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新しい仲間は凄い人
異世界からの転生者
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二人の言葉に、みんなが一斉にぼくに注目する。
ぼくは、パチパチと二度瞬きをして、ゆっくりと首を傾げ、投げかけられた言葉を口に乗せてみる。
「てんせい、って、なんですか?」
てんせいしゃでしょ? と言われても「てんせい」の意味がわからないし、それが二人の「神様の忘れもの」とどう関係するのかもサッパリだもん。
きょとんとした顔のぼくに、「白い輪」ギルドの面々は苦笑いで、二人は脱力したようにその場に膝をついた。
「て、転生というのは、違う世界で生まれ育った者が、こっちの世界に生まれることだ」
男の人が床に膝をつき絨毯を見つめ教えてくれたけど、そんなにガッカリしました?
「違うの? 私たちみたいに転生者じゃないの? おにぎりが作れるのに?」
おにぎりは難しいレシピじゃないですよ? お米をおいしく炊くのは大変ですけど。
フルフルとぼくが頭を振ると、女の人は顔を歪めた後、手で顔を覆いシクシクと泣き出した。
泣いたり食べたり、食べたり泣いたりと忙しい人たちだなぁと感心していると、オスカーさんがそっとハンカチを女の人に手渡した。
なんて紳士なんだろう!
「泣かないでくれ。実はクルトはある事件に巻き込まれて記憶を失った子なんだ」
あ、そうです、そうです。
ぼくはオスカーさんに助けてもらう前のことは覚えていないんです。
「じゃあ、私たちみたいに前世の記憶があったかもしれないのに、忘れてしまったの?」
「その可能性は否定できない」
オスカーさんの貴公子っぷりに惚れ惚れとしていたけど、ディータさんは崩れ落ちた男の人をちゃんと介抱していました。
みなさん、優しいなぁ。
「でも、じゃあ、なんで、俺たちの故郷の味が、料理が作れるんだっ!」
キッと鋭い縦型瞳孔の瞳で射抜かれて、ヒュッと喉が詰まる。
「そ、それは……」
「ちょーっと待って! クルトの料理に関しては我がギルドのトップシークレットよ。部外者に話すことはできないわ」
言い淀むぼくの前に両手を広げたビアンカさんが立ち塞がる。
ビアンカさんの背中に庇われながら、ぼくは、『異世界レシピ』の異世界ってこの二人の前世、前の生で生きていた世界のことなんだと呑気に考えていた。
「つまり、ギルドメンバーではない俺たちに話すことはできないってことだな」
「そうよ」
「……どうするの? 一度食べてしまったら、食べれなかった頃には戻れないわ。それに、お米があるってことは……お寿司、チャーハン、カレー、ドリアぁぁぁぁぁぁぁっ、食べたいっ!」
「落ち着け。ここで失敗したら俺たちはまた彷徨うハメになるんだ」
……なんか、二人の間で小芝居が始まりましたか? 男の人が女の人の細い方を抱いて、クッと苦し気に眉を寄せている。
あと、女の人が口にした料理名が気になるんですけど?
二人は顔を見合わせ「うん」とひとつ頷き合うと、オスカーさんの顔を真っすぐに見て高らかに宣言する。
「俺たちをこのギルドに入れてくれ」
「「「「「えーっ!」」」」」
あれ? メンバー補充できちゃいました?
