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初級ダンジョン 探索編
ハルトムートの誤解
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ギルドハウスの二階、談話室では「シーン」と鳴る音が聞こえてくるほどの沈黙に包まれています。
ミアさんは顔を真っ赤に染めて父親のハルトムートさんの腕を掴んでいるし、ハルトムートさんはガルルッと歯を剥き出して威嚇している。
その威嚇の相手は、我がギルドの盾役ディーターさんで、彼はめちゃくちゃ困惑顔で立ち尽くしていた。
ぼくとビアンカさんとオスカーさんは、何がなんだかわからずにポカンと口を開けていますけど?
「え、えっと、ハルトムート? ミアとディーターはそういう関係ではないと……思うけど?」
オスカーさんがとにかく二人の間に入ってみるが、いまいち状況を把握しきれていない様子でグダグダです。
そこへ、ビアンカさんの大笑いが突然部屋中に響く。
「あーっはははは、はーははははっ、おっかしいぃぃぃ」
お腹を抱えて大爆笑ですよ、女性なのにあるまじき姿で大笑いしています。
ビ、ビアンカさん?
太い腕を組んでムスッと顔を顰めたハルトムートさんと、真っ赤な顔でペチペチとハルトムートさんの背中を叩くミアさん。
ディータさんは困った顔で体を小さく丸めてしまい、ぼくとオスカーさんはそんな二組の間に視線を彷徨わせるだけ。
「ひーひひっ。あーっはははっ」
ビアンカさんの笑いは、まだ止まらないです。
「あー、おかしい。ハルトおじさん、ミアの好みのタイプはディータとは全然違うわよ」
「ビアンカったら、笑いごとじゃないわ。父ちゃんったら恥ずかしい」
「……」
どうやら、何度か帰りが遅くなったミアさんを家まで送って行ったディータさんが、ハルトムートさんにミアさんの恋人だと誤解されていたらしいです。
ぼくは隣にいるオスカーさんをちらりと見上げました。
「でも……オスカーさんも送って行ったことありますよね?」
「ああ、そうだな」
なんでオスカーさんは誤解されずに、ディータさんが恋人認定されたんだろう。
「ああ? オスカーはちゃんとギルドマスターだって挨拶しやがったからな」
ふんっと顔を背けてハルトムートさんが理由を教えてくれた。
「え、まさかディータ。挨拶してないのか?」
オスカーさんの問いにディータさんは両手と頭を左右にブンブン振って否定する。
「ちがっ。ちゃんとした! あいさつ」
動揺したのか、子供みたいな単語を並べた話し方になっています。
「父ちゃん!」
「うるさいっ!」
ミアさんの叩き方がペチペチからバシンバシンと強くなっているような?
「ハルトおじさんもそんなに心配しなくてもいいわよ。ミアの好みのタイプはディータともオスカーとも違うもの。線の細い王子様みたいなタイプなのよ」
ビアンカさんがニマニマとした笑いで暴露すると、ミアさんが「シャーッ」とばかりに毛を逆立てる。
「なにバラしてるのよーっ!」
「なんだ、そんな奴。強いのか?」
ハルトムートさんはミアさんの好きなタイプに納得がいかないのか、首をしきりに捻っていました。
あれですね、強さがすべての評価基準な人なんでしょう。
とにかく、ハルトムートさんの誤解が解けて良かったです……、解けましたよね? なんでディーターさんを睨んでいるんですか?
その日の夜、ミアさん親子はギルドハウスに無事に引っ越してきました。
荷物はすべて現役時代にダンジョンからゲットしたマジックバックに詰めてきたそうです。
かなりの大容量で時間遅延の効果があるとか。
「いいなぁ」
羨ましそうに見ていたら、ハルトムートさんが豪快に笑って「ほしかったら上級ダンジョンのボス部屋をクリアしないとな」とぼくの頭を撫でます。
そんなの無理です。
上級ダンジョンに行くことすら、ぼくには無理です。
「オスカーさん頑張ってください」
「……まあ、いずれな」
オスカーさんは苦笑しながらも頼もしい返事をしてくれました。
その言葉を聞いたハルトムートさんの鼻息がふぅーんっと荒くなった気がしましたけど、気のせいでしょう。
翌日、ミアさんはまだ荷物の整理があるということで、ギルドは臨時休業になりました。
なので今日は、ハルトムートさんによるギルドメンバーの実力査定をすることに急遽決まりました。
同時に戦闘訓練の指導もしてくれます。
オスカーさんは長剣をミアさんはナイフと弓を、ディーターさんは盾と何か他の武器の適正があるか見てもらうそうです。
みんな、頑張ってください! と他人事のように思っていたら、呆れた顔のハルトムートさんが「お前もだよ」とぼくの後ろ襟を掴んでズルズルと地下まで引きずって行きました。
ええっ! ぼくはこのギルドの家政担当です、家事担当です!
お掃除、料理、細々としたお世話がお仕事ですよ?
