アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~

歩楽 (ホラ)

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中等部・合宿編

59話 合宿編・最終話 それから お約束のお風呂

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 リルは、準備を終わらし期待を膨らまし紫音に声をかける。

「シオン様、御用はありますか?」

「あぁ、じゃぁ、コーヒー熱いの」

リルは嬉しそうに返事をし、台所に移動して豆を挽く

この何時もの風景こそが、この部屋にもどってきた証であった。

 紫音は時間を忘れ、作業に没頭する
昼過ぎに、鈴からの電話で
四条優美から告白されるという、イレギュラーもあったが丁寧に断った

(鈴の親友に手を付けたら、俺が殺される!!)と

そして魔術刻印付きの武器も修復し、新しい武器も作ったりと

蓮の妹・桜用に専用武器の開発にも取り掛かる
いやこれは、桜に武器を壊された事を根に持ってるわけではない
あれは、試作品なのだから、壊れてもおかしくはないのだ
事実、俺や蓮が使っていた木刀は壊れたのだから
木刀は銃弾を何十発も受けてボロボロになったのだけど
桜は、ほぼ桜自身のパワーで
紫音の試作品武器をほぼ1撃で破壊したのだ
その意味合いは全く違うのだけど
悔しくて自分自身をごまかす紫音!

 リルは、紫音の後ろで、手伝いをしている
あちらの世界の魔法理論と、この世界の科学魔法理論を駆使し
摩訶不思議な物を想像し考え出す紫音であるが
魔力に乏しい紫音では、作り上げれない物や
仮発動や試運転とかできないのだ
そんな時の為のリルである【チート】と言われるリルは
大概なことは可能なのだ
紫音はリルに難しい理論は言わない

出来るか? 出来ないか?
これが出来るなら、こっちも出来るだろ?とか
今までの応用の仕方や、考え方の転換や、発想の仕方を教えてくれたり
あるときは、紫音の開発した魔法陣を起動させるだけであったりと
紫音は、基本難しいことは言わない
リルが絶対の力を持っていても
紫音が居なければ
リルはその力の使い方も知らないままだっただろう
ただ、興味の無いことは覚える気も無ければ
すぐ忘れてしまうリル
何でも出来るようになっても
不器用なリルは
【チート】と言われても
紫音無しでは何もできなかったりする。


 そして、言われるがまま
シオンと共に色々な物を作り上げたり
新しい魔法を生み出していく
そんな2人での作業も
リルにとっては至福の時間でもあった。

 時間を忘れ作業に没頭している紫音と
そんな紫音の姿に見惚れているリルは
外が暗くなっている事すら気づかずにいた
何度目かの、コーヒーを入れるため台所に立ったリルが
ふと時計を見ると、やっとその時間に気が付く

「え?10時?」

 そう夜の10時である
普段ならシオンは家に帰えってる時間である
リルは自分の目を疑うが、事実は事実である
紫音が帰ると言えば、引き止める事は出来ないだろう
それでも、約束の事を考えると、引き止めたい思いで胸がいっぱいになるリル

そんな事を露知らず、リルの言葉に反応し返事をする紫音

「もう10時か?」

 作業の手を止め、肩のコリをほぐすかのように首を左右にふり
リルに言葉をかけながら振り向いた。

「そろそろ良い時間だな、かえ・・・・・」

 言葉が止まった、それはリルの顔が目に入ったからだ
その顔は、シオン以外なら気づかないだろう寂しそうな目をしていた
そして、思い出す、約束の事を・・・・・

「そうだな・・・・・リル」

「はい、お帰りになりますか?」

「風呂でも入るか?」
       「ハイ!それでは、お風呂の準備してまいります」

 紫音の言葉に、食い気味に返事を返すリル

 パタパタと嬉しそうに
風呂場に急いで歩いてゆく後姿をみながら
自分の言葉に「言っちゃった・・・」と観念する紫音であった。

 自分の作業をキリのいい所でやめ、作業台を片付ける
そして準備ができた、お風呂に向かい、先に風呂に入り
そして、リルが脱衣場に入ってくる

そこで、リルは最大の計算間違いに気が付くのだ
そう・・・・・それは・・・・・・
勝負下着をすでに付けていることである

 紫音に脱がしてもらうための、ヒモパンであるにも関わらず
見せることなく、自分で脱ぐことに成るとは・・・・・・
これは風呂上がりに履けばよかったと
先走った自分に文句の1つも言いたくもなるが
紫音と一緒に入る風呂の事を考えると
それも吹っ飛ぶというものだ。