男の人はソファーに座り直すとコクンとひと口、紅茶を飲んで喉を潤した。
「このギルド。実はメンバーが不足しているんじゃないかな? 見たところ冒険者としてある程度の経験があるのは、そちらの虎獣人一人で、あとはマスターを含めて見習い期間を終えてそんなに経っていない?」
「そうね。しかも、圧倒的に火力不足よ。そちらのおじさまが前衛で剣士なんでしょうけど、あとは攻撃手がいないみたい」
女の人も男の人の隣りにちょこんと座ると、紅茶をコクコクと飲み干す。
「あんたはタンクでそっちのお嬢さんが斥候。撃退できる魔物のランクは……一対一なら中級ダンジョンの中階層までぐらいか。多数対一なら初級ダンジョンまでがせいぜい。そしてマスターである君は、ヒーラーか」
「ヒーラーには見えないけど、剣士としても中級ダンジョンの深くまでは単独で挑戦できないわ。……このギルドってばバランスが悪いわね?」
「そうだな。たいていは火力重視でメンバーを集い、余裕ができればタンクや斥候、ポーターを雇い入れるものだけど」
……その火力を担うはずだった人に逃げられたんです、とは言えないのでぼくらは曖昧に笑って誤魔化した。
「そういうお前さんたちは、自分の能力を売り込まなくていいのか?」
ハルトムートさんがニヤリと口元を歪めて笑うと、男の人はスッと立ち上がり丁寧に頭を下げた。
「自己紹介が遅れてすまなかった。剣士のユリウス、種族はドラゴニュートだ。ソロ冒険者としてギルドのグランマスターから承認を得ている。ランクはSだ」
「同じくソロ冒険者でSランクの魔法使いリーゼロッテよ。種族はエルフ……ということにしておいて」
パチンと女の人、リーゼロッテさんがかわいくウィンクをすると、二人ともストンとソファーに座った。
オスカーさんがムムムと考えこんでしまった。
ぼくたちギルドの問題といえば、圧倒的な火力不足である。
ディータさんは盾で防御と共に攻撃もできるよう槍の練習も始めたけど、スキルがあるわけでもないので高ランクな魔物に対しては無力である。
ビアンカさんも投擲や弓、ナイフの練習はしているけど、実践で活躍できるにはまだまだとハルトムートさんが言っていた。
オスカーさんはほぼ剣士として活躍していたけど、本当の職業はヒーラーですもんね。
ぼくは『器用貧乏』スキルで多少魔法が使えるけど、あんまり目立つ魔法を使うと変態ギルドさんたちの研究材料として拉致されるので秘匿しているし、同じ理由でスライムのレオのことも内緒だ。
ボス部屋みたいに閉ざされた部屋じゃないと、ぼくたちは思いっきり魔法を使うことができないんだ。
しかもこの二人は、ギルド本部の頂点におわしますグランマスターのお墨付きSランク冒険者ですよ!
やや浮かれ気味のぼくたちとは反対に、ハルトムートさんは厳しい顔で二人を見定めている。
「やっぱりそうだな。ドラゴニュートとエルフの組み合わせは珍しいからな。お前たち……ギルドクラッシャーだな?」
「「!」」
なんか、物騒な言葉が飛び出しましたよ?
ぼくは、パチパチと二度瞬きをして、ゆっくりと首を傾げ、投げかけられた言葉を口に乗せてみる。
「てんせい、って、なんですか?」
てんせいしゃでしょ? と言われても「てんせい」の意味がわからないし、それが二人の「神様の忘れもの」とどう関係するのかもサッパリだもん。
きょとんとした顔のぼくに、「白い輪」ギルドの面々は苦笑いで、二人は脱力したようにその場に膝をついた。
「て、転生というのは、違う世界で生まれ育った者が、こっちの世界に生まれることだ」
男の人が床に膝をつき絨毯を見つめ教えてくれたけど、そんなにガッカリしました?
「違うの? 私たちみたいに転生者じゃないの? おにぎりが作れるのに?」
おにぎりは難しいレシピじゃないですよ? お米をおいしく炊くのは大変ですけど。
フルフルとぼくが頭を振ると、女の人は顔を歪めた後、手で顔を覆いシクシクと泣き出した。
泣いたり食べたり、食べたり泣いたりと忙しい人たちだなぁと感心していると、オスカーさんがそっとハンカチを女の人に手渡した。
なんて紳士なんだろう!
「泣かないでくれ。実はクルトはある事件に巻き込まれて記憶を失った子なんだ」
あ、そうです、そうです。
ぼくはオスカーさんに助けてもらう前のことは覚えていないんです。
「じゃあ、私たちみたいに前世の記憶があったかもしれないのに、忘れてしまったの?」
「その可能性は否定できない」
オスカーさんの貴公子っぷりに惚れ惚れとしていたけど、ディータさんは崩れ落ちた男の人をちゃんと介抱していました。
みなさん、優しいなぁ。
「でも、じゃあ、なんで、俺たちの故郷の味が、料理が作れるんだっ!」
キッと鋭い縦型瞳孔の瞳で射抜かれて、ヒュッと喉が詰まる。
「そ、それは……」
「ちょーっと待って! クルトの料理に関しては我がギルドのトップシークレットよ。部外者に話すことはできないわ」
言い淀むぼくの前に両手を広げたビアンカさんが立ち塞がる。
ビアンカさんの背中に庇われながら、ぼくは、『異世界レシピ』の異世界ってこの二人の前世、前の生で生きていた世界のことなんだと呑気に考えていた。
「つまり、ギルドメンバーではない俺たちに話すことはできないってことだな」
「そうよ」
「……どうするの? 一度食べてしまったら、食べれなかった頃には戻れないわ。それに、お米があるってことは……お寿司、チャーハン、カレー、ドリアぁぁぁぁぁぁぁっ、食べたいっ!」
「落ち着け。ここで失敗したら俺たちはまた彷徨うハメになるんだ」
……なんか、二人の間で小芝居が始まりましたか? 男の人が女の人の細い方を抱いて、クッと苦し気に眉を寄せている。
あと、女の人が口にした料理名が気になるんですけど?
