113 / 271
人助けをしましょう
名物料理作りました
しおりを挟む
ゴダール男爵領地の土地は、痩せている。
小麦や大麦、他の穀物、野菜も育ちにくい。
でも、芋類は取れる。
「だから、唯一余っている食材であろうお芋でいろいろ作ったけど・・・。あれでどうして人が戻ってくるの?」
私の疑問に、ローズさんとガストンさんは真面目な顔で教えてくれた。
「ああ、名物料理があればそれが話題になって、冒険者なんかは戻ってくるかもねぇ。しかも芋はよく取れるし料理手順も簡単で安くできるし」
「そうじゃな。酒のツマミにもなるし、子供のおやつにもなる」
ただの揚げた芋ですが?
「ほら、甘い芋も美味しくなったよね!」
ああ、薩摩芋ですか?
この世界、砂糖や塩、スパイス系が高くてお貴族様が食べる高級品扱い・・・ではなく、市民でも手軽に買って食べれるものだから助かったわ。
薩摩芋も、それだけでも甘いけど砂糖入れたらもっと美味しいし・・・。
「食べ物で釣るのか・・・。いい作戦だな」
ギルドマスターのヤンさんまで乗り気になってしまったが、本当にたかが芋料理で人が集まるのかな?
「ふむ。ローズさんとこだけじゃなくて、町全体で商品にした方がいいな。屋台とかも出して」
「屋台なら、人が来なくて休業状態の奴らも売ることができるね!」
そう、冒険者も商人も来ないし、ゴロツキ共に町が封鎖されていたからお仕事ができなくて、しょんぼりしている大人たちがかなりいる。
ガストンさんたち鍛冶師もそうだ。
「じゃあ、屋台はガストンさんたちに作ってもらったら?」
間に合わせで屋台を開くより、ガストンさんたちにしっかりとした屋台を作ってもらったら?
私はガストンさんに芋を揚げる鍋と油切りのトレーと揚げ物用の菜箸の説明をする。
ついでに味変のためのスパイス入れも。
「ん?塩味だけじゃないのかい?」
「みんな塩味だけで売ったら飽きちゃうでしょ?いや塩味は王道だけども。ちょっと辛い味にしたりバター味にしたり、いろいろと試してみたら?」
「短冊の形だけじゃなくて薄切りの形もあるし・・・。そうだな、いろんな味があったら商売の棲み分けもできる」
ガストンさんの言葉に、ヤンさんがうんとひとつ頷いた。
「その前に、その芋料理を俺にも食わしてくれ」
ヤンさんの要望に、男爵夫人のブリジット様と使用人の皆さんが一斉に頷いた。
「ははは。作りますよ。作ればいいんでしょ!」
男爵邸にまできて、私は料理を作るのかい!
男爵位は決して高い地位ではないが、貴族である。
その貴族のお屋敷の広間に並べられる様々な芋料理。
揚げた芋、蒸かした芋、薩摩芋。
付けて食べるディップ式も取り入れて、トマトソースも並べました。
トマトソースは安価で流通してましたので。
そして、平民貴族関係なく、男女も老いも若いも関係なく、貪り食べてます、芋料理。
「ははは」
そんなに美味しいですか?
私もポリポリ食べてるけどね。
「はあぁぁ、美味しいですわ。揚げているだけのお芋なのに、いつも食べているお芋とは違う。とっても美味しくて・・・手が止まりません」
ブリジット様、気を付けてくださいね。
その芋料理は、食べ過ぎると太ります。
ガストンさんとヤンさんは辛い味付けのポテトを食べながら、メイド長にお酒を頼んでいるけど断られている。
そりゃそうだ。
何しに来てるんだ!
「美味しいねぇ。これならリュイエの町の名物になれるよ」
「うーん。でも・・・地味じゃないかな?」
芋料理って。
でも他の名物料理を作るには、この土地でできる作物が少なすぎる。
ここの農家が作っている物は、町民たちが食べる分とあとはちょっぴり残るだけ・・・らしい。
そして味付け。
カレー味はスパイスが揃えられなくて無理だったけど、バジルやガーリックの味付けした芋にさらにトマトソースを付けるとか・・・美味い。
「あーあ。マヨネーズがあったら最高なんだけどなぁ」
バター味のときにしょうゆ味!と思ったけどチハロ国の調味料を扱っているのは一部の商会だけだから、ゴダール男爵領地には流通してなかった。
だったらマヨネーズ!と思ったけど、市販されているソースの種類には無かった。
「新鮮な卵が必要だからかな?」
しかも浄化して使わないと菌があってお腹を壊すんだっけ?
「卵ですか?」
いつのまにか隣に来ていたブリジット様が不思議そうな顔で聞いてきた。
「ええ。卵があれば油とお酢でソースが作れるんですけど。あー、そうだなぁ卵とか牛乳とかあったら、チーズにバターに生クリームに・・・」
もっと美味しいスイーツもできるのでは?
このゴダール男爵領地の外れに果樹があるのを見た。
そしてゴブリンの巣があった森にもいくつか果樹があった。
もしかしたら、果樹園を作ることができるのでは?
小麦が高くて主食のパン以外に使うことは気が咎めるが、瑞々しいフルーツと生クリームとかでパフェを作ったり、チーズでスイーツを作ったりできるんだけどなぁ。
「あのぅ・・・」
「はい?」
なんかブリジット様がもじもじしている。
なんだろう?
「わたくしの実家は・・・牧場でして。卵も牛乳も・・・チーズもバターもありますが?」
はっ!そうだった!
あれれ?
