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[航海へ]
9話
しおりを挟むサーシェが
「ここの海域は波は穏やか眺めは素敵ねー。」
「う~ん!なんとも気分のよい潮風ですねぇ。」
甲板では 船長アリアが、 晴樹 に剣術を教えている。
「そうですねぇ!心地よい潮風が吹いてて大海原は無限に広い…」
それは実戦重視のやり方なのだ!足の運び、礼儀作法、狭い場所での武器の選択、重心の取り方、など…
他に 晴樹 は弓を貸してもらい、甲板で弓術の手解きをしてもらう‥。
《矢をつがえたら弓矢ごと頭上に持ってて、そこから腕から肩、胸筋肉すべてを‥使いな~よ!》
《視線と矢の高さを‥あわせて調整し思いっきり引き放っ!》
サーシェは静かに海を見つめながら
「はるか昔に この海を自由に冒険した人たちもいたからねぇ!」
「時の流れは、いかに壮大な建造物や夢や希望でさえも幻のように消し去ってしまう…」
晴樹は、果てしない水平線をぼーっと眺めながらつぶやき
「ほんと歴史のロマンだなぁ。」
波しぶきを巻き上げながら やがて また濃霧に包まれて果てしない海を船は帆走する!
甲板から眺める海…水平線は右舷も左舷も船首も弓なりに丸くなっている。
サーシェ
「この船をおおうエネルギー波が時間と次元の空間の軸を歪めているから…」
「きっと…そのうちに いろいろなことが起こりますよ!」
果てしない大海原の水平線が ずっと続く海。
刻々と変化していく海の夕焼け、あかね色から変化する空を染め上がる雲などがパノラマみたいだ!
甲板で舵をとる 船長アリア
《空の色と雲行きが少し重たい感じ風も少し違うなぁ…》
《向こうから時の歪みがやって来るか!時化るかも…な~》
それを聞いた晴樹
「え えっ?こんなに天気が良く凪ぎなのに海が時化るのですか?」
「ん、ん?えっと、、どうなるの…」
遥か彼方の水平線を見たサーシェ
「この帆船は狭間の海を航海してるから大丈夫!」
「だけど…まだまだ境界が曖昧かもしれない。」
サーシェは海を見ながら続けて
「ちょっと向こうは、時代の違う海の流れかなぁ。」
やがて雲行きも変わり目の前の景色が一変し帆船の左舷と右舷の海も変わりだした。
ロシータ-がその様子を眺めてて
「あれ?何かしら?左舷の少し遠くに船らしきのが 高波の波間に見えたけど?ああ、船だね!」
ブオオオッ~オオオッ~ブオオオ~ッものすごい風の声が響きて
ザザザザアァァ~ズドォ~ン♪
バキバキッバキバキと風に乗って聞こえてくる激しい風音と波しぶき。
晴樹らはその様子を見て
「お、これは 凄まじいわー!
あのような三角波ならば…ほんと怖い!」
やや遠くに 見える帆船は航海の途中に嵐にみまわれてしまい、帆も役にたたず激浪に耐えきれずに
ついに傷ついた船は…大破して
あえなく沈没してしまったのだった。
サーシェは寂しげに眺めて
「あれは、過去の出来事を繰り返して見てるだけだよ!」
「もう何百年も昔に沈んだのでしょうね!」
ただ晴樹 にとっては、その出来事は目の前での出来事ですから。
ほんの数分前に垣間見た目の前での海の現象に他ならないのでしょう。
晴樹_黙って目をとじて手を合わせてその海の向こうにお辞儀をした。
静けさと波しぶきの音が響き渡るだけ、いつの間にか、帆船から眺める空は無限に広がる星空に変わってました。
黒龍.鋼
『ほう 月明かりと星空がええのう~~ちょっと空の散歩にくり出すかの-!』
変化して巨大な蛇体をくねらせながら夜空を飛翔しゆっくり離れてゆく姿を見てた晴樹は
「も、もう、、ほんとうに自由なんだから…」
龍が飛翔する その様子を同じように見てた船長アリアたち少し顔つきが青ざめて
《う、うわっ!鋼さまは、黒龍だったのですな~ハハ~ッ(冷汗)》
《マジ背筋が一瞬 凍りましたぞ♪︎》
どうやら黒龍の鋼さまが夜空の散歩から帰ってきたみたいだ---晴樹が
「ん?ん?なんだろう!鋼さんが何か喰わえてきた?!」
黒龍.鋼が申すに
『此処に帰る途中 .通過中に 悪さする海の魔物を見つけた!』
『よくないモノじゃから--そのままには出来ぬからのぉ~ハッハッ!』
『此方にワシが喰わえてきたゾ!』
そして 首を左右に振り捨て魔物を・ポイツと投げ捨てたのだ。
『晴樹_ お主ならば、大丈夫だろうて…ほら、練習用だな!』
それにビックリした 晴樹 がかなり困り顔してから
「ムリ ムリ ムリ そんなもん、、持ってくるなぁぁ~!!」
「早く どっかに・・お願いだから
捨ててきてくれ~ぇ!」
毛むくじゃらの両手、水掻きがある、、尾びれ、があり、それは、、
口は裂けて細かい牙が沢山あった、、まさにアンコウみたいだ!
