幸せを見付けたので、お姉様に婚約者を差し上げます。

プラネットプラント

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ミラー夫人

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 コンコン。扉をノックする音で我に返った。
 閉じられた扉に寄りかかって立っているブライアンがいた。わたしが泣いている間に入ったんだろう。

 泣いているの、見られた?!

 パニックを起こしかけたわたしを庇うようにミラー夫人が言う。

「ブライアン。そっとして上げるデリカシーくらいないの?」
「充分、待ったろ。こっちは客も待たせているんだ。泣き疲れて寝ちまって無駄足運ばせたなんかさせられねーだろ」

 え?

 ブライアンはミラー夫人に対しても口が悪かった。わたしにはそれが信じられない。
 今まで、ブライアンは年齢が近いわたしだから、口が悪いと思っていた。
 でも、それは母親であるミラー夫人に対しても同じだったらしい。

 ブライアンが親し気に話しかけてくるせいか、わたしと親しいように見えるけど、話をした回数は多くない。ダンスカードの不都合やフェルナンドの代わりに話しかけてくれていただけだ。それでも、フェルナンドより話した会話が多い。
 親しく付き合っているように見えたのも、初めから口が悪くて、そのほうが楽なのだと言われて、受け入れていただけなのだ。

「会わせる為だけにクリフトン卿と約束したわけではないでしょう」
「そりゃ、そーだけどよー・・・」
「だったら、アリス嬢が眠ってしまっても、無駄足にはならないでしょう」
「そーゆー問題じゃないんだよ! お袋だって、わかっているだろ!」
「貴方の言いようでは、このようなことが気に障る程度の器だと言ってるようなものでなくて、ブライアン?」
「お袋も賛成しておいて、よくそんなこと言うよな! 息子を揶揄って楽しいかよ?」

 ?
 ミラー夫人も賛成?
 何をミラー夫人が賛成しているんだろう?

「楽しいわよ。すぐに家を抜け出して場末の酒場に遊びに行く息子を揶揄えるのだもの。楽しくないはずがなくてよ」

 詳しいことを言わず、ミラー夫人はブライアンを揶揄った。
 ミラー夫人とは社交で一緒になることが多くても、ブライアンほど親しく話したことはないから、ミラー夫人の性格はよくわからない。優しい人、という印象だ。

「お袋!!」
「揶揄われたくないのなら、お母様と呼びなさい。母上でも構わなくてよ。それ以外は求めないから感謝なさい」

 わたしに優しい二人だが、親子の間には色々あるらしい。砕けすぎていると思ったブライアンの口調にミラー夫人も何か思うところがあったみたいだ。

「・・・わかったよ、

 ミラー夫人とブライアンの遣り取りをしている間にわたしは涙を拭って、髪を撫で付けて直した。始めは呆気に取られたものの、二人の意識は互いに向けられていて、わたしに目を向けられることもなかった。
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