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第1章・聖騎士
出逢い
しおりを挟む僕は、ギルドで冒険者に囲まれながらも
その傍らには、ずっとアッコさんが陣取っていた。
そんなアッコさんが、語りだした。
アッコさんは、もともと、王都を拠点に活動する冒険者チームらしい
今回はクエストの都合で、この街に数日滞在中らしく
普段なら1人で酒場に入る事がないアッコさんらしいけど
なぜか、無性に酒が飲みたくなって、あの酒場に入ったらしい。
そして、酒を一口飲んだ所で
騎士が出てきて、その後、僕の歌が始まったらしい
【故郷の歌】に出会え、故郷を思い出したと・・・・・・
いきなり涙を流しだし、僕の手を握って
何度も何度も、ありがとうと繰り返した。
そんなやり取りを、少し離れた場所から見ていたシャルが戻ってきた。
「よ!人気者!」
「そ・・・そんなんじゃないよ・・・・」
顔が赤くなってくるんで、自然に顔は下を向いた。
「アッコ久しぶり!」
「やっぱり、シャルロットなのね・・・あなたは何時こっちに?」
「3日?って所かな」
「そう・・・私はもう、1年は立つわ」
「1年?・・・どういうこと!」
「それは、また後で、ここじゃアレだから・・」
「・・・そうね・・・・」
シャルと、アッコさんの瞳がとても真剣に・・・。
そして、ある言葉を思い出した。
アッコさんがいった、故郷の歌・・・
シャルが言っていた、僕の歌う歌は、シャルの世界の歌・・・。
と言うことは、アッコさんも、シャルと同じ世界の人間ということ?
僕は無言のまま、シャルを見ると
それに気づいたのか、シャルは、僕にニッコリと微笑む。
あ・・・・イヤな予感が
とても・・・イヤな予感がする・・・。
シャルは、声を上げる。
「皆きいてくれ!
昨日酒場に居た人間は知っているだろが
今晩も、あの酒場で、この【歌姫あ3】が歌を歌う
もしよかったら、聞きに来てくれ!」
「「「「「「「おおおおおおおおおおおおお~~~~~~~~」」」」」」」」
シャルの言葉で、冒険者ギルドはかつてないほどの怒号をあげた!
それは、知る人間には、歓喜を上げるほど事であったが
知らぬ人間は
口を開け目を点にして、奇声をあげる人間を不思議そうに見るのだった。
「それじゃぁ、アッコ、今晩」
「わかった、今晩ぜったい聞きに行くわ
チームの皆つれて、ききにいくわね、【アサン】
何かあったら、すぐ私に言うのよ、どこにいても駆けつけてあげるから
それか?アサン、私のチームにはいらない?」
「アッコ何いってんの?
私の親友をたぶらかさないでよ」
「なんのこと?
アサンは、もう私の妹なんだから
さっきも、私の事をお姉さんて言ったし
もう、アサンは私の妹って決めたんだから!」
「あ・・・え~~~・・・・あ・・・・ぇと・・・」
「あ3、私と行くわよね!」
「アサン、私達と一緒に行かないか?」
「シャ・・・・・・シャルで・・・・・」
「く~~~負けたかぁ・・・・・。」
「ほっ・・・・・・・一瞬本気で心臓が止まるかと思ったわ・・・」
「はっはっは、プリプリのアッコも、歌姫様には形無しだな~~」
「うっさいわよ!」
みんなが、みんな笑った!
シャルと出会って、僕は笑うことが多くなった。
シャルと出会って、僕は多くの人とであった。
とてもやさしい人ばっかりだった。
きっと、さっきの男の人も、きちんと話あえば一緒に笑ってくれる。
そう、僕は他人と向き合って来なかった。
村のみんなに、変な歌と笑われ、心を閉ざし向き合って来なかったんだ。
向き合って、話し合えば、歌を受け入れてくれたかもしれないのに。
もしかしたら、あの人の歌を、変だと思っていたのは僕だったのかもしれない。
だから、村のみんなの前で、きちんと歌ったこともなかった。
僕に勇気がなかったから。
家に閉じこもって、外に出なかったのは僕だ。
村のみんなに、つまはじきにされてたんじゃない。
僕を包んでいた、みんなの輪・・・きっと、それから出たのは僕なんだ。
あの人の歌を、変な歌と決めつけて・・。
それを言い逃れにして。
僕は逃げていたんだ。
村の皆からも。
兄さん・・姉さん・・・からも。
家族からも。
きっと、あの人からも・・・。
僕は、笑いながら、涙をながす。
シャルに出会えて良かったと。
アッコさんに出会えて良かったと。
ここに居る皆と出会えてよかったと。
笑いながら泣く僕に
シャルや、アッコさん、そして皆が驚くけど。
僕は、何度も口にした。
「皆に会えて、良かった
皆と出逢えて、話ができて
僕は、幸せものです
皆さん、ありがとうございます」
と・・・・・
ギルドには、照れ隠しに笑う者や。
静かに涙ぐむ者や。
声を殺し、噛み締める者や。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
そんな中、アッコさんだけは
膝から崩れ落ち、僕に抱きつき
僕より号泣していた・・・・。
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