83 / 363
第2部 母と娘の関係
5-10本物のお嬢様ってやっぱいるもんなんだねぇ
しおりを挟む
レースが終了したあと〈サファイア・ビーチ〉では、表彰式が行われていた。砂浜には、表彰台が用意され、私たち三人は、その上に立っている。
中央にはアンジェリカ、その右は私、左のほうはキラリス。たくさんの観客が見守る中、表彰式が始まった。
キラリスは、三位の銅メダル。私は、二位の銀メダルが渡された。優勝トロフィーが貰えないのは残念だけど、表彰台に立つのは、生まれて初めてだ。なので、何だかんだで凄く嬉しい。
最後に、優勝したアンジェリカに、優勝トロフィーと、商品券が渡された。彼女がトロフィーを高々と掲げると、観客たちから、盛大な拍手が巻き起こる。
隣にいた私も、微笑みながら、彼女に拍手を送った。試合が終わったあとは、全力で勝者を褒めたたえる。これこそが、スポーツマン精神だ。
実際に、彼女の操縦技術は、素晴らしかったし、素直に凄かったと思う。キラリスも、不満を漏らしていた割には、ちゃんと笑顔で拍手をしていた。割と、スポーツマンシップはあるみたい。
一通り表彰式が終わると、私たち三人の所に、ナギサちゃんとフィニーちゃんがやって来た。
その時、アンジェリカが、
「これから、皆さんで一緒に、打ち上げをいたしませんこと? 事前に、パーティー会場は、用意してありますのよ」
と唐突に提案してきたのだ。
私は驚いて、ナギサちゃんの様子を、ちらりと確認する。元々打ち上げは、やろうと思っていた。けれど、アンジェリカが提案して来るとは、完全に予想外だった。
過去に揉めたこともあるし、ナギサちゃんは、どう思ってるんだろう……?
しかし、
「打ち上げ、大賛成!」
フィニーちゃんが、真っ先に食い付いた。まぁ、この反応は予想通りだ。
「やっぱり、戦いのあとは、打ち上げだよな!」
キラリスも、あっさり同意する。意外と、結果は引きずらないタイプみたい。
「私はいいわよ。レースに参加した訳じゃないし」
やはり、ナギサちゃんは、あまり気乗りしない様子だ。そもそも、騒いだりするの、あまり好きじゃないもんね。
「何を言っていますの、ナギサさん。観戦しているだけで、立派な参加者ですわよ。すでに、迎えが来ておりますから。さぁ、皆さん参りましょう!」
アンジェリカは、笑顔で言うと、さっさと先頭を進んで行った。そのあとに、フィニーちゃんとキラリスも、楽しそうについて行く。
「まぁ、みんなが行くなら、私たちも行こっか」
「はぁー。まったく、しょうがないわね――」
結局、ナギサちゃんはいつも通り、断り切れずに参加する形に。
そんなこんなで、みんな揃って、アンジェリカの用意したパーティー会場に、向かうのだった……。
******
私たちは〈新南区〉のホテル〈ロイヤル・ガーデン〉に来ていた。あらかじめ会場を予約して、準備してあるらしい。さらに『無料で食べ放題』という話だ。
過去に、アンジェリカとは言い合いになって、ちょっとした敵対関係にあった。しかし、レース後で、凄くお腹空いてたし『無料』という言葉に、思わず惹かれてしまったのだ。
それに、ホテルでパーティーということは『かなり美味しい料理が、出て来るのでは?』なんて期待感も、あったり、なかったり――。
結局『空腹には勝てなかった……』ってことね。
私は、普通のホテルを想像していたんだけど、いざ到着してみると、あまりの凄さに、圧倒されてしまった。巨大な敷地内には、綺麗な庭園があり、まるで、貴族のお屋敷みたいな建物が、どーんと立っていた。
ちょっと、ヤバくないコレ? 滅茶苦茶、高級そうなんですけど――。
