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冒険者ギルド
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翌朝、この街の冒険者ギルドへ迷宮の情報を集める為に出掛けることにした。
ただミミとルルをどうするか、アンナと話し合う必要がある。
ムサシとアンナが側に居れば、ミミとルルも落ち着いているが、まだ二人を留守番させるのはかわいそうだ。
「なあマーティン、ミミとルルを二人で留守番させたくないけど、俺達が迷宮に潜る間どうしたらいいと思う?」
「そうですね、私達の場合、私やフラン、ムックを護衛に付けれませんしね。私達は戦闘の主力ですから」
ムサシがマーティンに相談しても、明確な答えは得られなかった。
「いっその事、お嬢様方を一緒にお連れになってはいかがですか。少なくとも初心者迷宮なら、我等が居れば過剰戦力ですから、お二人をお守りする事が出来ると思いますが」
「それしかないか……」
ムサシはそう言って、自分の腰に抱きつくミミとルルを見る。
「……いっしょがいいの」
「…………お兄ちゃん、荷物持ちでも何でもするから連れて行って」
ミミとルルがムサシを見つめる。
「分かったよ。でも念のためにミミとルルに革鎧を買おう」
「それが良いわね」
ムサシ達は、ギルドへ向かった。
ルルの手を引くムサシが先頭でギルドへ入り、その後にマーティンとミミの手を引くアンナが続く。
小さな子供を連れたムサシに、刺す様な視線が突き刺さるが、使役するマーティンを見ると、それもやわらぐ。
ムサシ自身が年若い少年に見られる上に、冒険者ギルドには場違いな、小さな子供を連れている事で訝しむ視線を向けていた冒険者達も、ムサシが使役するマーティンの強さを感じとり、侮ることをやめる。
「こんにちは、今日はどう言ったご用件ですか?」
「初心者迷宮へ行こうと思っているんですが、出現する魔物の種類や地図はありますか?」
少し時間帯がズレていたのか、比較的空いていたので、直ぐに順番が回って来た。
「はい、魔物の種類や分布は二階の資料室で閲覧出来ます。持ち出し厳禁なので閲覧のみとなります。地図は初心者迷宮なら、一階層から十階層まで纏めて銀貨5枚です」
「じゃあ地図をお願いします。それとこの子の登録をお願いします」
お金を払いミミの冒険者登録をお願いする。
冒険者ギルドは、十歳から登録出来る。
ルルはまだまだ先だが、ミミだけでも登録しておく事にする。
ギルドを出て武具屋へ向かう。
迷宮都市だけあって、武具屋は数軒が軒を並べていた。
その中で、ギルドに紹介してもらった一軒に入る。
「すいませーん!」
「はい、いらっしゃい。何をお探しですか?」
中年の女性が店先に出て来た。
「この子達の革鎧が欲しいんですが、サイズが有りますか?」
「う~ん、お姉ちゃんの方は問題ないけど、妹さんのはホビット用をサイズ調整しようかね」
ルルに合うサイズが有るのか心配だったが、何とかなりそうでホッとするムサシ。さすがに一から作るのでは日にちが掛かる。
「じゃあお嬢ちゃん達、こっちへおいで」
ミミとルルがサイズ調整の為に、店の奥に連れて行かれた。
店に並べられた武器や防具を眺めながら、ミミとルルを待っていると、店の奥から革鎧に身を包んだ、ミミとルルが出て来る。
「お兄ちゃ~ん!ルルどう?」
ミミは恥ずかしげに、ルルは自慢げに出て来た。
「凄いよ。ミミもルルもよく似合ってるよ」
「やったー!」
「すいません、お幾らになりますか?」
「そうだね、小さな革鎧なんて売れる事も稀だからね。売れ残りだから二つで金貨5枚で良いよ」
「ありがとうございます」
金貨5枚を支払う。
「あと、この子達でも持てるナイフも貰えますか?」
「ナイフ二本で金貨2枚だよ。鞘とベルトはサービスするよ」
言われた金額を支払うと、ミミとルルはナイフを付けて貰っていた。
ミミもルルも腰にナイフを装備して、とても嬉しそうだ。
「ありがとうございました」
「また欲しい物が有ったらおいで。鉱石や素材を持って来ればオーダーメイドも受けるからね」
武具屋を出て、まだ午前中で時間があったので、ムサシ達は、初心者迷宮に少しだけ潜る事にする。
迷宮へ向かう途中、ミミとルル用の背中に背負える鞄を購入する。他にも水筒や携帯食、ポーション類を購入する。
武具屋から歩いて30分位で、初心者迷宮の入り口へ着いた。
迷宮の入り口には受付があり、そこでギルドカードを見せて迷宮に入る。
迷宮都市で、初心者迷宮に潜る冒険者は余り多くない。それはこの迷宮都市に集まる冒険者は、中級以上の冒険者がほとんどだからだ。
ルルはポーターとして、受付で申請すれば大丈夫だった。
マーティンを先頭に入り口を潜る。
ミミとルルを真ん中に、フランとアンナが左右に、最後尾にムサシが続く。
ムックは初心者迷宮では、もう少し下の階層に行かないと出番はないと思いまだ召喚していない。
