始めのダンジョンをループし続けた俺が、いずれ世界最強へと至るまで~固有スキル「次元転移」のせいでレベルアップのインフレが止まらない~

Rough ranch

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異世界で新たな一歩目を!

第三十四話 『僕にピッタリなスキル』

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 騎士の人達に自由時間を言い渡された為、僕は何となく昨日自分が寝ていた部屋に歩いていた。
 この世界に召喚されたばかりだから、暇潰しに行く当てなんてない。
 僕は、久々に何も考えずにただただ歩いていた。
 考えるべきことが多すぎたからか、
 その時、

「おっ?」

 近くに、地球でのクラスメートである清原と葉山さんが歩いているところを見付けた。
 珍しく二人が歩いている、という訳じゃ無い。
 地球でもよく葉山さんは清原に話しかけていた。
 葉山さんの清原への好意は、俺達のクラスでは周知の事実だった。
 清原は居なかったが、鑑定の時に葉山さんの固有スキルがみんなに晒された時は、そのことをめっちゃいじられてたもんな。

「尾行してみるか。」

 勿論、僕が今ストーカー行為をしようとしていることは分かる。
 だが、このストーカーは地球に居た時からの僕の趣味だ。
 まあ、ストーカーが趣味というよりも人間観察が趣味と言った方が正確だけどね。
 他人の一挙一動を観察し、その人の行動原理を考察することは、人間という種族、そして自分自身を見つめ直して理解できていってる気がしてくる。
 だから、こんなスキルをゲットしてしまったんだろう。


「観察眼」
他者の性格、ステータス、記憶等の情報を文字に起こして読むことが出来る。
一回で観察できる対象は一人。
ステータスを読み取る際に、対象の隠しパラメータも閲覧できる。
尚、記憶を読み取る際は記憶が古くなればなるほど不鮮明になる。
また、目の視力、動体視力等を大量の魔力を消費することで上げることが出来る。


 まさに、僕にピッタリのスキルだ。
 当然僕は、二人にこっそりこのスキルを使用する。

《観察眼を発動します》

「おおっ、」

 まずは頭の中に、清原身体情報、ステータス、ステータスの隠しパラメータが目の前のステータスボードに表示される。
 これだけでも十分凄いが、次に清原の性格や大まかな行動原理が流れてくる。

「へぇ、幸せになりたい、か。ありきたりな目標だけど、この清原の幸福に対する哲学はなかなか面白いね。」

 そして、最後に清原の記憶が流れてくる。
 流れてくる記憶の量が多すぎると内容がかなり不鮮明なものになってしまうので、流れてくる記憶はこの世界に来てから感じたこと絞ってある。
 まだ一日しか経っていないが、人というのは一日で自分が想像するよりも遥かに多くの出来事を経験しているものだ。
 僕は、流れてきた清原の記憶を読む。


「清原祥佑の軌跡」
6/15 突如異世界に召喚されてしまう。
この世界はとても漫画やラノベの世界の様だと思い、試しにステータスと唱えてみると本当にステータスボードの様な半透明の板が出て来て驚いた。
また、ステータスをチェックして、自分に「次元転移」なる固有スキルがあることを知る。
クラスメートたちは召喚された後、ショウワールという男に案内されて自身らのステータスを鑑定されに行ったが、自分は列の最後尾だった為仕方なくダンジョンに潜ろうとする。
その時、地球で清原をいじめていた釜瀬に話しかけらえる。

~~~~~~~~~~

そして今、葉山と共にダンジョンに潜ろうとしている。


「面白い。というか、確かに釜瀬は見当たらないなとは思っていたけれど、まさか清原に殺されていたとはね。」

 僕は、お気に入りの小説を途中まで読んで興奮している時と同じ気持ちだ。
 特に、釜瀬に殺されかけた時の清原の後悔と決意に僕は感動したよ。

「一応、今の清原のステータスを確認しておくか。」

 そう思い、僕はステータスボードをスクロールした時、突然ステータスボード上に書いてあった清原の記憶やステータスの情報が消えた。

「なっ!」

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