないと思って出したのか?」
はっ! しまった、本心がポロリと口から出てしまった。
慌てて口を両手で押さえたけど、ぼくの頭の上から和のおじさんがびょーんと飛び足して大きな声で叫び出した。
「ほらみろーっ! 豚の生姜焼きはうめぇんだっ! 材料が揃っていたら、もっともっとうまいんだぞーっ!」
上機嫌でみんなの頭の上を飛び回る和のおじさんを回収しようとして気が付いた。
みんなには見えないはずの和のおじさん……の姿をオスカーさんたちが目で追っているのを!
あれ? これ、バレちゃったかな?
レオ……本当に根っこもどきをすりおろしちゃったんだ……。
ぼくの役に立てて嬉しいと体全体が発光したようにペカーッと光っているようだよ、トホホホ。
「ふむ、こいつはなかなか器用じゃねぇか。さすが、坊主の従魔だな」
和のおじさんが興味深そうにレオを観察してるが、そうか! それだよ!
ぼくの『器用貧乏』スキルもレオと同期状態にあるから、こんな未知なことにも器用に対応できちゃったんだよ!
はぁーっ、失敗していたらキングボアのステーキ……は、もうお肉を薄切りしちゃったから無理だけど、マトモな料理で味わえたのにな……くすん。
「ほら、坊主。次だ、次!」
「次は何するの?」
「ふふふ。これだよ、これ」
コトンとキッチンの作業台に和のおじさんが出したのは、例のハズレドロップ、黒い調味料だ。
「これぇぇぇ?」
ただしょっぱいだけの真っ黒な液体じゃないか……これで味付けするなんて。
「ほらほら、酒はあるか? 酒? は? ワインしかない? なんじゃそりゃ」
和のおじさんはお酒は地下の食料庫にある赤ワインぐらいしかないと告げると、ガクッと肩を落とした。
「味醂もないのか……」
「み、みりん?」
何それ?
「……しょうがない。とりあえず、砂糖をくれ」
「はぁーい」
どうやら、和のおじさんが作りたい料理に使いたい調味料が足りないみたいだ。
だから、そんな無理に作らなくてもいいんだよ?
もう、塩コショウでいいじゃん。
大きなボウルに和のおじさんに指示されたとおりに、黒い調味料と砂糖、根っこもどきのすりおろしを入れてかき混ぜた。
「ん? この根っこもどき……もしかしてジンジャー?」
クンクンと匂いを嗅ぐと、なんとなく知っているモノのような?
「おう、そうだ。生姜はジンジャーとも言うな」
ボウルの縁に腕をかけてグルグル回るタレを見守っている和のおじさんが肯定する。
「なぁんだ、ジンジャーならあるじゃないか。わざわざダンジョンに行かなくても」
「そうなのか? その割には、みんな気が付かなかったようだが?」
「そりゃね。こんな根っこもどきの姿してないもん。ジンジャーは低木に実るんだよ?」
グルグルとタレをかき混ぜているぼくを、和のおじさんは信じられないことを聞いたと目を見開いて凝視する。
「木の実だと?」
「……うん」
そんなに驚かなくてもいいと思うけど、和のおじさんは「せめて草……いや根茎部分……」とブツブツ言い出した。
「ねぇ、この後どうするの?」
早く作って、みんなに味見してもらおうよ。
だって口に合わなかったら、今日の晩ご飯、作り直さないといけないんだもん。
「焼くんだよ、肉を」
「もうっ! そんな投げやりに言わないでよ」
和のおじさんは、ぼくの『異世界レシピ』スキルの補助機能なんでしょ?
ちゃんと、教えてください。
フライパンに油を引いて、じゅわっと粉をまぶしたお肉を焼いていきます。
肉の厚さが薄いので、すぐにお肉の色が変わっていく。
「ひっくり返して……。あとは、どうするの?」
「余分な油を取り除いて、タレをかけて、焼くんだ」
「はいはーい」
布の切れ端を折り畳んで、フライパンを斜めにして集めた油を吸い取る。
タレをかけて――真っ黒なタレにジンジャーの粒々が浮いてる不気味なタレだ――お肉を焼いていく。
「ん?」
ヒクヒクと鼻を動かす。
なんだろう? なんだか、いい匂いのような?
「あんまり焼きすぎるなよ。肉が固くなる」
「はいはいっと」
キャベツの細切りが半分を占めているお皿に、お肉を一枚ずつ乗せていく。
「うん。まずは味見分ね」
「坊主が最初に味見すればいいじゃねぇか?」
和のおじさんはぼくの行動に首を捻っているけと、こんな怪しいモノをぼくだけで食べるのはイヤです。
「「「ゴクリ」」」
味見用のお皿を出した瞬間、みんなが唾を飲み込みました。
うん……期待して、じゃなくて、「なんだ、この不気味な色は?」ですよね?
「これが、例のハズレドロップを使って作った料理なの?」
「ああ、はい。あ、あの根っこもどきは、ジンジャーと似ているモノでした」
これだけはペロッと舐めてみたから、自信はあるけど、こちらのジンジャーよりかなり辛味が強かった。
「ああ……ジンジャー……って木の実じゃなかった?」
ビアンカさんがますます困惑してまったが、所詮、ハズレドロップのアイテムなので。
「まずは、私が食そう」
スチャッとナイフとフォークを持ってオスカーさんが「キングボアのショウガ焼き」挑戦です。
ぼくも、思わずゴクリ。
オスカーさんがギルドマスターらしく先陣を切ってくれましたが、ナイフとフォークで切り分けたお肉はちょっこと。
それを、恐る恐る口に運びます。
「……っ」
――――沈黙が続きます。
「?」
オスカーさんがパチパチと瞬きをして、今度はもう少し大きめにお肉を切って口に運びます。
「!」
「なによ、どうなの? オスカー」
「大丈夫か?」
作ったぼくもドキドキです。
「……おいしい」
「「「えっ?」」」
こんな不気味な色をした料理が美味しいんですか? うっそだー。
「クルト。美味しくないと思って出したのか?」
はっ! しまった、本心がポロリと口から出てしまった。
慌てて口を両手で押さえたけど、ぼくの頭の上から和のおじさんがびょーんと飛び足して大きな声で叫び出した。
「ほらみろーっ! 豚の生姜焼きはうめぇんだっ! 材料が揃っていたら、もっともっとうまいんだぞーっ!」
上機嫌でみんなの頭の上を飛び回る和のおじさんを回収しようとして気が付いた。
みんなには見えないはずの和のおじさん……の姿をオスカーさんたちが目で追っているのを!
あれ? これ、バレちゃったかな?
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