「何だか、凄いホテルだね……。もしかして、物凄く高いんじゃない?」
私は隣にいたナギサちゃんに、小声で話し掛ける。
「この〈ロイヤル・ガーデン〉は、世界でも五本の指に入る、高級ホテルよ。政財界のトップ・著名人・他国から来たVIPたちが泊まるホテルだから。それ相応の、お値段でしょうね」
「普通の部屋に泊まっても、食事代込みで、だいたい、一泊五万ベルぐらいじゃないかしら」
ナギサちゃんは、得に驚いた様子もなく、淡々と説明する。
「ごっ――五万ベル?!」
その話を聴いて、私は卒倒しそうになった。
たった一泊で、私の月給以上って……。何だか、急に不安になってきたよ。
「ねぇ、無料って言ってたけど、本当に大丈夫なの? 私、屋台で買い物するぐらいしか、お金持ってないよ――」
「アンジェリカが、そう言っているのだから、大丈夫でしょ。それに、泊まる訳じゃないのだから。いくら高くても、一、二万ベルあれば大丈夫よ」
ナギサちゃんは、サラッと答える。
いやいや、私にとって一万ベルとか、超大金なんですけど! もし、有料だったらどうしよう? 私の今の全財産、ギリギリ一万ベルぐらいなんですけど……。
私の不安とは対照的に、隣にいたフィニーちゃんは、目をキラキラさせ、待ちきれない様子だった。アンジェリカの提案に、真っ先に食い付いたのも、フィニーちゃんだ。食べ物のことになると、反応が速いよね。
「というか、私のこの格好で、大丈夫なのかな? 高級ホテルって、ドレスコードとか、あるんじゃなかったっけ……?」
今日は、レースに出場するため、ウエットスーツに着替えやすいように、制服ではなく私服で来ていた。なので、ショートパンツにTシャツという、物凄くラフな格好だ。普段も、私服の時は、動きやすいから、この格好が多いんだよね。
そもそも私、お出かけ用の服なんて、一着も持ってないし。一番のオシャレ着が、シルフィードの制服なので。
「大丈夫ですわよ。プライベートなパーティーですし、参加するのは気心の知れた、このメンバーだけですから」
私の声が聞こえたのか、アンジェリカが声を掛けてきた。
「そ、そうなんだ――」
ん……? って、いつの間に気心の知れた仲に? まだ、ロクに話したこともないんだけど。それに、以前カフェで喧嘩になったこと、気にしてないのかな?
「宿泊する訳ではないのだから、気にする必要ないわよ。私だって、パーティーに出席する予定はなかったから、普段着で来ているし」
ナギサちゃんはサラッと言うが、相変わらずビシッとした、凄くオシャレな服装で来ている。普段着がそれって、ナギサちゃんの普通って、レベルが高すぎるんだよね。
話ながら歩いていると、やがて大きな入口に到着した。大理石の柱が立ってるし、入り口からして、高級感が漂っている。
黒いタキシードを着た、初老の男性が近付いて来ると、
「ようこそ、おいで下さいました、アンジェリカお嬢様。私は当ホテルの支配人、ラザルと申します」
彼は深々とお辞儀をする。
「支配人さんが、直接お出迎えしてくださるとは、痛みいりますわ。でも、今日はプライベートな、小さなパーティーですの。そこまで気を遣っていただかなくても、大丈夫ですわ」
「とんでも御座いません。アンジェリカお嬢様に来て頂けるとは、我がホテルの、大変に名誉なことでございます。滞在中、誠心誠意、おもてなしさせて頂きますので、何でもお申し付け下さいませ」
私は、まるで映画の中のワンシーンのようなやり取りを、ポカーンとしながら眺めていた。どうやら『ヴァーズ財閥』って、本当に凄いらしい。
いやー、本物のお嬢様って、やっぱいるもんなんだねぇ。私、初めて見たわ、誰かが『お嬢様』って呼ばれてるの……。