 一糸纏わぬ姿でお風呂場に入るリル
すでに紫音は、先に身体を洗いながら待っていた

紫音は手を止め

「リル洗うから、こっち座れ」

まるで、それが当たり前のように、リルは用意されていた椅子に
紫音に背を向けるように座るのだった

 そう昔、あの世界では
シオンがリルをずっと風呂に入れていたのだから
いまさら、一緒に風呂に入ることに、2人共恥じらいはなかった
それでも、仮初(かりそめ)の身体になったリルは
多少の恥じらいはあったのかもしれないが・・・
たぶん皆無と言っていいだろう。

 紫音は目の前に座ったリルの髪を洗いだした。

「こうやって、リルの髪を洗うのも久しぶりだな」

「そうですね、3年ほど前のあの事件以来になりますでしょうか?」

「あれか・・・あれは、100%リルが悪いんだからな」

「分かっております、今考えても私が悪いことは明白ですが
 今日であの罰は取り消して貰えないでしょうか?」

 あの忌まわしき事件以降
紫音の入浴中に、リルが風呂に入る事を禁止されていたのだ
姿を消しての、ノゾキも禁止されていた。

「まぁ、たまには、一緒に入ってやるからそれでいいな?」

「はい!」

嬉しそうに答えるリルの頭に、シャワーでお湯を掛ける
フォーの時とは違い、スキルの使用は一切していないが
リルが、とても嬉しそうにしている事が後ろ姿からでも伝わってくる
まるで、シッポを振り回して喜んでいる犬だなと笑う

「フフッ」

「なにか面白いことでも?」

犬の用だと言えず、1呼吸置いて

「そうだ、その身体も魂と、かなり馴染んできたんじゃないのか?」

そう、思った以上に、リルの仮初の身体は良くできていた。

 十士族の、四条と九重が合同で極秘研究開発している
人造人間・ホムンクルスである
その研究の一部では細胞からのクローンや
クローンからの内蔵販売等も闇で行っている
もちろん禁忌であり、国際法で禁止されている事柄である。

 現時点では、ある不具合が生じ成功はしてはいない、その研究ではあるが
それでも、すでに数年前には
人型・人間の身体を再現出来いるところまできていた
そう、後は人格の形成、魂の定着であるが、それは未だにできずにいた
よって、研究所にあるのは
千体にも及ぶ培養液に浸かった、生きた死体とも言えるだろう。

 3年前に、その中の1体を、リルの身体として
そして約1年前にティアとミカの身体として
その研究所から奪ったのだ。

 もともと、15cm程の妖精状態のリルに近い仮初の身体を選んだのだが
その身体を仮初の体として使うようになって
少したった頃に気がついた事がある。

 それは仮初の身体に入った魂に
体のほうが魂本来のの形に似てくるのだ
1年程で、髪の色や瞳の色・体型までも、似てきたのだ
リルの妖精状態と仮初の身体が似ているのは、その為である

 ティアとミカの時は、同じクローンと思われる2体の身体を選んだのだが
悪魔として、その身体に憑依し仮初の身体を手に入れた2人であるが
半年もしない間に、ティアとミカの魂に引かれたのだろう
2人の仮初の身体に個体差が出てきたのであった。