これって芋料理以外にも名物ができるんじゃないの?
小麦や大麦、他の穀物、野菜も育ちにくい。
でも、芋類は取れる。
「だから、唯一余っている食材であろうお芋でいろいろ作ったけど・・・。あれでどうして人が戻ってくるの?」
私の疑問に、ローズさんとガストンさんは真面目な顔で教えてくれた。
「ああ、名物料理があればそれが話題になって、冒険者なんかは戻ってくるかもねぇ。しかも芋はよく取れるし料理手順も簡単で安くできるし」
「そうじゃな。酒のツマミにもなるし、子供のおやつにもなる」
ただの揚げた芋ですが?
「ほら、甘い芋も美味しくなったよね!」
ああ、薩摩芋ですか?
この世界、砂糖や塩、スパイス系が高くてお貴族様が食べる高級品扱い・・・ではなく、市民でも手軽に買って食べれるものだから助かったわ。
薩摩芋も、それだけでも甘いけど砂糖入れたらもっと美味しいし・・・。
「食べ物で釣るのか・・・。いい作戦だな」
ギルドマスターのヤンさんまで乗り気になってしまったが、本当にたかが芋料理で人が集まるのかな?
「ふむ。ローズさんとこだけじゃなくて、町全体で商品にした方がいいな。屋台とかも出して」
「屋台なら、人が来なくて休業状態の奴らも売ることができるね!」
そう、冒険者も商人も来ないし、ゴロツキ共に町が封鎖されていたからお仕事ができなくて、しょんぼりしている大人たちがかなりいる。
ガストンさんたち鍛冶師もそうだ。
「じゃあ、屋台はガストンさんたちに作ってもらったら?」
間に合わせで屋台を開くより、ガストンさんたちにしっかりとした屋台を作ってもらったら?
私はガストンさんに芋を揚げる鍋と油切りのトレーと揚げ物用の菜箸の説明をする。
ついでに味変のためのスパイス入れも。
「ん?塩味だけじゃないのかい?」
「みんな塩味だけで売ったら飽きちゃうでしょ?いや塩味は王道だけども。ちょっと辛い味にしたりバター味にしたり、いろいろと試してみたら?」
「短冊の形だけじゃなくて薄切りの形もあるし・・・。そうだな、いろんな味があったら商売の棲み分けもできる」
ガストンさんの言葉に、ヤンさんがうんとひとつ頷いた。
「その前に、その芋料理を俺にも食わしてくれ」
ヤンさんの要望に、男爵夫人のブリジット様と使用人の皆さんが一斉に頷いた。
「ははは。作りますよ。作ればいいんでしょ!」
男爵邸にまできて、私は料理を作るのかい!
男爵位は決して高い地位ではないが、貴族である。
その貴族のお屋敷の広間に並べられる様々な芋料理。
揚げた芋、蒸かした芋、薩摩芋。
付けて食べるディップ式も取り入れて、トマトソースも並べました。
トマトソースは安価で流通してましたので。
そして、平民貴族関係なく、男女も老いも若いも関係なく、貪り食べてます、芋料理。
「ははは」
そんなに美味しいですか?
私もポリポリ食べてるけどね。
「はあぁぁ、美味しいですわ。揚げているだけのお芋なのに、いつも食べているお芋とは違う。とっても美味しくて・・・手が止まりません」
ブリジット様、気を付けてくださいね。
その芋料理は、食べ過ぎると太ります。
ガストンさんとヤンさんは辛い味付けのポテトを食べながら、メイド長にお酒を頼んでいるけど断られている。
そりゃそうだ。
何しに来てるんだ!
「美味しいねぇ。これならリュイエの町の名物になれるよ」
「うーん。でも・・・地味じゃないかな?」
芋料理って。
でも他の名物料理を作るには、この土地でできる作物が少なすぎる。
ここの農家が作っている物は、町民たちが食べる分とあとはちょっぴり残るだけ・・・らしい。
そして味付け。
カレー味はスパイスが揃えられなくて無理だったけど、バジルやガーリックの味付けした芋にさらにトマトソースを付けるとか・・・美味い。
「あーあ。マヨネーズがあったら最高なんだけどなぁ」
バター味のときにしょうゆ味!と思ったけどチハロ国の調味料を扱っているのは一部の商会だけだから、ゴダール男爵領地には流通してなかった。
だったらマヨネーズ!と思ったけど、市販されているソースの種類には無かった。
「新鮮な卵が必要だからかな?」
しかも浄化して使わないと菌があってお腹を壊すんだっけ?
「卵ですか?」
いつのまにか隣に来ていたブリジット様が不思議そうな顔で聞いてきた。
「ええ。卵があれば油とお酢でソースが作れるんですけど。あー、そうだなぁ卵とか牛乳とかあったら、チーズにバターに生クリームに・・・」
もっと美味しいスイーツもできるのでは?
このゴダール男爵領地の外れに果樹があるのを見た。
そしてゴブリンの巣があった森にもいくつか果樹があった。
もしかしたら、果樹園を作ることができるのでは?
小麦が高くて主食のパン以外に使うことは気が咎めるが、瑞々しいフルーツと生クリームとかでパフェを作ったり、チーズでスイーツを作ったりできるんだけどなぁ。
「あのぅ・・・」
「はい?」
なんかブリジット様がもじもじしている。
なんだろう?
「わたくしの実家は・・・牧場でして。卵も牛乳も・・・チーズもバターもありますが?」
はっ!そうだった!
あれれ?
これって芋料理以外にも名物ができるんじゃないの?
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
7,536
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。