支配人に案内され、建物の中に入ると、左右にズラッと並んだ従業員の人が、
「ようこそ、お待ちしておりました!」
一斉に頭を下げて、綺麗にそろった挨拶をした。
私は、驚いてビクッとする。でも、アンジェリカとナギサちゃんは、何事もなかったかのように、平然と進んで行った。フィニーちゃんは、食べ物で頭が一杯なのか、気にした様子もない。
唯一、キラリスだけは、オロオロしていたので、それを見て少し安心した。一般人なら、絶対に驚くよね、こんな状況……。
外観も凄かったけど、建物の中も、物凄い豪華さだった。高い天井には、凝った作りの、大きなシャンデリアが釣り下がっている。床には、いかにも高そうなじゅうたんが、敷き詰められていた。
また、あちこちに、観葉植物やオブジェが置いてあり、ロビーの前には、小さな噴水もあった。
壁には絵画が飾られており、あちこちに、ゆったりとした大きなソファーが置いてある。そこに座っている宿泊客の人たちは、物凄くフォーマルな格好をしており、いかにもセレブな感じだった。
何か私、完全に場違いだよね――。
ロビーを通り抜け、私たちは長い廊下を歩いて行った。途中、両開きの扉の部屋を、いくつか通過する。
開いている扉から中をのぞくと、広々とした部屋に、テーブルがいくつも置いてあった。おそらく一階は、パーティーなどで使う、ホールがメインなのだろう。
キョロキョロしながらついて行くと、廊下の突き当りの部屋に到着する。大きな扉の横の、空中モニターには『アンジェリカ・ヴァーズ様御一行 パーティー会場』と表示されていた。
お祭りの打ち上げにしては、ちょっと大げさ過ぎない? もうこれ、打ち上げじゃなくて、本格的なパーティーだよね? 私の想像していた打ち上げとは、全く違うんだけど。
支配人が扉を開けた瞬間、私は思わず息をのんだ。なぜなら、そこには、まるで別世界のような光景が広がっていたからだ……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『超高級ホテルのパーティー会場ではしゃぎまくる私たち』
人生は継続的なパーティーでなければならないと思う
中央にはアンジェリカ、その右は私、左のほうはキラリス。たくさんの観客が見守る中、表彰式が始まった。
キラリスは、三位の銅メダル。私は、二位の銀メダルが渡された。優勝トロフィーが貰えないのは残念だけど、表彰台に立つのは、生まれて初めてだ。なので、何だかんだで凄く嬉しい。
最後に、優勝したアンジェリカに、優勝トロフィーと、商品券が渡された。彼女がトロフィーを高々と掲げると、観客たちから、盛大な拍手が巻き起こる。
隣にいた私も、微笑みながら、彼女に拍手を送った。試合が終わったあとは、全力で勝者を褒めたたえる。これこそが、スポーツマン精神だ。
実際に、彼女の操縦技術は、素晴らしかったし、素直に凄かったと思う。キラリスも、不満を漏らしていた割には、ちゃんと笑顔で拍手をしていた。割と、スポーツマンシップはあるみたい。
一通り表彰式が終わると、私たち三人の所に、ナギサちゃんとフィニーちゃんがやって来た。
その時、アンジェリカが、
「これから、皆さんで一緒に、打ち上げをいたしませんこと? 事前に、パーティー会場は、用意してありますのよ」
と唐突に提案してきたのだ。
私は驚いて、ナギサちゃんの様子を、ちらりと確認する。元々打ち上げは、やろうと思っていた。けれど、アンジェリカが提案して来るとは、完全に予想外だった。
過去に揉めたこともあるし、ナギサちゃんは、どう思ってるんだろう……?
