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初級ダンジョン 探索編
三人のおじさんどうする?
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思ったより初級ダンジョンから出たハズレドロップアイテムである調味料や根っこもどきがみんなに好評だったので、いろいろ気になることはあるけれども晩ご飯の後にしようとなり、ぼくは大量のキングボアのお肉を焼きました。
あの、不気味なタレをからめて。
大量のキングボアのショウガ焼きを食べ尽くし、ふほほほほーっと、全員で満足げな吐息をもらして、グイッとコップのお水を一気飲み。
「おいしかったですね」
ニッコリ笑顔のぼくの感想に、みんなも笑顔でコクリと頷いてくれました。
レオもみょーんと触手を伸ばして、満足をアピールしています。
さて、食事も終わったし後片付けして、初めてのダンジョン攻略で疲れた体をベッドに沈めたい。
カチャカチャとお皿を集めだしたぼくの腕を、オスカーさんがやんわりと静止します。
「へ?」
「スラ……レオ。悪いな? 後片付けを頼んでもいいかな? 私たちはこの人のことでクルトと話したいんだ」
クイッとオスカーさんが顎で示したのは、ふよふよと浮かんでいる和のおじさん。
ああーっ、やっぱりスルーはできない案件でしたか……。
レオは「任して」とばかりに触手で胸? をバーンと叩いて、ポイポイッとお皿を自分の体に取り込んでいく。
レオ、そのまま自分の体の中で【洗浄】してしまうの?
いいなぁ、便利だなぁ。
「クルト。場所を移そう」
「ああ、はい」
ううーん、現実逃避もできませんか……言い訳、どうしようかな?
ぼくたちは二階に上がり、ギルドスペースへ移動して、ギルドマスター執務室の隣にあるサロンへと入りました。
「わぁ、ここ使うの初めてね。わぁい、このソファーふかふか」
ビアンカさんがソファーに飛び乗るように座ると、ディーターさんがキョロキョロと部屋を見回し、まだ何も収められていないチェストや飾り棚の引出しを開けてみている。
「……君たちにも見えているよね? この、小さな……何かを?」
「ええ」
「ああ」
ビアンカさんの隣の一人掛けソファーにディーターさんが座る。
ぼくは逃げられないようにオスカーさんの隣に座らされた。
お茶ぐらい用意してもいいのでは? と思ったけど、オスカーさんが離席を許してくれそうもありません。
「それで、クルト。一体、なんなんだ?」
コレは? と、和のおじさんを指差す。
「あー、そのぅ、…………ぼくの、スキルです」
ぼくも和のおじさんの存在を100%理解しているわけじゃないから、段々と声が小さくなってしまう。
「「「スキル?」」」
三人が首を傾げるけど、和のおじさんたち三人はぼくの謎スキル『異世界レシピ』の補助機能らしいんだもん。
「和のおじさん。こっちで自分のこと説明してよ」
「ン? 坊主、いいのかバラしても?」
ひょいと片眉を上げてみせるけど、オスカーさんたちにバレたのは和のおじさんのせいでしょ?
「ちぇっ。じゃあ、他の奴らも呼ぼうぜ」
「えっ?」
ぼくが止める間もなく、ポンッポンッと他の二人のおじさんたちも姿を現す。
「やぁ、中じゃ」
「はーい、洋です」
「そして、ワシが和だ」
三人のおじさんが腰に両手を当ててふんぞり返って、みんなにご挨拶をしました。
「ク、クルトーッ!」
オスカーさんの絶叫に、ぼくは「あははは」と乾いた笑いで答えるしかできません。
「つまり、このおじさんたちが協力することで、クルトの料理が失敗することがなく、知らない料理も今日のように美味しく作ることができるのね」
「そうじゃ」
中のおじさん……もう面倒だから、中のおじさんは「チュウ」、洋のおじさんは「ヨウ」、和のおじさんは「カズ」と呼ぶことにしました。
チュウはビアンカさんにぴんっと自分の髭を指で跳ね、鷹揚に頷いてみせた。
「今日のショーユ、黒い調味料でもっと美味しい料理ができるぞ」
「本当ですか?」
オスカーさんまで、カズの話に食いついていく。
「ダンジョン攻略が進めば、もっと美味しい料理ができますよ」
「……もしかして、スイーツもか?」
ディーターさんの似付かわしくない質問に、ヨウはうんうんと頷いて応えました。
「「「クルト」」」
「はい?」
「「「ダンジョンに行こう!」」」
いやー、今日、行ったばかりですよね?
それより、この不思議物体のことはいいんですか?
「いいんじゃない。このギルドハウスの中だけ実体化してくれれば。メンバーだけの内緒ってことで」
「そうだな。ミアには明日、話しておこう」
いいのかな? そんな簡単には認めちゃって。
カズはチュウとヨウに「お前だけズルい」と責められている。
どうやら、今回手に入れた調味料はカズのジャンルだったらしい。
「坊主。明日はから揚げ作ろうな!」
カズがいい笑顔でピースサインを向けてくるけど、後ろのオスカーさんたちまでキラキラした眼でぼくを見る。
……そうですか、そうですか、みなさん不思議なことより美味しい料理なんですね?
