四剣VSカアク国

桂圭人

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インフェルノVSカアク国の王子バラクヴァ

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カアク国の王城外郭、広大な中庭はすでに炎の海と化していた。
焦げた芝生が黒く煙を上げ、噴水の水は蒸発して白い霧を立ち上らせる。
バラクヴァはランス「ルゲマート」を両手で構え、息を荒げながら立っていた。
王子の銀色の軽鎧は熱で歪み、肩当てが赤く焼け焦げている。
オレンジ髪が汗で額に張り付き、瞳に決意の炎が宿る。

「……貴様の炎で、この国を焼き尽くすつもりか! 父上も、母上も、妹も……絶対に守ってみせる!」

その言葉に、インフェルノ=バーンアウトが獰猛に笑う。
白髪が炎のように逆立ち、白瞳の奥で火焔が激しく踊る。
逆V型の赤金マスクから漏れる熱波が、空気を歪めてバラクヴァの視界を揺らす。
黒赤のロングコートは戦いの熱でところどころ溶けかけ、赤ボタンは全て外れて開ききっている。

「燃えろ、もっと燃えろ! 王子よ、君のその守りたい情熱……最高の燃料だぜ!」

戦いは一瞬で始まった。
バラクヴァが地面を蹴り、ランスを突き出す。


「ルゲマート、貫け!」


槍先が光を纏い、音速を超える突きがインフェルノの胸を狙う。
空気が裂ける音が響き、衝撃波が周囲の瓦礫を吹き飛ばす。
だがインフェルノは動じず、片手で《業火コア》を握り潰すように掴む。
赤金火球が瞬時に膨張し、バラクヴァの突きを正面から受け止める。
槍先が火球に飲み込まれ、金属が赤熱で溶け始める。

「ぐっ……!」

「情熱は止まらない!」

インフェルノは火球を爆発させ、バラクヴァを後方へ吹き飛ばす。
王子は空中で体勢を立て直し、着地と同時に再び突進。
ランスを回転させ、連続突きを浴びせる。
一撃一撃が空気を焼き、炎の軌跡を引く。

「はぁっ! はぁっ! まだだ……!」

インフェルノは笑いながら両手を広げ、《拡散炎網》を展開。
薄い炎の網が中庭全体を覆い、バラクヴァの動きを絡め取る。
熱は痛みではなく、じわじわと身体の芯を溶かすような甘い痺れを伴う。

「んっ……!?  何だ、この熱……!」

「もっと燃え上がれ! 君の怒り、守りたい想い……全部僕にぶつけろ!」

バラクヴァは歯を食いしばり、ランスを地面に突き立てて跳躍。
空中からインフェルノへ急降下突きを放つ。
槍先が赤く輝き、最大出力の突撃。

「これで……終わりだぁぁっ!」

だがインフェルノは白瞳を細め、低く唸る。

「アルティメット・フレア!」

精神を直接燃やす必殺の炎が、バラクヴァの脳髄を駆け巡る。
一瞬、王子の動きが止まる。
瞳が揺らぎ、守りたいという想いが、逆に自分を焼き尽くすような激情に変わる。

「う……あぁぁっ……!」

その隙を突き、インフェルノは業火コアをバラクヴァの腹に叩きつける。
赤い火球が爆発し、王子は吹き飛ばされて中庭の壁に激突。
鎧が砕け散り、ランス「ルゲマート」が手から滑り落ちる。

「はぁ……はぁ……くそっ……まだ……!」

バラクヴァは這いずりながら立ち上がろうとするが、足が震えて力が入らない。
インフェルノがゆっくり歩み寄り、熱波を纏った足で王子の胸を踏みつける。

「燃えたな、王子。君の情熱……僕の炎をさらに強くしたぜ」

バラクヴァは血を吐きながら、睨み上げる。

「……次は……僕が……君を……焼き尽くす……!」

インフェルノの白瞳が、嬉しそうにさらに激しく燃え上がった。

「そいつぁ……最高の燃料だ。待ってるぜ、次はもっと激しく燃えろよ!」

炎の残り香が中庭に漂い、王城の空を赤く染め上げた。
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