ムサシ達は、慎重に周囲を警戒しながら、一階層を進む。
ただミミとルルをどうするか、アンナと話し合う必要がある。
ムサシとアンナが側に居れば、ミミとルルも落ち着いているが、まだ二人を留守番させるのはかわいそうだ。
「なあマーティン、ミミとルルを二人で留守番させたくないけど、俺達が迷宮に潜る間どうしたらいいと思う?」
「そうですね、私達の場合、私やフラン、ムックを護衛に付けれませんしね。私達は戦闘の主力ですから」
ムサシがマーティンに相談しても、明確な答えは得られなかった。
「いっその事、お嬢様方を一緒にお連れになってはいかがですか。少なくとも初心者迷宮なら、我等が居れば過剰戦力ですから、お二人をお守りする事が出来ると思いますが」
「それしかないか……」
ムサシはそう言って、自分の腰に抱きつくミミとルルを見る。
「……いっしょがいいの」
「…………お兄ちゃん、荷物持ちでも何でもするから連れて行って」
ミミとルルがムサシを見つめる。
「分かったよ。でも念のためにミミとルルに革鎧を買おう」
「それが良いわね」
ムサシ達は、ギルドへ向かった。
ルルの手を引くムサシが先頭でギルドへ入り、その後にマーティンとミミの手を引くアンナが続く。
小さな子供を連れたムサシに、刺す様な視線が突き刺さるが、使役するマーティンを見ると、それもやわらぐ。
ムサシ自身が年若い少年に見られる上に、冒険者ギルドには場違いな、小さな子供を連れている事で訝しむ視線を向けていた冒険者達も、ムサシが使役するマーティンの強さを感じとり、侮ることをやめる。
「こんにちは、今日はどう言ったご用件ですか?」
「初心者迷宮へ行こうと思っているんですが、出現する魔物の種類や地図はありますか?」
少し時間帯がズレていたのか、比較的空いていたので、直ぐに順番が回って来た。
「はい、魔物の種類や分布は二階の資料室で閲覧出来ます。持ち出し厳禁なので閲覧のみとなります。地図は初心者迷宮なら、一階層から十階層まで纏めて銀貨5枚です」
「じゃあ地図をお願いします。それとこの子の登録をお願いします」
お金を払いミミの冒険者登録をお願いする。
冒険者ギルドは、十歳から登録出来る。
ルルはまだまだ先だが、ミミだけでも登録しておく事にする。
ギルドを出て武具屋へ向かう。
迷宮都市だけあって、武具屋は数軒が軒を並べていた。
その中で、ギルドに紹介してもらった一軒に入る。
「すいませーん!」
「はい、いらっしゃい。何をお探しですか?」
中年の女性が店先に出て来た。
「この子達の革鎧が欲しいんですが、サイズが有りますか?」
「う~ん、お姉ちゃんの方は問題ないけど、妹さんのはホビット用をサイズ調整しようかね」
ルルに合うサイズが有るのか心配だったが、何とかなりそうでホッとするムサシ。さすがに一から作るのでは日にちが掛かる。
「じゃあお嬢ちゃん達、こっちへおいで」
ミミとルルがサイズ調整の為に、店の奥に連れて行かれた。
店に並べられた武器や防具を眺めながら、ミミとルルを待っていると、店の奥から革鎧に身を包んだ、ミミとルルが出て来る。
「お兄ちゃ~ん!ルルどう?」
ミミは恥ずかしげに、ルルは自慢げに出て来た。
「凄いよ。ミミもルルもよく似合ってるよ」
「やったー!」
「すいません、お幾らになりますか?」
「そうだね、小さな革鎧なんて売れる事も稀だからね。売れ残りだから二つで金貨5枚で良いよ」
「ありがとうございます」
金貨5枚を支払う。
「あと、この子達でも持てるナイフも貰えますか?」
「ナイフ二本で金貨2枚だよ。鞘とベルトはサービスするよ」
言われた金額を支払うと、ミミとルルはナイフを付けて貰っていた。
ミミもルルも腰にナイフを装備して、とても嬉しそうだ。
「ありがとうございました」
「また欲しい物が有ったらおいで。鉱石や素材を持って来ればオーダーメイドも受けるからね」
武具屋を出て、まだ午前中で時間があったので、ムサシ達は、初心者迷宮に少しだけ潜る事にする。
迷宮へ向かう途中、ミミとルル用の背中に背負える鞄を購入する。他にも水筒や携帯食、ポーション類を購入する。
武具屋から歩いて30分位で、初心者迷宮の入り口へ着いた。
迷宮の入り口には受付があり、そこでギルドカードを見せて迷宮に入る。
迷宮都市で、初心者迷宮に潜る冒険者は余り多くない。それはこの迷宮都市に集まる冒険者は、中級以上の冒険者がほとんどだからだ。
ルルはポーターとして、受付で申請すれば大丈夫だった。
マーティンを先頭に入り口を潜る。
ミミとルルを真ん中に、フランとアンナが左右に、最後尾にムサシが続く。
ムックは初心者迷宮では、もう少し下の階層に行かないと出番はないと思いまだ召喚していない。
ムサシ達は、慎重に周囲を警戒しながら、一階層を進む。
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