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覚醒編
16話 神の領域
しおりを挟む井門の命令で、我を取り戻した、やまさん
彼の中の危険信号のアラームは、未だ鳴り止まない
それどころか、より一層激しく音を立て、鳴り響く
彼は、判断する、このアラームは、あの子供ではない
虎亜の対しての危険信号だと・・・。
やまさんは、自分の役目を思い出し、虎亜にダッシュするも
そこに、ある違和感を感じるが、それが何かは解らない
そこには、笑いを止め動きを止めた虎亜の姿
すでにその身体に掛かっていた魔法も解け
その男は焼け焦げた、ボロボロの服を纏っている。
やまさんに対して横を向いていた虎亜に
やまさんは、最速の打撃を虎亜の横顔に叩き込む
すでに、強化魔法も、硬化魔法も解けている虎亜
その打撃が入れば、先ほどの子供同様、吹き飛ぶはずであったが
確実に当たると思われた、その右手での打撃は、虎亜の鼻先数ミリ前を通過した
やまさんに動きが一瞬止まるも
すかさず、その右拳を手刀に変化させ、虎亜の顔をなぎ払う
しかし、すでに虎亜は、そこには居なかった・・・・
虎亜を見失うやまさん
不意に耳元で、声がする
「そんなものか・・・・」
少し早口な声、だが確実に虎亜の声
振り向き、再度、虎亜に対して構えをとった
そして、感じていた違和感に気が付く
虎亜の服は焼き焦げボロボロであるが
虎亜自体は、その身体に傷跡、いや、火傷の後すら無いのだ
数分前に、炎魔法でその全身を焼き、死にかけていたはずなのに・・・・
「虎亜、その体は・・・なぜ、治っている?!」
その言葉に、虎亜は反応を示さない
ただ、早口でブツブツと独り言を、言っているくらいだ
突如、全身を襲う恐怖、死への予感、額に汗が吹き出す
だが、殺らなければ殺られる・・・・・
この状況化でも何故か、やまさんの調子は、右肩上がりに良くなってゆく
疲れていたはずの、体は調子がよく動きが軽い
消費していた魔力も、完全回復している、いや、溢れるほどである
ならば、意地でも、虎亜を倒す
そう奴の狙いは自分なのだ、殺らなければ殺られる
そして、自身に掛かっている強化魔法に魔力を注ぎ込む
そう、肉体強化1.5倍、速度強化約1.8倍
この割合が、やまさんにとって、力、速、技のバランスが、一番いい状態である
これ以上あげる事もできるが、バランスが悪くれば、その効果はマイナスである
そして、再び虎亜に向かって行く
やまさんの、最速のコンビネーション攻撃
時折まぜる、魔法弾による攻撃すら、虎亜に、当たることはない
その全てが、紙一重でかわされていった・・・・・・・
******************
虎亜は、笑いも収まり・・・
そのまま、おもむろに顔を空に向け、大空を仰ぐ
その景色、雲一つない青空
生まれてから、ずっと見てきた青空
だが、今の虎亜には、その向こうの宇宙(そら)までも
その視界に映しだしていた
虎亜の脳細胞の1つ1つが、意思を持つかのように
ゆっくりと、手と手を繋ぐように徐々に大きな意思となり
虎亜の眉間へと集まっていく
そして虎亜の脳細胞が、今1つとなる
パチーーーーーーーン
虎亜の眉間で何かが弾けた
虎亜の頭の中は、白く黒く染まる
何色にも染まる白
何者にも染まらない黒
相反する存在が
相反する物を受け入れ
虎亜は、その全身の全てで、快感を感じ
新たなる存在を生み出した・・・。
自然と口から「気持いい」と、こぼれるほど?
そんな物ではない
口から言葉がこぼれる、いや、その意識に
脳内の機能の0、1%すら使う事すらない
脳内の機能100%が
その全ての意思が統一され
【快感】を感じていた
人間の脳、それは未だに未知の世界であるだろう
諸説あるが、人間は、その脳の本来の機能を使用しているパーセンテージは
10%とも40%とも言われているが定かではない
それは・・・
死の淵からの復活
憎悪による感情の昂ぶり
脳の全域に行き渡った、脳内麻薬の数々
そして、全てを混ぜるような、脳を揺らす振動
幾つもの偶然、奇跡を持って
たった数秒ではあるが、虎亜は、その脳の機能を100%使ったのだ
そして、その全てを1つの意思で統一させた
それは、普通の人間では到達できない
次元へと虎亜を【覚醒】させる事となる
不意に体が揺れ、目を開けると、目の前に誰かの拳があった
その拳は、手刀と変わり、襲いかかってきた
だが、すでに、俺様は、その襲いかかってきた男の死角に移動していた
そして、その拳の主が、やまさんだと理解した
何故か笑いが込み上げ、「ハハッ」と小声で笑いがこぼれる
ゆっくりと近づき、耳元で、小馬鹿にするように
「そんなものか」
虎亜は、思う、世界が小さく感じる
世界が今までと違って見えると
さっきまで、殺したいほど憎かった、やまさんすら
どうでもよくなった、あんなものは、赤ちゃんのイタズラ程度の事だと
自分ですら、現状が理解できずにいた
「こぉあぁ~そぉ~のぉ~・・・・・・・・・・・・」
目の前で、何かを言ってる、やまさんがいる・・・・・・
ああ、そうか・・・そして、ふと右手を見る
そして、だんだんと、全てを理解する
「俺様の思考が早すぎるのか、これは魔法ではないな
脳の何かの機能が働いているのか?、、、、、、脳?」
目を細め、少し頭に、脳に集中する
「そうか、演算処理能力・・・・脳の全ての領域を使えるのか
その為、処理速度の違いで、時間軸がずれている用に感じるのか
それに、さっきの動き、、、、自己防衛における、自動回避能力か?