二人は顔を見合わせ「うん」とひとつ頷き合うと、オスカーさんの顔を真っすぐに見て高らかに宣言する。
「俺たちをこのギルドに入れてくれ」
「「「「「えーっ!」」」」」
あれ? メンバー補充できちゃいました?
男の人はソファーに座り直すとコクンとひと口、紅茶を飲んで喉を潤した。
「このギルド。実はメンバーが不足しているんじゃないかな? 見たところ冒険者としてある程度の経験があるのは、そちらの虎獣人一人で、あとはマスターを含めて見習い期間を終えてそんなに経っていない?」
「そうね。しかも、圧倒的に火力不足よ。そちらのおじさまが前衛で剣士なんでしょうけど、あとは攻撃手がいないみたい」
女の人も男の人の隣りにちょこんと座ると、紅茶をコクコクと飲み干す。
「あんたはタンクでそっちのお嬢さんが斥候。撃退できる魔物のランクは……一対一なら中級ダンジョンの中階層までぐらいか。多数対一なら初級ダンジョンまでがせいぜい。そしてマスターである君は、ヒーラーか」
「ヒーラーには見えないけど、剣士としても中級ダンジョンの深くまでは単独で挑戦できないわ。……このギルドってばバランスが悪いわね?」
「そうだな。たいていは火力重視でメンバーを集い、余裕ができればタンクや斥候、ポーターを雇い入れるものだけど」
……その火力を担うはずだった人に逃げられたんです、とは言えないのでぼくらは曖昧に笑って誤魔化した。
「そういうお前さんたちは、自分の能力を売り込まなくていいのか?」
ハルトムートさんがニヤリと口元を歪めて笑うと、男の人はスッと立ち上がり丁寧に頭を下げた。
「自己紹介が遅れてすまなかった。剣士のユリウス、種族はドラゴニュートだ。ソロ冒険者としてギルドのグランマスターから承認を得ている。ランクはSだ」
「同じくソロ冒険者でSランクの魔法使いリーゼロッテよ。種族はエルフ……ということにしておいて」
パチンと女の人、リーゼロッテさんがかわいくウィンクをすると、二人ともストンとソファーに座った。
オスカーさんがムムムと考えこんでしまった。
ぼくたちギルドの問題といえば、圧倒的な火力不足である。
ディータさんは盾で防御と共に攻撃もできるよう槍の練習も始めたけど、スキルがあるわけでもないので高ランクな魔物に対しては無力である。
ビアンカさんも投擲や弓、ナイフの練習はしているけど、実践で活躍できるにはまだまだとハルトムートさんが言っていた。
オスカーさんはほぼ剣士として活躍していたけど、本当の職業はヒーラーですもんね。
ぼくは『器用貧乏』スキルで多少魔法が使えるけど、あんまり目立つ魔法を使うと変態ギルドさんたちの研究材料として拉致されるので秘匿しているし、同じ理由でスライムのレオのことも内緒だ。
ボス部屋みたいに閉ざされた部屋じゃないと、ぼくたちは思いっきり魔法を使うことができないんだ。
しかもこの二人は、ギルド本部の頂点におわしますグランマスターのお墨付きSランク冒険者ですよ!
やや浮かれ気味のぼくたちとは反対に、ハルトムートさんは厳しい顔で二人を見定めている。
「やっぱりそうだな。ドラゴニュートとエルフの組み合わせは珍しいからな。お前たち……ギルドクラッシャーだな?」
「「!」」
なんか、物騒な言葉が飛び出しましたよ?
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