そんな、戦闘訓練なんてしなくていいですぅ。
なんだったら、どうしてもと言うのなら、ぼくの相棒のレオを連れて行ってください。
レオも触手をシュッシュッと動かして、やる気マンマンですからーっ。
ああ、そんなに引っ張ったら痛い! 痛いですよ、ハルトムートさん。
ミアさんは顔を真っ赤に染めて父親のハルトムートさんの腕を掴んでいるし、ハルトムートさんはガルルッと歯を剥き出して威嚇している。
その威嚇の相手は、我がギルドの盾役ディーターさんで、彼はめちゃくちゃ困惑顔で立ち尽くしていた。
ぼくとビアンカさんとオスカーさんは、何がなんだかわからずにポカンと口を開けていますけど?
「え、えっと、ハルトムート? ミアとディーターはそういう関係ではないと……思うけど?」
オスカーさんがとにかく二人の間に入ってみるが、いまいち状況を把握しきれていない様子でグダグダです。
そこへ、ビアンカさんの大笑いが突然部屋中に響く。
「あーっはははは、はーははははっ、おっかしいぃぃぃ」
お腹を抱えて大爆笑ですよ、女性なのにあるまじき姿で大笑いしています。
ビ、ビアンカさん?
太い腕を組んでムスッと顔を顰めたハルトムートさんと、真っ赤な顔でペチペチとハルトムートさんの背中を叩くミアさん。
ディータさんは困った顔で体を小さく丸めてしまい、ぼくとオスカーさんはそんな二組の間に視線を彷徨わせるだけ。
「ひーひひっ。あーっはははっ」
ビアンカさんの笑いは、まだ止まらないです。
「あー、おかしい。ハルトおじさん、ミアの好みのタイプはディータとは全然違うわよ」
「ビアンカったら、笑いごとじゃないわ。父ちゃんったら恥ずかしい」
「……」
どうやら、何度か帰りが遅くなったミアさんを家まで送って行ったディータさんが、ハルトムートさんにミアさんの恋人だと誤解されていたらしいです。
ぼくは隣にいるオスカーさんをちらりと見上げました。
「でも……オスカーさんも送って行ったことありますよね?」
「ああ、そうだな」
なんでオスカーさんは誤解されずに、ディータさんが恋人認定されたんだろう。
「ああ? オスカーはちゃんとギルドマスターだって挨拶しやがったからな」
ふんっと顔を背けてハルトムートさんが理由を教えてくれた。
「え、まさかディータ。挨拶してないのか?」
オスカーさんの問いにディータさんは両手と頭を左右にブンブン振って否定する。
「ちがっ。ちゃんとした! あいさつ」
動揺したのか、子供みたいな単語を並べた話し方になっています。
「父ちゃん!」
「うるさいっ!」
ミアさんの叩き方がペチペチからバシンバシンと強くなっているような?
「ハルトおじさんもそんなに心配しなくてもいいわよ。ミアの好みのタイプはディータともオスカーとも違うもの。線の細い王子様みたいなタイプなのよ」
ビアンカさんがニマニマとした笑いで暴露すると、ミアさんが「シャーッ」とばかりに毛を逆立てる。
「なにバラしてるのよーっ!」
「なんだ、そんな奴。強いのか?」
ハルトムートさんはミアさんの好きなタイプに納得がいかないのか、首をしきりに捻っていました。
あれですね、強さがすべての評価基準な人なんでしょう。
とにかく、ハルトムートさんの誤解が解けて良かったです……、解けましたよね? なんでディーターさんを睨んでいるんですか?
その日の夜、ミアさん親子はギルドハウスに無事に引っ越してきました。
荷物はすべて現役時代にダンジョンからゲットしたマジックバックに詰めてきたそうです。
かなりの大容量で時間遅延の効果があるとか。
「いいなぁ」
羨ましそうに見ていたら、ハルトムートさんが豪快に笑って「ほしかったら上級ダンジョンのボス部屋をクリアしないとな」とぼくの頭を撫でます。
そんなの無理です。
上級ダンジョンに行くことすら、ぼくには無理です。
「オスカーさん頑張ってください」
「……まあ、いずれな」
オスカーさんは苦笑しながらも頼もしい返事をしてくれました。
その言葉を聞いたハルトムートさんの鼻息がふぅーんっと荒くなった気がしましたけど、気のせいでしょう。
翌日、ミアさんはまだ荷物の整理があるということで、ギルドは臨時休業になりました。
なので今日は、ハルトムートさんによるギルドメンバーの実力査定をすることに急遽決まりました。
同時に戦闘訓練の指導もしてくれます。
オスカーさんは長剣をミアさんはナイフと弓を、ディーターさんは盾と何か他の武器の適正があるか見てもらうそうです。
みんな、頑張ってください! と他人事のように思っていたら、呆れた顔のハルトムートさんが「お前もだよ」とぼくの後ろ襟を掴んでズルズルと地下まで引きずって行きました。
ええっ! ぼくはこのギルドの家政担当です、家事担当です!
お掃除、料理、細々としたお世話がお仕事ですよ?
そんな、戦闘訓練なんてしなくていいですぅ。
なんだったら、どうしてもと言うのなら、ぼくの相棒のレオを連れて行ってください。
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