私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~

春風一

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第7部 才能と現実の壁

5-1夏服に着替えると身も心も軽くなる気がする

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 午後、二時半ごろ。私は〈西地区〉にあるカフェ〈ミュール〉に来ていた。ここは、見習い時代から通っている、お気に入りのお店だ。大陸にも沢山ある、大型チェーン店で、価格も手ごろなため、学生などの若者も多く利用している。

 天気がいいので、テラス席は、ほぼ満席になっていた。〈ウインド・ストリート〉に面していることもあり、活気があり、とても賑やかだ。周囲のお客さんや、歩いている人たちから、楽しそうな声が聞こえてくる。

 私は、にぎやかな場所が、大好きだ。なので、たくさんの人の、元気な声を聴いているだけで、ウキウキして来る。

 円形のテーブルには、私の他に、ナギサちゃんとフィニーちゃんも座って、お茶を楽しんでいた。三人とも、観光案内の仕事を、終えたばかりで、ホッと一息ついているところだ。

 なお、この世界の六月は、暦の上では春だ。でも、どんどん、気温が上がってきており、半袖や薄着の、初夏のファッションの人も多い。私は、夏が大好きなので、道行く人たちの、服装を見ているだけでも、テンションが上がって来る。

 私もすでに、夏用の制服に着替えていた。フィニーちゃんと私は、半袖。ナギサちゃんは、長袖。会社によって、夏服も、全くデザインが違うんだよね。

 ナギサちゃんの格好は、とても上品に見えるけど、かなり暑そうだ。それでも、会社、創立以来の、伝統的な制服なので、全社員、喜んで着ているらしい。

 ただ、シルフィードの夏服は、開放的で、割とラフな感じのデザインが多かった。会社によっては、毎年、モデルチェンジして、最新ファッションを、取り入れているところもある。

 ちなみに、衣替えの時期になると『月刊シルフィード』でも、各会社の、制服特集なんかをやったりする。それほど、最近の制服は、お洒落なデザインが多いのだ。

 結局、夏でも、ビシッと正装し、古くからの制服を通しているのは〈ファースト・クラス〉だけ。流石に、業界一、厳格で、伝統的な会社だ。

 ナギサちゃんは『暑さを顔に出さないのが、一人前のシルフィード』って、言っているけど。それって、気合で我慢する、ってことだよね……? 気品を保つのも、なかなか、大変なことだ。
 
「最近、仕事のほうはどう? 順調に行ってる?」
 私は、アイスコーヒーのグラスを置くと、二人にそっと尋ねた。

「ミスがない、という点では、順調だけど。相変わらず、お客様は、少ないわよ。イベントがあっても、結局、上位階級のシルフィードに、予約が入るのだから」
「私も、順調。予約が少ないから、のんびり出来ていい」

 フィニーちゃんは、大きなパフェを食べながら、興味なさそうに答える。

「それのどこが、順調なのよ? 全然、ダメじゃない」
「何も変わらない、平和な日常が一番。メイリオ先輩も、そう言ってた」

「それは意味が、全然、違うでしょ! そもそも『癒しの風』ヒーリングウインドは、常に、予約で一杯じゃない。そういうのは、仕事をちゃんとやってる人間が、言う台詞なのよ」
「仕事がなくても、平和が一番」

 仕事に、一切の妥協をしない、真面目なナギサちゃん。対して、どこまで行っても、とことんマイペースな、フィニーちゃん。結局、毎度のごとく、言い合いになる。何年たっても、この部分だけは、全く変わらないよねぇ――。

「まぁまぁ。もちろん、予約が多いほうがいいけど。最初は、少ないのは、しょうがないよ。だから、空いた時間は、有意義に過ごさないとね。時間があるおかげで、こうして三人で、一緒にお茶ができる訳だし」

 私も、一日に、一、二件は、仕事をこなしている。それでも、やはり、空き時間は多い。一件も仕事のない日も、普通にあるし。そんな時は、自分なりに、時間の使い方を考えないとならない。

「これじゃあ、見習い時代と、変わらないじゃないの」 
「変わらないほうがいい」

「変わらないんじゃ、意味がないでしょ? 何のための昇級よ?」
「お給料、増えても、仕事は、楽に越したことない」
「単に、お金が目当てなら、シルフィードになる必要ないじゃない」

 この二人の、仕事観に対する言い合いは、何度となく目にしている。でも、最近は『職業シルフィード』と呼ばれる人も、増えていた。単に、お金をもらうのが目的で、夢や目標を、特に持たない人たちのことだ。

 エア・マスターまで昇級すれば、生活するのに、困らないぐらいの、お給料はもらえる。特に、大手企業は、見習い時代が安い代わりに、かなりお給料がいいらしい。なので、そこまで必死にならなくても、問題ないのだ。

