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第5部 厳しさにこめられた優しい想い
1-8親友たちの優しい言葉と思いやりは何よりも温かかった
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時間は、午後二時ごろ。午前中は、しっかり『安全飛行講習』を受けに行って来た。スケジュールは、いつもと同じだけど、今日は今まで以上に、真剣さと気合が入っている。
リリーシャさんに、影で色々やってもらったこと。また、大きな心配を掛けてしまったことに、物凄く悩んでいた。今の私には、物理的にも精神的にも、何もお返しができないからだ。
でも『少しでも反省しているなら、目の前のことに集中しろ』と、ノーラさんに厳しく言われた。確かに、今私にできるのは、講習をクリアして、まずは、ライセンスを復活させることだけだ。
私は、今すぐにでも、リリーシャさんに、会いに行きたかった。でも、ノーラさんのアドバイスに従って、全てが終わってから、行くことにした。今の中途半端な状態で、会いに行っても、余計に心配をかけてしまうから……。
〈飛行教練センター〉から帰って来たあと、パンで軽く昼食を済ませると、すぐに勉強を開始した。講習で学んだことの復習と、昇級試験のための勉強だった。
もう、何日も空を飛んでないし、部屋にこもって、勉強をしてばっかりだ。本来なら、辛くてしょうがないけれど、リリーシャさんに掛けてしまった、心配や心労のほうが、はるかに辛かった。
今は、出来ることをやって、万全な状態になって、リリーシャさんに会いに行きたい。許してもらえるかどうかは、やるだけの事をやってから考えよう。
私は、いつになく必死になって、集中して勉強をやっていた。だが、マギコンから、メッセージの着信音が鳴った。
こんな時間に、誰だろう? ユメちゃんは、学校の授業中のはず。ナギサちゃんやフィニーちゃんも、練習飛行中のはずだ。あと、しばらくの間、ELは自重することも、二人には伝えてあった。
でも、緊急の連絡だとマズイので、一応、確認してみる。すると、メッセージは、ナギサちゃんからだった。
「えっ、ナギサちゃん?」
勤務時間中は、ELを一切やらない彼女にしては、珍しい。
ELを起動してみると、
『これから、お茶でもどう? 気晴らしも必要でしょ?』
ナギサちゃんから、お茶のお誘いが来ていた。
そういえば、ナギサちゃんから、お茶に誘われたのって、初めてかも。そもそも、昼間は、EL見てないもんね。
『気晴らし行く! 甘いものたべたい』
『って、フィニーツァじゃなくて、風歌に言ったのよ』
すぐに食い付いたフィニーちゃんに、ナギサちゃんのツッコミが入る。私は、そのやり取りを見て、くすっと笑ってしまった。いつも通りだね、二人とも。
『お誘い、ありがとう。でも私、今は自重してるんで。〈飛行教練センター〉に行く以外は、外に出てないんだ。「営業停止処分」って、自宅謹慎みたいものだから』
いつもなら、一発返事で飛びつくところだ。でも、今はお茶をするような気分じゃなかった。やってしまったことの、罪の意識が重くて、とても楽しめそうにない。
『でも、大丈夫なの? 食事は、ちゃんとしてる?』
『風歌、家にこもったままは、体によくない』
二人とも、心配してくれているようだ。友人にまで、気を使ってもらって、本当に申し訳ない。
『まぁ、食事は、途中で買って来たパンを適当に。それに、二週間で終わるから、何とか我慢できるよ』
最初は、物凄く長く感じたけど。毎日、必死にやっていれば、あっという間だ。体中が凝って、ギシギシいってるけど。それも、仕事に復帰すれば、すぐに治るはずだ。
『分かったわ。仕事が終わったら、差し入れを持って行くわ』
『えっ? でも、悪いよそんな』
『何を今さら。差し入れなら、何度もしてるじゃない。それに、家から出ないなら、問題ないでしょ?』
『私も、風歌の家いく!』
そんなこんなで、二人がうちに、遊びに来ることになったのだった……。
******
夜、十九時。いつもなら静かなはずの、小さな屋根裏部屋が、珍しくにぎやかだった。なぜなら、この狭い空間に、三人も集まっているからだ。
「風歌……、こんな所に住んでいたの?!」
はしごを登って屋根裏に入った瞬間、ナギサちゃんは、驚きの表情を浮かべていた。
そりゃ、驚くよね。物凄く狭いし、天井も低いし、何も置いていないし。ELでも『狭いから止めたほうがいいよ』って、言ったんだけどね。おそらく、ここまでとは、思わなかったのだろう。