「はい。明日も頑張って作ります」
そのためにぼくはここにいるんですから!
あの、不気味なタレをからめて。
大量のキングボアのショウガ焼きを食べ尽くし、ふほほほほーっと、全員で満足げな吐息をもらして、グイッとコップのお水を一気飲み。
「おいしかったですね」
ニッコリ笑顔のぼくの感想に、みんなも笑顔でコクリと頷いてくれました。
レオもみょーんと触手を伸ばして、満足をアピールしています。
さて、食事も終わったし後片付けして、初めてのダンジョン攻略で疲れた体をベッドに沈めたい。
カチャカチャとお皿を集めだしたぼくの腕を、オスカーさんがやんわりと静止します。
「へ?」
「スラ……レオ。悪いな? 後片付けを頼んでもいいかな? 私たちはこの人のことでクルトと話したいんだ」
クイッとオスカーさんが顎で示したのは、ふよふよと浮かんでいる和のおじさん。
ああーっ、やっぱりスルーはできない案件でしたか……。
レオは「任して」とばかりに触手で胸? をバーンと叩いて、ポイポイッとお皿を自分の体に取り込んでいく。
レオ、そのまま自分の体の中で【洗浄】してしまうの?
いいなぁ、便利だなぁ。
「クルト。場所を移そう」
「ああ、はい」
ううーん、現実逃避もできませんか……言い訳、どうしようかな?
ぼくたちは二階に上がり、ギルドスペースへ移動して、ギルドマスター執務室の隣にあるサロンへと入りました。
「わぁ、ここ使うの初めてね。わぁい、このソファーふかふか」
ビアンカさんがソファーに飛び乗るように座ると、ディーターさんがキョロキョロと部屋を見回し、まだ何も収められていないチェストや飾り棚の引出しを開けてみている。
「……君たちにも見えているよね? この、小さな……何かを?」
「ええ」
「ああ」
ビアンカさんの隣の一人掛けソファーにディーターさんが座る。
ぼくは逃げられないようにオスカーさんの隣に座らされた。
お茶ぐらい用意してもいいのでは? と思ったけど、オスカーさんが離席を許してくれそうもありません。
「それで、クルト。一体、なんなんだ?」
コレは? と、和のおじさんを指差す。
「あー、そのぅ、…………ぼくの、スキルです」
ぼくも和のおじさんの存在を100%理解しているわけじゃないから、段々と声が小さくなってしまう。
「「「スキル?」」」
三人が首を傾げるけど、和のおじさんたち三人はぼくの謎スキル『異世界レシピ』の補助機能らしいんだもん。
「和のおじさん。こっちで自分のこと説明してよ」
「ン? 坊主、いいのかバラしても?」
ひょいと片眉を上げてみせるけど、オスカーさんたちにバレたのは和のおじさんのせいでしょ?
「ちぇっ。じゃあ、他の奴らも呼ぼうぜ」
「えっ?」
ぼくが止める間もなく、ポンッポンッと他の二人のおじさんたちも姿を現す。
「やぁ、中じゃ」
「はーい、洋です」
「そして、ワシが和だ」
三人のおじさんが腰に両手を当ててふんぞり返って、みんなにご挨拶をしました。
「ク、クルトーッ!」
オスカーさんの絶叫に、ぼくは「あははは」と乾いた笑いで答えるしかできません。
「つまり、このおじさんたちが協力することで、クルトの料理が失敗することがなく、知らない料理も今日のように美味しく作ることができるのね」
「そうじゃ」
中のおじさん……もう面倒だから、中のおじさんは「チュウ」、洋のおじさんは「ヨウ」、和のおじさんは「カズ」と呼ぶことにしました。
チュウはビアンカさんにぴんっと自分の髭を指で跳ね、鷹揚に頷いてみせた。
「今日のショーユ、黒い調味料でもっと美味しい料理ができるぞ」
「本当ですか?」
オスカーさんまで、カズの話に食いついていく。
「ダンジョン攻略が進めば、もっと美味しい料理ができますよ」
「……もしかして、スイーツもか?」
ディーターさんの似付かわしくない質問に、ヨウはうんうんと頷いて応えました。
「「「クルト」」」
「はい?」
「「「ダンジョンに行こう!」」」
いやー、今日、行ったばかりですよね?
それより、この不思議物体のことはいいんですか?
「いいんじゃない。このギルドハウスの中だけ実体化してくれれば。メンバーだけの内緒ってことで」
「そうだな。ミアには明日、話しておこう」
いいのかな? そんな簡単には認めちゃって。
カズはチュウとヨウに「お前だけズルい」と責められている。
どうやら、今回手に入れた調味料はカズのジャンルだったらしい。
「坊主。明日はから揚げ作ろうな!」
カズがいい笑顔でピースサインを向けてくるけど、後ろのオスカーさんたちまでキラキラした眼でぼくを見る。
……そうですか、そうですか、みなさん不思議なことより美味しい料理なんですね?
「はい。明日も頑張って作ります」
そのためにぼくはここにいるんですから!
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