黒龍.鋼
『それは、、のう-!トモカツギっていう海の魔物だ!』
『かなり弱らせて呪縛しているから、、心配いらんぞ!ガハハハハッ』
晴樹は困った顔つきだ。
「その-ッ!名前なんて、、どうでもよいですから!
どうか早く処理してくださいませ。」
黒龍.鋼は、マジな顔つきになり
『棄てるのは容易いが、マジな話し‥このような類いを対処する方法は学ぶべきだぞ!』
しぶしぶ、晴樹は頷きして内心は
(スパルタ式かょ!この~龍!)
「ああ、マジな‥分かったょ~」
『剣を鞘から抜いて、縦五、横五、格子状に 晴樹 ‥斬りつけよ!』
『斬りつけ刃の斬撃が走りした後から直ぐ「炎」の言霊を印せ…』
『目の前に、お主に害なすモノがいる、さぁこれだ!』
晴樹 ‥真摯に剣を左側の腰辺りに構えて
「この剣は神の剣、波奈の刃の、この剣、向かう悪魔を薙ぎ祓うなり。」
フーッと 息を鎮め静かに唾を呑み込みて
「エイっ!ーやーーー-ッ!」
そして、一気呵成に斬りつける。
鞘から抜けた刀身の刃 を直ぐ鞘に戻し空間に「炎」を印す。
斬りつけた斬撃は、眩しい赤色の光り
輝く閃光を放ち‥トモカツギ(海の魔物)は、まぶしい光りと炎に包まれ消滅した。
船長アリア、拍手し、鋼が…
『まあ、上出来やな~ハッハッハッ!』
黒龍.鋼は、ニコニコして
晴樹に告げる。
『お~晴樹よ!ようやった~!』
『剣を鞘から抜いて、縦五、横五の、
格子状に ‥斬りつけた後に刃の斬撃が
走りした後から~直ぐ(炎)の一文字の
言霊を印したが…』
『あれは、一文字の漢字を加え効果を
一点に特化させるためである!』、
『しかし、一文字の漢字は特化させたい効果によって異なるぞ~ハッハッハッ』!
晴樹‥かなり真摯なおもむきで、鋼の
話しに興味深く耳を傾ける。
「おー…なるほど..なるほど-」
ロシーター、サーシェ
「疲れる感じは、もう余りないみたいだね!」
やがて、水平線に太陽が沈む!
夕焼けがキレイです。
晴樹は甲板で星空を眺めてる‥、
ほんと出会いは一期一会である。
無限に広がる星空と月明かりの海の向こうには何があるのでしょうか…
船長アリアや他の乗組員たちは、星空を肴に宴会をひらいている…。
「おー~い、、晴樹さんやー-ッ!」
「こちらに、混ざんなさいよ-!
ハハハッ-ッ!」
」
船乗りたちの賑やかな笑い声が静かな海に響く‥ある者は踊り、ある者は甲板でイビキをかいて‥寝てる。
サーシェが声をかける
「鋼さま、晴樹、ロシーター、一緒に船の艫の船長室に行こう!」
部屋の中は西洋風の丸いテーブルに椅子に 銃など、壁には古い地図が掛かっている。
テーブルには航海日誌と羽ペン。
あと小もの類が入った棚、棚の下には
薬箱。
薬品は必需品でありとても貴重である。
あと部屋の奥に、透明度の高いクリスタル質の地球儀みたいな球体が設置されている‥。
晴樹が内部を‥覗くと…まるで半透明に
透けて見える小さな地球だ!
その中央で羅針盤があって ゆっくり
回っている‥その様子を見た晴樹。
「これは?見たことない羅針盤だ!」
サーシェ
「それは‥次元航行用の座標軸が分かる羅針盤. 時空間軸羅針盤 だよ!」
晴樹‥羅針盤を真剣な眼差しで見て
「へーっ‥この羅針盤は少し使い方がわからないや…」
チーズなどバラエティに富んだ食材を
船に用意していました。
船には煮炊きのできるかまどが
あり 肉や魚、豆などを煮込んだ料理を
作ることができます。
ただし…温かい食事にありつけるのは、海が静かな時だけですが……
よく人生は航海にたとえられる。
自由な人生の海に…旅立ちを多くの人たちが何かを求めて出ていく。
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