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ビゴーニョ、赤い小屋
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伯祖父は赤い小屋にいつもいた。その小屋は赤土色で、不思議と夏は涼しく、冬は暖かかった。その小屋は彼の家に隣接していて、彼の家は私の実家の近くにあり、私は子どもの頃から度々、そこを訪れた。仲がよかったわけじゃない。話し込むことはなかったし、誕生日プレゼントを交換することも、一緒にご飯を食べることもなかった。そのせいか私たちの間にはある程度の厚さのある壁があった。そして、どちらとも、その壁を積極的に破ろうとしなかった。
小屋では、彼はいつも本を読んでいた。背の低いアームチェアに座り、純文学、ミステリ、ファンタジー、ライトノベル、教科書、赤本、コピーライティング、デザイン、絵画、宗教、建築、政治、経済、資格試験、その他諸々を食い散らかしていた。
活字中毒なのかと、彼に聞いたことがある。しかし、首を縦に振ることはなかった。別に読まなくてもいいんだ、と言っていた。
「試してやろうか」
彼はそう言うと、夏の間、一切本を読まず、ラジオばかり聞いていた。もちろん私は試してほしいとは言っていない。
彼は私に対してあまり興味がないようで、私生活のことは一切聞いてこなかった。大学で云々と私が口に出すと、ようやく幾つか質問してくれた。
恋愛に関しては、ふうん、と言うだけだった。彼は結婚を一度もしてなかったし、人生において恋人がいたかどうかさえわからない。
外見が悪いというわけではなかった。むしろ、セピア色の写真を見る限り、ハンサムだった。イケメンではなく、ハンサム。学生服を着て、曽祖父と曽祖母、そして祖父と一緒に並んでいた。一番、顔立ちが整っていた。
今でも、その面影は残っている。目の奥に、優しそうな光を抱えていた。
彼も彼自身についてあまり話さなかった。彼について私が知っていることは、祖父から聞いたものがほとんどだった。
彼は高校を卒業後、輸入雑貨の会社に勤めたが数年で辞めて、北陸へ行った。そこで大工になり、定年まで働いた。事故で左小指を失っていて、まるでヤクザだろう、と私に見せるのが彼なりの冗談だった。
彼について驚いたことが、一つだけある。それはイタリア語とフランス語を話せるということだった。どれだけ達者なのかはわからない。ただ、ノートパソコンを開き、どこの誰ともわからない海外の若者たちとピーチクパーチク話しているのを眺めたことがある。
彼は、若者たちにビゴーニョと呼ばれていた。もちろん本当のところはわからない。でも、ビゴーニョと言われると、彼は返事をしていたような気がする。
ちなみに彼がなぜ外国語を話せるのか。それは祖父も知らなかった。
ある夜、私は両親とケンカをして家を飛び出した。そのケンカは学業と将来に関することだったが、今となっては些細なことだった。
それでも、その夜の私は、むしゃくしゃしながら、無意識に彼の小屋の方へと歩いていた。大きな足音が鳴っていたと思う。
小屋に繋がる一本道を歩いていると、小屋の前に彼が立っていた。椅子にも座らず、本も読まず、ノートパソコンも開いていなかった。
「おじいちゃんから、孫娘が家を飛び出たと電話があったぞ」
「伝達が早いね」
私はため息を吐いた。
「そりゃ、たいそう可愛がっているからな」
「どうも」
「どうする? 今夜は小屋にテントでも建てて寝るか?」
「野宿は危険だよね」
「そうだな。でも、ここは安全だ」と彼は無い小指を見せた。「元ヤクザがいるからな」
「ビゴーニョ」
「なんだ?」
「なんで、ビゴーニョって呼ばれているの?」
「なんだ、いきなり」
「気になって。なんか、いきなり思い出した」
「外国の若者がそう呼びだしたからだよ。あいつらのおじいさんが、俺にそっくりらしい。嘘みたいだよな。こんな東洋人と」
「そのおじいさんの名前がビゴーニョなの?」
「さあ。名前か、地名か、あだ名か。聞いていない。でも、そのおじいさんと俺は共通点があるらしい。赤い小屋を持っているってね。ただし、おじいさんは広い土地を持っていて、裕福で、大恋愛を経て美人の奥さんをもらって、子どもと孫がたくさんいて、酒飲みで、卵料理が好きで、本は読まず、車の運転をよくして、夏になるとパーティをひらく。そして、死んだらしい。小指をきちんと、つけたまま」
「ふうん」
「大往生だな。幸せの中で死んだみたいだ。そして、あいつらはおじいさんを懐かしんで、たまに俺に連絡してくる」
「なんで外国の言葉話せるの?」
彼はううんと喉を鳴らした。
「小屋に入ろう」
彼は私にパイプ椅子を出し、彼自身はいつものチェアに座った。映画監督へのインタビューのようだと、なんとなく思った。
「彼女は俺の最初のお客さんで」と、私が促す前に彼は話し始めた。「海外のお嬢さんだった」
「お嬢さん?」
「裕福な家庭で育っていた。十九歳か二十歳くらいで、俺もそのくらいだった。彼女は籐椅子、つまりラタンチェアを所望していた。あの植物の茎や皮で編まれたような椅子だよ。あれを欲しがっていて、俺がタイから仕入れた。それから、コーヒーカップや、枕や、人形やらを彼女のために仕入れた。彼女はとてもカジュアルで、分け隔てなく、東洋人の俺とも仲良くしてくれた。外国語も教えてくれた。俺たちは友だちとして仲良くなり、いつしかお互いを好きになった。そして、誰もがそうするように付き合い、別れた。この数年間は夢のようだった。俺たちは旅行に行き、ケンカをして、仲直りをした。一生分。彼女は別の男と結婚した。させられたとか、自分の意思ではないとか、そういうのはどうでもいい。とにかく、結婚した。そして、母国へと帰った。便りも、風の噂さえなく、彼女は俺の中で生きて、同時に死んだ。葬式はしなかった。俺もすでに過去という墓の中にいたから、できなかった。生者が思い出の中に死者を生かすみたいなことも、できない。今も死んでいる。天国で、みんなを見守っているみたいに体だけがここにあるだけだ」
「他の人と結婚しようと思わなかったの?」
「今日はやけに人に質問するな。いつもは自分の話ばかりするのに」
「死者と話す機会は、そうそうないでしょ?」
彼は笑った。
「結婚する機会はあった。でも、しなかった。俺は死んでたから、誰かと生きることはできなかった」
「彼女は、誰かと結婚したのに?」
「そうだよ」彼はそう言って、立ち上がった。「お前が来ていると、電話してくる」
彼がいなくなると、小屋はしんとした。埃も塵も黙っていた。
私は彼のことを考え、彼の恋と失恋ついて考えた。彼は失恋を病のように引きずっている。でも、同時に永遠に恋をしている。成就しない恋を。
テーブルに置いていたノートパソコンは、電源が点いたままだった。マウスに手が当たると、ディスプレイが光った。同時に着信を知らせるマークが出てきた。
知らない、読めないアルファベットの羅列と、二十歳そこそこの若い男の顔が出てきた。
やつらだ。
私は、そう思い、彼らの応答に応えた。
「ビゴーニョ!」
アルコールが入っているだろうグラスを見せつけ騒ぐ、彼らが映った。若い男女が顔を赤らめて手を振っている。
「ビゴーニョ」と一人が言って、何かを付け足した。私には何を言っているか、少しもわからなかった。
だから、私は言った。
「ビゴーニョイズデッド! デッド! デッド! デッド!」
そして、彼らを遮断し、ノートパソコンを閉じた。
今の私には、ビゴーニョを生かしておくことが、どうしてもできなかった。
そして、彼らの幸せなビゴーニョにも、眠っていてほしかった。
小屋では、彼はいつも本を読んでいた。背の低いアームチェアに座り、純文学、ミステリ、ファンタジー、ライトノベル、教科書、赤本、コピーライティング、デザイン、絵画、宗教、建築、政治、経済、資格試験、その他諸々を食い散らかしていた。
活字中毒なのかと、彼に聞いたことがある。しかし、首を縦に振ることはなかった。別に読まなくてもいいんだ、と言っていた。
「試してやろうか」
彼はそう言うと、夏の間、一切本を読まず、ラジオばかり聞いていた。もちろん私は試してほしいとは言っていない。
彼は私に対してあまり興味がないようで、私生活のことは一切聞いてこなかった。大学で云々と私が口に出すと、ようやく幾つか質問してくれた。
恋愛に関しては、ふうん、と言うだけだった。彼は結婚を一度もしてなかったし、人生において恋人がいたかどうかさえわからない。
外見が悪いというわけではなかった。むしろ、セピア色の写真を見る限り、ハンサムだった。イケメンではなく、ハンサム。学生服を着て、曽祖父と曽祖母、そして祖父と一緒に並んでいた。一番、顔立ちが整っていた。
今でも、その面影は残っている。目の奥に、優しそうな光を抱えていた。
彼も彼自身についてあまり話さなかった。彼について私が知っていることは、祖父から聞いたものがほとんどだった。
彼は高校を卒業後、輸入雑貨の会社に勤めたが数年で辞めて、北陸へ行った。そこで大工になり、定年まで働いた。事故で左小指を失っていて、まるでヤクザだろう、と私に見せるのが彼なりの冗談だった。
彼について驚いたことが、一つだけある。それはイタリア語とフランス語を話せるということだった。どれだけ達者なのかはわからない。ただ、ノートパソコンを開き、どこの誰ともわからない海外の若者たちとピーチクパーチク話しているのを眺めたことがある。
彼は、若者たちにビゴーニョと呼ばれていた。もちろん本当のところはわからない。でも、ビゴーニョと言われると、彼は返事をしていたような気がする。
ちなみに彼がなぜ外国語を話せるのか。それは祖父も知らなかった。
ある夜、私は両親とケンカをして家を飛び出した。そのケンカは学業と将来に関することだったが、今となっては些細なことだった。
それでも、その夜の私は、むしゃくしゃしながら、無意識に彼の小屋の方へと歩いていた。大きな足音が鳴っていたと思う。
小屋に繋がる一本道を歩いていると、小屋の前に彼が立っていた。椅子にも座らず、本も読まず、ノートパソコンも開いていなかった。
「おじいちゃんから、孫娘が家を飛び出たと電話があったぞ」
「伝達が早いね」
私はため息を吐いた。
「そりゃ、たいそう可愛がっているからな」
「どうも」
「どうする? 今夜は小屋にテントでも建てて寝るか?」
「野宿は危険だよね」
「そうだな。でも、ここは安全だ」と彼は無い小指を見せた。「元ヤクザがいるからな」
「ビゴーニョ」
「なんだ?」
「なんで、ビゴーニョって呼ばれているの?」
「なんだ、いきなり」
「気になって。なんか、いきなり思い出した」
「外国の若者がそう呼びだしたからだよ。あいつらのおじいさんが、俺にそっくりらしい。嘘みたいだよな。こんな東洋人と」
「そのおじいさんの名前がビゴーニョなの?」
「さあ。名前か、地名か、あだ名か。聞いていない。でも、そのおじいさんと俺は共通点があるらしい。赤い小屋を持っているってね。ただし、おじいさんは広い土地を持っていて、裕福で、大恋愛を経て美人の奥さんをもらって、子どもと孫がたくさんいて、酒飲みで、卵料理が好きで、本は読まず、車の運転をよくして、夏になるとパーティをひらく。そして、死んだらしい。小指をきちんと、つけたまま」
「ふうん」
「大往生だな。幸せの中で死んだみたいだ。そして、あいつらはおじいさんを懐かしんで、たまに俺に連絡してくる」
「なんで外国の言葉話せるの?」
彼はううんと喉を鳴らした。
「小屋に入ろう」
彼は私にパイプ椅子を出し、彼自身はいつものチェアに座った。映画監督へのインタビューのようだと、なんとなく思った。
「彼女は俺の最初のお客さんで」と、私が促す前に彼は話し始めた。「海外のお嬢さんだった」
「お嬢さん?」
「裕福な家庭で育っていた。十九歳か二十歳くらいで、俺もそのくらいだった。彼女は籐椅子、つまりラタンチェアを所望していた。あの植物の茎や皮で編まれたような椅子だよ。あれを欲しがっていて、俺がタイから仕入れた。それから、コーヒーカップや、枕や、人形やらを彼女のために仕入れた。彼女はとてもカジュアルで、分け隔てなく、東洋人の俺とも仲良くしてくれた。外国語も教えてくれた。俺たちは友だちとして仲良くなり、いつしかお互いを好きになった。そして、誰もがそうするように付き合い、別れた。この数年間は夢のようだった。俺たちは旅行に行き、ケンカをして、仲直りをした。一生分。彼女は別の男と結婚した。させられたとか、自分の意思ではないとか、そういうのはどうでもいい。とにかく、結婚した。そして、母国へと帰った。便りも、風の噂さえなく、彼女は俺の中で生きて、同時に死んだ。葬式はしなかった。俺もすでに過去という墓の中にいたから、できなかった。生者が思い出の中に死者を生かすみたいなことも、できない。今も死んでいる。天国で、みんなを見守っているみたいに体だけがここにあるだけだ」
「他の人と結婚しようと思わなかったの?」
「今日はやけに人に質問するな。いつもは自分の話ばかりするのに」
「死者と話す機会は、そうそうないでしょ?」
彼は笑った。
「結婚する機会はあった。でも、しなかった。俺は死んでたから、誰かと生きることはできなかった」
「彼女は、誰かと結婚したのに?」
「そうだよ」彼はそう言って、立ち上がった。「お前が来ていると、電話してくる」
彼がいなくなると、小屋はしんとした。埃も塵も黙っていた。
私は彼のことを考え、彼の恋と失恋ついて考えた。彼は失恋を病のように引きずっている。でも、同時に永遠に恋をしている。成就しない恋を。
テーブルに置いていたノートパソコンは、電源が点いたままだった。マウスに手が当たると、ディスプレイが光った。同時に着信を知らせるマークが出てきた。
知らない、読めないアルファベットの羅列と、二十歳そこそこの若い男の顔が出てきた。
やつらだ。
私は、そう思い、彼らの応答に応えた。
「ビゴーニョ!」
アルコールが入っているだろうグラスを見せつけ騒ぐ、彼らが映った。若い男女が顔を赤らめて手を振っている。
「ビゴーニョ」と一人が言って、何かを付け足した。私には何を言っているか、少しもわからなかった。
だから、私は言った。
「ビゴーニョイズデッド! デッド! デッド! デッド!」
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