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5、不登校
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俺は不登校になった。両親はいつも忙しく、滅多に話さない。だから、俺が不登校していることは、バレていなかった。
でも、不登校から約1ヶ月くらい経ったある日、それがバレてしまった___
朝起きたら、いつもはいない、母さんがいた。
「母さん?仕事間に合うの?」
「……聖夜、学校、ちゃんと行きなさい。」
は………?今、なんて……
「不登校なんかして!どうせ、行くのが面倒なだけでしょ⁉︎学校のお金、誰が払ってると思ってるの?ムダにしないで!まだ中1のくせに!」
学校なんか行ったら___また大変なことに__
「で、でも___」
「でもじゃない!行きなさい!」
嫌だ………
「わかったね、行くんだよ!行かなかったら、ただじゃおかないからね!ああ、もう!行ってきます!」
乱暴にドアを閉めて、母さんは仕事に行った。
___何で、学校に行かなかったら怒られるんだよ………。理由くらい、聞けよ…………。
一番安心できて、一番安全だと思ってた家すら、敵にまわさなきゃいけないのかよ………!
もう、俺の居場所は、無い___。あの世に行けば、居場所が出来て、友達も出来るかな………。まぁもし出来なくても、あっちの方が、ここにいるよりも楽だろうな………。
俺はそんなことを考えながら、両親に最初で最後の手紙を書いた。
父さん、母さんへ
今まで育ててくれたのに、ごめんなさい。親不孝な息子で、ごめんなさい。俺は学校で、この目のせいで酷い目に遭いました。別に、父さんと母さんを恨んでいる訳ではありません。でも、もう疲れました。ごめんなさい。さようなら。 聖夜
俺は台所で、よく切れる包丁を探した。そして、リビングの真ん中__玄関を開けたらすぐに見える場所__に移動した。手紙を握り締めた。包丁を自分に向けて、上を向いた。勢いよく、喉を突こうとした、まさにその瞬間___
ガチャッ!
「大事な資料忘れちゃった~!………って、聖夜⁉︎何してんの⁉︎⁉︎⁉︎」
俺は持っていた包丁を床に落とした。走って自分の部屋に入り、鍵をかけた。
ドンドン!
「聖夜⁉︎聖夜⁉︎」
絶対に、開けるもんか……………!
「聖夜、ごめんなさい。よほど、辛いことがあったのね……。学校、行かなくていいわ。ずっと、家にいていいからね。」
じゃあ、と言って、母さんは仕事に行った。
俺は、心の底からホッとした。
一応、勉強は毎日して、他にはゲームをしたり漫画を読んだりして過ごした。
3月になると、母さんが俺に学校のことについて、聞いてきた。
「聖夜、学校のことなんだけど、2年になる時にクラス替えがあるみたいなんだけど、4月から行けそう?」
「ちょっと、キツい…………」
本当は、ちょっとじゃなくてすごく、だけど。
「やっぱり、そうよね。そうだと思ってお父さんとも話して、転校するのはどうかってことになったんだけど………うちから、2駅離れてる所で、家も見通しはついてるわ。お父さんもお母さんも仕事場が少し近くなるし、聖夜がよければ引っ越すけど、どう?違う学校に行って、頑張れそう?」
……そんなに、考えてくれたんだ………。行くしかないな………。
「……うん、頑張ってみる。でも、その……体育だけは、ちょっと………。」
「………そうね。じゃあ、体育は、先生と相談して、みんなと一緒には出なくていいようにするわ。補習授業として先生と1体1なら大丈夫よね?」
「うん、ありがとう。父さんにもよろしく……。」
そう言うと、母さんの顔が明るくなった。俺は久しぶりに、嬉しかった。
そして、3月下旬に引っ越した。
そこから、少し、頑張ってみた___
でも、不登校から約1ヶ月くらい経ったある日、それがバレてしまった___
朝起きたら、いつもはいない、母さんがいた。
「母さん?仕事間に合うの?」
「……聖夜、学校、ちゃんと行きなさい。」
は………?今、なんて……
「不登校なんかして!どうせ、行くのが面倒なだけでしょ⁉︎学校のお金、誰が払ってると思ってるの?ムダにしないで!まだ中1のくせに!」
学校なんか行ったら___また大変なことに__
「で、でも___」
「でもじゃない!行きなさい!」
嫌だ………
「わかったね、行くんだよ!行かなかったら、ただじゃおかないからね!ああ、もう!行ってきます!」
乱暴にドアを閉めて、母さんは仕事に行った。
___何で、学校に行かなかったら怒られるんだよ………。理由くらい、聞けよ…………。
一番安心できて、一番安全だと思ってた家すら、敵にまわさなきゃいけないのかよ………!
もう、俺の居場所は、無い___。あの世に行けば、居場所が出来て、友達も出来るかな………。まぁもし出来なくても、あっちの方が、ここにいるよりも楽だろうな………。
俺はそんなことを考えながら、両親に最初で最後の手紙を書いた。
父さん、母さんへ
今まで育ててくれたのに、ごめんなさい。親不孝な息子で、ごめんなさい。俺は学校で、この目のせいで酷い目に遭いました。別に、父さんと母さんを恨んでいる訳ではありません。でも、もう疲れました。ごめんなさい。さようなら。 聖夜
俺は台所で、よく切れる包丁を探した。そして、リビングの真ん中__玄関を開けたらすぐに見える場所__に移動した。手紙を握り締めた。包丁を自分に向けて、上を向いた。勢いよく、喉を突こうとした、まさにその瞬間___
ガチャッ!
「大事な資料忘れちゃった~!………って、聖夜⁉︎何してんの⁉︎⁉︎⁉︎」
俺は持っていた包丁を床に落とした。走って自分の部屋に入り、鍵をかけた。
ドンドン!
「聖夜⁉︎聖夜⁉︎」
絶対に、開けるもんか……………!
「聖夜、ごめんなさい。よほど、辛いことがあったのね……。学校、行かなくていいわ。ずっと、家にいていいからね。」
じゃあ、と言って、母さんは仕事に行った。
俺は、心の底からホッとした。
一応、勉強は毎日して、他にはゲームをしたり漫画を読んだりして過ごした。
3月になると、母さんが俺に学校のことについて、聞いてきた。
「聖夜、学校のことなんだけど、2年になる時にクラス替えがあるみたいなんだけど、4月から行けそう?」
「ちょっと、キツい…………」
本当は、ちょっとじゃなくてすごく、だけど。
「やっぱり、そうよね。そうだと思ってお父さんとも話して、転校するのはどうかってことになったんだけど………うちから、2駅離れてる所で、家も見通しはついてるわ。お父さんもお母さんも仕事場が少し近くなるし、聖夜がよければ引っ越すけど、どう?違う学校に行って、頑張れそう?」
……そんなに、考えてくれたんだ………。行くしかないな………。
「……うん、頑張ってみる。でも、その……体育だけは、ちょっと………。」
「………そうね。じゃあ、体育は、先生と相談して、みんなと一緒には出なくていいようにするわ。補習授業として先生と1体1なら大丈夫よね?」
「うん、ありがとう。父さんにもよろしく……。」
そう言うと、母さんの顔が明るくなった。俺は久しぶりに、嬉しかった。
そして、3月下旬に引っ越した。
そこから、少し、頑張ってみた___
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