好きなんて、ウソつき。

春茶

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プレゼントはお前でいいけど?

プレゼントはあたし

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「どーするって…ひゃ!」

急に持ち上げられてソファーに降ろされたかと思ったらそのまままあたしの上に乗る関村。

心臓がバクバクして顔が赤くなってるのがわかる。

「お前でいいよ?」

「え?」

「プレゼント」

「え…っ、あたしなんかでいいの!?」

「お前がいい」

少し伏せた瞳があたしの唇を見つめて。
関村の手があたしの頬をなでる。
そしてゆっくりキスをする。
キスをされただけで気持ちよくて体の力が抜けていく。

ふと、視界に関村がプレゼントしてくれた口紅が目に入った。

「っ…あ!あの口紅試してみない?せっかく関村が買ってきてくれたしさ」

「その前にベッドいこっか」

我慢できないとでも言いたげにひょいとお姫様だっこされて寝室へと運ばれた。

するとそのまま関村があたしの上に乗るもんだから待て待てと手で押した。

そして持ってきた口紅をじーっと改めて観察する。

「…これ、このまま食べても美味しそう。塗らないでこのまま食べちゃったらだめなの?」

「そのまま食べたらせっかくこの形の買ってきた意味無くなるだろ。おれがお前ごと食ってやる」

な、なんてベタなことをサラッと言ってるんですか…。

恥ずかしさで赤くなるあたしを見て笑う関村が、なんだかすごく優しい目をするもんだからあたしもつられて微笑んだ。

…だけどどんな味がするのか少し食べてみたくて

パクッ。

「あ」

「…え、おいしい!」

「おい食うなデブ」

「このまま食べたーい。て、デブ!?」

関村があたしに早く触れたいのを知りながらわざと会話で焦らすあたし。

案の定、彼は限界に達したようで、

「なぁ未菜…おれ我慢もうできないんだけど」

耳元に関村の吐息がかかってあたしの心臓を高鳴らせる。

そっと口紅を唇に塗って関村の首に手を回した

その時

「ぷっ」

え?

「な、なによ」

「や、チョコつけて面白いなぁて。」

「や、えっ、面白いって…」

そんなこと言われたらなんだか急に恥ずかしくなってきた。
そりゃ口紅って言っても茶色いし?
こんなの満遍なく口に塗ってニヤついてるあたしはきっとこの薄暗い部屋では妖怪に見えるであろう。

って、こんなのムードもクソもないじゃん!

「っ、なによ早く食べてよ!」

「うん。可愛い」

彼の唇があたしの唇を甘く噛んだ。

「んっ…」

「あまっ…」

柔らかい舌で唇を刺激されて自然と漏れる声に明らかに興奮した関村はあたしの口を押えた。

「声我慢してみて」

「えっ…無理だよ」

「気持ちよくて無理?」

「や…」

関村がじっと見つめてくるからあたしはずっと目を逸らしっぱなしだ。
普段とは違う目付きと声に体が火照る。
少し強引に手首を掴まれて頭の上で押さえれる。

「ちょっ…関村」

「ん?」

「なんでこんな…恥ずかしいよっ」

「…その顔最高」

そう言って関村はあたしを強く抱き締めてあたしを抱いた。

ケーキは失敗しちゃったけど
甘くて楽しいクリスマスでした。
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