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幸せになりましょう
ノアイユ公爵は生気がない人でした
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リュシアンが、王宮で奴隷同士として面識があったエルフ族の男が、ここノアイユ公爵邸にいる。
その奴隷だったエルフ族は、第二妃に引き取られていて、その第二妃の実家がここノアイユ公爵家。
「なによ?第二妃からこっちへ流れてきたの?」
私はコテンと首を傾げてリュシアンが気安く肩をバンバン叩いているエルフを見る。
ん?
王宮にいた第二妃の奴隷のエルフ族?
「ねぇ・・・ねぇねぇ、アルベール。王宮の奴隷契約の魔法陣はちゃんと破壊してきたよね?王宮にいた奴隷は、全員解放されたんだよね?」
私は、クイクイとアルベールの服を引っ張る。
「そのはずです。王族や貴族が個人で契約していた奴隷は解放できませんが、あの奴隷契約魔法陣での契約は破棄されているはずです」
・・・つまり、そのエルフは現在は奴隷契約からは解放されている・・・なのに、ノアイユ公爵邸にいる。
「なんで?ここにいるエルフ族たちは奴隷じゃないの?」
ウッソー!と両手を両頬に当てて叫ぶと、部屋にいたエルフ族全員がザッと音を立て攻撃体勢に入った。
ギャー!!
「おいおい、落ち着けよ。別にこっちはアンタたちとコトを構えようと思っているわけじゃねぇんだ」
リュシアンがまるで昔馴染みのようにエルフの肩を抱き、ノアイユ公爵の正面に立つ。
「・・・何が目的だ?」
疑いの眼で私たちを睨むノアイユ公爵は・・・何を警戒しているのだろう?
「私たちリシュリュー辺境伯軍は、これから王都内にいる亜人奴隷解放軍と合流して王宮へと攻め入ります。勿論、邪魔する貴族や騎士たちは倒していきます。ノアイユ公爵はどうされるのか、問い質しにきたのです」
ベルナール様がリュシアンの肩を押しやって、自らがノアイユ公爵の正面に立って、堂々と言い放つ。
「どう、とは?」
「私たちは亜人奴隷を解放するの。亜人の差別に対しても撤廃するよう働きかけるわ。そして・・・王宮にいるザンマルタン侯爵たちを捕らえて、第一王子のヴィクトル・トゥーロンを王位に即けるつもりよ」
トコトコとベルナール様の隣に立って、両手を腰に当て偉そうに私も言い放ってみる。
「そのとき、ノアイユ公爵はどうするのかっていう話よ。新しい時代の王に従うのか、エルフ族を求めて最後まで私たちに反抗するのか」
反抗するならここで倒しちゃうけどね。
ノアイユ公爵は、ふと視線を下げてソファーに深々と背中を預けた。
「・・・くだらない。勝手にすればいい」
ふーっと息を吐くと、ヒラヒラと右手を上げて振り、それを合図に部屋にいたエルフ族が武装を解く。
「興味ないの?私たちが勝つと、もうエルフ族の奴隷は手に入らないんだけど?ほらほら、こういうのが手に入らないわよ?」
私はグイッとアルベールの腕を引っ張り、ズズイとノアイユ公爵の前に突き出す。
「ちょっ、ヴィー!」
ブンブンと腕を振り払ったアルベールは、ゴツンと拳骨を私の頭に落とした。
ううっ!痛いんですけど・・・なによ、ちょっとした冗談じゃないの。
私が頭を両手で押さえて唸っていると、ノアイユ公爵の周りから「クスクス」と笑う声が聞こえる。
ああ、ちゃんと笑えるんだ、このエルフたち。
「奴隷はいらん。この屋敷の奴隷も全て解放されている。どこかに行きたければ勝手にすればいいのだ」
退廃した雰囲気をグッと深めて、やや投げやりな口調なノアイユ公爵の瞳には、生気が感じられなかった。
ここのお屋敷の生気のなさって、主であるノアイユ公爵が反映されているみたい。
ノアイユ公爵からどこへでも行けと言われたエルフたちは、戸惑ったようにお互いの顔を見合わせる。
「もう、いいんだ。私はここで共に朽ちていく。お前たちは自由になったのだから、行くといい。ああ・・・奴隷解放軍に加わりたいのなら好きにしろ」
ノアイユ公爵は、再び右手を上げてヒラヒラと振る。
「・・・あれ?」
いま、ノアイユ公爵の頭がちょっと動いたときに髪の毛がサラサラと流れて見えたんだけど・・・嘘でしょ?