 どっちが正しいかは、難しいよね。どの業界でも、情熱で働く人と、お金のためと割り切っている人は、いるみたいだから。私は、もちろん、夢を果たすために、常に情熱を持って、やってるけどね。

「ところで、来月は『ノア・グランプリ』があるよね。やっぱり、空のお祭りは、楽しみだよねぇ。シルフィードは、空の仕事だから、関係が深いし。今年も、盛り上がるのかな?」

 言い合いが過熱する前に、私は、サッと話題をすり替える。

 ちなみに、今月は『レイアード武闘祭』が行われた。格闘技系のイベントで、各地区の競技場で、様々な格闘技や武道の試合が行われ、大いに盛り上がった。

 中でも、圧倒的に人気なのは、総合格闘技の『MMA』だ。今回は、ランキング上位者による、エキシビジョン・マッチが行われ、大盛況だった。なお、キラリスちゃんも出場していた。

 ただ、私の場合、格闘技とは無縁なので、何も出番はなかった。イベント中のお客様も、少なかったし……。でも、来月のイベントは、私でも参加できるので、滅茶苦茶、期待している。

「世界的にも有名な『GSR』の1つがあるから、当然、盛り上がるわよ。昔は『蒼海祭』のほうが、盛り上がっていたようだけど。今は『空の町』と言われているから、こっちのほうがメインね」 

 ナギサちゃんは、ティーカップを置くと、淡々と説明する。

 レースには、いくつかのグレードがある。GSR(グランド・スカイレース)は、全レースの中で、最高峰だ。一握りのトップレーサーだけが参加できる、非常に特別なレースだった。

「私も、空のイベント、好き。でも、出店があれば、何でもいい」
 フィニーちゃんは、パフェを食べ終ると、ボソッと答える。

「あははっ、フィニーちゃんらしいねぇ。去年も、凄く話題になってたけど。また、ミルティアさん、ノア・グランプリに出場するのかな?」

「出るみたいよ。昨年は、三位に入賞してたし。今年に入ってからは、連勝中だから。今回は、優勝候補の一角よ」

「へぇー、優勝できるといいね。でも、シルフィードと、プロのレーサーの掛け持ちなんて、凄いよねぇ。おまけに、どちらでも、結果を出してるんだから。どうすれば、そんなことが出来るのか、想像もつかないよ――」

蒼空の女神スカイゴッドネス』の二つ名を持つ、ミルティアさんは、シルフィード・クイーン兼、MSRのプロレーサーだ。雑誌でも、よく見かけるけど、とてもクールでカッコイイ人だ。

「風歌のすぐそばにも、もっと凄い人がいるでしょ?『疾風の剣ゲイルソード』は、ノア・グランプリで、優勝しているのだから。彼女よりも、実績はずっと上よ」

「あぁ、そういえば、そっか……。でも、ノーラさんは、アパートの大家さんのイメージが強すぎて」

「もう少し、元クイーンを敬いなさいよ。本来なら、私たちが、口を利くことすらできない、雲の上の存在なんだから」
「あははっ――」

 私は、苦笑いでごまかす。

 もちろん、尊敬はしている。でも、あまりに気さくな性格なので、元クイーンだということを、つい忘れてしまう。滅茶苦茶、豪快で、それっぽい感じもしないし。ナギサちゃんのお母さんは、いかにも、元シルフィードって感じだけどね。

「という訳で……私たちも出場しようよ!」
 今までのは、ただの前振り。本命の話は、こっちだ。

 でも、二人からは、何の返事も返って来なかった。フィニーちゃんは、おかわりしたパフェを、黙々と食べ続けている。これは、まぁ、いつも通り。ナギサちゃんは、澄ました表情で、上品にお茶を飲んでいた。

「って、反応、薄っ?! 空のお祭りは、私たちシルフィードの、絶好の活躍の場でしょ? 三人で一緒に、レース出ようよー!」

 一人前になってからは、なかなか時間が合わなくて、たまに、お茶するぐらいだ。なので、久しぶりに、三人でイベントに参加したいのだ。

 ナギサちゃんは、カップを置くと、小さくため息をついた。

「あのね、風歌。私たちの仕事は、イベントに参加するのではなく、お客様を案内することなの。いい加減、そこら辺を、理解しなさいよ」

「でも、ミルティアさんみたいに、レースに出場する人もいるし。サファイア・カップと違って、空のレースなんだから。私たちが出ても、おかしくないでしょ?」

「蒼空の女神は、特別よ。どうせ、私たちが出たって、勝てる訳ないんだから」
「えぇー、勝ち負けなんて、別にいいじゃない。でも、出たら目立つし。もし、いい結果が出たら、実績にもなるんだよ?」

 思い出作りに、三人で参加するのが目的だ。でも『あわよくば、優勝したい』なんて、野望もあったりするけどね。

 何かのコンテストやレースなどで、好成績を残せば、実績になる。シルフィードに関係ないものは、あまり評価されないけど。空のレースは、しっかり評価につながる。現に、ノーラさんやミルティアさんは、それで、クイーンになってる訳だし。

「いくら目立つとはいえ、私は、そういうやり方は、好きじゃないわ。あくまでも、シルフィードの仕事で、評価されるべきよ」

「それも、そうだけど。どうせ私たち、イベント中、結構、暇でしょ? 予約は、上位階級やベテランの人たちに、全部、行っちゃうんだから」

「ぐっ――分かってるわよ、そんなこと」
 ナギサちゃんは、物凄く不機嫌そうに答える。

 結局、イベントで、世界中から沢山のお客様がやって来ても、予約が入るのは、人気シルフィードだけだ。
 
 いくら、エア・マスターになったとはいえ、先輩のシルフィードが大勢いる。私たちは、エア・マスターの中では、まだまだ底辺の、ひよっ子なのだ。

「そもそも『ノア・グランプリ』は、プロレーサーかつ、一定の実績がないと出られない、ハイグレード・レースよ。私たちが、出られる訳ないじゃない」

「違う違う。私が出たいのは『EX500』のほう。このレースなら、高速ライセンスがあれば、出場できるじゃない。私、昇級の時に、高速も取っといたし」

 機体ごとに、MP(マナパワー)があり、持っているライセンスによって、乗れる範囲が違う。ちなみに、一般的な小型エア・ドルフィンは『50MP』だ。これは、見習いの時に取るライセンスで、乗ることが出来る。

 ウィッチのライセンスだと『125MP』までの中型機。エア・マスターだと『250MP』までの大型機。さらに、その上の『高速ライセンス』を取得すれば、『500MP』の高速機にも、乗れるようになる。

 通常は『大型ライセンス』をとっておけば、ほぼ全ての機体に乗れるので、問題ない。エア・ゴンドラはもちろん、エア・コンテナなども、運転できる。なので『高速ライセンス』を取るかは、人によって違う。

 ただ、ノーラさんに『高速も取っておけ』と言われたので、念のため、取得しておいた。たしか、ナギサちゃんも、フィニーちゃんも、高速は持っていたはずだ。

 ナギサちゃんは、単に、勉学の一環として。フィニーちゃんは、速く飛びたいから、という理由だった気がする。

「なんで、いきなり『EX500』なのよ? もし、出るとしても『M250』のほうでしょ? だいたい、500MPの機体が、どれだけスピード出ると思ってるの? 私たち素人が、上手く飛べる訳ないじゃない」

「でも、私たち、シルフィードだから、素人じゃないよ。それに、せっかく、ラインセンス持ってるんだし。練習すれば、大丈夫だよ。あと、物凄いスピードで飛ぶの、きっと、気持ちいいよ」  

 サファイア・カップは、水上だったから、かなり苦戦したけど。空なら、毎日、飛んでいるので、完全に、私たちのフィールドだ。

「私は、絶対に嫌よ」 
「出る」
 ナギサちゃんとほぼ同時に、フィニーちゃんが答えた。

「はっ?! フィニーツァ、何言ってるの?」
「えぇっ?! 本当に?」 
 意外な答えに、私たちは驚きの声をあげる。

 だって、何事に対しても、消極的で、面倒くさがりのフィニーちゃんが、こんなにあっさり、了解するなんて。何か、心境の変化であったのかな?

「ナギサ、怖いなら、出なければいい」
「はぁ?! 怖い? この私が? シルフィードが、空を怖がるはずないでしょ!」

「なら、勝負する? 負けたほうが、食べ放題おごる」
「いいわ。レースで、きっちり、白黒つけましょう」

 珍しく、ナギサちゃんの目が、燃えていた。負けず嫌いなのも、あるけど。とりわけ、フィニーちゃんには、対抗意識が強い。

「ナギサちゃん、本当に、いいの? 出場だけならまだしも、勝負だなんて――」
「勝負を挑まれた以上、逃げる訳ないでしょ。実力差を、見せつけてあげるわ」

 フィニーちゃんは、特に気にした様子もなく、追加で頼んだプリンアラモードを、黙々と食べていた。対して、ナギサちゃんは、完全に熱くなっている。相変わらず、二人の温度差が激しい……。

 結果的に、一緒に参加することには、なったけど。私がイメージしていたのは、三人で、和気あいあいと、楽しく参加することだ。

 なんか、ちょっと違うけど、結果オーライなのかなぁ――?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回――
『無口な人間同士でも上手く通じ合えるかもしれない』

 愛情がこもっていて無口な人こそ、人生の伴侶としてふさわしい
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