43 / 46
アライアス
姪が王女だった。それにしても貴族が多すぎる。
しおりを挟む
とんでもないことがわかった。
姪のローズマリーはローズマリー王女だった。
なんで、姉と一緒に里帰りしているんだろう?
王女って、そんなに簡単に王宮から出られないものだよね?!
なんでもないことのように言ったイオン卿が怖い。
だって、イオン卿も姉とローズマリー王女が一カ月近くこの館に滞在しているのを知っているんだよ?
王女が母親と一緒に一ヵ月も母親の実家にいるっておかしいよね?
そこを気にしていなさそうなイオン卿がすごすぎて怖い。
「そんなあっさり言っちゃっていいんですか?」
「『そのように言ってしまっていいのかしら?』」
思い出したように訂正しなくていいよ、イオン卿。
「今はそんなことじゃなくて、ローズマリーが王女だってことをなんで今まで言ってくれなかったんですか?」
「お姉様から聞いていなかったのですか?」
イオン卿は質問に質問で返してきた。
「姉は嫁ぎ先がどこか教えてくれないんです」
何か思い当たることがあるのか、イオン卿は頷きながら言う。
「そうですか。もしかしたら、お姉様にとってあそこは思い出したくない場所なのかもしれませんね」
「どういうことですか?」
「お姉様が教えてくださるまで待ったほうがいいということです。ですが、ローズマリー王女が毎日王宮に通っているのはご存じだったでしょう?」
「ローズマリーは父親の家に勉強しに行っているとしか聞いていません」
父親の家に行っているローズマリーの帰宅が遅くなって、お茶会の終わりのほうになってしまうのは王宮だからなのか。
姉が知人を送り出すのと入れ替わるようにローズマリーはお茶会の席に着く。だから、姉たちとのお茶会は前半は姉とその知人。後半はローズマリーと二人だけのお茶会になる。
「ああ、なるほど。送り迎えの者が近衛騎士だということには気付きましたか?」
近衛騎士?!
そんなの知らないよ。誰かに教えてもらわないとわかるわけない。
こっちは生まれてからこの館を出たのが2回だけ(攫われた時は意識がなかったから別)なんだよ?
騎士だって市場に連れて行ってもらった時に見かけたような気がする程度なのに、近衛騎士を見分けろって無理だよ。
貴族って、そんなこともわからないといけないの?
「近衛騎士ですか?! 知りませんでした・・・」
私はシュンと項垂れた。
私は貴族としては物を知らなすぎて、家庭教師のミス・アーネットは貴族じゃないから貴族の詳しいことはわからない。お茶会で話してもらう内容から学んでいくしかないのが現状だ。
イオン卿もそれがわかっているからか、私を安心させるように笑顔を浮かべる。
「まあ、これからそれをおぼえていくのですから、仕方ありませんか」
「はい・・・」
「ローゼンバーグ侯爵令嬢以外に呼びたい令嬢はいますか?」
「じゃ、じゃあ・・・。おっとりラモーナと、グリゼルダとじゃじゃ馬イモジェン。それにアグネス。アグネスは頭が良いの」
私がまだ10歳であるように、他の不憫系悪役令嬢も10~12歳。巨乳とか社交界の華とか、才女なんて単語とはまだ無縁だろうから使えない。10歳で才女はないよ。12歳でも、外見が大人じゃないと無理だ。
「家名は?」
兄妹そろってゲームに登場してくる私やローゼンバーグ侯爵令嬢は家名までおぼえているけど、それ以外の令嬢の家名はおぼえていない。
爵位すらおぼえていない。
貴族の通う学校に通っているから、貴族なんだろうけど。
「・・・わからない」
イオン卿は大きな溜め息を吐いた。
「レディ・リーンネット。この国に貴族の家がいくつあるかご存知でしょうか?」
「えー・・・、30くらい?」
その質問にベッケンバウアー公爵の家に我が家、ウォルトの家、他の不憫系悪役令嬢5人の家と攻略対象の家、本物のシルヴィアの家ぐらいしか知らない私は倍より多いきりの良い数を言ってみた。
「高位貴族だけもそれ以上はいます。傍系まで含めれば貴族とその令息令嬢の数はざっと数千人」
「すうせんにん?!」
驚きのあまり変な声が出た。
貴族が数千人もいる?!