私はダダダッとテーブルを回りこみノアイユ公爵の側に近寄ると、エルフたちが制止する前にガシッとノアイユ公爵の両サイドの髪の毛を掻き上げた。
「なんで・・・?」
両サイドの髪の毛を掻き上げて見えたのは・・・ノアイユ公爵の耳だ。
上辺が切り取られた・・・耳だった。
その奴隷だったエルフ族は、第二妃に引き取られていて、その第二妃の実家がここノアイユ公爵家。
「なによ?第二妃からこっちへ流れてきたの?」
私はコテンと首を傾げてリュシアンが気安く肩をバンバン叩いているエルフを見る。
ん?
王宮にいた第二妃の奴隷のエルフ族?
「ねぇ・・・ねぇねぇ、アルベール。王宮の奴隷契約の魔法陣はちゃんと破壊してきたよね?王宮にいた奴隷は、全員解放されたんだよね?」
私は、クイクイとアルベールの服を引っ張る。
「そのはずです。王族や貴族が個人で契約していた奴隷は解放できませんが、あの奴隷契約魔法陣での契約は破棄されているはずです」
・・・つまり、そのエルフは現在は奴隷契約からは解放されている・・・なのに、ノアイユ公爵邸にいる。
「なんで?ここにいるエルフ族たちは奴隷じゃないの?」
ウッソー!と両手を両頬に当てて叫ぶと、部屋にいたエルフ族全員がザッと音を立て攻撃体勢に入った。
ギャー!!
「おいおい、落ち着けよ。別にこっちはアンタたちとコトを構えようと思っているわけじゃねぇんだ」
リュシアンがまるで昔馴染みのようにエルフの肩を抱き、ノアイユ公爵の正面に立つ。
「・・・何が目的だ?」
疑いの眼で私たちを睨むノアイユ公爵は・・・何を警戒しているのだろう?
「私たちリシュリュー辺境伯軍は、これから王都内にいる亜人奴隷解放軍と合流して王宮へと攻め入ります。勿論、邪魔する貴族や騎士たちは倒していきます。ノアイユ公爵はどうされるのか、問い質しにきたのです」
ベルナール様がリュシアンの肩を押しやって、自らがノアイユ公爵の正面に立って、堂々と言い放つ。
「どう、とは?」
「私たちは亜人奴隷を解放するの。亜人の差別に対しても撤廃するよう働きかけるわ。そして・・・王宮にいるザンマルタン侯爵たちを捕らえて、第一王子のヴィクトル・トゥーロンを王位に即けるつもりよ」
トコトコとベルナール様の隣に立って、両手を腰に当て偉そうに私も言い放ってみる。
「そのとき、ノアイユ公爵はどうするのかっていう話よ。新しい時代の王に従うのか、エルフ族を求めて最後まで私たちに反抗するのか」
反抗するならここで倒しちゃうけどね。
ノアイユ公爵は、ふと視線を下げてソファーに深々と背中を預けた。
「・・・くだらない。勝手にすればいい」
ふーっと息を吐くと、ヒラヒラと右手を上げて振り、それを合図に部屋にいたエルフ族が武装を解く。
「興味ないの?私たちが勝つと、もうエルフ族の奴隷は手に入らないんだけど?ほらほら、こういうのが手に入らないわよ?」
私はグイッとアルベールの腕を引っ張り、ズズイとノアイユ公爵の前に突き出す。
「ちょっ、ヴィー!」
ブンブンと腕を振り払ったアルベールは、ゴツンと拳骨を私の頭に落とした。
ううっ!痛いんですけど・・・なによ、ちょっとした冗談じゃないの。
私が頭を両手で押さえて唸っていると、ノアイユ公爵の周りから「クスクス」と笑う声が聞こえる。
ああ、ちゃんと笑えるんだ、このエルフたち。
「奴隷はいらん。この屋敷の奴隷も全て解放されている。どこかに行きたければ勝手にすればいいのだ」
退廃した雰囲気をグッと深めて、やや投げやりな口調なノアイユ公爵の瞳には、生気が感じられなかった。
ここのお屋敷の生気のなさって、主であるノアイユ公爵が反映されているみたい。
ノアイユ公爵からどこへでも行けと言われたエルフたちは、戸惑ったようにお互いの顔を見合わせる。
「もう、いいんだ。私はここで共に朽ちていく。お前たちは自由になったのだから、行くといい。ああ・・・奴隷解放軍に加わりたいのなら好きにしろ」
ノアイユ公爵は、再び右手を上げてヒラヒラと振る。
「・・・あれ?」
いま、ノアイユ公爵の頭がちょっと動いたときに髪の毛がサラサラと流れて見えたんだけど・・・嘘でしょ?
私はダダダッとテーブルを回りこみノアイユ公爵の側に近寄ると、エルフたちが制止する前にガシッとノアイユ公爵の両サイドの髪の毛を掻き上げた。
「なんで・・・?」
両サイドの髪の毛を掻き上げて見えたのは・・・ノアイユ公爵の耳だ。
上辺が切り取られた・・・耳だった。
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