しかし、
「打ち上げ、大賛成!」
フィニーちゃんが、真っ先に食い付いた。まぁ、この反応は予想通りだ。
「やっぱり、戦いのあとは、打ち上げだよな!」
キラリスも、あっさり同意する。意外と、結果は引きずらないタイプみたい。
「私はいいわよ。レースに参加した訳じゃないし」
やはり、ナギサちゃんは、あまり気乗りしない様子だ。そもそも、騒いだりするの、あまり好きじゃないもんね。
「何を言っていますの、ナギサさん。観戦しているだけで、立派な参加者ですわよ。すでに、迎えが来ておりますから。さぁ、皆さん参りましょう!」
アンジェリカは、笑顔で言うと、さっさと先頭を進んで行った。そのあとに、フィニーちゃんとキラリスも、楽しそうについて行く。
「まぁ、みんなが行くなら、私たちも行こっか」
「はぁー。まったく、しょうがないわね――」
結局、ナギサちゃんはいつも通り、断り切れずに参加する形に。
そんなこんなで、みんな揃って、アンジェリカの用意したパーティー会場に、向かうのだった……。
******
私たちは〈新南区〉のホテル〈ロイヤル・ガーデン〉に来ていた。あらかじめ会場を予約して、準備してあるらしい。さらに『無料で食べ放題』という話だ。
過去に、アンジェリカとは言い合いになって、ちょっとした敵対関係にあった。しかし、レース後で、凄くお腹空いてたし『無料』という言葉に、思わず惹かれてしまったのだ。
それに、ホテルでパーティーということは『かなり美味しい料理が、出て来るのでは?』なんて期待感も、あったり、なかったり――。
結局『空腹には勝てなかった……』ってことね。
私は、普通のホテルを想像していたんだけど、いざ到着してみると、あまりの凄さに、圧倒されてしまった。巨大な敷地内には、綺麗な庭園があり、まるで、貴族のお屋敷みたいな建物が、どーんと立っていた。
ちょっと、ヤバくないコレ? 滅茶苦茶、高級そうなんですけど――。
「何だか、凄いホテルだね……。もしかして、物凄く高いんじゃない?」
私は隣にいたナギサちゃんに、小声で話し掛ける。
「この〈ロイヤル・ガーデン〉は、世界でも五本の指に入る、高級ホテルよ。政財界のトップ・著名人・他国から来たVIPたちが泊まるホテルだから。それ相応の、お値段でしょうね」
「普通の部屋に泊まっても、食事代込みで、だいたい、一泊五万ベルぐらいじゃないかしら」
ナギサちゃんは、得に驚いた様子もなく、淡々と説明する。
「ごっ――五万ベル?!」
その話を聴いて、私は卒倒しそうになった。
たった一泊で、私の月給以上って……。何だか、急に不安になってきたよ。
「ねぇ、無料って言ってたけど、本当に大丈夫なの? 私、屋台で買い物するぐらいしか、お金持ってないよ――」
「アンジェリカが、そう言っているのだから、大丈夫でしょ。それに、泊まる訳じゃないのだから。いくら高くても、一、二万ベルあれば大丈夫よ」
ナギサちゃんは、サラッと答える。
いやいや、私にとって一万ベルとか、超大金なんですけど! もし、有料だったらどうしよう? 私の今の全財産、ギリギリ一万ベルぐらいなんですけど……。
私の不安とは対照的に、隣にいたフィニーちゃんは、目をキラキラさせ、待ちきれない様子だった。アンジェリカの提案に、真っ先に食い付いたのも、フィニーちゃんだ。食べ物のことになると、反応が速いよね。
「というか、私のこの格好で、大丈夫なのかな? 高級ホテルって、ドレスコードとか、あるんじゃなかったっけ……?」
今日は、レースに出場するため、ウエットスーツに着替えやすいように、制服ではなく私服で来ていた。なので、ショートパンツにTシャツという、物凄くラフな格好だ。普段も、私服の時は、動きやすいから、この格好が多いんだよね。
そもそも私、お出かけ用の服なんて、一着も持ってないし。一番のオシャレ着が、シルフィードの制服なので。
「大丈夫ですわよ。プライベートなパーティーですし、参加するのは気心の知れた、このメンバーだけですから」
私の声が聞こえたのか、アンジェリカが声を掛けてきた。
「そ、そうなんだ――」
ん……? って、いつの間に気心の知れた仲に? まだ、ロクに話したこともないんだけど。それに、以前カフェで喧嘩になったこと、気にしてないのかな?
