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異世界で新たな一歩目を!
第五十話 『レベルだけが実力差じゃない』
しおりを挟む《次元転移を発動します》
「よしっ、」
俺は、リトライラと共に本来俺が居るべき世界線へと帰って来た。
リトライラの今の心情は分からないが、俺が踏み込まなくてももうリトライラは大丈夫だろう。
なんと言うか、目に活力がある気がする。
「兄さんは、このままダンジョンに潜るの?」
「そうだな。あと六十くらいはレベルを上げたいんだ。」
ベヒモスのお陰で、俺の今のレベルは144だ。
あの冥皇と戦うには、圧倒的に心もとない。
ステータス
Lv.144
名前 キヨハラ ショウスケ
年齢 17歳
職業 ・配達員
・学徒
・忍耐者
・世界を跨ぐ者
・生還者
HP 8230/8230
MP 13340/13290
SP 10230/10300
固有スキル
・次元転移
・略奪
スキル
・偽装
・危機感知
・加速
・経験値増加
・反射
・同調
・環境適合
数日前とは文字通り桁違いの実力手に入れられた。
MPとSPに関しては、既に一万の大台に乗っている。
スキルなんて、当初は四つしか持っていなかったのに今や九つもある。
クルトでも、これほどのステータスを見たことは無いらしい。
「六十レベルって、簡単に上げられるレベルじゃないよ。」
本当にそれは同感だ。
俺と葉山も、固有スキル、クルト、経験値増加が無かったら、たった数日間でここまでレベルを上げることは難しかっただろう。
「それに、兄さんは既に世界でも指折りの実力者と言っても差し支えないくらいの実力はあると思うな。何でそんなにレベルが必要なの?」
もっともな疑問だ。
だが、今の俺じゃ足りない。
クルト、葉山、俺が協力したとしても、数日前に見た冥皇に勝てるビジョンが思い浮かばない。
あの時冥皇が俺に仕掛けてきた攻撃はたったの一回だというのに、だ。
生物としての本能が、冥皇を拒絶している。
「ああ、今のままじゃ足りない。俺は今、冥皇と戦えるレベルの力が必要だから。」
「ゴホッ、ゴホッ!」
リトライラが俺の言葉に驚いて何かを言おうとしたらしいけれど、驚きすぎてむせてしまった。
「大丈夫か、リトライラ?」
「い、いや、驚きすぎただけだ、よ。」
そう言って、リトライラは数回深呼吸をした後物凄い勢いで俺を問い詰めだした。
「それよりも、今冥皇って言ったのかい、あの三皇の一人の!?」
「ま、まあな。」
リトライラのからの気迫が尋常じゃない。
まあ、この世界の住民からしたらとんでもないことなんだろうけれども。
「分かっているの兄さん!三皇っていうのは、文字通り僕達とは次元が違う存在なんだよ!」
「わ、分かってるって。」
「僕も一度知皇様と会ったことが有るから言うけど、彼との差っていうのはレベルだけの単純な差じゃないんだよ。」
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