好きなんて、ウソつき。

春茶

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第五章

妬み

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「ミユ~会いたかったよぉ~」

会った瞬間ミユに抱きつくとなんだか涙が出そうになった。

「はいはいわたしもよ。てかなんでメールの返事くれないの」

「ごめんごめん。ほんとにあたしずっと寝てたみたいでさ」

電源の入っていない携帯を見て、なるほどと頷くミユ。

「でもよかったね治って」

「ほんとにね」

携帯の電源を入れると…。
ん?
受信メール3件もきてる。

「えーっと…ミユでしょ?あとママ…」

うそ。
関村から!?
慌ててメール画面をひらく

『大丈夫か』

それだけの短い文章。
関村らしい短文。だけど、伝わってくる。
あたしのこと心配してくれたんだなぁ。

「そういえば太陽、あんたの家に来た?」

「あ、そうそう!いきなり入って来たんだよ!?家の中に!」

「あらー…あの子さ、未菜は風邪引いて遊ぶどころじゃないって伝えたら心配だから家に行くとかいいだしてね」

「…それで家を教えたと」

「そそそ」

「んもぉ、なんで勝手に教えたのよ!そのせいであたし大変だったんだから」

「ごめんごめん。だって彼すごい心配してたからさ」

「もー」

そのせいで関村を怒らせちゃったしさ。
…それに太陽にも辛い思いさせちゃったんだけど。
でも、そのおかげで自分の気持ちにちゃんとケジメつけることができたんた。

「…とりあえず、放課後呼ばれてるんだよね。関村に」

「大変だね。てかみんなの噂になってきてるから気をつけなよ?」

「噂?なんの?」

「慎也とあんたが付き合ってるとか、そゆこと。妬まれてるのは確定だから」

こ、 こわ。やっぱモテる男と関わってると大変だ。

「大丈夫だよ!それにあたし達付き合ってないしそーゆー関係じゃないもん」

…だけどそーゆー関係になれたら、なんて。
思ってたりはする。

「そ。まぁなんかあったら言ってね。あたしはあんたの見方だから」

「うん!」

そんな噂が流れていること…あいつは知ってるのかな。
もし、ほんとのほんとにあたしみたいな平凡な奴と関村が付き合ったらみんなどう思うんだろう。
不釣り合いだ!…とか絶対思うよね。

…なんか複雑だなぁ。




「ねぇあの子じゃない?」

休み時間。
トイレで手を洗っていると後ろの子達がチラチラとあたしを見た。

なんだろ?

「えーっ。なんか意外なんだけど」

「でもそうだよ。思ってた以上でまぢウケるんだけど」

…ん?
もしかして、悪口?

「なんかガッカリー。もっとかわいい子たくさんいるのにね」

「ほんとねー。まぢぶす」

ぶ、ぶす!?

「不釣り合いだよね~」

ガーン。
…もしかして関村のファンなのかな?
あたしもとうとう女子に妬まれる日が来るなんて。

本当にこんなことがあるんだ…。
恋する乙女は怖いな…。
とか思いながら意外と平気なもんだな。

はぁとため息をついてトイレを出た。

ミユの言ってたとおりだ。
あたし妬まれてんのか。
……そりゃ可愛くないけど!?
自分でも認めてますよ!そんなこと!

「んもぉー!!」

「っるせーな」

はっと振り返ると迷惑そうに眉をひそめたあいつが立っていた。

「せ、関村!?」

「お前って一人でもそんなうるせーのな。頭大丈夫か?」

「うるさい!あんたに心配されなくたって全然問題ないですー」

「ちび」

「はぁ?これでも160はあるもん!…ちょっと盛ったけど」

「おれ、180」

「…別にだれも聞いてないし」

「なんだその口のききかたは」

すると、びこーんっととてつもなく手加減のないデコピンをくらった。
痛い、普通に痛いこれ。

「こんのっ…」

あたしも手を伸ばしかけるとさっきの子達がこっちを見ていた。

あ…。

「ん?どうした?」

「ううん。なんでもない。あたし、いくね!」

逃げるように教室へ歩き出す。

やばい…なんか怖いかも。

あの子たちどこのクラスの子なのかな。
見たことないけど。

…なんにもないといいなぁ。






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