ネトゲーマーが引きこもりだと思うなよ

惠諳

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第1章~仲間とゲームクリア~

新作ゲームはバーチャル世界

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放課後。彼は、部活休んだ。
彼はバスケ部のエース。

「わりい。今日大事な用事があるからよ。」

彼は、家まで走った。
バス停2つ分。普段はバスで来るのでさほど遠いと思ったことは無い。

だが、今は違う。
遠い。家までの一歩が遠い。なのに時間は過ぎて行く。

「急げ。4時までには。」

走る彼の横をバスが通る。
「俺。何でバス乗らなかったんだろう。」

理由は単純。金がない。
というのも、新作ゲームを勝ったのだ。

今日発売の初回限定版を。
そしてそれは専用機を使う。なので、それも買った。

合計で五万弱。高校生の幸にとっては、大金である。
が、彼の家はどちらかといえば、否、どちらかといわなくても裕福で、その日も父親に言って買ってもらったのである。しかし、手持ちの金を全部渡して。しかも、

中間テストで数学が90点以上とることを約束して。

「はぁ。折角なら英語100の方が簡単だよ。」

彼は、数学以外はとても優秀である。
常に90辺りはとる。
しかし、数学だけは別だ。
どれだけ頑張っても70点に届かない。
それで成績が伸びず、中の上なのだ。

走り続けて20分。

ようやく家についた。

「ただいま!」

ダダダッ。階段を駆け上がる。

自室に入り、机の上を見る。
「来た!最高のRPG。STARS☆FANTASIA!!待ってたよ。さぁ。早速。開封!」

ピリッ

パッケージデザインのグラフィックの素晴らしさ。裏面の設定が書いてあるのを一通り読む。

そして専用機の質感に1通り感激し、コンセントにさす。

専用機にカセットを入れ、VRを装着。
そこに映し出された。いや、目の前に広がるのは、広い街が背景に映し出されたタイトル画面。
街のグラフィックがまた素晴らしい。
まるで現実の様だ。
窓の一つ一つ。そして凹凸感や光の反射の角度まで。全て現在の時間の、時の流れを表しているかのようだった。

『ゲームを始めます。』

突然流れたアナウンス。かなりの時間見惚れていたのかも知れない。

はい  を選びキャラクター名。ハピスノを入力する。

そして見た目選択の時。目の前に映ったのは、紛れもない俺だった。

『キャラクターを選んで下さい。なお、キャラクターは後から手直しが出来ます。』

手直しが出来るのか。それなら1番俺っぽい奴で。

『初期職業を選択して下さい。レベルが貯まれば転職できます。』

「剣士と魔導師と修道士と武道家か。」
正直、魔導師が良かった。
しかし、剣士の方が…いや魔導師だ。
初期に魔導師を選べば楽な事を彼は、知っていた。

魔導師  を選択した。

『それではチュートリアルを始めます。チュートリアルが終われば報酬が与えられます。チュートリアルの出来で、ランクが決められます。』

無機質な声がそこでやっと途絶えた。

「チュートリアルの出来でか。ランクってなんだ?まぁ分かるだろう。」

そんな軽いノリだった。

しばらく読み込みの時間があり、目の前に文字が出た。
『モンスターを倒せ。
操作方法……A 攻撃 B 防御 左右 必殺技
上 ジャンプ 下 しゃがむ 
移動方法 上長押ししながらモンスターを見る。
健闘を祈る。』

移動方法の謎。多分VRだからか。

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