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石を見つけましょう

好きでも限度があるみたいでした

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第1妃のジェルメーヌ様とはジラール公爵家と王家との政略結婚で、第2妃のアデライド様とはその美貌に惚れこんだ陛下の希望での輿入れ。
ノアイユ公爵は娘の結婚に反対していたけど、娘のアデライド様が乗り気になってしまい、第2妃として王家入り。
なんでも、美しいエルフ族の奴隷を優先して融通してくれる条件に心が動いたとか。
ある意味、美と芸術を愛するノアイユ一族の血を濃く受け継いだんですね。

では、問題の第3妃ベアトリス様とはなんで結婚したのか?
勿論、野心滾るザンマルタン侯爵の押し売りで。
陛下は大してベアトリス様に興味は無かったが、彼女の肉感的な肢体にちょっとスケベ心を出して、まんまと妃として迎えることになってしまった。

でもね、陛下も平凡で凡庸でモブ的キャラな人だけど、一応王族としての責務は分かっていたのか、第1妃ジェルメーヌ様との間に子を設けることを大事に思っていたし、それ以外は第2妃のアデライド様を愛でるので忙しい。
スケベ心で手を出したベアトリス様のことなんて、何度かお相手して放っておいたのに、一番先に懐妊したのはベアトリス様だった。

「確かに、怪しいわね」

「ええ。生まれたのが王女で家臣一同胸を撫で下ろしたでしょうね」

ザンマルタン侯爵がミュールズ国とどんな太いパイプを持っていても、流石に王家の血筋を怪しまれる王子はヤバイもんね。

「で、その後ジェルメーヌ様が順当に第1王子のヴィクトル殿下をご出産。・・・でも」

ベアトリス様が自分も王子を産むと張り切っちゃったのだ。
しかし、陛下はベアトリス様に興味は無くなっておりかなり難しい状況に、ザンマルタン侯爵たちは「薬」と「酒」で国王を篭絡させる。
んで、生まれたのが第2王子のユベール。

「じゃあ、ユベールは王様の子じゃないの?」

「・・・実際、エロイーズ様もユベール殿下も国王の子でもそうでなくても構わないのでは?ただ、彼らにとっては愛すべき王族では無いということで」

・・・つまりあまりにも過ぎて、愛想も尽きた・・・てこと?
王族好っきーな人たちも、そっぽを向きたくなる程に酷いってことよね。

ちなみ、血縁鑑定ができる魔道具もあって、貴族以上はある一定の年齢になると大神殿で魔力鑑定とともに、こっそり親子鑑定もするんだって。
エロイーズたちもそこで鑑定されているはずだけど・・・ほら、トゥーロン王国って冒険者ギルドや商業ギルドの枠汲みから外されて国営で営んでいるでしょ?
神殿や教会も同様に、神官や司祭も司教も派遣されないどころか、密かに国全体が破門扱いになっているらしく、ある意味宗教も国営です(笑)
だから、お金さえ積めば誤魔化せるでしょ?と言われ納得ですよ。

・・・ん?

「私、そんなの受けた覚えないですけど?」

貴族は遅くても5歳までには一度鑑定を受けるそう・・・はれ?私の記憶にはないんですが?
まあ、私が目覚める前の出来事だろうけどね。

「・・・ほら、忘れられた王女でしたから」

アルベールが嫌味な笑顔でいいやがる。
ちぇっ、別にいいけど。

「とりあえず、お嬢を探し出してトゥーロン王国の王座に就けようと動いているんだな?」

「王座に就けるなんて言葉はいいですが、傀儡の王座ですよ?そんなところにヴィーさんを・・・」

リュシアンとセヴランが、ぐぬぐぬと怒りを露わにしている。

まあ、トゥーロン王国に戻って女王となってもミュールズ国との関係もあるし、残ったザンマルタン一族のこともあるし、面倒以外の何物でもないわ。
国民はかわいそうだけど、だからといってみそっかすなちびっ子王女の背中に背負わせる物でもないわな。

コホンと咳払いをして、アルベールがもうひとつの話を。
・・・もう、お腹いっぱいで胸やけに腹凭れしてますが?






夜中、浅い眠りを漂っていると誰かに呼ばれた気がした。
むくりと上半身を起こして、ぐりぐりと眠い目を擦る。
半分夢心地でベッドを降りて、ふわぁと欠伸をしながらリビングに行くと、ゆっくりとお酒を楽しんでいるアルベールが待っていた。

ご丁寧に私用のマグカップとミルクが入ったピッチャーを用意して。

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