そんなに貴族の人数が必要だとは思えなかった。
宰相はウォルトのお父さんがしているし、フレイのお父さんも軍で働いているし、あとは彼らの部下ぐらいだから、数千人もいらないと思う。
貴族の数が多いこの国が大丈夫なのか心配になって来る。
だけど、イオン卿の言う数千人は全員が男性じゃない筈だ。令嬢のことを話しているんだから、半分は女性じゃないとおかしい。
親にも兄弟がいて、その兄弟には妻がいて、その夫婦にも子どもがいる。
娘は嫁に行くからと考えないとしても、親世代で子どもは2人以上。それに親世代にそれぞれ妻を1人づつ。親世代の数だけ子どもが2人以上いたら、二代でその一家は8人。
二代までしか数えないのは、貴族というのは血筋で決まるもので、祖父まで爵位を持っている場合はその孫は貴族とは数えないから。父親が爵位を継承する長男じゃないかぎり、子どもは中流階級(知識階級)の庶民として扱われる。ただし、誰々の孫、誰それの姪甥・従兄弟として上流階級の催しに参加することが許される程度だ。
話を戻すけど、貴族と呼べるのは一家で二代までと考えて8人。
数千人を2千人と考えたら、親子二代8人で考えたら250の貴族の家があることになる。
祖父母のうち、片方でも生き残っていたら、親子三代9人で貴族の家が220。
その家族に未婚の娘が一人いると考えたら200になる。
そんなことを考えていて、私の家族を思い出したら姉が3人に兄が1人に私だから、考えてみたら子どもの多い家だと思った。
つまり、ウォルトのお父さんやフレイのお父さんの部下になれるのは親世代の男性400人くらいだから・・・それでも多いか。
「レディ・リーンネットと同じ年頃の令嬢というだけでも100人もいるんですよ。それを家名なしで名前だけで探せというのは――」
数千人の貴族がいたら、私と同じ年頃の令嬢もかなりいることになる。
それを名前だけで探そうとしたら、それは非常に困難だ。
おとぎ話で舞踏会で忘れ物だった靴に会う令嬢を探した王子様の話でも、忘れ物をした令嬢は使用人として働かされていて、継母に「この家の娘はここにいる自分の娘しかいない」と言われたようなことをされるかもしれないし。
「――無理な話です」
イオン卿が言いたいことはわかったので、そう答えるしかなかった。
せっかく、ウォルトに頼もうと思ったのに、イオン卿ですら大変だと言われてしまったものを探させてまでさせるわけにもいかない。
学校に通うまで、ローゼンバーグ侯爵令嬢以外とは接触できないか・・・。
唯一接触できるローゼンバーグ侯爵令嬢も、私がマナーを身に付けるまでお茶会に呼ぶことも呼ばれることもできないし、どうしよう?
「そうですね。親戚の中から何人か来てもらいますから、それでローゼンバーグ侯爵令嬢が参加されるお茶会に行けるようになりましょう」
ローゼンバーグ侯爵令嬢が参加するお茶会に行けるようにって言う、イオン卿の意図がわからなかった。
「なんでそのお茶会に?」
「そこで知り合いになれれば、個人的なお茶会に呼ばれる可能性もあるでしょう?」
「ああっ! それだっ!」
個人的に招かれたお茶会でローゼンバーグ侯爵令嬢と話して、ヤンデレをシスコンに戻す方法とか、偽シルヴィアの対策がとれるようになるかもしれない。
「『そうですね』」
ローゼンバーグ侯爵令嬢とだけでも会えるようになるとわかってテンションの上がった私に、言葉遣いを直すイオン卿の一言がかけられた。
――――――――――
※注意書き
リーンネットは館の外の世界について多くは知りません。
前世ですらテレビの中にあったものぐらいしか知らないので、社会構造についてほぼわかっていません。
貴族についてもその役割はウォルトの愚痴や姉の開くお茶会でしか知りませんので、ここで補足をします。
貴族は文官や騎士などになって仕事をしています。これはリーンネットもウォルトのお父さんやフレイのお父さんの部下として認知していますが、現代では省庁、都道府県庁、市町村の役所、警察、自衛隊のような仕事です。
これらの仕事は数千人の貴族だけではやりきれないので、中流階級(裕福な商人、弁護士、医者、学者、宗教家、銀行家、役人)の家に生まれた庶民もやっていることがあります。
姪のローズマリーはローズマリー王女だった。
なんで、姉と一緒に里帰りしているんだろう?
王女って、そんなに簡単に王宮から出られないものだよね?!
なんでもないことのように言ったイオン卿が怖い。
だって、イオン卿も姉とローズマリー王女が一カ月近くこの館に滞在しているのを知っているんだよ?
王女が母親と一緒に一ヵ月も母親の実家にいるっておかしいよね?