 だが、その組織では魂の定着が出来てない為
そんな、研究の副産物には気付くはずもなかった。


そして「かなり馴染んだ」の問いに、リルは少し不機嫌に答える

「いえ、まだ馴染んではいません
 馴染んでいたのなら、胸が後3サイズは大きくなるはずです」

スポンジを泡立て、リルの背中を洗っていた紫音は、その言葉に呆れるが
フォーの存在(あの巨大な胸)が、リルに、何かを感じさせたのは確かだろう

リルの背中を洗う手を止め、無言でリルの両腕を頭の上まで持っていき
シオンは、リルの背後から左右の腕を伸ばし、リルの胸に手の平を当てる

リルは、少し[ピクッ]と反応するが何も言わない

「俺は、リルのこの手のひらサイズの胸が一番スキだ」

 リルは、胸にある紫音の両手に、自分の両手を重ね
すこし、俯|(うつむ)き、その両手を見つめ、少し照れた声で

「ありがとうございます・・・・」

紫音は、そっと自分の頭を、リルの後ろ頭に添え、リルの言葉に答える



どれだけの時間が経ったのだろう、リルにとって至福の時であったが



「リルさん、手離してもらえますか?」



その言葉で紫音の手に重ねていた自分の手を離し

勢いよくその場に立つ、その勢いで、今まで座っていた風呂椅子は、ひっくり返った

そして、リルは振り向きざまに


「シオン様、大好きでぇ~~~~す!!」

そう言いながら、シオンに抱きつこうと、両手を広げ飛びつこうとする


「ぐわ!」

エコーの掛かった、リルの変な声が、風呂場に響き渡る

それは顔を鷲掴みされたリルの、うめき声であった


紫音は椅子に座ったまま、襲ってきた、リルの顔を鷲掴みする

たまに暴走する、リルの扱いは慣れたものである


「くそくそ、離せ!抱きつけない、見えない、シオン様のハダカ!」

両手両足をバタバタと振り回し、紫音に抵抗するリルである


久々、数年ぶりの、シオン様とのお風呂なのに、お風呂なのに!!あああ・・・
前回は、欲望のあまり我を忘れて、シオン様に、かぶりついてしまいましたが
今回は同じ鉄を踏まない為にと思いながら、我を忘れて・・・
いや、ここはもうなし崩しに、押して押して押して!!!です!!

「シオン様どうか、私を手篭めに!!抱いてください!」

「ハァ・・・」

リル、お前は、バカか?そんな事を思いながらため息をはく
そして、リルの顔を掴んでいる右手に力を入れる

「い・・・・・いたい!痛いですぅぅぅぅぅ!!シオン様!!
 すいません、ごめんなさい、許してくださいぃぃぃぃぃぃ」

両手をシオンに向け左右にふり、降参の意を示す

「リルさん、それは何かな?」

「降参です、反省はしません、でも許してください」

「イヤ、ソノ足ハ、ナンデスカ?」


リルは、顔を鷲掴みにされ、両手は紫音に向け左右に振っている
左足で倒れないように身体を支え、右足で紫音の股間をまさぐっていた。

 紫音にとって、リルは我が子であり、家族でもあるが
それはそれ、これはこれである。

 目の前にいるのは、裸の少女
それは胸が少々残念ではあるが、それを除けば
色白の美少女なのだ
さすがの紫音も、股間が反応してもおかしくはい
いや、ここで反応しないのであったら
それは、不能なのか、ホモであるのだろう
そして、今その、反応してボッキした股間をリルは右足で撫で回しているのだ

「・・・・・・シオン様、ご立派です!手で握りたいです」

どんだけだよ! それにしても

「リル、ある意味冷静だな
 ・・・・・それなら椅子に座れ身体洗ってる最中だ」

小さく、「ハイ」と答えたリルは、転がった椅子をもどし、それに座る
先程まで、背中を向けて座っていたリルは、こんどは紫音と向き合う用に座った

紫音は1回ため息を吐き
「リル右手」と言うと、リルは右手を紫音に差し出した

そして、右腕・左腕・胸・右脚・左脚と洗ってゆくが
事あるごとに、隙を狙って、紫音の股間に手を伸ばそうとするリル

すでに、紫音のチンチンは、リルのオモチャである

まぁそんな、やりとりも、だんだん面白く感じてくる紫音でもあるが
一言で言うなら

「だって、気持ちいいんだもん」

である

変態1人と、ビッチ1人が、一緒に風呂に入ればこんなもんである

最後に、リルを立たせ、座っては洗えなかった場所を丁寧に洗うのだった。




******




 慌ただしい5月の連休、ゴールデンウィークも終わり
今日から学校という日の、午前6時すぎ

 結局あのまま、あっちのマンションに泊まったので
俺は自分の家の玄関に立つ

ただ、ここ3日間で一番、生気が無く、やつれていただろう
いきなり自分の家の自分の部屋に転移すると
何も知らない父親に怪しまれるので
家の近くに転移し、歩いて帰るようにしていた。

そして、化物の娘と
その父親に見つからないように
気配を消して、玄関を開けると
仁王立ちの、ちっちゃい化物の子がいる

「・・・・ただいま・・・・・」

「おかえり、何死にそうな顔してるの、何か元気出るもの作るから顔洗って、リビング来て」

「あぁ」

「お父さんいないから、リルも食べるでしょ?」

鈴は、紫音の返事も聞かず、台所に向かって歩いてゆく

「・・・あぁ・・・」

蘭さんとは、化物の事だ
そして鈴の母親である、言い換えるなら俺の母親でもあるが
鈴の口ぶりから、昨晩も仕事で帰ってきてないのだろう
そして父親も帰ってないのだろう。

リビングの机に着くと
鈴の用意した朝食を食べながら、眠たそうに、おおきなアクビをする

そして思う

今日から又、連休前と同じ用に

平凡な日々が始まる

・・・・・

そんな予感が全くしない。




 俺は、あと6年程で死ぬだろう

それまで、適当にダラダラ

気ままに生きれればいいのに

あぁ、全てがメンドくさい・・・・

学校やすみてぇ・・・・・

俺の自堕落な平穏を返せ!!!


  
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