Black Road liberation

桂圭人

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最終章 契約なき者の自由

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荒野を照らす朝陽がゆっくりと昇り、冷たく乾いた風が砂の上を撫でていく。  
ディアン・モードは、黒い路の中央に立ち止まり、深く息を吸い込んだ。

「契約はもう、ない──」  
それは確かに、終わりの言葉だった。  
だが同時に、新たな始まりの宣言でもある。

かつての仲間たちとの記憶、それぞれの契約の重さは彼の背中を押し、足を縛った。  
しかし今、その重りは星々の光となって胸に輝いている。縛るものではなく、道しるべとして。

誰にも縛られず、誰かと隣り合い、自由に生きる。  
それは矛盾のようでいて、彼が辿り着いた唯一の真実だった。

ディアンはバイクのハンドルを握り、風を切り裂いて走り出す。  
彼の背中に、自由の旗がひるがえり、砂塵はまるで祝福の舞いのように舞い上がった。

荒廃した世界の果て。  
そこにあるのは、絆と記憶が織り成す新しい自由の物語の始まりだった。

「誰も縛れない、この道を……俺は走り続ける」

風は彼の言葉に答え、荒野の空へと無限に続く黒い路を祝福した。
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