(火傷)傷が無い?
演算能力に続き自己回復能力まで、身につけてしまったか
フフ、そして湧き上がる力、このパワー
底を付きそうだった、魔力が回復している
いや、すでに以前の倍近い魔力量を感じる
昔のアニメで、死の淵から復活すると、おおきくパワーが上がるのがあったな
たしか、、ドラッケンボール、そして
怒りで、スーパーヤイヤ人と言う金髪になったかな?
まるで、今の俺様がソレではないか、言うなれば、スーパーコアって所か
ハハ、やはり俺様は天才だ
我が家の執事の話では、小学校に入る頃には
魔法を操り、魔法の同時発動すら出来ていたらしい
生まれついての天才だったとか
・・・・(おっと、話がそれたかな)
それが、とうとう人間の域を超え、スーパーコアに?
いや、そう、覚醒した今の俺様なら・・・神の領域まで
時間を・時空を・次元すら、支配できる
そう、今なら、あの魔法を・・・・」
そう、やまさんに、リベンジを誓って開発していた魔法
・・・・・・・
っと、やまさんが、攻撃を仕掛けている?
ん?これはいいな、自動回避能力、かってに避けてくれるのか
これなら、死角外からの攻撃も、不意打ちすら受けることはないだろう
そのかわり、併用して攻撃ができないと言う事だな
そう攻撃に意識を向けると、脳内に自動回避OFFにしますか?
みたいな脳内表示が行われたのだ
なら、やはりあの魔法を・・・・
そう、複雑な魔法式の為、天才の俺様でさえ
その魔法式を作り上げるのに、一月以上かかっても未だできずにいた
あの魔法の事を頭に浮かべると、脳内に魔法式が作り上げられてゆく
脳の数%を自動回避に使ってるといっても
残りの90%以上を活用できる覚醒した虎亜
その演算能力は、人間の領域を軽く超えていた
「くくく
やはり神は
俺様にその力を分け与えたのだ
そうだ俺様に
【神の領域】
にたどり着くことを願っているのだ」
笑いが止まらない
そう、あの難解であった魔法式が数秒で出来上がったのだ
あの魔法は、3つの魔法の同時発動が条件だと考えていたが
それを、一つに纏め上げたのだ
自動で簡略化された、その魔法式、それは想像以上であった
さすが俺様の脳!神の思考能力を持つ俺様!
みなぎる力、覚醒前と比べると倍近くなった魔力、魔力量
そして、神の領域まで達する演算能力
発動条件は、そろっている
ん?まだ、俺様に攻撃していたのか、この男は・・・
そして、バックダッシュして、やまさんと少し距離を取る
先ほどの、やまさんの話すスピードを考慮し、聞き取れるよう
そのスピードで、会話をはじめる
そう、すでに勝ち誇ったように、両手を広げ話し出す
「やまさん、もう、てめえには興味は無いが
新しい魔法の実験台になったもらおうか
安心しろ魔法自体は攻撃性は無い結界魔法からな
そして覚醒した俺様を、神の領域に足を踏み込んだこの力を
その瞳に焼き付けろ、そして歴史の証人となれ
フッ・・・・いや、この魔法に着いて来れないだろう
理解できた頃には・・・・・・」
(てめえは、しんでいるからな)
虎亜は、やまさんにニヤリと笑い、天を仰ぎ、両手を空に向け
「俺様の新魔法、いや、神の御技 【 ザ・ワールド 】 」
かがげた両手の先に、30cmほどの球体が出現する
それを見た、やまさんは、その驚きに・・・
「ありえない・・・球体型魔法陣だと・・・・・」
現代の科学魔法では、どんな複雑な魔法陣も平面の魔法陣の組み合わせである
そう、球体型など、見たことも聞いたことも無く
その驚きが、口からもれる
その魔法が展開されるにつれて、やまさんの意識は徐々に遅くなっていく
虎亜は、興奮で、胸が高鳴り、その球体型魔法陣に魔力を注ぐ
そして、その球体は、皮が剥けるように薄青く光る魔法式の帯が展開され
巨大な結界へと変化していった
それは、半径20メートルはあっただろう
倍近くまで強化された魔力と魔力量だからこそ、この大きさまで結界がはれたのだ
そう、ここに居る全員が、虎亜の作り出した結界に入ったこととなる
その薄い青く光る結界を見上げ
「やはり、俺様は天才だ、くくく、俺様の時代が来た」
虎亜の目の前で、そう、その結界魔法
【 ザ・ワールド 】
は完成された
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