オオカミ少年 〜嘘つきの少年、村を守るために狼と戦ってたら最強になっていた模様〜

tanahiro2010

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第一章

初心者による初心者のための初心者の建築②

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「…………できた」

 見よ、このカモフラージュを。
 見よ、この木でできたモダンな内装を。
 見よ、一日でこれを作り上げた僕の努力を!!

 ――ほりほりぺたぺたと日が暮れるまで繰り返すこと、はや二日。
 僕は、夢のマイホームを作り上げることができた。

 というのも、一昨日の最後に狼の魔物さんを殴殺しまくったのが功をなしたのか、僕の【念動力】の操作能力が上昇したおかげで、エネルギー効率は変わらないものの前よりも精密な操作を可能にしたのだ。
 そのおかげで、我が夢の地下マイホームの建造に能力が大いに役立ってくれた。
 ちょっとふざけて彫刻みたいなのを作ったり意味深な象形文字も彫り込んだせいか、ちょっと古代遺跡風の雰囲気さえ出始めている。

 ちなみに、能力の上昇に関しては感覚的には自分の器用さが上がった感じかな。
 残念ながら能力以外の器用さは特に変わっていないし、能力における精密度的なパラメーターが上昇した感じだと思う。あくまで体感だけどね。

 でもやっぱり、普通の器用さも上がってほしかったなと思う。
 元からいたずらとか嘘の裏付けとかするにあたって器用さが必要な作業は繰り返してきてたから僕はもともと器用なんだけども……それでもさ、最近普通に生活するのが大変になってきたなと感じることが多くなってきているんだもの。

 これまでの器用さがそこそこ高かったら何とかなっているものの、このままいけば多分何かを持つだけでなんでもかんでも握りつぶしてしまうような筋肉バカになってしまう。見た目はショタの怪力男……あっ、ちょっといいかも。
 ……見る分にはいいしロールプレイする分にもいいけど、やっぱり力の制御はできるようになっとかないとな。

 狼さんの直接的討伐、これからはちょっと控えよう。



「はあ、夢のマイホーム。そして見なくてもわかる、後ろからの侵入者」

 じりじりと感じる熱気。ふーふーと聞こえる息遣い。
 うん……狼さん再来かな? どうしてこう、控えようと決意した瞬間に入ってくるかな? 僕ちゃんと戸締りしてたと思うんだけど。

 ――しかし、そんな現実逃避が意味をなすこともなく。

「――グアアッ!」

「で、できれば家の中で暴れないでほしいねぇ……ッ!」

 狼さんは僕に向かってとびかかってきた。

 最近ノリで覚えた足さばきを活用し、くるりと一回転。Oh, 目の前には狼さんの凛々しい顔が。もちろん躊躇することなく拳を叩き込み、狼さんはノックバック。
 うん、痛い。狼さんめ、僕の拳をやけどさせやがって。許さない。


「グルルルル……」

 許さないとは言ったものの、控えようと思った直後に直接手を下すのは僕的にはやりたくない。……よし、を使ってみよう。


「ほら、早く来なよ。僕が頑張って作った仕掛けの餌食にしてあげる」

 狼さんに理解できるとは思わないものの、にやりと笑いながら挑発を一回。おっとびっくり、狼さんは怒った表情になってしまった。
 理解できてるの? 人間の言葉。まあ、今はそんなことどうでもいいんだけどね。

「――グルア……ッ!」

 真正面から堂々と飛び掛かってきた狼さんの首根っこを掴み、軽いやけどをしながらも空中に放り投げる放り投げる。
 落ちてくるまでの一瞬の間に指をこすりつけ、指パッチンを一回。ちなみにこの動作に意味はない。

 【念動力】を発動し、近くに放置していたラスト一本の丸太を空中の狼さんに向けて射出。
 吹っ飛ぶ方向はもちろん、石造りの牢獄エリアへ。

 これを作るのが一番大変だったんだよね……ある一定以上の重量を感知したら自動で屋根が下りてくるようにしたんだ。自動処刑装置とか、そんな感じのサムシング。
 これを使うにあたっての一番のポイントは、この一定の重量のところに僕はカウントされないこと。悲しいかな、これまで何もろくなものを食べてこなかったせいで、僕はとっても背が低いのだ。ついでに童顔。
 ともかく、この僕の現状から体重なんてたかが知れている。図って、僕の重さじゃ動かないようにからくりを頑張って仕組んだのだ。これを作るのに一日かかったのは立派な秘密である。


 ――狼さんが、牢獄エリアの地面に着地する。

「じゃ、さよなら」

 僕の最高傑作の実験、手伝っておくれよ――と、そんな言葉を残しながら、僕は処刑装置を起動した。



 ◆ ◆ ◆



「なあ、最近〝名無し〟見なくね?」

「なんだこのデジャブ」

 ――村の畑にて、二人の青年が農作業をしながら話していた。

「いや、いいわ。もう一切デジャブについては言及しないとして、俺一昨日名無しみたぞ?」

「え、まじ? あいついたの? てっきりまた森の近くで死にかけてるんじゃないかと思ったんだけど」

「んな縁起の悪いこと言うんじゃねぇ!」

「おぉ……前の態度とは大違い。これが……か!」

「バカなこと言ってるとぶん殴るぞ」

「はいすみませんでした」

 〝名無し〟——彼が初めて狼の魔物を倒したとき、彼は長期間気絶していた。
 この二人の青年は、その名無しが倒れているのを見つけた、あの二人である。

 普通ならすることのないようなけがを森の近くでしている名無しを発見した故に、二人は名無しに関して少しづつ興味を持ち始めていた。

「でもなぁ……あいつ、いろいろと怖いしな」

「どしたんいきなり」

「ほら、あいつ俺の家の倉庫から勝手にスコップ盗み出していったんだよ」

「えぇ……なんでそれ知ってながら見逃してるんや………」

「いや、俺らじゃ到底追いつけない速度で俺の倉庫から爆走していったし……それくらいいまさらかなって」

「何それ怖い」

 この二人の青年は、村の中でも名無しに対する対応がことで知れている。
 先ほど言った通り名無しのけがを見つけ、興味を持ったことが理由なのだが、もちろん名無しを嫌というほど嫌っている村の人々がそれをしることはない。

 故に、二人は普通の村人ならば激怒して名無しを追いかけまわそうとするような——今だったら貴重なスコップを盗まれたような——被害を受けても、怒ることはない。

「怒りはしねぇよ? もう今更だし、そこまであいつに恨みもねぇし」

「おんそうだな。俺もあきれるだけで終わる自信はある」

「だけどさ、俺一応は被害者なんだ。——使?」

 にやりと、スコップを盗まれた方の青年——カースが笑う。

「……お前、最高だな」

 対し、特に何も盗まれてない青年——シス・コーンは、カースと拳を突き合せた。

「「――それじゃ、あいつ名無し探すか」」

 そうして、二人は村長直々に命令された農作業を放り出して、名無し探索へ向かうんだった。


 ―――名無しの罠に落ちるまで、あと少し。



あとがき――――
3000文字……ぎりいかなかった。
めっちゃ無念。だけど僕は今から勉強するんで赦してください。
今のままだと成績が死ぬんです。勉強してもやばいっていうのに。
中間テストの復活を僕は願います。

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