そこを気にしていなさそうなイオン卿がすごすぎて怖い。
「そんなあっさり言っちゃっていいんですか?」
「『そのように言ってしまっていいのかしら?』」
思い出したように訂正しなくていいよ、イオン卿。
「今はそんなことじゃなくて、ローズマリーが王女だってことをなんで今まで言ってくれなかったんですか?」
「お姉様から聞いていなかったのですか?」
イオン卿は質問に質問で返してきた。
「姉は嫁ぎ先がどこか教えてくれないんです」
何か思い当たることがあるのか、イオン卿は頷きながら言う。
「そうですか。もしかしたら、お姉様にとってあそこは思い出したくない場所なのかもしれませんね」
「どういうことですか?」
「お姉様が教えてくださるまで待ったほうがいいということです。ですが、ローズマリー王女が毎日王宮に通っているのはご存じだったでしょう?」
「ローズマリーは父親の家に勉強しに行っているとしか聞いていません」
父親の家に行っているローズマリーの帰宅が遅くなって、お茶会の終わりのほうになってしまうのは王宮だからなのか。
姉が知人を送り出すのと入れ替わるようにローズマリーはお茶会の席に着く。だから、姉たちとのお茶会は前半は姉とその知人。後半はローズマリーと二人だけのお茶会になる。
「ああ、なるほど。送り迎えの者が近衛騎士だということには気付きましたか?」
近衛騎士?!
そんなの知らないよ。誰かに教えてもらわないとわかるわけない。
こっちは生まれてからこの館を出たのが2回だけ(攫われた時は意識がなかったから別)なんだよ?
騎士だって市場に連れて行ってもらった時に見かけたような気がする程度なのに、近衛騎士を見分けろって無理だよ。
貴族って、そんなこともわからないといけないの?
「近衛騎士ですか?! 知りませんでした・・・」
私はシュンと項垂れた。
私は貴族としては物を知らなすぎて、家庭教師のミス・アーネットは貴族じゃないから貴族の詳しいことはわからない。お茶会で話してもらう内容から学んでいくしかないのが現状だ。
イオン卿もそれがわかっているからか、私を安心させるように笑顔を浮かべる。
「まあ、これからそれをおぼえていくのですから、仕方ありませんか」
「はい・・・」
「ローゼンバーグ侯爵令嬢以外に呼びたい令嬢はいますか?」
「じゃ、じゃあ・・・。おっとりラモーナと、グリゼルダとじゃじゃ馬イモジェン。それにアグネス。アグネスは頭が良いの」
私がまだ10歳であるように、他の不憫系悪役令嬢も10~12歳。巨乳とか社交界の華とか、才女なんて単語とはまだ無縁だろうから使えない。10歳で才女はないよ。12歳でも、外見が大人じゃないと無理だ。
「家名は?」
兄妹そろってゲームに登場してくる私やローゼンバーグ侯爵令嬢は家名までおぼえているけど、それ以外の令嬢の家名はおぼえていない。
爵位すらおぼえていない。
貴族の通う学校に通っているから、貴族なんだろうけど。
「・・・わからない」
イオン卿は大きな溜め息を吐いた。
「レディ・リーンネット。この国に貴族の家がいくつあるかご存知でしょうか?」
「えー・・・、30くらい?」
その質問にベッケンバウアー公爵の家に我が家、ウォルトの家、他の不憫系悪役令嬢5人の家と攻略対象の家、本物のシルヴィアの家ぐらいしか知らない私は倍より多いきりの良い数を言ってみた。
「高位貴族だけもそれ以上はいます。傍系まで含めれば貴族とその令息令嬢の数はざっと数千人」
「すうせんにん?!」
驚きのあまり変な声が出た。
貴族が数千人もいる?!
そんなに貴族の人数が必要だとは思えなかった。
宰相はウォルトのお父さんがしているし、フレイのお父さんも軍で働いているし、あとは彼らの部下ぐらいだから、数千人もいらないと思う。
貴族の数が多いこの国が大丈夫なのか心配になって来る。
だけど、イオン卿の言う数千人は全員が男性じゃない筈だ。令嬢のことを話しているんだから、半分は女性じゃないとおかしい。
親にも兄弟がいて、その兄弟には妻がいて、その夫婦にも子どもがいる。
娘は嫁に行くからと考えないとしても、親世代で子どもは2人以上。それに親世代にそれぞれ妻を1人づつ。親世代の数だけ子どもが2人以上いたら、二代でその一家は8人。
二代までしか数えないのは、貴族というのは血筋で決まるもので、祖父まで爵位を持っている場合はその孫は貴族とは数えないから。父親が爵位を継承する長男じゃないかぎり、子どもは中流階級(知識階級)の庶民として扱われる。ただし、誰々の孫、誰それの姪甥・従兄弟として上流階級の催しに参加することが許される程度だ。
話を戻すけど、貴族と呼べるのは一家で二代までと考えて8人。
数千人を2千人と考えたら、親子二代8人で考えたら250の貴族の家があることになる。
祖父母のうち、片方でも生き残っていたら、親子三代9人で貴族の家が220。
その家族に未婚の娘が一人いると考えたら200になる。
そんなことを考えていて、私の家族を思い出したら姉が3人に兄が1人に私だから、考えてみたら子どもの多い家だと思った。
つまり、ウォルトのお父さんやフレイのお父さんの部下になれるのは親世代の男性400人くらいだから・・・それでも多いか。
「レディ・リーンネットと同じ年頃の令嬢というだけでも100人もいるんですよ。それを家名なしで名前だけで探せというのは――」
数千人の貴族がいたら、私と同じ年頃の令嬢もかなりいることになる。
それを名前だけで探そうとしたら、それは非常に困難だ。
おとぎ話で舞踏会で忘れ物だった靴に会う令嬢を探した王子様の話でも、忘れ物をした令嬢は使用人として働かされていて、継母に「この家の娘はここにいる自分の娘しかいない」と言われたようなことをされるかもしれないし。
「――無理な話です」
イオン卿が言いたいことはわかったので、そう答えるしかなかった。
せっかく、ウォルトに頼もうと思ったのに、イオン卿ですら大変だと言われてしまったものを探させてまでさせるわけにもいかない。
学校に通うまで、ローゼンバーグ侯爵令嬢以外とは接触できないか・・・。
唯一接触できるローゼンバーグ侯爵令嬢も、私がマナーを身に付けるまでお茶会に呼ぶことも呼ばれることもできないし、どうしよう?
「そうですね。親戚の中から何人か来てもらいますから、それでローゼンバーグ侯爵令嬢が参加されるお茶会に行けるようになりましょう」
ローゼンバーグ侯爵令嬢が参加するお茶会に行けるようにって言う、イオン卿の意図がわからなかった。
「なんでそのお茶会に?」
「そこで知り合いになれれば、個人的なお茶会に呼ばれる可能性もあるでしょう?」
「ああっ! それだっ!」
個人的に招かれたお茶会でローゼンバーグ侯爵令嬢と話して、ヤンデレをシスコンに戻す方法とか、偽シルヴィアの対策がとれるようになるかもしれない。
「『そうですね』」
ローゼンバーグ侯爵令嬢とだけでも会えるようになるとわかってテンションの上がった私に、言葉遣いを直すイオン卿の一言がかけられた。
――――――――――
※注意書き
リーンネットは館の外の世界について多くは知りません。
前世ですらテレビの中にあったものぐらいしか知らないので、社会構造についてほぼわかっていません。
貴族についてもその役割はウォルトの愚痴や姉の開くお茶会でしか知りませんので、ここで補足をします。
貴族は文官や騎士などになって仕事をしています。これはリーンネットもウォルトのお父さんやフレイのお父さんの部下として認知していますが、現代では省庁、都道府県庁、市町村の役所、警察、自衛隊のような仕事です。
これらの仕事は数千人の貴族だけではやりきれないので、中流階級(裕福な商人、弁護士、医者、学者、宗教家、銀行家、役人)の家に生まれた庶民もやっていることがあります。
11
あなたにおすすめの小説
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
さよなら初恋。私をふったあなたが、後悔するまで
ミカン♬
恋愛
2025.10.11ホットランキング1位になりました。夢のようでとても嬉しいです!
読んでくださって、本当にありがとうございました😊
前世の記憶を持つオーレリアは可愛いものが大好き。
婚約者(内定)のメルキオは子供の頃結婚を約束した相手。彼は可愛い男の子でオーレリアの初恋の人だった。
一方メルキオの初恋の相手はオーレリアの従姉妹であるティオラ。ずっとオーレリアを悩ませる種だったのだが1年前に侯爵家の令息と婚約を果たし、オーレリアは安心していたのだが……
ティオラは婚約を解消されて、再びオーレリア達の仲に割り込んできた。
★補足:ティオラは王都の学園に通うため、祖父が預かっている孫。養子ではありません。
★補足:全ての嫡出子が爵位を受け継ぎ、次男でも爵位を名乗れる、緩い世界です。
2万字程度。なろう様にも投稿しています。
オーレリア・マイケント 伯爵令嬢(ヒロイン)
レイン・ダーナン 男爵令嬢(親友)
ティオラ (ヒロインの従姉妹)
メルキオ・サーカズ 伯爵令息(ヒロインの恋人)
マーキス・ガルシオ 侯爵令息(ティオラの元婚約者)
ジークス・ガルシオ 侯爵令息(マーキスの兄)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる