始めのダンジョンをループし続けた俺が、いずれ世界最強へと至るまで～固有スキル「次元転移」のせいでレベルアップのインフレが止まらない～

異世界で新たな一歩目を！

第二十四話 『初めまして、俺』

　何故俺のが二人居たのか。
　それは、「次元転移」で五次元間を転移したからだ。
　スキルの説明からも分かる通り、五次元間を転移するということは俺が生み出したパラレルワールドを移動できるということらしい。
　それを利用して、俺はとある世界線へ転移した。
　この世界に来てから二日目の朝に、今の俺が転移してきた世界線へ、と。
　俺が存在する世界線の朝には、未来の俺は転移してこなかった
　つまり、今の俺は今日の朝に転移は出来ない。
　「世界を跨ぐ者」の情報が頭に流れてきた時、もし既に確定した未来を覆そうとしても、何らかのアクシデントによってそれは出来なくなるということが伝えられたから。
　そのため、俺は今日の朝に未来の俺が転移してきた世界線へ転移したことで、俺は今日の朝に転移することが出来るようになった。
　そしてさらに、「次元転移」では次元は一つずつでしか転移は出来ない為、二回目は四次元間を転移したことでようやく職業の「世界を跨ぐ者」を所持していない俺のところまで転移出来たということ訳だ。
　何か、自分でいっててこんがらがってきたぞ。


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「という訳で、俺はここに転移してきたという訳だ。」
「なるほどな。半分くらいは分かった。」

　まあ、そうだよな。
　俺も自分で説明していて分からなくなってきていたし。

「何故ここに来れたのかは分かった。だが、肝心なことを話していないぞ。何故ここに来たのかを。」
「ああ、説明し忘れてたな。」

　俺たちの会話についていけずに、肩の上のクルト達はボーと俺たちの会話を聞いている。
　話している俺たちが話についていけているという訳では無いが。
　クルト達って表現を人生で使うとは夢にも思っていなかったが。

「実はだな、職業の「世界を跨ぐ者」の効果に他世界の自分と同調する、という内容があるんだ。つまり、もしお前が今職業の「生還者」を選んだら、それと同調したら俺達は職業を二つ所持出来るらしいんだ。」
「ま、マジか。」

　驚いたのはこの世界線の俺だけじゃなかった。
　というより、こいつらの方が百倍くらい驚いていた。

『『はぁぁぇぇぇぇぇぇぇぇー－！？』』

　クルト達は驚きすぎてもはや言葉も放たなっかった。
　ただただ「はぁー－！？」とかを繰り返していて少し、いやかなりうるさい。
　俺がちょっと静かにして、と言おうと思った時、

「清原様、起きておられるでしょうか？」

　その声を聞いて、俺たちは一旦話をを中断した。

（そういえば、この人の存在を忘れてたっけ。）

　勝手に入ってくることはないとは思うが、流石に俺が二人居る場面を見られるのはまずい。

「おい俺、すぐに職業の「生還者」を選択して。」
「わ、分かった。」

　小声で俺たちは話し合う。

「よし、選択したぞ。」


《同調を発動します。》

「っおお。」

　俺はすぐさま俺たちに「同調」を発動させてから、目の前の俺には「生還者」と「世界を跨ぐ者」の二つの情報が一気に流れ込んでいるのだろう。

「じゃあな、俺。もしかしたらまた来るかもしれないから、その時はまたよろしくな。」
「お、おお、またな。俺の体なんだから、今後も丁重に扱うんだぞ。」

　そんなことを言い合った後、俺は本来俺が居るべき世界線へと「次元転移」したのだった。

《次元転移を発動します。》