「宿泊する訳ではないのだから、気にする必要ないわよ。私だって、パーティーに出席する予定はなかったから、普段着で来ているし」
ナギサちゃんはサラッと言うが、相変わらずビシッとした、凄くオシャレな服装で来ている。普段着がそれって、ナギサちゃんの普通って、レベルが高すぎるんだよね。
話ながら歩いていると、やがて大きな入口に到着した。大理石の柱が立ってるし、入り口からして、高級感が漂っている。
黒いタキシードを着た、初老の男性が近付いて来ると、
「ようこそ、おいで下さいました、アンジェリカお嬢様。私は当ホテルの支配人、ラザルと申します」
彼は深々とお辞儀をする。
「支配人さんが、直接お出迎えしてくださるとは、痛みいりますわ。でも、今日はプライベートな、小さなパーティーですの。そこまで気を遣っていただかなくても、大丈夫ですわ」
「とんでも御座いません。アンジェリカお嬢様に来て頂けるとは、我がホテルの、大変に名誉なことでございます。滞在中、誠心誠意、おもてなしさせて頂きますので、何でもお申し付け下さいませ」
私は、まるで映画の中のワンシーンのようなやり取りを、ポカーンとしながら眺めていた。どうやら『ヴァーズ財閥』って、本当に凄いらしい。
いやー、本物のお嬢様って、やっぱいるもんなんだねぇ。私、初めて見たわ、誰かが『お嬢様』って呼ばれてるの……。
支配人に案内され、建物の中に入ると、左右にズラッと並んだ従業員の人が、
「ようこそ、お待ちしておりました!」
一斉に頭を下げて、綺麗にそろった挨拶をした。
私は、驚いてビクッとする。でも、アンジェリカとナギサちゃんは、何事もなかったかのように、平然と進んで行った。フィニーちゃんは、食べ物で頭が一杯なのか、気にした様子もない。
唯一、キラリスだけは、オロオロしていたので、それを見て少し安心した。一般人なら、絶対に驚くよね、こんな状況……。
外観も凄かったけど、建物の中も、物凄い豪華さだった。高い天井には、凝った作りの、大きなシャンデリアが釣り下がっている。床には、いかにも高そうなじゅうたんが、敷き詰められていた。
また、あちこちに、観葉植物やオブジェが置いてあり、ロビーの前には、小さな噴水もあった。
壁には絵画が飾られており、あちこちに、ゆったりとした大きなソファーが置いてある。そこに座っている宿泊客の人たちは、物凄くフォーマルな格好をしており、いかにもセレブな感じだった。
何か私、完全に場違いだよね――。
ロビーを通り抜け、私たちは長い廊下を歩いて行った。途中、両開きの扉の部屋を、いくつか通過する。
開いている扉から中をのぞくと、広々とした部屋に、テーブルがいくつも置いてあった。おそらく一階は、パーティーなどで使う、ホールがメインなのだろう。
キョロキョロしながらついて行くと、廊下の突き当りの部屋に到着する。大きな扉の横の、空中モニターには『アンジェリカ・ヴァーズ様御一行 パーティー会場』と表示されていた。
お祭りの打ち上げにしては、ちょっと大げさ過ぎない? もうこれ、打ち上げじゃなくて、本格的なパーティーだよね? 私の想像していた打ち上げとは、全く違うんだけど。
支配人が扉を開けた瞬間、私は思わず息をのんだ。なぜなら、そこには、まるで別世界のような光景が広がっていたからだ……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『超高級ホテルのパーティー会場ではしゃぎまくる私たち』
人生は継続的なパーティーでなければならないと思う
0
あなたにおすすめの小説
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる