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その48
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「こっちよ!」
子供達を連れて礼拝堂を出たミリアは一先ずとして外庭を目指す、出来れば町まで送り届けてあげたいが、さすがにそこまでの余裕はない。彼女の記憶が確かならば外には庭師の小屋があった筈である。朝までそこに匿うつもりだった。
「皆、真っ直ぐ前だけを見て! もし、何かを踏んでも気にしないで!」
先頭に立って城内を進むミリアはレッサーバンパイアの亡骸に発見する度に子供達を励ます。状況的にサージが倒したのだろうが、斬り倒された死体がそこら中に転がっている様はなかなか凄惨な状況だ。彼女はランプの角度や位置を意識しなければならなかった。
もっとも、先にサージが城内の敵を倒してくれていたのは、ありがたいことでもあった。何しろ、子供達を庇っての戦いはミリアにとっても難しい試練となるからだ。
「なんとか、ここまで来られたわね・・・?!」
それまで戦闘を避けて外庭まで出たミリア達だったが、ここに来て慌ただしい音を耳にする。気配からして自分達に押し寄せようとしているのでなく、別の場所で複数の勢力が争っているようだった。
「皆、朝まであの小屋の中に隠れていて! 朝までは絶対に出ちゃ駄目よ!」
目的地の小屋を前にミリアは子供達に素早く指示を与える。確証はなかったが騒音の正体は、ジェダの支配から逃れようとしている別のグループが眷属に見つかって咎められている音だろう。放っておけば全滅してしまう恐れがある。救出に向わねばならなった。
「「「ええ!!」」」
「他の誰かが襲われているの! 助けに行かないと! 君! 皆を連れて行って!」
それまで頼りにしていたミリアと別れることに子供達は驚きの悲鳴を上げるが、彼女は精一杯の説明を施しながら一番の年長者と思われる少年に皆を託す。
「わ、わかりました!!」
「頼んだわ!」
理解を示す少年に笑顔で答えると、ミリアはその場から突風の如く駆け出した。
子供達と別れたミリアは〝錬体術〟を駆使して騒音の源と思われる正門を目指す。中庭からますます離れるが、今はやむを得ない事態だと自分に言い聞かせる。サージなら今しばらく耐えてくれると信じるしかない。
そんな悲痛の思いを胸に角を曲がったところで、彼女の瞳に三体の眷属を相手に防戦を繰り広げる二人組の姿が映る。彼らの背後にはそれまでのミリアと同じように、大人を含んだ多数の人影が子羊のように群がっていることから、やはり城から脱出しようとした所を襲われたようだった。
「彼らは?! いや、彼女達は! うおおお!!」
更に接近し子供達を庇いながら戦う二人組の正体を看破したミリアは雄叫びを上げる。その二人は〝スレイヤー・ギルド〟仲間であるローザとリーザだったからだ。
彼女達の無事は既にサージから知らされていたが、今は数で上回る敵に苦戦しているのが見て取れる。このまま一気に自分の参戦によって現状を打破するつもりなのだ。
突然湧き上がった雄叫びに、対立する両陣営は一瞬動きを鈍らせる。ミリアはその隙を突くように、最も手前にいた敵に飛び蹴りを放つ。彼女の体重と〝錬体術〟によって強化さえた速度が加わった強烈な蹴りによって標的となったバンパイアの胸骨は無残にも押し潰された。
「な! ミ、ミリア?!」
「いや、今は!!」
目の前で起った荒々しい援護が信じられないとばかりにローザとリーザは驚きの声を上げるが、今が好機と見たのだろう。揃って、銀の短剣を振るいながら残る二体の眷属目掛けて攻勢を仕掛ける。
やがて、ミリアが参戦することで数の有利が傾いたローザ達は自分達を食い止めていたジェダの配下を一気に制圧するのだった。
子供達を連れて礼拝堂を出たミリアは一先ずとして外庭を目指す、出来れば町まで送り届けてあげたいが、さすがにそこまでの余裕はない。彼女の記憶が確かならば外には庭師の小屋があった筈である。朝までそこに匿うつもりだった。
「皆、真っ直ぐ前だけを見て! もし、何かを踏んでも気にしないで!」
先頭に立って城内を進むミリアはレッサーバンパイアの亡骸に発見する度に子供達を励ます。状況的にサージが倒したのだろうが、斬り倒された死体がそこら中に転がっている様はなかなか凄惨な状況だ。彼女はランプの角度や位置を意識しなければならなかった。
もっとも、先にサージが城内の敵を倒してくれていたのは、ありがたいことでもあった。何しろ、子供達を庇っての戦いはミリアにとっても難しい試練となるからだ。
「なんとか、ここまで来られたわね・・・?!」
それまで戦闘を避けて外庭まで出たミリア達だったが、ここに来て慌ただしい音を耳にする。気配からして自分達に押し寄せようとしているのでなく、別の場所で複数の勢力が争っているようだった。
「皆、朝まであの小屋の中に隠れていて! 朝までは絶対に出ちゃ駄目よ!」
目的地の小屋を前にミリアは子供達に素早く指示を与える。確証はなかったが騒音の正体は、ジェダの支配から逃れようとしている別のグループが眷属に見つかって咎められている音だろう。放っておけば全滅してしまう恐れがある。救出に向わねばならなった。
「「「ええ!!」」」
「他の誰かが襲われているの! 助けに行かないと! 君! 皆を連れて行って!」
それまで頼りにしていたミリアと別れることに子供達は驚きの悲鳴を上げるが、彼女は精一杯の説明を施しながら一番の年長者と思われる少年に皆を託す。
「わ、わかりました!!」
「頼んだわ!」
理解を示す少年に笑顔で答えると、ミリアはその場から突風の如く駆け出した。
子供達と別れたミリアは〝錬体術〟を駆使して騒音の源と思われる正門を目指す。中庭からますます離れるが、今はやむを得ない事態だと自分に言い聞かせる。サージなら今しばらく耐えてくれると信じるしかない。
そんな悲痛の思いを胸に角を曲がったところで、彼女の瞳に三体の眷属を相手に防戦を繰り広げる二人組の姿が映る。彼らの背後にはそれまでのミリアと同じように、大人を含んだ多数の人影が子羊のように群がっていることから、やはり城から脱出しようとした所を襲われたようだった。
「彼らは?! いや、彼女達は! うおおお!!」
更に接近し子供達を庇いながら戦う二人組の正体を看破したミリアは雄叫びを上げる。その二人は〝スレイヤー・ギルド〟仲間であるローザとリーザだったからだ。
彼女達の無事は既にサージから知らされていたが、今は数で上回る敵に苦戦しているのが見て取れる。このまま一気に自分の参戦によって現状を打破するつもりなのだ。
突然湧き上がった雄叫びに、対立する両陣営は一瞬動きを鈍らせる。ミリアはその隙を突くように、最も手前にいた敵に飛び蹴りを放つ。彼女の体重と〝錬体術〟によって強化さえた速度が加わった強烈な蹴りによって標的となったバンパイアの胸骨は無残にも押し潰された。
「な! ミ、ミリア?!」
「いや、今は!!」
目の前で起った荒々しい援護が信じられないとばかりにローザとリーザは驚きの声を上げるが、今が好機と見たのだろう。揃って、銀の短剣を振るいながら残る二体の眷属目掛けて攻勢を仕掛ける。
やがて、ミリアが参戦することで数の有利が傾いたローザ達は自分達を食い止めていたジェダの配下を一気に制圧するのだった。
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