「おぉー、屋根裏はじめて!」
逆に、フィニーちゃんは、目をキラキラさせて、なぜか喜んでいた。
私は、古い木の机を、よっこいせと持ち上げる。机をベッドのほうに寄せて、座布団を一つ置いた。
「フィニーちゃんは、そこの座布団に。ナギサちゃんは、ベッドに座って」
あいにく椅子はないし、座布団も一個だけだ。私は、枕を持ってくると、その上にあぐらをかいて座った。
「いやー、狭くてゴメンね。せっかく来てくれたのに、何もないし」
「別に、いいわよ。無理やり押し掛けたのは、こっちだし」
「狭いところ好き。問題ない」
本来なら、人を呼ぶような、スペースじゃないんだけど。とりあえず、二人とも納得してくれたようだ。
二人が席に着いたところで、持ってきてくれた差し入れを、机の上に広げて行く。でも、机が狭すぎて、全部はのらなかった。この机、一人用だからね。
ナギサちゃんが、持ってきてくれたのは、手作りのサンドイッチとサラダ。ポットに入った、ハーブティー。仕事が終わったあと、急いで作ってくれたようだ。相変わらず、栄養バランスがよく、実に健康的だった。
フィニーちゃんが、持って来たのは、ハンバーガー・フライドポテト・フライドフィッシュ。来る途中の『ハンバーガー・ショップ』で、買って来たらしい。いつも通り、高カロリーで、茶色一食だった。
しかも、量が滅茶苦茶、多い。両手に大きな袋を、二つ持って来たし。ハンバーガーだけでも、十個以上ある
「うわぁー、豪華だね。食べきれるかな?」
「まったく、フィニーツァは。もうちょっと、量とバランスを考えなさいよ」
「全部たべるから、大丈夫。肉も魚もあるから、栄養満点」
「野菜が、全然ないじゃないのよ!」
「フライドポテトは、野菜」
また、例のごとく、二人の言い合いが始まる。もう、この二人の口論は、宿命なのかもしれない。でも、聴いていると、不思議とホッとする。
その後、食事をしながら、いつも通り、色んな世間話をした。最近あった出来事が中心で、二人とも、事故のことには、何も触れて来なかった。おそらく、気を使ってくれているんだと思う。
「それにしても、よくこんな部屋があったわね。どうやって見つけたの?」
「リリーシャさんの紹介で、ノーラさんが、特別に貸してくれて。元々は、ただの物置として、使ってたんだよね」
置いてある古いベッドや机は、元々ここにしまってあった物を、そのまま使わせてもらっていた。
「それで、キッチンも洗面所もないのね。水は、どうしてるのよ?」
「一階の奥にある、流しを使ってる。洗濯はランドリーにいってるし、風呂は会社のシャワーと銭湯で。まぁ、割となんとかなるもんだよ」
最初は、色々不便だったけど。住めば、案外どうにかなるものだ。外にいる時間が長いし、寝られるベッドさえあれば、普通に生きていける。
「私も、こういうところ、住みたい。会社の寮に、屋根裏部屋ない」
「いやいや、普通は、こんな所に住まないから」
フィニーちゃんは、ずいぶんと、この部屋が気に入ったようだ。子供のころよくやる、秘密基地や隠れ家の感覚なんだろうか?
「それで、その……いつごろ戻って来れるのよ?」
ナギサちゃんが、遠慮がちに尋ねて来た。
「今のところ、講習のほうは、順当に単位とってるから。営業停止処分が明ける、一週間後かな」
「そう、ならいいんだけど」
こうやって、改めて三人で集まってみると、すぐにでも戻りたい気持ちが、強く沸き上がって来る。また、一緒に空を飛び回りたい――。
「風歌がいないと、ナギサが寂しがる」
フライドフィッシュを片手に、フィニーちゃんが、ボソッと呟く。
「はっ?! 誰が寂しがるのよっ! ただ、ちょっと、気になっただけよ」
ナギサちゃんは、ムキになって反論する。
そういうのを、一般的には『心配する』って、言うと思うんだけど。本人は、全く自覚がないらしい。まったく、ナギサちゃんらしいね。
ナギサちゃんは、何かある度に、全力で心配してくれる。フィニーちゃんも、何だかんだで、気を使ってくれていた。二人には、助けられてばかりだ。本当に、感謝の気持ちしかない。
「二人とも、本当にありがとうね。心の底から、感謝してるよ」
「何を急に、改まってるのよ? 何もしてないし、ただの食事会でしょ……」
「食事は、みんなで食べたほうが、おいしい。だから、感謝の必要ない」
何をしてくれたかじゃなくて、一緒にいてくれることが、大事なんだと思う。こういう時は、ただ一緒にいてくれるだけで、本当に嬉しいから。親友と一緒にいるだけで、心がポカポカと温かくなる。
これからも、二人と一緒にいられるように、頑張って早く戻ろう。もちろん、リリーシャさんのそばに、戻るためにも……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『暇なのでたまには図書館で真面目に勉強してみる』
失敗したら失敗したでそれもいい勉強ってやつだ
リリーシャさんに、影で色々やってもらったこと。また、大きな心配を掛けてしまったことに、物凄く悩んでいた。今の私には、物理的にも精神的にも、何もお返しができないからだ。
でも『少しでも反省しているなら、目の前のことに集中しろ』と、ノーラさんに厳しく言われた。確かに、今私にできるのは、講習をクリアして、まずは、ライセンスを復活させることだけだ。
私は、今すぐにでも、リリーシャさんに、会いに行きたかった。でも、ノーラさんのアドバイスに従って、全てが終わってから、行くことにした。今の中途半端な状態で、会いに行っても、余計に心配をかけてしまうから……。
〈飛行教練センター〉から帰って来たあと、パンで軽く昼食を済ませると、すぐに勉強を開始した。講習で学んだことの復習と、昇級試験のための勉強だった。
もう、何日も空を飛んでないし、部屋にこもって、勉強をしてばっかりだ。本来なら、辛くてしょうがないけれど、リリーシャさんに掛けてしまった、心配や心労のほうが、はるかに辛かった。
今は、出来ることをやって、万全な状態になって、リリーシャさんに会いに行きたい。許してもらえるかどうかは、やるだけの事をやってから考えよう。
私は、いつになく必死になって、集中して勉強をやっていた。だが、マギコンから、メッセージの着信音が鳴った。
こんな時間に、誰だろう? ユメちゃんは、学校の授業中のはず。ナギサちゃんやフィニーちゃんも、練習飛行中のはずだ。あと、しばらくの間、ELは自重することも、二人には伝えてあった。
でも、緊急の連絡だとマズイので、一応、確認してみる。すると、メッセージは、ナギサちゃんからだった。
「えっ、ナギサちゃん?」
勤務時間中は、ELを一切やらない彼女にしては、珍しい。
ELを起動してみると、
『これから、お茶でもどう? 気晴らしも必要でしょ?』
ナギサちゃんから、お茶のお誘いが来ていた。
そういえば、ナギサちゃんから、お茶に誘われたのって、初めてかも。そもそも、昼間は、EL見てないもんね。
『気晴らし行く! 甘いものたべたい』
『って、フィニーツァじゃなくて、風歌に言ったのよ』
すぐに食い付いたフィニーちゃんに、ナギサちゃんのツッコミが入る。私は、そのやり取りを見て、くすっと笑ってしまった。いつも通りだね、二人とも。
『お誘い、ありがとう。でも私、今は自重してるんで。〈飛行教練センター〉に行く以外は、外に出てないんだ。「営業停止処分」って、自宅謹慎みたいものだから』
いつもなら、一発返事で飛びつくところだ。でも、今はお茶をするような気分じゃなかった。やってしまったことの、罪の意識が重くて、とても楽しめそうにない。
『でも、大丈夫なの? 食事は、ちゃんとしてる?』
『風歌、家にこもったままは、体によくない』
二人とも、心配してくれているようだ。友人にまで、気を使ってもらって、本当に申し訳ない。
『まぁ、食事は、途中で買って来たパンを適当に。それに、二週間で終わるから、何とか我慢できるよ』
最初は、物凄く長く感じたけど。毎日、必死にやっていれば、あっという間だ。体中が凝って、ギシギシいってるけど。それも、仕事に復帰すれば、すぐに治るはずだ。
『分かったわ。仕事が終わったら、差し入れを持って行くわ』
『えっ? でも、悪いよそんな』
『何を今さら。差し入れなら、何度もしてるじゃない。それに、家から出ないなら、問題ないでしょ?』
『私も、風歌の家いく!』
そんなこんなで、二人がうちに、遊びに来ることになったのだった……。
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夜、十九時。いつもなら静かなはずの、小さな屋根裏部屋が、珍しくにぎやかだった。なぜなら、この狭い空間に、三人も集まっているからだ。
「風歌……、こんな所に住んでいたの?!」
はしごを登って屋根裏に入った瞬間、ナギサちゃんは、驚きの表情を浮かべていた。
そりゃ、驚くよね。物凄く狭いし、天井も低いし、何も置いていないし。ELでも『狭いから止めたほうがいいよ』って、言ったんだけどね。おそらく、ここまでとは、思わなかったのだろう。
「おぉー、屋根裏はじめて!」
逆に、フィニーちゃんは、目をキラキラさせて、なぜか喜んでいた。
私は、古い木の机を、よっこいせと持ち上げる。机をベッドのほうに寄せて、座布団を一つ置いた。
「フィニーちゃんは、そこの座布団に。ナギサちゃんは、ベッドに座って」
あいにく椅子はないし、座布団も一個だけだ。私は、枕を持ってくると、その上にあぐらをかいて座った。
「いやー、狭くてゴメンね。せっかく来てくれたのに、何もないし」
「別に、いいわよ。無理やり押し掛けたのは、こっちだし」
「狭いところ好き。問題ない」
本来なら、人を呼ぶような、スペースじゃないんだけど。とりあえず、二人とも納得してくれたようだ。
二人が席に着いたところで、持ってきてくれた差し入れを、机の上に広げて行く。でも、机が狭すぎて、全部はのらなかった。この机、一人用だからね。
ナギサちゃんが、持ってきてくれたのは、手作りのサンドイッチとサラダ。ポットに入った、ハーブティー。仕事が終わったあと、急いで作ってくれたようだ。相変わらず、栄養バランスがよく、実に健康的だった。
フィニーちゃんが、持って来たのは、ハンバーガー・フライドポテト・フライドフィッシュ。来る途中の『ハンバーガー・ショップ』で、買って来たらしい。いつも通り、高カロリーで、茶色一食だった。
しかも、量が滅茶苦茶、多い。両手に大きな袋を、二つ持って来たし。ハンバーガーだけでも、十個以上ある
「うわぁー、豪華だね。食べきれるかな?」
「まったく、フィニーツァは。もうちょっと、量とバランスを考えなさいよ」
「全部たべるから、大丈夫。肉も魚もあるから、栄養満点」
「野菜が、全然ないじゃないのよ!」
「フライドポテトは、野菜」
また、例のごとく、二人の言い合いが始まる。もう、この二人の口論は、宿命なのかもしれない。でも、聴いていると、不思議とホッとする。
その後、食事をしながら、いつも通り、色んな世間話をした。最近あった出来事が中心で、二人とも、事故のことには、何も触れて来なかった。おそらく、気を使ってくれているんだと思う。
「それにしても、よくこんな部屋があったわね。どうやって見つけたの?」
「リリーシャさんの紹介で、ノーラさんが、特別に貸してくれて。元々は、ただの物置として、使ってたんだよね」
置いてある古いベッドや机は、元々ここにしまってあった物を、そのまま使わせてもらっていた。
「それで、キッチンも洗面所もないのね。水は、どうしてるのよ?」
「一階の奥にある、流しを使ってる。洗濯はランドリーにいってるし、風呂は会社のシャワーと銭湯で。まぁ、割となんとかなるもんだよ」
最初は、色々不便だったけど。住めば、案外どうにかなるものだ。外にいる時間が長いし、寝られるベッドさえあれば、普通に生きていける。
「私も、こういうところ、住みたい。会社の寮に、屋根裏部屋ない」
「いやいや、普通は、こんな所に住まないから」
フィニーちゃんは、ずいぶんと、この部屋が気に入ったようだ。子供のころよくやる、秘密基地や隠れ家の感覚なんだろうか?
「それで、その……いつごろ戻って来れるのよ?」
ナギサちゃんが、遠慮がちに尋ねて来た。
「今のところ、講習のほうは、順当に単位とってるから。営業停止処分が明ける、一週間後かな」
「そう、ならいいんだけど」
こうやって、改めて三人で集まってみると、すぐにでも戻りたい気持ちが、強く沸き上がって来る。また、一緒に空を飛び回りたい――。
「風歌がいないと、ナギサが寂しがる」
フライドフィッシュを片手に、フィニーちゃんが、ボソッと呟く。
「はっ?! 誰が寂しがるのよっ! ただ、ちょっと、気になっただけよ」
ナギサちゃんは、ムキになって反論する。
そういうのを、一般的には『心配する』って、言うと思うんだけど。本人は、全く自覚がないらしい。まったく、ナギサちゃんらしいね。
ナギサちゃんは、何かある度に、全力で心配してくれる。フィニーちゃんも、何だかんだで、気を使ってくれていた。二人には、助けられてばかりだ。本当に、感謝の気持ちしかない。
「二人とも、本当にありがとうね。心の底から、感謝してるよ」
「何を急に、改まってるのよ? 何もしてないし、ただの食事会でしょ……」
「食事は、みんなで食べたほうが、おいしい。だから、感謝の必要ない」
何をしてくれたかじゃなくて、一緒にいてくれることが、大事なんだと思う。こういう時は、ただ一緒にいてくれるだけで、本当に嬉しいから。親友と一緒にいるだけで、心がポカポカと温かくなる。
これからも、二人と一緒にいられるように、頑張って早く戻ろう。もちろん、リリーシャさんのそばに、戻るためにも……。
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