幸運の歌姫

歩楽 (ホラ)

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第1章・聖騎士

心意気

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 結構遅い時間となっていく・・・。

 そんな時、1人の男が店に入って来て
一番奥の、一段高くなった場所に有る椅子に座った
そして、膝にリュートを抱き抱えると。


「皆様がた!
 今日は、何を歌いましょう
 今は亡き、ヶの英雄、リク王の伝説、はたまた
 リンゴの森に現れた、人攫いと呼ばれる【最悪の魔女】の伽話か
 近年グレープ王国の新王となった【破壊王ラオウ】!彼の半生か・・・・・」

 「リク王の伝説~~」

 「では、そちらのニヒルな彼のご期待に応え
 今は亡き、リク王その伝説を歌いましょう」

そして、吟遊詩人は、歌う
リク王、彼の生き様を
王となったその勇姿、その伝説を・・・・。

 だが、この国の人間なら
何度も聞いた事のある話であり
酔っぱらいは、そんな歌など無視し飲み続ける
歌は終わり、吟遊詩人はお金を貰い、次のお店へと足をむける。

 シャルは、気になるフレーズを思い出す
破壊王ラオウ・・たぶん、彼の事だろう・・・
気になるけど今はいい。

 吟遊詩人の歌も終わる。

 そう・・・あれこそが、この世界の歌だ・・・
それに比べ僕の歌は・・
でも、本当にいい歌なんだ、あの人から教わった歌は!。

 その心とは別に僕の視線は下を向く。

 そんな僕に何かを感じたのか
シャルは立ち上がり、亭主の元へと進み話し出す
何を交渉していたのか・・・少し立ち
そして・・・・

「あぁ、責任は全て私が持つ、もしもの時の為に、これを渡しとくよ」

シャルは、10ゴールドを亭主に渡す
1リード(鉛貨)が、1円と考えるなら
1カッパー(銅貨)が、10円
1アイアン(鉄貨)は、100(百)円であり
1シルバー(銀貨)が、1000(千)円
1ホワイトシルバー(白銀貨)が、10000(1万)円
1ゴールド(金)は、100000(10万)円
10ゴールドとなると、100万となる。

 その金額に亭主は目を点にするも

「おう、そこまで、されちゃぁ、イヤとは言えねぇ!
 だがな、俺も男だ!金はいらねえ!
 後は、ネーチャンの好きにしな」

「さすが、あんただ!
 その心意気に、あたしは惚ほれたんだよ!
 やっぱり、あんたはカッコイイネー」

「お・・・おまえこそ・・・・
 世界一の嫁だ!」

「フフフ、知ってるわよ」

 奥さんは、照れくささを隠すように
旦那さんの背中を、気持ちいいくらい力強く何度も叩くと
シャルに向けて

「まぁ、あの人の許しもでたし
 あなた達の好きにしな!」

そんな、ちょっと頬が火照るような会話が聞こえてくる。

 僕の知らない所で、何か話は進んで行く
なんだろうか・・・・イヤな予感しかしない。

 さきほどまで、吟遊詩人が居た場所にシャルが進みでた。

「やぁ、皆
 少し耳を傾けて貰いたい
 先ほどの吟遊詩人の歌より、素晴らしい歌を聴きたくないか
 心踊り、胸が熱くなる、美しい絵画より素晴らしい真の歌を。」

 酒場は静まり返る。

「もしもだ、気に入らなかったら、静かに店を出て行ってくれ
 その人間の代金は私が持つ
 だがもしも、気に入らないと言って
 歌の妨害をするなら、私が力ずくで、黙らせる
 ただ、約束しよう
 ここに居る全員に感動と言うものを届けることを」

 「ひゃははは、いいぞねーちゃん
 気に入らなんだら、お前のおごりだな!」

 「あぁ、全員分の酒代くらい、持ってる
 歌が終わって、気に入らなんだら言ってくれ
 だが、歌の邪魔だけは、この剣に掛けて許さない。」

 シャルは言い切ると。

  鞘に入ったままの片手剣を自身の前に強く差し出す
 その気迫に、酔っ払い達も黙るのだった
 だけど、僕は血の気が引き、頭が真っ白になる
 イヤな予感が当たったと・・・
 シャルは、僕の前にやってきて、膝を付く。

「ここで勇気を振り絞らないと、前に進めないよ
 私は、どんな時も、あ3の親友、何があっても貴方を守るから」

 「・・・・・・・・・・わかった・・・だけど」

 「だけど?」

 「どの歌を歌っていいのか、僕には・・」

 「なら、まず・・・・・・を歌って
 この歌は、あの本にある歌の中でも、とくに有名な歌・・心を打つ名曲」

 僕はシャルに連れられるまま、先程まで吟遊詩人が座っていた椅子に座る
 その手には、ゾォー3・・・皆の視線が痛い・・怖い

「あ3、信じて、それに個々には獣人は居ない
 貴方の声を嫌う人は居ない」

 僕は緊張して、誰が人族なのか、亜人、獣人なのかなど見てる余裕はないけど

きっと、ここにあの人が居たなら・・・・

「ここで歌わないで、どうするの

 周りの人間なんて気にしないの

 貴方の親友の為に歌いなさい」って・・・

 言うんだろうな

 うん、シャルの為に・・・歌う

 シャル以外の人間に何て思われようと、もういい

 僕は歌うよ・・・。
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